MBAの創造的破壊に挑戦!(グロービス ファカルティ本部、君島朋子に聞く) 

グロービス・ニュース
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日本最大のビジネススクールであるグロービス経営大学院が、MBAの創造的破壊に挑戦する。「志」を中心に「経営の定石」「考える力」「人を巻き込む力」を醸成するというリーダー育成理念を基盤としながらも、テクノロジー新時代の到来に即した新カリキュラム「テクノベートMBA」の開発に着手する。グロービス ファカルティ本部長の君島朋子に、「テクノベートMBA」の意義と開発方針を聞いた。(聞き手は、水野博泰=GLOBIS知見録「読む」編集長)


知見録: 「テクノベートMBA」の科目開発に踏み切った背景は?

君島: テクノロジーによって、ビジネスや社会がこれまでとは異次元のスピードとスケールで変わりつつある。そのインパクトは特定の産業に限定されることなく、あらゆる分野に波及しつつある。

必然的に、これからの時代のベンチャー起業家や企業経営者は、テクノロジーによってイノベーションを起こす「テクノベート」の知見を身につけなければならなくなる。「テクノベートMBA」は、そうした時代の大きな流れを先取りするものである。

テクノベートMBAの開発に当たって、多くのテクノロジー・ベンチャーの起業家やインキュベーターなどにヒアリングを行った。共通認識として炙りだされたのは、現状では、ベンチャーのCEOになるべき人材でテクノロジーを真に理解する人が足りないということだ。

一般的に起業の際には3種類の経営人材が必要だと言われる。(1)経営の手法を理解し、ビジネスプランを書き、組織を作り、資金を調達し、事業を軌道に乗せられる人(CEO)、(2)斬新なアイデアを持ち、自分でプロダクトを作れるエンジニア(CTO)、(3)マーケティングができる人(CMO)――である。ヒアリングでは、特に(1)のCEOタイプが新しいテクノロジーに対する感度を上げ、要諦を理解し、市場にプロダクトを送り出すまでのプロセスを時間軸に乗せてプロットする能力を身に付けなければならないという意見が多く出た。

これは、最先端テクノロジーの研究者へのヒアリングでも同様だった。テクノロジーを理解し事業化できる人材の不足が、日本からメガベンチャーが次々に生まれてこない原因なのではないかという声も聞かれた。

既存の企業も例外ではない。これまでとは比べ物にならないスピードでテクノロジーが進化する中で、人の働き方や生き方がどう変わり、それに伴って製品やサービスに対するニーズがどう変わるのか、自社の製品のバリューはどう変わっていくのか、変化に対応するためにどのような事業を起こしていくか――。そうした知見を持つことが、これからの企業経営者には不可欠になってくる。

グロービス経営大学院はこれまで多くの「創造と変革の志士」を育成してきた。来るべきテクノロジー新時代においてもこれを推し進めるため、「テクノベート」のカリキュラムを加え、グロービスのMBAを大胆に進化させることを目指す。

知見録: 「テクノベートMBA」の開発方針は?

君島: これまで同様、先端的な知見を持った外部の専門家の方々と協力し、オープン・イノベーションで進めていく。

最先端のテクノロジーを教えるのではなく、最先端のテクノロジーをどのように理解し、それを事業創造や事業開発にどのように取り込んでいくか、という方法論を教える。我々カリキュラム開発陣は、学生がクラスでの学びを通して汎用的に使える「気付き」を得てもらうようにクラス設計や教材開発を進めていく。「テクノベートMBA」に期待してほしい。

<グロービス・ニュース>

グロービス経営大学院、「創造と変革の志士」を輩出するMBA開学から10周年
次の10年に向け、「テクノベート人材」の育成プログラムを開発へ

グロービス経営大学院(東京都千代田区、学長:堀義人)は、2016年4月、開学から10周年を迎えます。2006年に東京・大阪キャンパスに78名の第1期生が入学して以来、社会の創造と変革を導くビジネスリーダーを育成・輩出することに邁進してきました。2015年には東京(日本語、英語)、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンラインを合わせて729名が入学し、日本最大のビジネススクールに発展するに至っています。累計1665名に及ぶ卒業生は、大手企業やベンチャー、官公庁など多方面において「創造と変革の志士」として活躍しています。

そして、グロービス経営大学院は「次の10年に向けた新しいMBA」への進化を加速させます。具体的には、最新のテクノロジーを理解し、イノベーションを起こすことができる新時代リーダーの輩出を目指す「テクノベートMBA(R)」プログラムの開発に着手します。SMACS(Social、Mobile、Analytics、Cloud、Sensor)、AR(AI、Robot)などに象徴されるように、あらゆるビジネス領域においてテクノロジー理解が必要不可欠になる新時代が到来しています。当然、リーダーに求められる要件も大きく変わっていく潮流を先取りするものです。

まず2016年度には、「ブランディングデザインと経営」「人工知能と経営」「アルゴリズムとアーキテクチャ」「テクノロジーとビジネスモデル」「ビッグデータ・マーケティング」(日本語、英語 Adobe社と共同)の5つの特別講座を順次開講する予定です。また、2017年度以降にテクノベート領域の新規科目を開講。さらに2018年度を目途に、現在のMBAカリキュラム領域である「人事組織」「マーケティング・戦略」「会計・財務」「思考」「志」に「テクノベート」を加えて全6領域とし、科目や教材、メソッドの開発を本格化させていきます。

グロービス経営大学院 学長の堀義人は、次のように話しています。

「MBAは100年以上前に米国で創設されて以来、大きく発展してきたものの大胆なイノベーションはなかった。だが、ここにきてインターネット、人工知能、ロボットの進化に合わせて、ビジネスモデルや組織のイノベーションが起こり、リーダーとして必要な資質が変わっている。ベンチャー・キャピタルとして20年投資してきたが、明らかに起業家に必要な資質も変わっている。例えば、メルカリやスマートニュースなどの投資先企業が、2年間で日米で2000万ダウンロードを実現する時代だ。双方とも社員数は100人前後で営業人材はほとんど無く、プロダクトがビジネスモデルだ。MBAも発想を変えて変革をしなければならない時代に入ってきたことを痛感する。『新しいMBA』とは何かを模索して辿り着いたのが、提供形態の変革であるオンラインMBAと、カリキュラムの中身を変えるテクノベートである。グロービスは、創造的破壊によってMBAに大きなイノベーションを起こしたい」

グロービス経営大学院は開学以来、「能力開発」「人的ネットワークの構築」「志の醸成」を基本理念に掲げてきました。特に能力開発の面では、「経営の定石」「考える力」「人を巻き込む力」の養成に徹底注力しています。その強固な土台の上に、「テクノロジーの定石」「テクノロジーで競争優位を築く力」「テクノロジーを使ったコミュニケーション/リーダーシップ能力」という新たな3要件を積み上げることによって、時代の要請に応える「新しいMBA」への進化に挑戦します。
 

(図) グロービス経営大学院が目指す「新しいMBA」への進化

――― グロービス・ニュース ―――

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