アフリカに群がる中国・インド・日本の狙いは? 

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横浜で開かれた第4回アフリカ開発会議。5年ごとに開かれる国連や世界銀行と共催の会議である。これほど大きな会議が5年に1回開かれているということすら知らない人が多いのだという。アフリカはそれほど日本人から見れば、遠い大陸である。

しかし今年はちょっと様相が違った。かつて援助大国だった日本は、このところ財政赤字が膨らんでいることもあって、ODA(政府開発援助)を減らしてきていた。しかし今回は援助の“大盤振る舞い”だった。5年間で新規の円借款(発展途上国への円資金を融資)を2倍にするという。

倍増になったのは日本の援助だけではない。このアフリカ開発会議に参加したのは前回は23カ国だったが、今回は51カ国、参加国も倍増している。

本会議に出席していたあるNGOの人に話を聞くと、日本の一般市民の間でアフリカが「遠い国ではなくなった」という。メディアでもそうした変化を受けて、アフリカについての報道が増え、その結果、「政府も援助を増やしやすくなったのではないか」と指摘した。

中国やインドがアフリカに急接近する理由

もちろん、日本がアフリカへの支援を増やしたのは、「資源外交」の一環である。“暗黒大陸”と呼ばれて久しいアフリカだが、このところ世界の、とりわけアジアでの注目度は高い。

2年前には、北京で中国・アフリカ協力フォーラム(FOCOC)が開かれ、そこには48カ国のアフリカ諸国が参加した。このフォーラムは日本のアフリカ開発会議に対抗して中国が2000年に組織したものである。そしてこの4月にはインドがアフリカ14カ国の首脳を招いた首脳会談を行った。

中国・アフリカ協力フォーラムで、中国の胡錦濤国家主席は、それこそ大盤振る舞いをした。アフリカとの「戦略的パートナーシップ」をより確実なものにするためである。30億ドル相当の優遇融資であるとか20億ドル相当の輸出金融(海外の輸入者または外国の金融機関に対する融資)、債務の減免などである。また中国・アフリカ開発基金の設立といった計画も明らかにされている。

中国は、スーダンで石油の開発をしているが、スーダンはいまダルフール紛争を抱えている。しかしスーダンでは膨大な数の難民が発生しているため、現政権に対する国際社会からの批判は強い。このため、中国は現政権に“肩入れしている”とみなされ、中国に対する批判も強いのだ。それだけではなく、アフリカに進出する中国企業は、現地の人々を雇うよりも中国人を雇っているため、雇用にも貢献しないと非難する地元NGOもいる。

ただそれでも胡錦濤主席は3年の間に3回もアフリカを訪問している(このあたりは、日本の首相とは大違いだ)。その狙いは、原油や鉱物資源である。中国やインドがアフリカに急接近しているのは、まさに自国の経済発展を支える資源を確保しようという動きだ。

これに対して日本は、資源確保という動きも鈍かった。原油にしても輸入している原油の90%は中東であり、それで事足りていると思っていたからである。

アフリカの底辺を持ち上げることが問題

しかし四川大地震が起きて、そうも言っていられなくなったようだ。中国から買っていたレアメタルが、工場が被害を受けて当面は買えなくなっている。それに中国国内でのレアメタルの需要がこれから急増するものと見られ、その意味では日本の製造業は早晩、レアメタルの輸入先を多様化しなければならない。

今回のアフリカ開発会議が、日本政府にとっても「力の入った」ものになったのは、そうした世界情勢の変化が背景にある。

しかし単に資金や技術といった問題だけではなく、まさにアフリカの底辺をどうやって持ち上げるかという課題がある。これはお金だけの問題ではないし、一朝一夕に解決できるものでもない。民主主義や人権を押しつけがちな西欧の援助でもなく、もっぱら経済的利権を漁りがちな中国の援助とも違う日本型の援助をする。それが日本にとって最も必要なことだろうと思う。

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