第3回 『高校生が感動した「論語」』ほか 

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" 第3回目は、私の本の読み方について書いてみたいと思います。といっても、特別なことがあるわけではないのですが・・・。

まず、基本的に本はすべて買うようにしています。人から借りたり、図書館で借りたりすると、どうしても、その本に対する愛着がわかないのですよね。単に所有欲を満たしているという側面もあるのかも^^。

海外のことはよく分かりませんが、少なくとも日本では、本がすぐに絶版になり、入手しにくくなってしまうことも多いので、非常に気に入った本は2冊買うこともあります。線を引いたり、角を折ったり本を「使いこんでしまう」ので。

読み方で大切にしていることは、1冊に多くを求めないということです。文庫や新書だと数百円、ハードカバーの本だと2000円前後、本は決して安いものではないですが、過剰な期待をしないよう、意識しています。1フレーズでも、1ページでも、1章でも、何かひとつ自分にとって価値のある学びを得ることができればそれでよいと思うのです。極論すると数ページしか読まない本もあったりします。それでも、気に入ったものはやはり買いますが。

実際に本を読んでいるときは、印象に残ったところに線を引いたり、ページの角を折ったりします。これは、賛否両論あると思いますが、自分の本ですし、そのときの自分が印象に残った部分がどこなのかの記録として、後から読み返したときなどに結構、楽しめたりもします。時間を空けて同じ本を読むと、線を引きたくなる部分が違ったりするのですよね。

加えて、そのとき考えたこと、感じたことを言葉にして余白に書き込んだりもします。「読む」というより、「使う」という感覚に近いかもしれません。
さて、本の紹介です。"

『高校生が感動した「論語」』 佐久協・著 祥伝社・刊

" 慶応義塾高等学校で教鞭を執っていらした佐久協氏の著書。高校時代に授業を受けたことがあり、また題名に引かれたこともあり、読んでみました。

佐久氏のクラスは非常にユニークで、古文のテストで、鳥が集団で飛ぶときの姿(確か、「かりになり、さおになり」というフレーズ)の絵を描くという問題があったのを今でも覚えています。ちなみに、「かりになり」というのは「く」の字型で、「さおになり」というのは直線的に並んでということです。

さて、論語にかかわる本は文字通り、星の数ほど出ていますが、「高校生に分かる」というコンセプトで書かれた佐久氏の翻訳は秀逸です。論語そのものの中身に入ると、きりがないですが、この本では、とにかく分かりやすくするために、時には「カラオケ、オンリーワン、シャフト、アクセル」というようなカタカナ言葉まで駆使しています。佐久氏の翻訳部分を読み連ねるだけでも十分に楽しめる一冊です。

こんな翻訳に感じるものがある方、是非どうぞ。

大いに学び、学んだことはしまい込まずに実践すると気分がいいぞ。考えの遠く隔たった者とも語り合い、友達づきあいができるようになると楽しいぞ。周りが自分を認めてくれないからといってクサるなよ。オンリーワンとなるように精進しようや。

人間にとって最も大切な誠実さを持ち合わせていない者は、シャフトやアクセルのない車と同じで、いくら教育や指導をして先へ進めたくたって進めようがないね
"

『勝負勘』 岡部幸雄・著 角川書店・刊

"日本を代表するジョッキー、岡部幸雄氏の著書。私は競馬はやりませんが、やらない私が知っているほど有名な騎手の方ですね。武豊氏に抜かれるまでは、JRA史上最多の勝利数を誇っていた方です。ちなみに座右の銘は「馬優先主義」だそうです。

さて、本の中身についてですが、どんな分野でも同じだと思いますが、やはりなんらか頂点を見た人の書く文章には、読み手の心に訴える強い力がありますね。前回ご紹介した棋士・羽生善治氏の本もそうでした。

岡部氏は騎手ですから、最高の馬との出逢いが、岡部氏に頂点を見せることにつながったわけですが、その話がこんな風に書かれています。

シンボリリドルフという馬は、まぎれもなく私の人生を変えたのである。ルドルフとの出逢いがどうしてそれほど私の人生に大きな影響を及ぼすことになったのか。ひと言で言うなら、ルドルフによって「最高」というものを知ったからである。(中略)最高の馬に乗ることによって「最高の馬とはどんなものなのか」「最高のレースとはどういうものなのか」を知ることができるのである。(中略)最高を知ってこそ、最高を目指せるのだ。どういうレースが最高なのかを身をもって知っているのと知らないのとでは、レースにおけるのり方そのものがまるで違ってくる。

最高のものと出会うこと、最高を知ることは、難しいことかもしれません。しかし、だからといって諦めるのではなく、常に「最高を知りたい」という姿勢だけは持ち続けたいと思います。"

『凡事徹底』 鍵山秀三郎・著 到知出版社・刊

"最近、お掃除のことを書いた本がたくさん出ていますね。でも、「元祖お掃除」といえば、この方、鍵山秀三郎氏をおいて他にいないでしょう。イエローハットを築きあげた経営者です。

鍵山氏のことは、グロービス・インターナショナル・スクールの中村知哉講師から教えてもらい、この本を手に取りました。それ以来、鍵山氏の本は何冊か読みましたが、非常にシンプルに鍵山氏の考え方を表現したものとして、この『凡事徹底』を、お勧めしたいと思います。

グロービス・マネジメント・スクールで活用しているハーバード・ビジネス・スクールのケースを読んでいたとき、結局、多くのケースが言いたいことは、「当たり前のことを当たり前のようにやることの重要性とその難しさかな?」と思ったことがありましたが、この本もそんなことを感じさせてくれました。この本では徹頭徹尾、タイトルにあるように凡時を徹底しましょうということを記しています。

曰く、
とくべつなことを探すよりも、当たり前の、だれでも知ってはいるけれども、やっていないことはいっぱいあります。そういう小さいことに目を向けて、それを徹底していただくことをまずお勧めしたいと思います
人間は義務でやらなくてもいいことがどれだけやれるかということが人格に比例していると思います
私は簡単なこと、単純なこと、単調なことをおろそかにしない。それを極めていくという考え方でやってきました

耳を澄まして聴いて、実行していきたいものです。"

名言

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