「学びのゴールデンタイム」を大切に 

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何歳になっても「学び」は大切です。学ぶことに終わりはありません。人は生涯を通して学び続ける生き物なのです。

とはいえ、グロービス経営大学院で多くのビジネスパーソンと接してきた経験からすると、「学びのゴールデンタイム」というものがあると思っています。それは、一般的には20代後半から30代にかけての10年ちょっとの期間です

それより若いと、目の前の仕事を覚えてこなすことに忙殺されがちです。目の前のタスクに関することを学ぶのが精一杯で、他の学びを取り込む余地があまりありません。逆に40代以降になると、学ぶ余地は広がるものの、学んだことを実務に落とし込むことのリスクが極めて大きくなります。ややもすると「学びっぱなし」になりがちで、実践経験の伴わない「聞きかじりの知識」ばかりが増えてしまう傾向にあります。

その観点で言うと、20代後半から30代は、ある程度の学びのキャパシティもでき、自分の責任範囲の中で学びから実践のPDCAを回しやすいタイミングであると言えます。この時期にしっかりと学び、タイムリーな実践経験を積む、というサイクルを回すことによって、ビジネスパーソンとしての基礎的な体力が飛躍的に身につきます。この基礎体力があるか否かで、ビジネスパーソンとしてのその後の成長可能性が決定づけられてしまうと言っても過言ではありません。

「転勤族 × 地場族 × 火付け役」による化学反応が凄い!

では、そのタイミングで等しく良い学びを得られるか、というと、今までは必ずしもそうではありませんでした。特に大都市圏外では、学びの機会の幅がかなり限られているのが現状です。もちろん、書籍や通信講座などでは学べるのですが、同世代の仲間と一緒に学び合うチャンスがとても少ないのです。実際、グロービス経営大学院は東京、大阪、名古屋、仙台、福岡の5拠点で開校していますが、仙台や福岡をオープンした時の反応はとても印象的でした。

「ずっと待っていた。地方は学ぶ機会に恵まれないものなんだと半分諦めていた」
「これで(大都市にある)本社にいる同期入社の連中たちに追いつける」
「自分はこのまま狭い世界で過ごして大丈夫なのだろうかと焦っていた」

そのようなちょっと悲痛なほどの声に迎えられました。今まで機会に恵まれてこなかった分、首都圏から離れるほど学びに対する渇望感は強い・・・。これが、各地域の最前線で私自身が体感したことです。そして、もう1つ私が感じたことは、地方在住の受講者の「化学反応の力」です。

地方都市でグロービス経営大学院に通う受講者を大きく分類すると、東京や大阪に本社がある企業からの転勤者が3割、例えば地方銀行のような地元の大手企業に務める方が3割、地場の中堅・中小企業の勤務者や創業者、家業を継いだような方が4割――という構成です。

このうち、大企業の転勤族の人たちは地方勤務の間に同期入社組の中で差をつけられてしまうのではないかと強い焦燥感を抱いていることが少なくありません。地方支店の場合、人数も限られていますから仕事はそれなりに忙しい。でも、飲みに行けばいつも同じ支店のメンバーばかり。仕事でも生活でも活動範囲が狭くなってしまい、なんとなく刺激が足りない。自分自身の中長期のキャリアについてモヤモヤしているが、どうしたら良いのか分からないまま時間だけが過ぎていく・・・。そんな相談をよく受けます。

転勤族の人たちがわりと理屈や理想を語るのに対して、地場企業の人たちはとても現実的です。「べき論はさておき、結局のところ俺の事業はどうすれば儲かるのか?」というところをグイグイ押してくる。これには、転勤族の人たちはタジタジです。でも地場企業の人たちは逆に、毎日の事業を回していくのに必死で、将来の夢を真面目に語るチャンスが意外に少ない。そういう点では転勤族の人たちがとても羨ましいわけです。

そういう人たちがビジネススクールの教室で一緒に学ぶと、お互いにたいへんな刺激を受けるようです。そして、30人クラスに3人くらいは、強烈な目的意識をもち、考えるより先に行動し、一切妥協しない「火の玉ボーイ・火の玉ガール」がいる。彼ら・彼女らは、クラスや懇親会の場で、転勤族にも地場族にもどんどん火をつけていく。「はあ?やりたいならやればいいじゃん!」と言って。その化学反応ともいうべき状況がどんどん広がって、次々に行動を起こしていく人たちの変容を見ることは、ビジネススクール教員としての最大の醍醐味なのです。

「地方」はもう言い訳にならない

この「化学反応の連鎖」は、リアルなクラスルームだけでなく、オンラインでも起こっています。グロービス経営大学院の「オンラインMBAプログラム」は同時的かつ双方向であり、「同じ時間」「同じ場」を共有する人と人とのリアルな接点を提供するものです。数年前までは、キャンパスに通える範囲の方々にしか提供できなかった「学びの機会」を、地方や海外の方々にも同じように体験してもらえるのです。

私もこのプログラムを始める前は、「通学のようなあの熱さ、凝集感はオンラインで実現するのは難しいかもしれない」と考えていたのですが、それも杞憂に終わりました。オンラインMBAプログラムに通う方は、例えば地理的な理由やご家庭の理由など、今まで学びたくても機会に恵まれなかった渇望感のある人で溢れています。当然「火付け役」もたくさんいます。そういう人たちがバーチャルながら一堂に会すれば、自然と着火していくのですね。これはある意味うれしい誤算でした。

そして、改めて感じたことは、どこに住んでいるか、ということに関しては、もはや学びの格差要因ではなくなったということです。少し厳しく言えば、地方にいることはもう言い訳にはなりません。

やるか、やらないかです。

「学びのゴールデンタイム」を大切にしてください。

共に学び、世界を広げましょう。

(聞き手・文 = 水野博泰/知見録「読む」編集長)

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