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「成長は自己責任」の時代、自分からぶつかっていこう 先輩からのアドバイスその1

投稿日:2016/05/13更新日:2021/10/25

新卒大量採用が復活。ゴールデンウィークも過ぎ、研修を終えた新入社員たちが続々と現場に配属されていく。意欲に溢れる新卒フレッシャーへ、悩んで大きくなった先輩たちからの経験的アドバイスをお届けする。(企画・構成:水野博泰=GLOBIS知見録「読む」編集長)

矢地宏毅(YACHI Hiroki)さんからの助言

メガバンク勤務 人材育成担当/入社10年目/グロービス経営大学院在学中(2016期生)

メガバンク入社10年目の矢地宏毅さん

30代~40代前半ぐらいの、ちょっと厳しい中堅社員――。かつては、そんな鬼軍曹的な先輩がたいていの職場にいて若手の育成役を果たしていましたが、今ではとても少なくなっています。不況続きでそうした年代の採用抑制が続いたこともありますし、上から言って聞かせる厳しい指導スタイルが時代の流れにマッチしなくなってきたということもあります。新入社員の皆さんにとってこれはチャンスであり、またチャレンジでもあります。

チャンスの側面を見ると、努力次第でどんどん活躍の場が広げられるということがあります。先輩や職場の「型」にはまらずに創意工夫を発揮できます。同期入社組は一定年次まで横一線で昇給・昇格に大きな差をつけないという日本企業独特の「遅い選抜」も崩れ始めています。努力すればするほど報われる時代なのです。

一方で、これはチャレンジでもあります。以前は、配属された職場の“厳しい先輩”にしごかれる日々の中で、仕事の「型」を覚え、自分に足りないものに気づき、仕事への向き合い方を学ぶことができました。強制的に成長させてもらえた、と言ってもいいかもしれません。しかし、日常的に教えてくれる先輩が不足している今の状況下で、受け身ではいつまで経っても成長はできません。

自己満足に陥らず、高い目標を設定し、自分を追い込んでやり抜き、自分の殻を突き破っていく――。そのためには、何らかの強制力が必要です。厳しい先輩の指導はまさにそれでした。それが無いとしたら、自分自身をコントロールする「自制力」を持つしかありません。これは、なかなか難しいことです。

「成長の自己責任化」という流れが加速しているのです。それを踏まえて、いくつかアドバイスしたいと思います。

◆ 助言その1 ◆ ただ教わるのではなく、自分からぶつかっていこう
最初は分からないことばかりです。先輩や上司、そしてお客様から教えてもらうことから始まります。その時、自分なりに調べ、勉強してから聞きにいくのが鉄則です。「この業界について調べてみました。自分はこのように貢献できると思うのですが、いかがでしょうか?」というようにコミュニケーションを取っていく姿勢が大切です。先輩や上司に自分の考えや思いをどんどんぶつけていきましょう。失敗を恐れることはありません。入社1年目に受けた向こう傷なんて、長い目で見れば本当に些細なことです。

◆ 助言その2 ◆ 迷ったら困難な道を選ぼう
新人、中堅、ベテランにかかわらず、仕事をしていれば様々な困難に直面します。仕事は選択の連続です。少し経験を積んで仕事のやり方が分かってくると、効率の良いほう、楽なほうを自然と選ぶようになっていきます。もちろん、無駄や非効率を避けることは必要ですが、それだけでは自分自身の成長が止まってしまいます。困難、逆境、壁、ハードルはチャンス。お客様、会社、自分自身にとって最適であると信じることなら、困難であってもあえてその道を選ぶ勇気を持ちましょう。困難を乗り切った後の自分をイメージすれば、本当に進むべき道を選択できるはずです。

◆ 助言その3 ◆ 厳しい意見こそ受け止め、咀嚼し、議論し、感謝しよう
入社後に担当したのはリテール業務の融資担当でした。ある法人のお客様とは長いお付き合いで、資金需要も毎年同じ時期に同じような内容ということがほとんど。5年もやっていると、仕事を効率よくこなすことばかりを考えている自分がいました。そんな時、上司から「矢地くんは、それで良いのか?」と真正面から問われたのです。「お客様と表面だけで付き合っていないか? お客様から依頼されたことだけを処理しているだけではないか? お客様が本当に必要としている深いニーズを見つけようとしていないのではないか? それでは、いずれお客様は離れていってしまうのではないか? 矢地くん自身の成長も無いのではないか?」と。

お酒の席だったか、タバコ部屋だったか・・・。お客様にとっての最適解は何かを突き詰める努力がやや疎かになっていた自分への警鐘に、「ハッ」としました。厳しい意見こそ、謙虚に受け止めて咀嚼してみる。考えが違う部分はとことん議論する。そして、心から感謝する。それが自分自身の成長に直結します。

◆ 助言その4 ◆ 慣れや安住への危機感を持って学び続けよう
2012年から人材育成部門に移りました。銀行は人が資本です。社会・経済という外部環境が大きく変わりつつある今、当社でも「人と組織」のあり方を大胆に見直す必要に迫られています。

ところが、昨年7月に会社派遣でグロービス・マネジメン・スクールを受講した時、「一番変われていないのは自分自身なのではないか?」と強烈な危機感を覚えました。自分は会社が敷いたレールの上をずっと走ってきて、そこに安住してしまっているのではないか、そんな自分が人材育成や組織変革をリードできるのか、と。

そこで意を決し、この4月にグロービス経営大学院に入学しました。様々な業界・業種から集まったクラスメートとの学びを通して、自分自身を鍛え直したいと思っています。慣れや安住は人の成長を止めてしまいます。その危機感をもって学び続ける姿勢が大切です。

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https://globis.jp/article/4313

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