ロシアで“熊”が出た! 危うさ潜む双頭体制に警戒の声 

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前回、ロシアのメドベージェフ大統領の政権発足に関連するコラムを書いた。そのメドベージェフ大統領が5月7日に就任、その翌日にはプーチン前大統領が首相に就任した。その翌日、5月9日は対独戦戦勝記念日。冷戦終結以来、初めて戦車や核ミサイルの軍事パレードが行われた。

旧ソ連時代、こうした軍事パレードは西側諸国に対して装備を誇示するものであった。そして西側諸国は装備だけでなく、ひな壇に立ち並ぶ幹部の顔ぶれ、並ぶ順序に注目した。それが旧ソ連内部での権力の行方を占う重要な情報となったからである。

「最高権力者」は、どちらか?

そして現在のロシア。安定した権力基盤をもっていたプーチン大統領からの権力委譲は明確だった。2007年12月にプーチン大統領がメドベージェフ第一副首相を後継者に指名したからである。しかしプーチン大統領がメドベージェフ政権の首相に就任したわけだが、どちらが「最高権力者」なのだろうか。

英エコノミスト誌はこれについて、「『分からない』と『プーチンが依然として最高権力者』のどちらかだ」としている。実際、ロシアで行われた世論調査でも47%の人がメドベージェフ大統領が実権を持つべきだと考えてはいるものの、実際に持てると考えている人はその半分にも満たない22%しかいなかったのだという。

メドベージェフ大統領は就任演説の中で、今までよりはリベラルな路線を打ち出しているが、プーチン首相は今までの路線継続が重要だと演説し、大統領とはやや異なるニュアンスを明確にした。
しかしメドベージェフ大統領にとって、現在の情勢は楽観を許さない。1998年にルーブル危機に見舞われたロシアは、その後の石油価格高騰で非常に大きな恩恵を享受してきた。10年前とは様変わりして、今やロシアはキャッシュリッチな国である。その石油は今や1バレル120ドルを超えて、史上最高値を更新し続けている。

しかしロシアは、原油生産が減りそうなのである。その理由は古い油田の生産力が落ちていることと、新規投資を促進するように行政が動かなかったためだとされている。もし原油の生産が落ち、結果的に税収が落ちてくれば、メドベージェフ政権に対する支持率も落ちるだろう。

しかも今、ロシアとヨーロッパの関係は、冷戦以来最悪の“冷たい関係に”なっている。包括的な協力協定も更新できないままだ。米国のMD(ミサイル防衛)の配備や旧ソ連諸国のNATO(北大西洋条約機構)加盟問題、そしてエネルギーを通じたヨーロッパへの「圧力」という問題などがあるからだ(その分、ロシアは日本との関係を改善する動機があるということになる)。

メドベージェフ大統領が何をするかで判断すべき

こうした時期だけにエコノミスト誌は、「ロシアに対して西側諸国は結束して慎重に対応すべきである」と論じている。メドベージェフ政権がどのような政権なのかは、メドベージェフ大統領が何を言うか、ではなく、何をするかで判断すべきだともしている。

メドベージェフ大統領の綴りの最初の部分(Medved)はロシア語で「熊」を意味するのだそうだ。熊に出合ってしまったとき、最悪の対処法は恐怖心を表に出してしまう、あるいはばらばらに逃げ出すことなのだとエコノミスト誌は“警告”している。

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