デジタルマーケティングはEARNEDとOWNEDのメディア活用法が肝 

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世界で話題のデジタルマーケティング事例とは?

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佐分利ユージン氏(以下、敬称略):本日は、まず我々をとりまくデジタル環境の変化に触れたあと、デジタルマーケティングの世界についてお話ししたい。で、次に日本企業が世界でさらなる活躍をしていくために重要となる「ポテンシャルの最大化」というお話をしたのち、企業のトップリーダーに求められることをお話ししていく。

さて、最初に2つの小さなデバイスをご紹介したい。ともに裏側の磁石で冷蔵庫に貼り付けて使う。一つは「エビアン」(の製造元のダノン社)がつくったもので、Bluetoothでスマートフォンと通信する機能がある。で、たとえば冷蔵庫を開けてミネラルウォーターが底をついたことに気が付いたら、正面のボタンを押せばスマートフォン経由で情報が送られ、その日に「エビアン」が届くというものだ。もう一つのデバイスも機能は同じで、こちらはRED TOMATO PIZZAというピザ屋さんのもの。自分の好きなピザをオンラインで登録する仕組みがあって、あとはお腹が減ったら冷蔵庫に貼ってあるデバイスのボタンを押すだけ。それで30分後にお気に入りのピザが届く。

どちらもコンセプトはシンプルだけれども、このアプローチで消費者は購買までの何ステップを省略できるだろう。今までは冷蔵庫の中を見ていろいろと検討したり、買い物に行ったりしていた。でも、このデバイスはその前段階から提案しているし、ピザであれば自分が好きなものがすでに登録されていて、しかもそれが30分以内に配達される。今、世界ではこうしたマーケティングが展開されつつある。

次の事例は動画で紹介したい。

これはロンドン市街に設置されたブリティッシュ・エアウェイズのOOH広告だ。大きな液晶画面が設置されたその上空を同社の飛行機が通過すると、画面内の子どもがその飛行機を指さすとともに、画面にはそのフライト情報が表示される。広告を見ている人々からすると、すごくインタラクティブだ。ここではフライト情報に加えて上空を通過する飛行機の高度や緯度・経度もリアルタイムで読み取っていて、単に子どもが上方向に指さすシーンを重ね合わせたものでない。OOHの液晶画面とリアルを組み合わせた、大変進化した広告だ。同社はそこでさらに、「#lookup in Piccadilly Circus」や「#lookup」といったハッシュタグで自社広告戦略と連携させている。

一方、最近は一般消費者によるメディアとの接し方も多様化してきた。私の家も昔は畳の部屋で、皆がコタツを囲んでテレビを観るような環境だったし、そういう風景が一般的だったと思う。ただ、それも最近はずいぶん変わってきた。特に若い方々は、たとえばテレビを観ながらタブレット画面を見ている。あるいは、テレビで野球中継を観ながら、たとえばツイッターでその試合についてどんなことが語られているかを見るというように、マルチ画面の体験も増えてきた。

それに伴って、メーカー、あるいはマーケティングの仕掛けを打つベンダーの手法もずいぶん変わってきたし、やはりデジタル化が進んでいる。また、マーケティングで検討しなければいけない事項もさらに広がってきた。これは私が部下によく話していることだけれども、昔のマーケティングはオフェンス思考が強かった。いろいろな媒体があるなかで、どのようにして我々のメッセージをお客さまに認識していただくかに注力していたわけだ。しかし、今はディフェンス思考もすごく重要になっている。

今秋日本に進出するネットフリックスの事例をご紹介したい。DVDレンタル事業からスタートして今はストリーミングビデオ事業も展開するこの米国企業が、2010年だったか、大きな価格改定を行った際、SNS上で非常に大きな批判が巻き起こった。一般消費者がツイッター等で価格改定に関してネガティブなコメントをしていくうち、それに火が付いて広がってしまったというものだ。それで、結論から言うと彼らは株価を1/3まで下げてしまった。なぜ、そんなことになったのか。たとえばハッシュタグ等、見ておくべきソーシャルメディアの情報を彼らは感知しておらず、完全放置だった。だから騒ぎが起きはじめた時点でプロアクティブにマネージすることがまったくできなかったし、気付いたらもう手遅れだった。

ネットの世界では同様の例がいくつもある。トヨタは数年前、海外でアクセルペダルがフロアマットの下にはまってしまうことで大問題になり、アメリカでは株価が下がってPRの大問題になった。その発端もソーシャルメディアだ。モバイル通信事業者のベライゾン・コミュニケーションズもデータ通信価格を大幅に変えたことでネットフリックスと同じことが起きた。ATMの利用料金を大きく改訂したバンク・オブ・アメリカ(以下、BAC)も同じだ。ネットフリックスほどの株価下落こそなかったものの、SNSの管理等はまったくしておらず、株価を下げてしまった。従って、今後はオフェンスだけではなくディフェンス志向も重要になると思っている。

価格改訂のような難しい決定を行っても、こうした問題が起きないような施策というのはいくらでも打てる。私も前職でビジネスモデルを大きく変えた経験がある。そのなかでも、いろいろと変化していく媒体をプロアクティブにマネージする体制をとることは可能だ。世の中の変化に応じて、きちんとしたマーケティング戦略を打っていくことの重要性を、今日はぜひご理解いただきたいと思う。

ここでモバイル端末によるインターネットアクセスを2013年と2014年で比較してみると、1年で相当増えている。今、皆さんが携帯電話に1日何回触れていらっしゃるかというと、一般の方の平均は150回。6分に1回は必ず触っている。また、1日にかける電話の回数が平均22回で、メッセージを発信する数は同23回。つまり、皆さんが見ている媒体が、既存のテレビやOOH媒体からインターネットアクセスが可能なデジタルデバイスに変わってきた。なかでもモバイルデバイスに触れる機会が圧倒的に増えている。

だからと言ってテレビや新聞がもう重要ではないという話ではないけれども、消費者の方々は、最近は複数の媒体を組み合わせて情報を収集している。弊社調査によると、OOHはまだまだ日本において重要だし、お客さまの約9割はテレビ・新聞・雑誌を見てからアクションを取ろうとする。ただ、そのなかの9割の方々は、必ずウェブにアクセスして情報を収集しているという調査結果もある。

従って、今は「古典的メディア+ウェブ」という構成が圧倒的に増えている。また、日本独自の傾向として、小売りの現場におけるお客さまとの接点も日本ではまだまだ重要だ。ただ、店頭で気になる商品があった場合でも、そのあとスマホやパソコンでその商品を調べるケースが増えてきた。日本では、店員の方々は昔からすごく信頼されていたし、店員に教育を受けるという意識が他国と比べて非常に高い。ただ、それに加えてネット上の情報も調べるという動向に変化してきた。

それともう一つ、面白いデータがある。テレビ・新聞・雑誌で提供される情報と、ウェブサイトに記載されている情報に矛盾があると、多くの人は調査・購入を中断してしまう。従って、特にeコマースを行う企業の方々は、すでにテレビやラジオやOOHで宣伝を打っているとき、オンラインにつなげるだけではいけない。お客さまの体験が一律に整理されていないと6割の方々が購入を中断してしまう。従って、やはり複数媒体の組み合わせが重要になってきていると言える。

また、皆さんが普段触れている媒体というと、今はスマートフォンやタブレットやパソコン等々、いろいろある。現在、ホワイトカラーが所有するデバイスの数は平均3.3台と言われている。従って、オンラインメディアは、たとえば画面の小さな携帯電話にだけ最適化されたものではいけない。パソコンやタブレットを含め、それぞれの画面サイズに最適化されたエクスペリエンスを提供していく必要がある。

さて、ここで少し日本市場と海外市場でいくつかのデータを比較してみよう。2014年に日本のインターネット広告費は初めて1兆円を超えた。同年は広告費全体も6年ぶりに6兆円を超えたが、オンラインメディアの広告費は年々大きくなっているし、他の媒体より成長率が高い。ただ、テレビと比べるとまだ小さい規模だ。一方、アメリカ市場はというと、オンラインメディアの市場規模が今年初めてテレビを上回ると言われている。なので…、日本市場はこの点でアメリカに遅れているし、海外と日本ではマーケティング手法も大きく異なるけれども、傾向としては日本もこれに近づくと思う。

理由は明確で、今はデジタルスクリーンをメイン画面にするデバイスが一般消費者によるインタラクションの90%を占めているためだ。スクリーンを持たない古典的媒体とのインタラクションは10%にしか過ぎない。また、今の一般消費者は仕事以外の時間でも、1日4.4時間、デジタルスクリーンの前で過ごすとのデータもある。オンライン広告費がアメリカであれほど大きくなっている理由は、こういったところにある。

デジタルマーケティング市場って何?

そこで、デジタルマーケティング市場とは一体どういうものなのかというお話をしたい。まず、最近はメーカーやリテール企業でもオムニチャネルということがよく言われるし、その辺は多くの企業が重要だと認識している。その背景に、一般消費者による動向の変化、あるいはインターネットやインフラの普及に伴う情報収集方法の変化があるということを理解していらっしゃるのだと思う。

また、今は弊社だけでなく、IBMやオラクルのような世界的ITリーダー企業がこの分野に参入してきた。あるいは、ビッグデータの下地になるようなテクノロジーを提供する企業も参入している。ちなみに、世間ではよくビッグデータと言われていて、「とにかくビッグデータをやれ」みたいなことをおっしゃる方々がいるけれども、ビッグデータというのは単なる手段。その利用目的で一番大きなものの一つはリスク解析、そしてもう一つがマーケティングだ。そこで、ビッグデータをビジネスにつなげることができれば、ITリーダー企業はネットワーク機器もPCもストレージもたくさん売ることができる。そういった背景もあり、2014年時点で20億ドルの同市場は年率13%の成長を続け、2018年には32億ドルになると言われている。今は大変激しい環境変化のさなかにあるということが、皆さんにも伝わったらいいなと思う。

続いて、「デジタルマーケティングの世界」というお話に移りたい。当然ながら、企業はスマートフォンやウェブのサービスを経由すれば、個人情報や位置情報や持ち株の情報等、いろいろなプロファイルデータを取ることができる。そうした情報があることによって、マーケティング手法も今後大きく変わっていくわけだ。そうした今後のイメージビデオをちょっとお見せしたいが、その前に基本的なデジタルマーケティングの発想というものをいくつか紹介させて欲しい。

ここ数年で、複数のメディア横断を前提としたコミュニケーション環境が生まれてきた。私たちはそこで、各メディアを「PAID」「EARNED」「OWNED」と表現している。まず、検索キーワードの購入で打たれた広告などはPAIDメディア。そして、企業が自分たちで所有しているウェブサイトやオンライン・アセットはOWNEDメディアと呼んでいる。これは自分たちがコントロールしていて、いつ誰に何を言いたいか、自由が決めることができる。一方、たとえばツイッターやフェイスブックはEARNEDメディア。自社に対し、人々がいろいろ語ることのできるメディアということだ。ソーシャルメディアは特にそう。そこで評判になれば「LIKE」がついて、ブランド価値やメディア媒体としての価値も上がる。ただ、ネットフリックスのように管理をしないとマイナスになることもある。

デジタルマーケティング領域では、必ずこの3つの媒体について考えながら施策を打っていかないといけない。昔のマーケティングではPAIDメディアが中心で、OWNEDメディアというと、それこそビルの看板といったケースがほとんどだった。しかし、メディアはこの10~15年でEARNEDとOWNEDに拡張されてきている。

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これがなぜ重要なのかというと、お客さまの動向が大きく変わってきたから。昔はお客さまの「認知」「検討」「購入」「再購入」という4ステップが、たとえば対面やDM・チラシからはじまったのち、同じ媒体上を一直線で進むケースがほとんどだった。しかし今は、たとえばアマゾンで何かを購入する際、皆さんが真っ先に見るのはレビューだと思う。それは結局、SNSと広告とオンラインとを組み合わせた購入ということになるわけだけれども、とにかく複数の媒体を行き来して購入を決断される方が多い。昔と違ってクロスメディアで購入されるケースが今は一般的になってきたし、それに応じてマーケティング手法もずいぶん変わってきたと言える。

そこで、デジタルマーケティングをうまく展開している企業の例をいくつかご紹介したい。まずはアメリカのデルタ航空。彼らは10年ほど前、思い切ってオンラインへの投資をはじめた。で、今はチケット販売数の半分以上が自社サイト「delta.com」で直接売られている。自社サイトで直接やりとりをすることによって、お客さまのプロファイルを得ることができるようになったほか、一般的には大変薄いと言われる航空会社のマージン率も高めることができた。その儲けが、新たな仕組みを構築するための再投資を可能にしている。

デルタ航空が面白いのは、オンラインに対して投資を行うだけでなく、燃料設備まで自社で設けている点だ。最近はまた少し燃料価格が下がってきたので数年前に比べて少しラクになっているが、燃料設備に投資することで彼らはさらに利益率を高めている。そういう、すごくイノベーティブに事業を展開している企業と言える。

彼らはなぜデジタルに思い切って投資をしたのか。「デジタルで一からお客さまとの接点を設けていけば、情報収集から再購入までのカスタマージャーニーをフルにコントロールできる」と考えたからだ。彼らはカスタマージャーニーを12ステージに分けて定義したうえで、そこに徹底してフォーカスしていった。

では、実際に彼らのサービスを使うとどうなるか。まず自分のプロファイルが登録されているから、よく訪れる出張先や好きな旅行先の情報を元にキャンペーンを打ってくる。で、それは個人に合った情報だから他社に比べてかなりヒット率が高い。もちろんプロファイルデータがあらかじめ入っていればクリック数も少なくて済む。また、たとえば空港へ向かう日の朝、アプリケーションが「出発です」といったアラートを出したりしてくれる。さらには、搭乗すれば機内にいることが分かるから、Wi-Fiで自分の端末から直接映画を観ることもできる。もちろん着陸時刻も表示してくれるし、時差があればその情報も、お天気情報などとともに表示してくれる。さらに、到着した場所で人気のあるレストラン情報を出したり、たとえばプロファイルにジャズが好きといった情報を入れていれば、ジャズが流れるレストランを紹介してくれたりする。

今はそうしたパーソナルサービスを提供することで、お客さまのロイヤリティが非常に高くなっている。それでシェアを伸ばす一方、利益率を上げたことで競争力もさらに増した。航空業界というのは難しい世界で、マージンが低いからなかなか儲からない。しかし、デルタ航空はイノベーションを通じて的確なコンテンツを正しいとき、正しい人に、正しいチャネルで提供することによって、サービスの差別化を図っていった。

で、次もアメリカの話なのでどこまで皆さんに響くか分からないが、小切手の事例も紹介したい。アメリカでは小切手がよく使われるけれども、昔は入金等のトランザクション費用が7ドル50セントほどかかっていた。で、20年ほど前に「この費用を削りましょう」ということで、銀行窓口で振り込むと2~3ドルで済むようになったし、ATMで行うとさらに安くできるようになっていった。で、最近は携帯端末で写真を撮れば処理できるようになっている。今携帯端末に搭載されているCCDやCMOSセンサは大変高機能なので、携帯電話で写真を撮ったのち、バックエンドでそれを処理して振込みなどを行うことができる。そのコストは昔の1/75。それで大きなマージンを稼ぐことができている。今、アメリカではほとんどの銀行がこうしたシステムに移行している。今後は銀行手帳もデジタル化していくといいのではないかなと思う。

あと、恐縮だけれども弊社の事例もご提示したい。これは少し極端な例だ。アドビではすでにマーケティング費用の70%がオンラインに投じられている。一般的には20~25%と言われているけれども、「我々はもうデジタルマーケティングカンパニーです」と言い切っている。それで、「adobe.com」では情報提供だけでなくソフトウェア販売も行って、ここ3年間で約1200億円にまで売上を伸ばした。もちろんデジタルにコミットしただけじゃない。今は常にキャンペーンを打って分析・テストを行い、最適化していくという作業が続いている。複数のサイトを立ててA/Bテストというものをやっている状態だ。そうしたことをデイリーで回しながらeコマースを運営している。我々はこれを戦略の中核に置いている。

次はパナソニックさん。デジタルマーケティングが大変重要であることは、パナソニックさんには数年前からご認識いただいていた。ただ、「まずは現状認識を」ということで当時の状況を調べてみたところ、「panasonic.(パナソニックドット)」を冠したサイトが世界で71サイト、30言語でつくられていた。で、そこには古い情報が載っていたり、ブランドがまったく統一されていなかったり、ときには間違った情報が載っていたりしていた。ユーザビリティも悪く、とにかくブランドを語ることができていない。先ほど、ウェブ情報に矛盾があると59%の方が購入を中断してしまうといったお話ししたが、まさにその状態だった。なので、まずはブランドを整えようということで、経営戦略の一環としてデジタルを整理していった。それで、結論から言うと、グローバルで一貫したブランディングを実現することによって数段レベルアップしたというお話になる。

で、最後はルノーと日産自動車の例。横浜本社にはチーフデジタルオフィサーの方がいるけれども、日本企業にはこの肩書きを持った方が本当に少ない。チーフマーケティングオフィサー(CMO)も、日本では4%以下だと言われている。では、なぜ日産はそうした領域に投資したのか。昔は車を買うとき、一般消費者の方は自動車ディーラーなどのところに7回足を運んでいたという。そのなかでモデルやメーカーを吟味して、車種やオプションを決めて、さらにはテストドライブをしたりしていた。

ところが、今は平均で1.5回。皆さん、オンラインで自分の好きな車も色もオプションを選んでいて、だいたい分かったうえでディーラーに行くからだ。つまり、自動車メーカーが今まで打ってきた古典的マーケティング戦略も通用しなくなっている。だから、ディーラーに来る時点でほとんど決めているお客様に合わせ、日産さんもマーケティング手法を大きく考え直した。たとえば費用の構成を大きく変えて、「デジタルに合わせて改革を行おう」ということで、今はまさに改革に専念されている段階だ。

一方、他の欧州自動車メーカーを見てみると、たとえば、オンラインでつくりあげた車のモデルをプロファイルデータとしてキャプチャしたりしている。で、そのお客さまがディーラーさんにいらっしゃるときは、ディーラー側にもそのプロファイルデータ、あるいはすでにつくっていた車のデザインを送っている。なので、お客さまが販売店に着いた時点でディーラーの方々もお客様の好み等を情報として持っているから、商談もすごく円滑に進む。それで売上につながる確率がかなり高まっているというケースもある。海外ではそういった例もあって、ずいぶん変わってきている。

いずれにせよ日産のお話は、お客さま動向の変化を認知して、それに対応したスキルを持つ方を社外から採用した事例だ。そしてチーフデジタルオフィサーといった肩書きを持たせ、経営戦略の一環としてマーケティングに取り組んだ例と言える。

このセッションは非常にタイムリーだ。先週、弊社主催で年に1回開催される、世界最大のデジタルマーケティング会議がソルトレイクシティで開かれ、44カ国から8000人以上の方々にお集まりいただいた。そこで、もちろんキーノートセッションや新製品の発表があったし、いろいろな形で弊社のアピールも行っている。ただ、やはり一歩先を行くデジタルマーケティングの関係者が集まっているので、そうした人々同士で「どういった発想でデジタルマーケティングのテクノロジーを使っているか」といった議論もできる。私自身はそれが最も楽しかった。

で、このカンファレンスで紹介された、あるイメージビデオを皆さんにもご覧いただきたい。「マイノリティ・リポート」というトム・クルーズ主演の映画をもしご存知であれば、それをイメージしながらご覧いただけたらと思う。これは、もう近い将来におき得るシナリオじゃないかと、個人的には思っている。

---- 映像紹介----

いかがだっただろうか。最近はセルフドライビングカーの話もよく聞く。映像ではフロントガラスに情報が映っている場面があったけれども、将来はフロントガラスが広告媒体になっていくかもしれない。また、「Apple Watch」でさまざまなモノにアクセスするシーンもあった。アップルさんはすでに数々のAPI開発も行っている。また、「Coca-Cola Freestyle」という機器も映っていた。日本ではそれほど普及していないが、これは既存の機器だ。約1年ですでに1000億以上の事業になっている。お客さまの好みで各種ドリンクを掛け合わせるという単純な発想だけれども、大ヒットした。さらにそうしたドリンクのパーソナライズ情報をスマートフォンに保存することで、機械に近づくとすぐにカスタムドリンクができてしまう。こうしたお客さまとの触れ合い方の変化は、一部では近い将来ですらなく、現時点ですでに起きている。

※開催日:2015年3月20日

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