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小泉進次郎氏×岩瀬大輔氏×紫舟氏 G1新世代リーダー・アワード

投稿日:2013/06/03更新日:2019/04/09

「若いから改革派というのは嘘。同じ思いがあれば世代のギャップは越えられる」(小泉)

堀義人氏(以下、敬称略):世界経済フォーラム(以下、WEF)では毎年、40歳以下を対象に「ヤング・グローバル・リーダーズ」を選出している。G1サミットには同様の賞がこれまでなかったが、若い世代には素晴らしい方々がたくさんいる。そこで今回、「G1新世代リーダー・アワード」というものを創設した。目的は、日本を革命的に変革し、世界に突き抜ける意欲をもつ若手リーダーをロールモデルとして示すことを通して、日本の若者に夢を与え、勇気づけ、インスパイアすることだ。政治、経済、社会・文化の3部門で、プレゼンターの方々からそれぞれ授与を行なっていただきたい。(00:44)

世耕弘成氏(以下、敬称略):民主党は昨年12月、自民党は2009年8月、それぞれどん底に落ちたが、自民党には希望の光が在った(会場笑)。ぶら下がり会見で鋭いコメントを発している姿ばかりが皆さまからは見えているかもしれない。しかし彼は自民党青年局を代表して「チーム11」というものをつくり、毎月11日には被災地を訪れている。そこで「政治は被災者の方々を忘れていません」と。そういったことをしっかり伝える活動もしてくれている。2年間、私の地元である和歌山が大水害に襲われた際も地元を訪問し、被災者を励ましながら、仮設住宅にあがって仏壇に手を合わせてくれたような若いリーダーだ。将来、必ず日本のトップになると思う。(小泉氏壇上へ:会場拍手)。(02:28)

小泉進次郎氏(以下、敬称略):初参加でこうした賞をいただいてしまうと、あとがきつい(会場笑)。貰ったあとに何をやるかが大切だ。「あいつにあげて良かったな」と思っていただけるようにしたい。全体会で竹中(平蔵・慶應義塾大学教授)先生が仰っていた通り、具体的アクションと提案が欠かせないと思う。そこで受賞にちなんで私から世耕先輩へ、お願いとご提案をしたい。(04:18)

先日、故大鵬関への国民栄誉賞授与が決まった。この国民栄誉賞を無名の人々にも授与して欲しいというのが私からの提案だ。今回の賞を貰っておいてなんだが(会場笑)、私の名前等は皆知っている。人間性や考え方に関しては皆さんとの縁の深め方次第だが。ただ、名前すら知られておらず、それでも、「へえ、そんなことをやっている人が世の中にいたのか」というような方々を世の中から探し出して欲しい。(05:13)

故大鵬関への授与理由について、菅(義偉)官房長官は「巨人・大鵬・玉子焼き」と仰っていた。「それなら巨人と玉子焼きにも授与しては?」と思うが(会場笑)、これからの国民栄誉賞は「頑張れば報われる」という自民党の理念にも適うものにして欲しい。日本のどこかで頑張っている人々を国はきちんと見ていると。“国民栄誉賞・無名バージョン”という名前でも良いので(会場笑)、ぜひやっていただきたい。(05:58)

そして二つ目…、日頃から言いたいことが溜まっているので(会場笑)。これは皆さんにもお願いしたいのだが、政治家の活動を支えて欲しい。今、国会議員が国から支援を貰って雇うことの出来るスタッフは、政策秘書、公設第一秘書、公設第二秘書の3人だけ。それ以外は自費だ。正直言って、足りない。やりたいことはたくさんある。しかしアイディアを実行するためには動いてくれるスタッフが不可欠だ。(06:52)

ただ、残念ながら政治がこれほど信頼を落としている状況で、政治家を支えるスタッフ雇用に関して国の支援が欲しいと、なかなか言えない。もちろん「政治家の活動をきちんと支えてあげようよ」と言われるよう、私たちも信頼を回復させたい。ただそのうえで、「これは民主主義におけるコストのひとつだ」という捉え方をしていただきたい。支える基盤を厚くすれば政治の見方もますます厳しくなって、「それに応えるだけの政治活動をやろう」という気持ちにもなると思う。(07:36)

そして三つ目。若い世代だからといって考え方が共通しているということは、あり得ない。私が局長を務める青年局は今回の衆院選後、80人以上になった。しかしたとえばTPPに関して言えば、交渉に参加すべきという私のような立場は少数派だ。若いから改革派というのは嘘。若い世代はひとつというのも嘘。逆に言えば政策に世代は関係ない。同じ思いがあれば必ず世代のギャップは越えることが出来る。(08:14)

今日は竹中先生から「景色を変えよう」というお話もあったが、人によって見える景色は違う。「TPP参加で国の形が変わってしまう」といった反対論はよく聞くが、世界も日本も変わっていることに気付いていないことが一番の問題ではないか。もう変わっているのに、入ることで変わってしまうと恐れている。それでは駄目だと思う。(08:51)

景色は変えなければいけない。ただ、変わる前の、つまり今の景色をどう見ているのか。その現状認識を多くの方々と共有する必要がある。誰もが「改革すべきだ」とは言うが、誰のための改革かと言えば、それぞれ違う答えが返ってくると思う。改革派の人々は「日本全体を変えなければいけない」と言うだろうし、守旧派と言われる人々も改革が必要だとは考えている。ただし後者の人々に言わせると、今まで築いてきたものを守るための改革になる訳だ。(09:26)

だからこそ戦わなければいけないことが数多くある。今回の受賞を機に、ますます結果を出さなければいけないという、新たな使命感に持った。皆さんから色々な刺激をいただき、元気を溜めて、私や世耕先生や平(将明・衆議院議員)先生が非主流派として紹介されないよう(会場笑)、頑張っていきたい。本当にありがとうございました(会場拍手)。(10:12)

「引き上げられた者がまた次の世代を引き上げる。その連鎖が大切」(岩瀬)

秋山咲恵氏(以下、敬称略):経済部門の栄えある第1回受賞者は、皆さまもよくご存知の岩瀬さんだ。若く、優秀で、イケメンと(会場笑)。これほど完璧な人がいて良いのかと思うが、小泉進次郎さんの素晴らしいスピーチを聞きながら「自分は何を喋ったら良いのか」と、相当緊張している様子が壇上からよく見えたのでほっとした(会場笑)。(11:11)

受賞理由を改めてご紹介したい。戦後初の独立系生命保険会社として、生命保険業の免許を取得したライフネット生命保険の設立に参画。132億円の資本金を集めたうえで、「若い世代の保険料を半分にすることで、安心して子どもを生み、育てることの出来る社会をつくりたい」という理念を掲げ、事業開始後わずか3年半で契約件数は10万件。昨年にはマザーズ上場も果たした。社会変革を実現する若手の起業家代表として賞をお贈りしたい(岩瀬氏壇上へ:会場拍手)。(12:10)

岩瀬大輔氏(以下、敬称略):G1サミットには初回参加させていただいているが、G1から見える社会の風景も随分変わった。私は第1回目のときに32歳で、堀さんには「君が最年少だ」と言われていた。しかし今回は30代の地域首長さんが数多くいらしているし、20代の古市(憲寿・社会学者)さんや30歳になったばかりという社会起業家の方々も参加されている。全体として若くなったと、まず感じる。(13:51)

そしてG1自体も少しずつ、ダボス会議のような影響力を発揮しつつあると思う。先々週開催されたダボス会議には堀さんと行ってきたが、第1〜2回目のG1サミットに関しては、正直、「これ…、ダボス会議になれるのかな」という半信半疑の気持ちもあった。しかし続けていくうちに我々の絆も深まり、皆さまも少しずつ影響力を高めていった。今は本当に「この場から何かを変え得るのだ」と実感している。(15:01)

一方で油断してはいけないという気持ちもある。全体会では後藤(玄利・ケンコーコム代表取締役社長)さんから薬のネット販売に関する懸念も出た。本件については厚労省で設けられた検討委員会に私も入れていただいているが、やはり名簿を見ると明らかに反対派と思われる方々が数多くいらっしゃる。自民党でも反対派の先生方が議連を立ちあげており、なかなか思うようにいかないのだろうなと思う。(15:42)

ただ、堀さんには事あるごとに声を掛けていただき、少しずつ自分もステップアップすることが出来た。今度は私たちが下の世代を引き上げる番だ。そんな風に皆が動くことで変わっていくのではないか。GDP2〜3%成長を達成するには、皆が3%、生産性を改善すれば良い。30分かかっていた仕事を29分で済ませたら良いのではないかなと。そう考えると、本当に小さなことの積み重ねになると思う。(16:10)

ライフネット生命保険は小さな会社だが、我々の参入で生命保険業界全体にも少しはインパクトを与えることが出来たと思う。どれほど小さな石でも、投げ込んだら波紋は広がる。何か大きなことをやろうと背伸びをするのではなく、身近なところから変えていくことで、少しでもこの社会が良くなっていけば良いと思う。(会場拍手)。(16:43)

「文化の力の限界をアートの力で越え、“世界から尊敬される日本”となるきっかけに」(紫舟)

辰巳琢郎氏(以下、敬称略):第1回G1サミットから「文化のほうを担当して欲しい」と言われていたのだが、これが難しい。文化に関わる人々の多くはお金を持っていないからだ(会場笑)。また、文化人は事務所とのスケジュール調整等も自分の意思で行いづらいケースが多く、なかなか来ていただけない状況が続いている。ただ、我々はこういった場に来て、顔を出してお金をいただく商売をしている。そのための旅費や参加費も意味のあることだと、きちんと伝えていくのも我々の役目だと思う。(17:30)

文化というのはすぐにはお金に繋がらないが、大切なものだ。2年前の震災時、我々は「表現や文化に関わる人間として何が出来るのか」と、大変悩んだ。ただ、そのなかでも色々な方が色々な活動を行ないながら、やはり文化は生きていくうえで絶対に必要だと考えた。いかにしてそれを認めて貰い、支援して貰うか。国の文化予算をもっと増やしていただきたいという思いもあるが、まずは民間でどれだけフォローアップしていただけるようにするかが重要になると思う。(18:36)

で、受賞者のお話だが、紫舟さんの書は大河ドラマの『龍馬伝』で知った。それからあれよあれよという間に、色々な場で活躍するようになった。ヴェネツィア・ビエンナーレやルーブル美術館への出展に加え、昨年はダボス会議にも招かれた。書という表現活動をどんどん新しいものにしている。漢字だけでなくアルファベットの表現、さらには2次元であった書を3次元にするといった、大変面白い試みをなさっている。今はそれが世界に発信され、認められている。今後ますますご活躍いただきたい、日本の誇る若き文化人の筆頭だ。(紫舟氏壇上へ:会場拍手)。(20:50)

紫舟氏(以下、敬称略):私は日本の文化として書を世界に出したとき、文化の限界というものを痛感した。「生まれて1000年、書は世界に通用し続けてきた」と言われているが、実はそうとも言い切れないのではないかなと。で、その限界をどのように乗り越えるべきかと考えたとき、二つのアプローチがあると感じた。(22:46)

ひとつは極めてシンプルにしていく方法。もうひとつは他の何かとコラボレーションしていく方法だ。前者に関して言えば、すでに書は十分シンプルになっていると思う。従って私は後者の力で書を世界に出していきたいと思った。具体的には文化の力の限界を、アートの力で乗り越えようと思った。(23:33)

そこで最初に書の立体化をした。私たちは漢字が2次元のものと思いがちだが、その思い込みや伝統とともに書を紙から解放してあげる。書を奥行きある立体物にしたうえで、光を当てることによって影で文字の意思を表現した。日本の伝統や文化あるいは日本語が分からない人たちも、その曖昧な影の表現で感情移入しやすくなり、よりリアリティを感じるのではないかと。漢字は、実は紙よりも前に誕生している。牛の骨や亀の甲羅に掘られていたという意味で、漢字はもともと空間を使った表現手段であったと言えるのではないか。(24:00)

また、今はデジタルと切っても切れない社会ということで、デジタルを使った表現も行った。具体的には書が壁に沿って降ってくるというもので、書の部分に触れるとそれが言葉の意味を示すアニメーションに変化する。変化したアニメーションはそれぞれ知能も持っていて、たとえば花という字に触れると花びらとなり、人がじっとしているとそれが寄ってきたりする。そんな作品を発表し、フランスでは賞もいただいた。(25:10)

私は、たとえばハーレーダビッドソンとハリウッド映画のコラボレーションで「格好良いアメリカ」のイメージが広まったように、文化と産業のコラボでアート作品をつくることによって、日本というものを世界に広く発信出来ると思っている。これからも日本の文化や思想あるいは歴史的背景を込めた作品をつくりたい。世界中にアートで感動を伝え、それによって日本に関心を持って貰いたい。それを「世界から尊敬される日本」になるきっかけに出来たらとも思っている(会場拍手)。(25:59)

「ルールのなかで生きていく日本から、ルールをつくる日本へ」(小泉)

堀:ここからはパネルディスカッション形式で進めていく。今の日本社会は若くして成功した人々に少し冷たいのではないかと、私は以前から感じていた。それでベンチャー起業家等がバッシングを浴びることもあった訳だ。だから私はある時点まで、テレビやマスコミに出なかった。ただ、東日本大震災以降、「やはり社会を変えなくては」という気持ちが強くなり、G1サミットの動画配信等も行うようになった。(27:06)

私たちは若いエネルギーで変革していこうとする人々をもっと讃えるべきだ。彼らをロールモデルとして引き上げないと社会は変わらない。去年、WEFによるグローバル・アジェンダ・カウンシルの会合がドバイで開かれたのだが、ある方がそこで、「恐らく今の時代は人類史上初めて、若い人々のほうが年配の人々よりも高い知識・知能を持つ時代ではないか」と言っていた。「だから我々はもっと若い世代に学ばなければならないのではないか」と。個人的には昔もそういう時代はあったと思うが、いずれにせよ、年配の方々だけでなく若い人々からも学ぶ必要性はあると、私も感じていた。(27:44)

そこで早速、御三方に伺っていきたいが、まずは小泉さん。全体会では「景色を変えよう」、「タブーに挑戦しよう」といったことが言われていた訳だが、この辺に関してどのような行動を起こしていきたいとお考えだろうか。(29:09)

小泉:景色は立ち位置次第で異なる。ただ、自分が見ている景色を多くの人に「こう見えている」と伝え、納得して貰い、その方向性でついてきて貰うということをしなければ政治は動かない。ただ、残念なことに若い世代で同じ認識や政策の方向性を共有出来ている訳ではない。先の衆院選では28〜30歳の方々も勝ってくれたので、今31歳になる私は最年少でなくなった。ただ…、45歳以下が青年局という組織に属しているのだが、そのなかでも割れる。むしろ私は少数派だ。これをなんとかしたいと思っているが、今はかなり厳しい景色が見えている。(29:31)

それをどう変革していくか。一言で表現すると、「ルールのなかで生きていく日本から、ルールをつくる日本へ」、だ。日本のすごいところは、「この環境でやれ」と言われたとき、世界のどの国よりもそのルールにフィットする能力を持っている点だ。スポーツはその典型だろう。日本人が飛びづらいスキー板にレギュレーション変更されても勝ってしまう。柔道も同じだ。一本を狙う日本らしい柔道から現在のポイント制はかなり離れているが、そのルールでも一番となるために頑張ることが出来る。(30:53)

ただ、正直言って今はそれも限界だと思う。他者がつくったルールで一番を目指すのでなく、ルールづくりに参加すべきだ。そんな発想を持って貰えるよう、政治の世界で訴える必要があると思うし、そこで戦わなければいけない部分もある。(31:49)

ただ、やはり若いと潰される。堀さんと同様、私もテレビには絶対に出演しない。テレビ局からの依頼もすべてお断りしている。話をするのはぶら下がりだけ。「テレビによく出ているね」と言われるが、出ているのではなく、向こうが来る(会場笑)。スタジオでぺらぺら話すよりG1のような場に来るほうが自分にとって有益だ。もしテレビ等に出るのならそれなりの準備と武装をしないと、やられる。同じことは今の日本を生きるあらゆる分野の若い人々に言えると思う。(32:12)

堀:変革の担い手として「我こそは」と声を挙げ、多くの人々をインスパイアしていくことも重要かと思う。その辺はどうお考えだろう。(33:02)

小泉:戦う場所を間違えないこと。「戦うこと」と「つくらなくても良い敵つくる」ことを混同してはいけない。戦うのであれば、どこで戦うのか。また、どこまで攻め込むかも考える必要がある。「攻め込む相手にも必ず逃げ道はつくってやれ」ということはよく言われると思う。私も国会で質問するときは、どれほど厳しく追及するとしても個人批判は絶対にしないよう心掛けている。(33:02)

そういった戦い方やタイミング、そして戦う深さが重要だ。前線まで入るにしても、「ここまで入ったら逆にロジがもたなくなる」といったところを見極めないといけない。そうでないと、最初の勢いでは行くところまでは行ったが、気が付いたら後ろに味方が誰もいないという状況が生まれかねないと思う。(33:22)

「女性や“年寄りアントレプレナー”など多様な人々が活躍できる環境整備が社会の風景を変える」(岩瀬)

堀:誰と一緒に戦うかも大事になると思う。仲間がいることで勇気を持って戦うことが出来るし、勝つ可能性も高まる。その仲間に多様性があれば、局地戦で少々負けても援軍が来る。多くの人が後ろからサポートをすることで改革も進んでいくのではないかと思う。さて、岩瀬さんにも同じ質問をしたい。世界をよく知る岩瀬さんにとって、「景色を変える」「タブーに挑戦する」行動とはどういったものになるだろう。(34:32)

岩瀬:ビジネスとしては今の生命保険業を一生懸命やるという話になるが、それ以外に「こういう社会であって欲しい」というお話をしたい。まず、やはり女性が働きやすい社会。本気でやれば少子化対策は可能だと思う。たとえばすべての駅に無料保育所をつくり、女性が職場復帰しやすい環境を企業がつくるといったことをするだけで、出生率もかなり改善され、社会の風景は変わるのではないか。(35:25)

それともうひとつ。今年のダボスでは「年寄りアントレプレナー」といったテーマで講演を行った。今一緒にやっている社長は65歳。元気だ。どんどん元気になっていくので困っている(会場笑)。単に定年を延長するだけでは若年層の雇用に響くので、むしろそういう方々に新しいビジネスと雇用を創出して貰いたいと思っている。経験豊かな高齢の方々による新しいビジネスがロールモデルとなり、それに他の世代も刺激を受けるようになったら、そこでも何か変わってくるのではないか。(36:06)

また、日本に住んでいるとなかなか認識しないが、皆、歳をとっている。テレビを観ていても、最近は40歳前後の女優さんが未だに人気だ。それは昔の風景と違うのではないか。そこで、たとえばお年寄りの住まいを大学キャンパスの近くにつくり、周囲には図書館も病院もあって若い人たちもいるという、そんな都市開発を行なってみるという考えもある。とにかくダボスで世界の人々と議論を行うなか、日本の高齢化がいかに早いかということを感じた。その辺でも取り組む必要があると思う。(36:50)

堀:では次に紫舟さん。書道という古くからある世界で、紫舟さんはイノベーションを起こした。立体化やデジタルでの表現を行い、かつそれを世界に発信していった紫舟さんにとって、「景色を変える」考え方はどのようなものになるだろう。(37:57)

紫舟:実際に世界へ出てみると、日本基準と世界基準がまったく違うことを痛感するとともに、「日本基準で押し通す訳にはいかないだろう」ということも感じる。「この国が独特ということがあるのだろうな」と。そこで書を世界で通用するレベルに引き上げるべきだと強く感じ、アートの力を使って乗り越えようと考えた。(38:49)

堀:世界では何をフロンティアとしてお感じになっただろう。書に関しては、アジア圏を別にすれば「世界でどこまで理解されるだろうか」という面もあったと思うが。(39:44)

紫舟:むしろ国内より世界のほうが評価してくれると感じた。海外の人々は購買意欲も強く、その面では国内のほうが難しいという実感がある。(40:20)
堀:もう一度小泉さんに戻りたい。先ほど「無名の人に国民栄誉賞を」というお話があったが、G1サミットでも昨年は無名の方をお招きした。震災で多くの仲間や家族を失ったにも関わらず、それでも立ち上がり、自らNPOを立ち上げた方だ。そういった無名の方々を、小泉さんはどのようにインスパイアしたいとお考えだろうか。(40:43)

小泉:今、すごくもどかしい思いを抱えている。自分で思っている自分の像と、人が見ている自分の像にギャップがある。私に対する色々な意見や評判はあると思うが、自分のなかでそれほど大した人間でもないのに、人はそう見ていなかったりもする訳だ。従って、ときには自分の見せ方も考えなければいけないと思う。(41:26)

最近、直木賞を受賞した朝井リョウさんの『何者』(新潮社)という本を読んだのだが、面白かった。現代の就活事情について書いた本だ。就活で何が辛いかというと、「たいしたことのない自分を、たいしたことがあるようプレゼンしなければいけないことだ」と。就活で上手くいくことが自分への評価だとは限らないとも書かれていた。(42:00)

「なるほどな」と思った。私、まだ31歳ですよ? 会場には私より若い方がいるかもしれないが、皆さんは31歳のときに何をやっていただろうか。そのときに「これが正しい」と言い切ることが出来るケースなんて少なかったのではないか。それでもそのときに自分が正しいと思った考えと、限られた知識・経験で、戦い、もがく訳だ。(42:33)

だから欲を言えば、一緒にもがき苦しみながら、課題の多いこの時代を「ともに乗り越えていきたい」と。無名の方にそう思っていただけるよう自分をさらけ出しつつ、一方ではそれを弱みとしてつけ込まれないよう注意もしながら、同時代に生きる人たちをインスパイアして一緒に走っていきたいと思っている。(43:04)

「国力が下がるとその国で生まれた作品の市場もなくなる。自国の文化を買い支えてほしい」(紫舟)

堀:明日の全体会では「G1ユース」というプロジェクトでプレゼンも行われる。予選を勝ち抜いた高校生または大学生の1チームと、KIBOW福島の予選を勝ち抜いた方による、「こういうことがやりたい」というプレゼンだ。そんな風にして場を提供することで、若い力を引き上げ、我々も多くの人をインスパイアしたい。(43:38)

自己認識と他者認識がかなり違うというのは、私も感じるところだ。G1サミットに来ている方々は皆、この5年間で大きく変わった。それで、当初は「次代のリーダー」と銘打っていたG1サミットの精神から「次代の」という一節も外した。「我々に責任があるのだ」と。その力を私たちがもし持っているのなら、多くの人たちをどんどん引き上げていきたい。それによって、今ネットを観ている方々を含めた無名の方々に、「私もイノベーションを起こすのだ」という気持ちを持って貰いたいと思う。(44:33)

政治の場でも同じだ。今、たとえば神谷(宗幣・自民党大阪府衆議院第13選挙区支部長さんたちから、「地方の市議会議員や町会議員がともに学ぶ塾のようなものをつくろう」という話も出ている。その意味でも「無名の人に〜」というのは…、巨人と玉子焼きに国民栄誉賞というのは(笑)素晴らしいアイディアだ。そのあたり、岩瀬さんはどうお考えだろうか。(45:28)

岩瀬:社会のビヘイビアを変えていくのは大変な作業だ。私たちは「ネット直販で保険料を節約出来ます」というビジネスをやっている。で、理屈で考えると、「人々は100円でも安い商品を買いに隣のスーパーまで行くのに、何故、年間で何万円以上もの節約になるネットの生命保険に変えてくれないのか」と思う訳だ。この辺は日本が変わらない理由と共通する部分があると思う。グリーの田中(良和・代表取締役社長)さんは以前、「日本が変わらないのは、皆、意外と不満がないからでは?」と言っていた。それほど不満がある訳でもないと。その状況で社会のビヘイビアをどのように変えるのか。ビジネスを通じ、ミクロのレベルで難しさを感じる。(46:13)

ただ、一方では変化の兆しも感じている。30代の首長さんがこれだけいる状況というのは、恐らく日本で初めてではないか。そういった部分にもっとスポットライトを当て、現在生まれているモメンタムをマクロで前へ進めることが出来たらと思う。(47:17)

恐らくちょっとしたことで変わると思う。たとえばネット選挙に関するシンポジウム。それまでも皆がネットで選挙運動をやりたいとは思っていたが、なにかこう…、最後で行き詰ってしまうところがあった。そこで、私は三木谷(浩史・楽天代表取締役会長兼社長)さんが中心になってやっている新経済連盟という団体で役員をやっているのだが、中立である新経連が主催となり、「この日にシンポジウムをやります。皆さんお越しください」という流れになった。(48:05)

そこで「まだまとまっていないから今は止めてくれ」という声もあったが、「絶対にやったほうが良い」という声もあった。それで進めたところ、各党さんとも方針をかなりまとめてくださった。私もそのときは新経連として分厚い報告書のようなものをつくっていたのだが、三木谷さんには「そんなの良いからこっちをやろう」と。とにかく、お手伝いの方法は色々あると思う。ちょっとした部分を埋めてあげるだけで、動かないものが動くのかもしれないと、そのときは強く感じた。(48:32)

堀:日本は待ったなしの状況だ。現在の自民党政権だから支えるのではない。民主党政権もG1ではサポートをしていた。皆で変えていかなければいけないという気持ちを持つことが、マルチステークホルダーの良さなのだと思う。(49:15)

一方で、紫舟さんにお伺いしたいのだが、書の世界では新しい表現というものに対して相当な抵抗もあったと思う。その辺はどうだろう。(49:39)

紫舟:ゼロではないが、皆さんが思っているほどの抵抗はなかったと感じる。むしろ最近は別の部分で気になったことがある。先日サザビーズでオークション予定の品を見せて貰う機会があったのだが、そのほぼすべてが中国の美術品だった。(50:03)

私はそれに驚いて、日本の品をどれほど扱っているのかを聞いたのだが、彼らが扱っているのは村上隆さんと奈良美智さんの現代アートだけだった。彼らは「国力が下がるとその国で生まれた作品の市場もなくなる」と言っていた。かつては日本も強いときがあった。ただ、当時の日本人は西洋のアートを買い漁るだけだったそうだ。それが現在の日本画衰退という側面にも繋がっていると。では現在の中国はどうか。自国の作品や伝統的美術品を買っており、それが中国を支えているという。だから、私としては日本のアート作品や伝統美術品を皆さんに買っていただくことで、次世代のアーティスト育成を支えていただけたらとも思う。(50:38)

堀:そこで戦略的に文化を育てていくイニシアティブも重要になると思う。明日はワークショップも予定されているが、そこで今のような問題に関しても議論していただいて、G1のプラットフォームを活用して欲しい。クールジャパンをはじめとしたさまざまなイニシアティブもG1から生まれた。問題点を皆さんで共有し、戦略的に、かつ互いにサポートしながら変化を起こしていただきたいと思う。(52:14)

「社会課題に関する発信に、“嫉妬”の対象となりづらいアスリートの存在を生かして欲しい」(為末)

会場(越直美・大津市長):女性に優しい政策といったものが国でドラスティックに進まない原因のひとつとして、女性の国会議員が少ないこともあると思う。今は10数パーセントに留まっているこの女性比率が、たとえば50パーセント前後になると政策も大きく変わると思うが、それが、たとえば私が生きているうちに実現するようには思えない。ただ、私としては地方自治体であればそうした政策をより進めることが出来る部分もあると思うし、保育園を増やすといった政策はまさに地方の役割でもあると感じる。このあたりについて、政治またはビジネスの世界で現状の壁をどのように打破していくべきとお考えだろうか。(53:22)

会場(水野弘道・コラーキャピタル(英国)パートナー):私は現在イギリスに住んでいるが、かつてのイギリスはかなり階級的な社会で世代間対立もあったそうだ。ただ、かなり最近まで「ミスター」「ミセス」「サー」を付けて呼んでいたそうだが、「互いにファーストネームで呼び合うようになったあたりから世の中が変わってきた」という話を聞いたことがある。そこで提案だが、先輩方までファーストネームで呼ぶべきとまでは言わないが、敬語なしというのを広げてみてはどうかと思う。(55:58)

会場(竹中):「2050年、世界は‘Schumpeterian Competition’(シュンペーター的競争)の時代になる」と言う『The Economist』誌の記事を読んだことがある。そこで、各分野で次代のイノベーターである御三方に伺いたい。たとえばアートの支援に関して、日本は文化予算に1000億円しか投じていない。国民ひとり当たりではフランスの1/10、韓国の1/5だ。しかし日本の1/10しか使っていない国もある。アメリカだ。同国では企業や個人が寄付を行なっている。また、たとえばU2のボノは貧困問題撲滅を目指して世界を飛び廻っている。そんな風に、互いがそれぞれの分野に関わって化学反応を起こさないと社会は変わらないと思う。皆さんにはそれをぜひ実現して欲しいと思うので、その辺に関して何かコメントをいただきたい。(57:11)

会場(アレン・マイナー・サンブリッジ代表取締役会長兼CEO):情報発信に関して提案がある。G1ヤングリーダーを毎年、ニューヨークで開催されているジャパン・ソサエティーのイベントと、日本の起業家をシリコンバレーで紹介するイベントにご招待したい。必要予算を集める責任は私が持つので、都合さえつけば御三方と堀さんをニューヨークとサンフランシスコにお呼びしたいが、いかがだろうか。(会場拍手)。(59:03)

それともうひとつ。冒頭で辰巳さんから「お金の問題もあり、文化人がなかなかG1サミットに参加出来ない」というお話があった。そうであれば「G1メンバーがスポンサーになってみては?」と思う。多くの文化人が毎年参加出来るよう、“パトロンの会”をつくる。ここにいる経営者や起業家が、それぞれ自身の参加費と文化人一人ぶんの参加費を負担し、彼らが継続的に参加出来るようにしてみてはどうか。その会でリーダー等の役割として何か出来ることがあれば、そちらも私がお手伝いをする。(59:50)

会場(神谷):現在、龍馬プロジェクト全国会というコミュニティで会長を務めている。これは日本中の若い政治家で集まって、20〜30年後の未来を考えようというもので、鈴木英敬・三重県知事と二人三脚でつくったものだ。で、そこに同世代の経済人や文化人の方々にも参加いただきたいと思うのだが、そこでどうしても「政治と宗教に関わってはならない」といった見えない壁を感じる。「選挙の応援依頼か?」という目で見られることも多い。ぜひ30〜40代で分野の壁を超えたプラットフォームをつくりたいのだが、その辺について何か意見やアイディアがあればぜひお伺いしたい。(01:00:45)

会場(郷原信郎・郷原総合コンプライアンス法律事務所代表弁護士):「ルールのなかで生きていく日本から、ルールをつくる日本へ」という小泉さんのご意見に強く同感する。ルールをつくることが出来るようなシステムが、日本社会にないことが問題ではないだろうか。私も司法の世界にいる人間として感じるのだが、たとえば弁護士の世界でも学説や判例を守らせる考えばかりがはびこっている。上からのルールでなく、現場から広がるルールづくりの力を養っていくというようなことを、これからはぜひ考えていただきたい。(01:02:28)

会場(梅澤高明・A.T.カーニー株式会社日本代表 グローバル取締役会メンバー):現在、ここにいる多くの方々とクールジャパンというプロジェクトを進めており、紫舟さんにはそのロゴをつくっていただいたりもした。この活動によって文化やアートを産業と融合させ、日本に新しい産業競争力の根っこをつくりたい。今まではどちらかと言えば機能の価値で戦っていた日本の産業だが、これからは感性や情緒あるいはブランドという領域に競争力の源泉を広げていかなければいけないと考えているためだ。そこで、文化やアートの側からご覧になって、「日本の産業界はこういう部分をなんとかすべきだ」といった問題提起があれば、ぜひお伺いしたい。(01:03:47)

会場(平野岳史・フルキャストホールディングス取締役相談役):大衆迎合というものが非難されることは多いが、民主主義社会においては「どれだけの説得力を持って人々に発信出来るか」ということが重要であることは間違いない。ただ、この辺に関して言うと、日本には欧米に比べてまともな経済マスコミが少ないと感じる。そこで、これだけ力を持ちはじめたG1サミットなりグロービスが、ひとつの経済マスコミとして活動をはじめるというのはいかがだろうか。若いイノベーターを、グロービス等がマスコミとしてサポートしてみてはどうかと思う。(01:04:53)

会場(為末大・一般社団法人アスリートソサエティ代表理事):社会に向けて何かを発信する際、アスリートの存在を生かして欲しい。彼らが多大な努力を重ねているイメージはメディアでも分かりやすく紹介されているので、他の文化人と比べると人々の嫉妬を受けにくいからだ。逆に言えば、そうした発言をするアスリートを、皆さまに育てて貰いたいという思いもある。特に政治や経済に関して日本のアスリートはまったく喋らないが、私としてはひとつでも良いから彼らにも社会問題に興味を持って欲しいと思う。たとえば1つのNPOにアスリートを一人付けるといったような、そんな仕組みづくりの部分でぜひご支援をいただきたいと感じた(会場拍手)。(01:06:54)

「民主主義は?と問うと米国では“参加”だが日本では“多数決”。政治には是非、参加してほしい」(小泉)

小泉:為末さんから嫉妬というキーワードをいただいたが、政界の嫉妬は半端ではない(会場笑)。目に見えないがひしひしと感じる。嫉妬を怖がっていては何も出来ないが、不用意に大きくする必要もない。従って、政治家の態度や発言はすべて嫉妬に繋がる要素でもあるし、私としてはその辺に気を付けている。ただ、嫉妬の少ない世界ということであれば為末さんにもどんどん前に出て欲しい。(01:08:36)

それと神谷さんのご意見についてだが、各分野の若い力を多くの人々に知って貰うというとき、私はもう前に出る必要がないと思う。とにかく私以外の皆さんに前へ出ていただき、政治の世界で小泉進次郎がニュースにならないようにして欲しい。そうでなければ変わらない。私がスタジオに行かないぶん、神谷さんや鈴木知事はがんがんマスコミに出てください。よろしくお願いします。(01:09:18)

あと、竹中さんのイノベーションという視点に関して、ひとつ面白いお話をお伝えしたい。先日、エジプトのムスリム同胞団で経済アドバイザーを務めている方々が5人ほど、日本を訪れてくれた。彼らはおよそ世界50カ国を廻っているそうだ。で、これからのエジプトをどのようにつくっていくかという話をしていたとき、彼らのひとりが、「将来の鍵はイノベーションにある」と言っていた。アラブの春を経たばかりのエジプトでさえ、イノベーションに視野を置いている訳だ。日本も本気になって取り組まないと先を越されることもあると思った。(01:09:51)

しかもその同胞団一行が何度も引き合いに出していたのは、なんと岩倉具視だ。「自分たちが今やっていることは、かつて岩倉遣欧使節団がやっていたことだ」と言っていた。「海外から良いところを取り入れ、日本は国をつくったじゃないか」と。実は今、中東、特にアラブの春が起きた国々で話題になっている議論のひとつに、「日本はすごかった」という話があるという。「日本は明治維新という革命で幕府を倒し、そこで終わらずに明治新政府をつくった。残念ながらエジプトはアラブの春以降、大変な混迷のなかにある。革命を起こした若い人たちの思いが新しい体制で掬われていない」と言う。そんな状況下で日本を参考にして頑張っている国があるという事実に、私は勇気づけられた。ますます頑張らなければいけないと思う(会場拍手)。(01:10:44)

岩瀬:女性のリーダーを増やしていかなければいけない訳だが、実際には…、皆さまも感じていると思うが、かなり難しい。ライフネット生命保険では社外取締役7人のうち、石倉洋子(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)先生を含めお二人が女性だ。しかし、その女性候補を探す段階で、かなりのショートリストになっていた。女性であれば、往々にして本会場にいらっしゃる皆さまが候補になる。で、その方々はすでに何社かで同様のお仕事をしているので、お願いしてもお断りされると。従ってこの辺については「鶏と卵」だが、北欧のような義務付けを含めた、良い意味でのアファーマティブ・アクションを考えていく必要もあるのではないか。(01:11:51)

それとルールづくりに関して。たとえば我々は金融庁の監督を受けている訳だが、実は少し前から規制のあり方が変わってきている。これは、ルール・ベースにプリンシプル・ベースも織り交ぜていくというものだ。細かいルールを定め過ぎず、「原理・原則はこうだから、あとは自分で考えなさい」と。そんな風に変えたことで、金融機関のビヘイビアも少しずつ変わってきたと思う。ルールの運用を変えていくことで社会が変わっていく側面もあるのかなと思う。(01:12:43)

あと、国際的フレームワークにおけるルールづくりという意味で言うと、やはり発信力が圧倒的に足りないと感じる。ダボスでも壇上にいるのは、竹中先生、堀さん、緒方貞子さん、川口順子(参議院議員)さん、そして長谷川(閑史・武田薬品工業代表取締役社長)さんの5人ぐらいだ。皆でそういった場に押し掛けて積極的に発言していくことが、ルールづくりにおける主導権争いの上でも不可欠ではないか。(01:13:27)

堀:今日のダイバーシティセッションでは「社会で活躍する女性管理職を3割に」という話になっている。G1サミットでもそれを目指したいので、女性で「この方は」という人がいたらどんどん推薦して欲しい。発信力に関しても同様に、発信力のセッションを今年は設けた。ダボスにも「G1メンバーから良い人をどんどん送り出そう」という話を、土屋(聡・世界経済フォーラム日本代表)さんとしているところだ。(01:14:07)

紫舟:私が日本人の最も優れた点として認識しているのは、表現の領域における発想力だ。たとえばモノクロテレビの時代に人型ロボットの鉄腕アトムを発想した。その物語で描かれていた街は現代のシンガポールと大変似ている。また、今も世界の人たちは日本の漫画に関して、「何故こんな発想でキャラクターをつくることが出来るのか」と思っている。そういった発想力は、何らかの産業で世界をリードしていこうとした際、大きな力になり得ると思う。そこで、たとえば単に「携帯を薄くしたよ」「モバイル機器の音を良くしたよ」と言うのでなく、文化やアートの力で新しい魅せ方をしてみてはどうか。それによって、たとえばスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションにも負けないような発信が実現出来るのではないかと思う。(01:14:42)

小泉:最後に一言。皆さん、ぜひ政治に参加してください。「民主主義とは何か」と聞かれたとき、日本人の多くは「多数決」と答える。しかしアメリカでは皆が「参加すること」と答える。これが大事。たとえばオバマ大統領の政治資金パーティーにはジョージ・クルーニーがやってきた。民主党の党大会でもオバマ大統領の応援演説を行っていたのは女優のスカーレット・ヨハンソンだ。彼女はそこで、「誰に投票して欲しいとは言わない。ただ、投票に行くことは約束して欲しい」と演説していた。日本はどうか。私の兄も芸能人だからあまりこちら側に関わってこないが(会場笑)、そこに大きな垣根がある。それを皆さんでどうにか突破していただきたい。それが政治のイメージも変え、横串の交流も進める取り組みになると期待している。(01:16:10)

堀:私も先の衆院選では、G1メンバーである政治家の皆さま全員の応援に行ってきた。どんどん参画することが重要だと私も思う。皆さま、本日はどうもありがとうございました。(01:17:41)

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