グローバルリーダーとは避雷針のようなもの 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

皆さんは、グローバルリーダーと聞くと、どんな人を思い浮かべますか。

私は恥ずかしながら、グローバルリーダーとは「国際情勢に明るく、英語ペラペラで、世界のリーダーと伍して発言したり、多国籍から成る組織をリードできるスーパーマン/ウーマンのような人」だと想像していました。今回、その像がガラガラ崩れ、我々も案外近づいていけるぞとの感覚を得ました。

2016年4月よりグロービス経営大学院の英語MBAプログラムの特別講座として、ベーリンガー・インゲルハイム・ジャパン代表取締役社長の鳥居正男さん*をお迎えして、特別講座「グローバルリーダー育成」(全4講)を行いました。

参加した学生はグロービス経営大学院の英語MBAプログラムの学生約32名で、日本人だけでなく、世界各国から集まった留学生たちを含む多彩な顔ぶれでした。第1講において、学生達はグローバルリーダーに必要なものは、ビジネススキルやコミュニケーションスキル、異文化理解力であると発言していました。

「熱心に学ぶ」――グローバルリーダーに際立つ共通基盤

大きな変化が起こったのは、第3講でした。鳥居さんがベーリンガー・インゲルハイム・ジャパンで活躍する4人のグローバルリーダーとのインタビュー機会を設けてくださったのです。4人は、ドイツの方、インドの方、日本の方、男性・女性と多様な陣容で、専門領域も開発、営業、法務、ITと分かれていました。その問答から学生達が学び取り、発表したのは、次の4つの特長に集約されます。

特長1: 熱心に学ぶ(自ら話すよりも周りの話を聴く)
特長2: グローバル(本社)視点から、日本(子会社)のビジネスを見られる
特長3: 歴史時間軸、市場、リソースなどの観点から、本社・子会社双方が合意できるような経営上の最適解を探せる
特長4: 自らの個性・信用を基に、本社と子会社を繋ぐ

4人のグローバルリーダーに特に際立っていたのは、熱心に学ぶという姿勢です。グローバル本社から日本に派遣されて来ている方々は、日本市場の状況や日本での取り組みを深く知るために熱心に学び、日本(子会社)において今何が必要で、そのために自分に何が期待されて、派遣されているかを深く自己認識されているよう感じました。日本人のグローバルリーダーは、海外赴任経験や本社会議への参加経験を活かして、日本人でありながらもグローバル本社の立場も理解するポジションを取り、社交的に日本人以外の方々とランチに行ったりして、情報収集と人脈作りをされている印象を持ちました。

クラスでの問答から見えてきたことは、グローバルリーダーが結果を出すために駆使しているスキル(国際情勢の理解、経営知識、異文化コミュニケーション)のみならず、日頃から意識・行動していること(インプット)があり、この意識や行動が結果を出すためにとても大きな要素だということです。そして、そうした意識・行動を心がけることならば、自分たちにもできると、学生が思ってくれたことです。

異空間を結びつける先導役になろう

氣と経営の視点からは、このことがどのように見えるでしょうか。

氣が宇宙に遍く存在する霊妙なエネルギーであるという点からは、様々な国籍や機能から成る多様な方々が集まることは良いことです。

しかし、グローバル本社はグローバル本社という1つの影響圏(集積)であり、日本子会社は日本子会社という1つの影響圏(集積)です。グローバルリーダーは、自らの身体・意識(時間、空間)をこの2つの影響圏を繋ぐことに懸け、1つの立場(本社からの視点、子会社からの視点)ではなく、双方の立場を踏まえてここに立つことが重要です。

氣と身体は次のような関係にあります。氣とは人間が発する意識や意思の波動です。身体は物理的な存在です。グローバルリーダーが2つの影響圏を繋ぐという意識・意思を持ち、自らの身体を賭すことで、波動が物理的な性質を帯びた確たる存在となります。建物の上の避雷針をイメージしていただくと分かりやすいでしょうか。このような状態にあるグローバルリーダーを通して、異空間同士の情報のやり取りが進むことになります。避雷針に雷が何度も落ちるように、一度できた流れに乗る方が、毎度新しい流れを開拓するよりも、情報にとっては流れやすいルートとなります。

次にグローバルリーダーの意識や意思とは別に、心のあり方に言及します。同じ情報の流れにおいても、介在するリーダーの心のあり方によって、情報の流れは変わるでしょうか。私の合気道の経験に、ちょっとお付き合いください。稽古相手をぶん投げてやろうと思って技を掛けた場合と、稽古相手を務めてくださる方に感謝して技を掛けた場合では、後者の技の冴えと切れ味が前者の数倍になると体感しています。これは感謝の念が、自身の身体と心を柔らかくさせ、相手の身体と心にも影響を及ぼすからです。2つの異空間を繋ぐ避雷針となるグローバルリーダーがこの役割に意味を見出し、感謝の念を抱くならば、それだけ情報は通りやすくなることでしょう。

歴史的に、集団にて農作業を行ってきた我々は、自ら属する母集団の状況を見ることは得意であり、周りの方のお話をお聞きすることもできると思います(特長(1))。その意識の先を、外資系企業で働く皆さんにおいてはグローバル本社に、日系企業で働く皆さんにおいては海外子会社に向けてみてください(特長(2))。そして、自身が先導役となり、この異空間を結びつけることにコミットしてみましょう(特長(4))。

そうしたら、あなたは鳥居さんの講座での対話を通して見えてきたグローバルリーダーが持つ4つの特長のうち、3つを保持することになります。グローバル環境の中で最適解を見つけるための国際情勢の学習、経営知識や異文化コミュニケーションの習得は残ります。ですが、グローバルリーダーとはスーパーマン/ウーマンではなく、努力とコミットによって成り得る存在なのです。そのことに気づいていただけたならば幸いです。

私も、意識や行動(インプット)に注力することで、グローバルリーダーとして成長を続けていきたいと思います。


*鳥居正男さんは、2016年7月1日付にて、ノバルティスホールディングジャパンの代表取締役社長に就任されました(直近のインタビュー記事はこちら→「そこに強い思いはあるか?」)。

>> グローバルリーダーを目指すなら、グロービス経営大学院の英語MBAプログラム
 

名言

PAGE
TOP