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米大統領選(1) 次なる動きは?

投稿日:2008/02/12更新日:2019/04/09

「スーパーチューズデー」への道

米国は現在、「予備選」と呼ばれる選挙期間の最中である。この選挙戦を通して、民主党・共和党の2大政党は、大統領候補者を選出する。両党とも、数多くの候補者の中から、11月の本選で戦う指名候補者1名を指名するのである。「予備選」は州毎に行われ、各州の党員が、支持する候補者を決定する。

当コラムを執筆している段階では、予備選が行われているのは数州のみだが、間もなく、次々と各州で実施される。現時点で、アイオワ、ニューハンプシャー、ミシガン、ネバダの4州では両党の予備選が終了しており、ワイオミングおよびサウスカロライナ州では共和党のみが予備選を行っている。サウスカロライナ州の民主党予備選は1月26日に行われ、フロリダ州では1月29日に両党の予備選が実施される。そして、2月5日は、22州において一斉に予備選が行われる「スーパーチューズデー」であり、この日に、各党の指名を獲得する候補者が大方明らかとなるはずである。

では、一体誰が各党の指名を獲得するのだろうか。まず、民主党に関しては、クリントン前大統領夫人・現ニューヨーク州上院議員ヒラリー・クリントン氏と、イリノイ州上院議員バラク・オバマ氏の2名が、早々に選挙が行われた州で互角の戦いを繰り広げており、双方に分があるといえよう。今のところ、僅差でクリントン氏が指名を勝ち取るとの見方が大勢だが、オバマ氏の逆転勝利の可能性も十分にある。

一方、共和党は、アリゾナ州上院議員ジョン・マケイン氏、前マサチューセッツ州知事ミット・ロムニー氏、前アーカンソー州知事マイク・ハッカービー氏、前ニューヨーク市長ルディ・ジュリアーニ氏の4名が競い合っている状況だ。ジュリアーニ氏以外は、既に1州で勝利しており、ジュリアーニ氏は、フロリダ州での勝利に向け、目下、必死の選挙運動を展開している。先日行われたサウスカロライナ州予備選で勝利したマケイン氏が僅かに一歩リードしているようではあるが、4名とも善戦しており、最終的な候補者の予測は現時点では難しい。

「変化を」 語りかける候補者 熱い戦いが続く

各候補者の演説に耳を傾けると、「変化」が今年の選挙戦のメインテーマとなっているようだ。有権者は、現在の経済状況に不満を感じ、医療サービスのコストを憂慮し、なおかつ世界的テロの潜在的脅威にも絶えず目を向けている。こういった世論を背景に、両党の候補者とも、演説では、行政の構造改革とその具体的施策を前面に押し出し、有権者にアピールしている。

「スーパーチューズデー」を誰が勝ち抜くか、に関しては、サウスカロライナ州およびフロリダ州予備選の結果で大体のところは予測可能と思われるが、若干複雑な要素もはらんでいる。 実のところ、「スーパーチューズデー」には、先程述べた6名の候補者の地元である5州―アリゾナ、アーカンソー、イリノイ、マサチューセッツ、ニューヨーク州で予備選が行われるため、6名の候補者各々が「スーパーチューズデー」において、少なくとも1州で確実に勝利を収め、今後の予備選を戦い抜く基盤を築くことになる。

「スーパーチューズデー」以降も各州で予備選は続き、全50州での投票が完了するのは、6月上旬となる。6月には予備選が終わり、各党の大統領候補者が指名される。 二大政党の指名候補者は、11月の本選挙に向け、再び選挙戦を繰り広げることとなる。(英文対訳:岩田あさみ)

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