“楽”ecoギフトでエコストレスを取っ払おう! 

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マイバックにマイ箸・・・エコは大切だが、なんとなくストレスに感じている人もいるだろう。もっと楽にエコに参加できる方法はないのだろうか――。マーケティング・コンサルタントの郷好文氏が、“エコストレス”の解消に着眼した京急百貨店発のギフトを紹介する(このコラムは、アイティメディア「Business Media 誠」に2008年5月15日に掲載された内容をGLOBIS.JPの読者向けに再掲載したものです)。

エコにはストレスが付きものだ。例えばエコバッグ。レジ代金を支払いつつ、バッグを取り出し、「不要です」と言い、ポイントを付けてもらう。テキパキやらないと、後ろの人のストレスにもなる。My箸も「割り箸、不要です」と言うのは、バッグほど浸透していない。バッグを忘れたり、お箸も言いそびれて、“善意のエコピープル”になりきれないのもストレス。そもそも開発されたエコバッグやマイ箸を買うのはエコなのだろうか。

エコとビジネスの間にもストレスがたくさんある。まずコミュニケーションで、ビジネスのエコを分かりやすく説明するのは難しい。「排出権取引って何?」と消費者は理解できないのがストレス。また企業内の環境担当者にもストレスがあるだろう。社内根回しをして、エコ活動をサステイナブル(持続)にするのは大変だ。予算を付けて「エコ商品を開発、本腰を入れてやります!」――これってエコですか。

そういった数々の“エコストレス”を、ecoギフトという切り口で乗り越えようとするのが、京急百貨店(横浜市)の「“楽”(Raku)ecoギフト」。その取り組みには、ストレス緩和のヒントがいくつもある。同店経営計画部の成田光治部長補と、同店広報担当の宮崎史康マネージャーに話をうかがった。

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エコ活動の限界感からの出発

“楽”ecoとは、京急グループの京急百貨店が、2008年のお中元商戦から繰り出す「お中元で森を再生し、温暖化防止に貢献」するギフトだ。対象は4品目でアサヒスーパードライ熟撰(3150円)、日清オイリオ、ヘルシーオイルギフト3品目(5250円×1、3150円×2)。これらの品が京急百貨店に納品された時点から、配送終了までの商品販売活動に伴って発生するCO2がエコの対象だ。

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ギフトセンターの中元期間の営業活動からギフト1個あたり420グラム、配送活動から同・390グラムのCO2排出量があり(期間中4000個分のギフトが動くものとして算出)、包装紙や“楽”eco説明文の製作費もコミコミにして、1ギフトあたり1キログラムのCO2が排出されるものと算出。これを植樹やエコ電力利用でオフセット(相殺)するもの。

だから贈り主は4品目のギフトを買うだけで、地球温暖化を促進する、CO2の増加を食い止める活動に貢献できる。楽しく楽々と、だから“楽eco”。しかし環境配慮型商品でもない、メジャーなビールとヘルシーな油が、なぜecoギフトなのか?

同社によると、“楽”ecoギフトを扱うことになったきっかけは「店頭エコを考えなさい」という同社市川社長の指示だったという。京急百貨店のエコの取り組みの歴史は古く、2001年のISO14001の取得に始まり(西武、高島屋に次いで百貨店では3番目)、容器包装の減量、オフィス用紙使用削減、電力削減、食品廃棄物減量などさまざまな取り組みをしてきたが、紙・ゴミ・電力では限界感が出てきた。そして「本業に密接なエコを考えよう」と成田氏が中心になってブレストを始めたが、店頭エコには壁があった。

まず4万平方メートルを越える大型駅ビル百貨店とはいえ、京急ではデパートはここ1店舗。独自の環境配慮型商品を開発するほど量販が見込めないし、エコ商品では買い手の間口も狭くなる。ながしま農園(横須賀市)の有機野菜販売も地産地消の目玉だが、現実には「価格が高い」という消費者の本音も聞こえる。もっとエコへの敷居を低くできないだろうか。

ヒントは社内で年10回も実施する環境研修から出てきた。経営層やセールスマネージャー・バイヤーに向けた、環境経営やエコマーケティング研修の講師はNPO法人環境リレーションズ研究所理事長の鈴木敦子氏。その3度にわたる講義で「消費者が感じているエコストレスを解消し、環境貢献への参加気分を味合わせることがポイント」と語った。

「エコしたくてもしにくい。ならばエコストレスを取っ払おう」――この気付きから展望が開けた。

エコするワケを説明したい

「エコ感度が特に高くない普通の消費者に、楽にエコ商品を買っていただく。エコは地球へのプレゼント、ならばギフトだ。誰もが手にする商品がいい」――。こうしてスーパードライと日清オイリオが選ばれた。実はスーパードライは南足柄工場、日清オイリオは磯子工場といずれも神奈川県内で生産されている。だから「地産地消」なのだ。

CO2のオフセットは、植林(主に包装紙と封入紙にかかわるCO2のオフセット)、電力証書の調達(主に販売・運送活動のオフセット)を組み合わせた。合計で約42トンにのぼる。

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CO2を削減するためのコストは同社の環境活動事業の経費からまかなわれ、「1商品販売当たり数十円」とされる。百貨店の営業利益はだいたい5%と言われるが、おそらくそれに相当するコストだろう。消費者に楽にエコしてもらうための“エコ先行投資”ではあるが、社内の“エコ稟議の壁”もあったはずだ。

「課題もあります。“楽”ecoギフトの説明文、文字が多くて分かりにくいと言われて」(成田氏)。社会貢献と販売促進活動の組み合わせを米国では“Cause Related Marketing”と呼ぶ。寄付分を商品価格に入れて、消費者と企業で分担する手法で、Causeとはワケである。「それをやるワケを説明せよ」「それを買うワケを胸に手をあてて考えよう」。そんなニュアンスがある。まだいちいちワケを説明しなくてはならないのが、この分野なのだ。

そこで1つ提案。エコなワケカードでオフセットの量り売りをするのはどうだろう。CO2削減1キログラムカードや2キログラムカードを作り、キロ当たり100円で統一するなど。贈り主はギフトとカードを選んで、カウンターで精算をするときに、地球へのオフセット・プレゼントの署名をする。Present Treeや電力証書購入など、エコをリストから選べると楽しい。そのカードをギフトに封入する。これなら簡単だろう。

えっ!? 単純すぎて、わざわざエコした気分にならないって? そんな・・・。

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