プレゼン上達の秘訣は印象トレーニング ―『パーソナル・インパクト』 

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「プレゼンを上達させたい!」という願いは、多くのビジネスパーソンに共通した思いだろう。本書をオススメする理由は、よくありがちなインパクト重視のプレゼンを是とするのではなく、「自分らしさ」をまず見つめ、自分らしいプレゼンを目指したトレーニング方法について述べているからである。しかも、著者が「東京2020オリンピック・パラリンピック招致」の成功を陰で支えた人物と聞けば、さらに興味が沸くのではないだろうか。

一般的に、よいプレゼンを行うには、「事前の準備」と「当日の実施(プレゼンをする場面)」、それぞれの場面で入念な準備が必要である。本書は後者の「当日の実施」にフォーカスして書かれており、この場面でもっとも重要なことは、「周囲に与える印象(インプレッション)」だと述べている。

「いかに自分が理想とする“よい印象”を相手に受け取ってもらえるかがポイントです。常に“チャンスは最初の一時で決まる”と肝に銘じて、最初からフルスロットルで行くべき」

そのためにも、「まず自分がどうありたいのか?」のイメージを持ち、そこに向けてトレーニングすることを推奨している。例えば、プレゼンの練習をする際は、相手からオープンに感想を聞くのではなく、「自分がどう見られたいのか?」を伝えた上で観察、アドバイスをもらうことで、効率的に改善できるだろう。

3つのVを鍛えるとプレゼンの印象が大きく変わる

筆者が考える、周囲に与える「印象」を構成するのは、以下の「3つのV」である。
1. ビジュアル(visual)」「2. 声(vocal)」「3. 言葉(verbal)

ビジュアル(visual)は、「姿勢(stance)」「手(hands)」「目(eyes)」「顔(face)」から。声(vocal)は、「呼吸(breath)」「スピード(speed)」「ピッチ/抑揚(pitch)」から。言葉(verbal)は、「シンプル(simple)」「パーソナル(personal)」からなる。

そこで、私が「ビジネス・プレゼンテーション」の授業を通じて感じている、比較的改善がしやすく、でも忘れがちな「ビジュアル(visual)」をご紹介したい。

■姿勢(stance)
著者はこの姿勢が最も重要と述べている。体を安定させるために、足を少し広げ、重心を中心に据えること。私も授業で多くの受講生のプレゼンを見る機会があるが、片足に体重をかけて話す方が多い。だらしなく見えてしまうので、真っ直ぐに立つクセをつけることを伝えている。また、座って話す際も椅子の後ろにしっかりお尻をつけて、姿勢を真っ直ぐにすることをポイントとしてあげている。

■手(hands)
声と手はシンクロして動くことが理想だ。そもそも、手を使わない方がいいのでは?とか、恥ずかしい気持ちを持つ方もいると思うが、手を使わないと話にエネルギーを込めたり、表現に色をつけることが難しくなる。まず自分が何を伝えたいのか?を深く考え、伝えたいこと(言葉)と手の動きをセットで表現することが大切である。

■目(eyes)
大事なのはアイコンタクトではなく、「アイコントロール」だ。アイコントロールとは、意図的に自分の目を動かすこと。緊張すると、無意識のうちに目線がさまようことがあるが、目線のすべてに意図を持つ(コントロール)ことが大切である。

■顔(face)
もっとも効果的なコミュニケーションの表現は「笑顔」であり、スピーカーから聴衆に投げかけないといけない。聴衆が無表情に感じてしまうのは、スピーカーからの笑顔の投げかけが足りないのかもしれない。

それぞれのトレーニング方法は本書を参考にして頂きたいが、まず出発点として自分のプレゼンを「映像」に撮ってみることを著者はオススメしている。「自分が周囲に与えたい印象」と「周囲が思うあなたの印象」には大きなギャップがあるためである。

最後に、筆者からのメッセージを紹介したい。

「いろんな自分の引き出しを開けてみてください。そのために、自分で自分の印象を決めつけすぎず、さまざまなパターンを映像に撮ってベストなものを選んでください」。

本書を参考にして、自分らしいプレゼンに磨きをかけ、ぜひ成果につなげていってほしい。

 

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