日本の農産物は海外で売れる~稼げる農業の実現に必要なこと 視聴時間

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衆議院議員・河野太郎氏×近藤洋介氏×和郷園理事・木内博一氏×日本総合研究所副理事長・翁百合氏
G1サミット2015
第10部 分科会B「農政改革~稼げる農業、競争力ある農業の実現に向けて~」

日本の農産物は、国内外で高い評価を受ける一方で、農業の担い手である農家は、高齢化と後継者不足に直面し、耕作放棄地の拡大が続いている。安心して農業に取り組むことのできるセーフティネットを整備する一方で、競争力ある農業を育て、農家の所得向上を実現するためには、どのような取組が必要なのか。岩盤規制を緩和し、農業を成長産業としていくために、必要な改革とは何か。キーパーソンたちが議論する「農業の未来」(肩書きは2015年3月20日登壇当時のもの。視聴時間1時間19分3秒)。

木内 博一氏
農事組合法人和郷園 代表理事
河野 太郎氏
衆議院議員
近藤 洋介氏
衆議院議員
翁 百合氏(モデレーター)
株式会社日本総合研究所 副理事長

【ポイント】
・農水省が方向転換をしつつある点は評価する。農協改革は、農業には関係なく、農協の健全性を維持するため。単位農協がアイディアを出して、リスクをとりつつ、米の概算価格の調整などができるというインフラが整備された。あとはそれぞれの農協次第(河野氏)

・この20年間で農業の純生産額は半分になり、期間的農業従事者(就業者)が220万人まで減少。60歳以上が70パーセントを占め、50歳未満は31万人。農地は25年間で埼玉県一県分の減少。生産額や農地の減少によって、離農を考える農家が多いのが現状。今の農政改革程度では到底追いつかない。まともな米作り農家の離農や、農地の減少をくいとめる方法を考えねばならない(近藤氏)

・日本の農業者は多すぎる。日本の農家で産業として自立するためには最低で5000万円の売り上げが必要。日本では1万戸。この後継者は十分いるので、明るい未来はある。もう一つ、地域レベルで最先端の技術をコラボレーションし、日本の強みを生かすこと、海外に出て行くこと。日本の農業の強みは、圧倒的に水。農作物は水で決まる。根本となる水が豊かな日本の農産物は、これから海外で活躍する(木内氏)

・日本の農家には、自力でどんどん稼ぐところと、地元で守っていくところの二つある。
中国をいかにTPPにひきずりこんで規制をはずし、日本の農産物を売っていくか。また、アメリカの規制によって輸出できないものについて、今までは農水省が海外の輸出規制に対応できていなかった。そこをしっかりやっていきたい(河野氏)

・農業の技術をいかに確実にするか。技術挑戦をしても、結論は、産業にはならない。食べ物は、平均的年収の人が使えるお金、コストの中に入らなければならない。産業にはならない。昭和40年代からお米はあまっている。しかし、コストイノベーションによって、単位面積あたりの収穫量を倍にすれば、いい水によるクオリティの高いお米が作れる。すると圧倒的に海外ので競争力がつくので、水田フル活用で日本の米を作るべき(木内氏)

・日本の農家では、技術にすぐれている人と経営にすぐれている人が分断されている。トータルで理解できる人間の早期育成が必要。技術をもつ人間にマーケットを教えるべき(木内氏)

・日本の農業は徹底的に鍛えられているが、マーケットがかなり安いのが問題。生産コストを下げるために土地の集積をし、300~500ヘクタール規模の農場を作らねばならないが、田舎で土地は株券と一緒。期待値をもって手放さないものを、いかに集積するか。もっと極端な政策をとらなければ、生産性を高めた「産業」にはならない。集積して雇用を作り、個人経営でやっていた人が法人に出資参加するか、分業するのがよい(木内氏)

・それは第二の農地解放のようなもので、現実には不可能。ゆるやかに構造改革させるほか、現実はない。採算が合わない農家は離農し、集積が進まず農地が荒れる。荒れた農地を回復するにはコストがかかる。農地を荒れさせずに集積するバッファーを作らねばならない。やめる人は次の人にゆずるシステムをつくる。また、農協自体がビジネスを中心とするなら、金融機構を持たせない改革が必要(近藤氏)

・都市近郊で最も問題なのは、固定資産税、相続税などの税制。農地として続けるのか、将来開発するのか、話し合いで線引きした上で、農地で続ける際には固定資産税も相続税も不要だということにする。その代わり、自分が離農したら次の人に譲り渡していくことを条件づけることも考えていいのでは。また、本当に農地が余っているなら、効率が悪いところに補助金を出すより、効率がいいところに集めて本当にもうけるべき(河野氏)

・人材育成に関しては、他産業のいいところどりをして農業で活用したい。権限と責任を与えて、作る人とマネジメントする人とは別にして専門性を高めること。日本の農業は、リサイクルまで一環して組み合わすことができる、他に類のないビジネスモデルが構築可能。その人材が育てば、世界で稼げるはず(木内氏)

・地方消滅の議論と農業林業の議論は表裏一体、単純には割り切れない。農業は多方面で結びつくことで産業となり、雇用を生んで、水田を保持する。中小企業政策だとみなしてのてこ入れが必要。国の政策としては、健康でよいものを流通させ、適正な価格で、産業政策として進行させる。制度的には、農協の退路をたつためにも、金融業でもうけず、食の可能性と向き合ってほしいと思っている(近藤氏)

・農水省主導の「食料自給率が弱いので守らねばならない」という論理が、農業をうまく活性化させずにきた理由。稼げるところは規模を大きくしてマネジメントし、輸出戦略もたてる。大きくなければ、そこに農業がある、水田あるという価値を消費者に認めてもらい、消費者と一体となって農業を支えていく。全部を国が守るというのは財政的にも不可能。GMO(遺伝子組み換え)の表示などをどうするのか。どこまでそういう先端技術を取り入れるのか。これから先のことを考えると、消費者とフランクに向き合う必要がある(河野氏)

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