内部留保っておカネとは違うの? 

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最近、ニュースで「内部留保」という言葉をよく耳にしませんか?上場会社の内部留保は200兆円にのぼるとも言われ、それらを設備投資などへ積極的に活用することを期待する声も聞かれます。

ところで、「内部留保」という言葉は、厳密に言うと会計用語ではありません。実際、決算書には内部留保という項目(勘定科目)はありません。内部留保を貸借対照表の項目のどこまでの範囲と捉えるかはいくつか考え方がありますが、一般的には内部留保は利益剰余金を指す場合が多いと思われます(ここでは内部留保=利益剰余金として話を進めます)。利益剰余金とは、簡単に言うと毎年の会社の稼ぎである利益から配当金などを差し引いた(利益処分と言います)残りの累積金額のことです。

例えば、ある年の利益100のうち50を配当金として株主に支払い、50が手元に現金として残ったとします。この場合、この年の内部留保は50となります。その後、手元に残った50のうち40を設備投資に充て、さらに10で在庫を購入したとします。すると、手元のおカネは0ですが、内部留保(利益剰余金)は50のまま維持されます。これはどういうことでしょうか?

実は、会計ルールでは利益剰余金は利益処分によって減少します。これは、利益剰余金の元になる毎年の当期純利益は株主の持ち分であるため、会社法では原則としてその処分には株主総会での決議が必要、としているためです。要するに、内部留保とおカネは別々の動きをするため、内部留保がたくさんあるからといっておカネがたくさん会社に存在しているとは限らないのです。

内部留保が多いということは、会社の稼ぎの内、株主への分配(配当金)が少ないとは言えるかもしれませんが、必ずしも会社が稼いだおカネを持て余していると言えるかどうかは分かりません。会社の製造設備やR&Dなどへの投資が不十分かどうかは、貸借対照表の現金及び預金や有価証券といった金融資産が多くなっているかどうかをチェックしたほうが良いですね。

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