ピコ太郎「PPAP」の大ヒットに学ぶ顧客インサイト 

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今秋から急にYouTubeで500万回も閲覧されたピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」は、その関連動画も含めると3億回以上閲覧されるなど、驚異的なブームを起こしている。独特のリズムでダンスをしながら、意味不明の歌を歌っているだけなのに、である。

そこで考えたいのは、“何が、そんなに多くの人の心に触れたのだろうか?”という問いだ。

そもそも、人々の関心を呼ぶには、その人の意識に認知されないといけない。だが、日々刻々と膨大な情報を処理している脳が、その情報に何らかの価値を見出さない限り、意識に上ることすらないはずだ。だとすれば、何が脳にとっての価値だったのだろうか。

そこで、私が注目したのは、「無意味」で、かつ、そこに「ある種の規則性」が含まれている歌詞だ。普通に考えると、「無意味」な情報は、「価値が無い」はずである。ところが、今回はそこに「ある種の規則性」が加わったことで、脳が「価値」を認めた(=「脳が喜びを感じた」と解釈)ということになるのではないか。ここでいう「ある種の規則性」だが、今回の歌詞には、以下のような規則性が含まれている。こんな具合だ。

・「ペン」には「パ」行の音が1個
・「アップル」には「パ」行の音が1個
・「パイナップル」には「パ」行の音が2個
・「ペンナップル」には「パ」行の音が2個
・「ペンパイナップル」には「パ」行の音が3個
・「ペンナップル」と「ペンパイナップル」を組み合わせた「ペンパイナップルアップルペン」には「パ」行の音が5個。
・そもそも「パイナップル」が「パイン」と「アップル」がくっついたもの

そこで、脳内ではこんなことが起きているのではないか?
・パッと聞いたところでは、歌詞自体に、意味が見出せない
・一方で、規則性を感じる。よって「謎」だ
・「謎」なら解けた時の喜びが大きい
・よって、意識に知らせて、そこに含まれている意味をさらに解析させよう・・・
なんて具合に、「脳」が「価値」を見いだしたのではないか?

もう一つの可能性は、幼時の記憶だ。幼い子が、その学習の過程で、意味もわからず言葉を発すると、大人が喜んでくれるので、結局何度も繰り返すのだが、そこで、「繰り返す」ということが「楽しい」という記憶になに、繰り返された音を聞くと「脳」が喜び、意識に上るというメカニズムだ。有名なところでは、ディズニー映画の「シンデレラ」にでてくる「ビビディバビデブー」は「ビ」行の音が繰り返されているし、日本でいえば、ちびまる子ちゃんのテーマソング「ぱっぱぱらりら」なんていうのもこの例なのかもしれない。

今回の「PPAP」ブームは、「謎ときの喜び」と「繰り返すことの喜び」を「脳が面白い」と感じ、関心を呼んだのではないか?そうすると、「理屈」ではなく、単純に「脳が面白い」と思うことが人の関心を惹きつけるきっかけになるのではないか?

これをマーケティング的に言うと、「顧客インサイト」を「理屈」ではなく脳が喜ぶかどうかといった「感覚」で捉えるということが重要なのでは?ということだ。

ということで、日頃忙しい仕事に追われ、論理的な判断に明け暮れるだけでなく、理屈を離れ、「脳を楽しませる」事に時間を費やすと、新たなビジネスのヒントがうまれるかもしれない。
 

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