JXと東燃ゼネラル、「企業文化」の壁は突破できるか? 

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11月16日、日経新聞は一面トップで、JXホールディングス(HD)が東燃ゼネラル石油と経営統合に向けた交渉に入った、と報じた。JX HD傘下のJX日鉱日石エネルギーは、国内ガソリン販売数量シェアの約3割を占める国内元売りトップ企業だ。同3位の東燃ゼネラルのシェアは約2割、統合が実現すれば単純合計でシェア5割と他社を圧倒することになる。

外形的には強者連合の組み合わせだが、統合交渉の行く末は予断を許さない。どちらかが主導権を持って他方を飲み込むよりも、対等な立場を保ちつつ一緒になろうとする方が難しい。三井化学と住友化学、サントリーとキリンなど、一度は統合に向けたテーブルにつきながらも交渉の途上で破談となる例は少なくない。そうした統合を妨げる大きな壁が「企業文化」の違いだ。

企業文化とは、企業組織の構成員が共有する信念、価値観、行動規範などの集合体だ。組織の評価基準や成功体験、失敗体験の積み重ねを通じて社員たちの中に形成された暗黙の常識といってもよい。近い文化を持つ企業同士なら協業はしやすいが、反対に文化の違いが大きいと合意形成は困難になる。

JXは、日本石油と日本鉱業が出自の民族系石油会社の雄、一方の東燃ゼネラルは、米エクソンモービル資本の外資系石油会社の代表格。長年、日の丸を背負って国策を意識してきた会社とアングロサクソン株主の資本の論理を意識してきた会社の行動原理には違いがあっても不思議はない。同じ石油業界で、両社に先んじて経営統合に向け動き出した出光と昭和シェルもしかり。実際、昭和シェルの社内では、統合相手としてJXと並ぶ民族系大手の出光は企業文化が違いすぎるので、同じ外資系の東燃ゼネラルに秋波を送る動きもあったという。

JXと東燃ゼネラルの両社はプレスリリースで、同報道は自社の発表に基づくものではなく現時点で決定した事実はないと否定している。国内石油市場の供給過剰構造是正のため業界再編の動きが後戻りすることはないが、ひょっとすると別の組み合わせになることもあるかもしれない。

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