PBRはどう経営に活かしたら良いのか? 

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PERと同様に、株価の水準を評価する指標にPBR(Price Book Value Ratio)があります。

PBR=株価÷1株当たり純資産
※厳密には、純資産から非支配株主持分と新株予約権を除きます。

PBRは、株価が1株当たり純資産の何倍かを表します。PBRが大きいほど、株価は高くなります。

無形固定資産ってどういうもの?』でも説明しましたが、無形固定資産に計上される特許権などは主に権利を取得するに要した事務手数料であり、必ずしも権利の価値を表してはいません。また、会社の中で培われた技術、製造、販売等のノウハウ、人材などの価値もB/Sには計上されません。会計ルールは、このような無形の資産の価値を認めていますが、客観的な価値測定が難しいという理由です。したがって、B/Sの1株当たり純資産は、会社が保有する無形の資産の価値が反映されていない金額となります。

一方で、株価は投資家それぞれの無形の資産の価値の評価も反映された金額です。したがって、当然、株価>1株当たり純資産、PBR>1となるはずです。つまり、PBR<1という状況は、会社の無形の資産が全く評価されていないばかりか、B/Sの純資産を構成する株主からの出資金と会社の稼ぎの蓄積(利益剰余金)までも十分に株価に評価されていないということを意味します。

しかしながら、株価の水準は国内外の経済情勢等の影響を受けるため、一時的に株価水準が全体として低迷している時はPBRが低下(1割れ)することもあります。何らかの理由で株価が会社の実力を反映していない、適正価格でないと評価される場合、近い将来株価は適正価格まで是正されると予測されます。要するに、「今のうちに買っておけ」のサインとなります。これが、PBRが1を割ると「割安」といわれる所以です。

ところが、中には適正に評価された結果、PBR<1となる場合もあるので注意が必要です。無形の資産の価値も含めて適正に評価した結果、なおPBR<1となる場合です。いわゆる「割安のワナ」の状況です。資産の価値の株価への反映は、資産が有効に活用され、将来いくらのキャッシュを会社にもたらすのかを評価した結果です。つまり、潜在的には素晴らしい技術、人材、ノウハウ等の無形の資産であっても、それらが経営者によって活用されずに将来の売上、利益に繋がらなければ、価値が無い、と評価されるということです。

経営者としては、自社の株価が低迷している場合、原因が全体の株価水準の面だけでなく、会社に存在する無形の資産を経営に活かしきれていないのではないかという問題意識を持つ必要があるでしょう。
 

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