日本の政治の場合、首長(知事や市町村長)は大統領制にも近く、権限が絶大だという説明がされることがあります。今日はその権限をイメージするために、自治体の予算を調べてみました。
日本の地方自治体のうち、予算規模が最大なのはもちろん東京都。平成19年度の東京都の歳入(都税等のみ)は何と、53,561億円です。
この数値は、何に匹敵する規模だと思いますか?
都道府県の予算は大企業の営業利益に匹敵
まずは、東京都の歳入を国内の他の自治体と比べてみましょう。いずれも「国からの注入」である地方交付税などを含まずに数字を拾っていくと、以下のようになります。
大阪府 14,694億円(府税収入)
愛知県 13,116億円(県税)
北海道 6,081億円(道税)
沖縄県 1,049億円(県税)
次に、日本の企業と対比してみましょう。何と比べると妥当なのか議論はいくらでも有り得るところですが、「稼いだお金の運用」という視点で揃うように、売上高ではなく営業利益 と比べてみたいと思います。下記のデータは、「NIKKEI NET」で全国上場全業種ランキングを引き、単純に並べました。数字は上場企業の中での順位です。
東京都 53,561億円 *
1.トヨタ自動車 20,873億円
大阪府 14,694億円 *
愛知県 13,116億円 *
2.NTT 13,058億円
……中略……
6.キヤノン 6,120億円
北海道 6,081億円 *
7.新日鉄 5,474億円
……中略……
54.アコム 1,131億円
沖縄県 1,049億円
55.HOYA 1,036億円
56.大阪ガス 1,033億円
いかがでしょう。首長は大企業と同程度かそれ以上の規模のお金を運用していることになります。「行政」の「経営者」に相当します。
振り返って私たち有権者には、行政という「経営」において、いわば「取締役」の義務を課せられています。そうして見ると、議員は経営を監視するための「会計士」のようなもの。会計士に期待するような役割を果たせる議員を見抜くことが選挙の意義と言えるでしょう。