グローバルリーダーに3Eが必要なわけ【世界で勝つ戦略思考術】 

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前回、グローバル環境下では話す量を3倍にすべきとお伝えしました。今回は、その次に考えるべき、「何を伝えるか」という点を解説します。

例えば、チームメンバーとのプロジェクトを行う中で、「なぜこういうレベルの仕事の仕上がりになるんだろう」「締切も守られないし、一体どうなっているのだろう」「2歩3歩先を見越してなぜ行動できないんだろう」といった不満を持つことが少なからずあること思います。

そんなときは、グローバルリーダーに必要な3Eを取り入れてほしいと思います。3Eとは、「Engagement(関与)」 「Expectation(基準・期待値)」 「Explanation(明確な説明)」です。この3Eは「ブルーオーシャン戦略」を発表したチャン・キム教授の「フェアプロセス」の3原則の言葉です。これらの言葉をグローバルコミュニケーションに応用することができると思います。

そもそもグローバルでは、自分自身と相手の考えていることの前提が違うわけですから、阿吽の呼吸というのはありませんし、「言わなくてもわかるだろう」「それくらい自分で考えてよ」ということは通じません。至極当然ですが、「伝えていないことは、伝わっていない」のです。「言っていないことは、相手も行動に起こさない」のです。ですから、先ほどの3Eをしっかり押さえてコミュニケーションすることがグローバル環境下では重要になります。

まずは、その仕事・プロジェクトへの自分自身のエンゲージメントを示すこと(Engagement)が重要です。それがあるからこそ、プロジェクトメンバーのエンゲージメントも得られます。その次に、基準(Expectation)を明確に示すことです。アウトプットの状態とその基準を明確に示さない限り、自分の期待しているアウトプットは出てこないと考えたほうがよいでしょう。日本人スタッフに対して行うような漠然とした指示では、期待に外れたアウトプットが出てくるのは言うまでもありません。イメージしているものは、できれば具体例を見せて、イメージを明確に表現することが必要になります。つまり、基準をしっかり示すことです。「このプロジェクトお願いね」と言うだけでは、「よきにはからう」ことはないと思ったほうがよいでしょう。

最後は、説明責任です。なぜそのタスクが重要なのか、このプロセスをとる理由はなにかなど、1つ1つの判断の裏にあるその理由を伝えなければ、皆さんの意図は伝わりません。意図が伝わらなければ、2歩3歩先を読んだ行動を期待することはできません。メンバーの気が利かないのではなく、リーダーが行動・1つ1つの判断の裏にある理由・基準・意図を明確に伝えていないから、気の利かせようがないのだと考えたほうがよいでしょう。「これやって」「あれやって」というタスクベースでの指示のほうが簡単ですし、「AではなくてB」と意思決定結果だけを伝えたほうが時間も少なくて済みます。しかし、時間を使ってその判断軸を明確に伝えることこそが、グローバルにおける信頼関係構築の中で重要なのです。

Engagement, Expectation, Explanationの3つのE。グローバルコミュニケーションをより効果的に進めるために、まずはこの3つから始めてみてください。

※参考: 「フェア・プロセス:協力と信頼の源泉」(Harvard Business Review (DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー) 2008年08月号)

 

【参考リンク】
グロービス アジアパシフィック/グロービス タイランド
アジアで活躍する企業・ビジネスパーソンの支援をすべく、日本語・英語に対応した「グローバル研修」をご提供するとともに、日本で8万人以上の方に受講いただいている「グロービス・マネジメント・スクール」をシンガポールとバンコクで開講しています。

アジアでビジネスを創る―シンガポール通信(連載コラム)

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