日本を変える、G1サミット5つの行動宣言 

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堀義人氏(以下、敬称略):第5回G1サミットの最終セッションには、「批判よりも提案を」「思想から行動へ」を掲げるG1らしく、「行動宣言」を選んだ。会場の皆さんにも出来るだけ発言をしていただき、ともに行動を起こし、支え合っていくような形にしたい。(1:40)

〔行動宣言Ⅰ:女性の活用〕2016年に女性の管理職割合30%を目指す

1. G1ダイバーシティ アドバイザリー・ボード構築
2. G1ダイバーシティ事例のケース化
3. G1メンター制度_5社実施
4. 経営トップ、首長_毎月1回の関与
5. 「201630」の達成

岡島悦子氏(以下、敬称略):我々は「G1ダイバーシティ」というイニシアティブで活動していく。この2泊3日、皆さんも非常に楽しかったのではないかと思うが、それは問題解決やイノベーションが多様なバックグラウンドを持った方々の視点から生まれるためだと思う。それこそがダイバーシティの魅力だ。そのなかで競争力も高まる。その意味では男性か女性か、高齢者か若者か、外国人か日本人かといった個別の議論ではなく、産業競争力を高めるための多様性という、より広い枠組みの中で捉えていきたいと考えている。(3:04)

昨年のG1でも同様の議論を行った。メンバーは秋山咲恵(サキコーポレーション代表取締役社長)さん、坂野尚子(ノンストレス代表取締役社長)さん、藤沢久美(シンクタンク・ソフィアバンク副代表)さん、山田メユミ(アイスポット代表取締役社長 アイスタイル取締役)さん、そして私。このメンバーで1年間、事例収集等さまざまな活動を行ってきた。

今回、私たちの分科会では大別して二つのテーマの議論があったと思う。ひとつが社会全体で働く女性の比率を上げるというテーマ、そして、もうひとつが女性管理職を増やすというテーマだ。残念ながらWEF(世界経済フォーラム)の「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート」でも、日本は先進国であるにも関わらず101位。これを何とかしなければということで5つの行動宣言を行う。(4:01)

まず「ダイバーシティ アドバイザリー・ボード」を設立する。この問題につき女性だけで議論するのは、いびつなことになりかねないので、男性にも入ってもらう。青井浩・丸井グループ代表取締役社長、伊藤順朗・セブン&アイ・ホールディングス取締役執行役員、井上英明・パーク・コーポレーション代表取締役などだ。そして二つ目として、たとえばG1コミュニティにもベストプラクティスは色々とあるので、それらをケース化したうえで来年のサミットで共有していく。三つ目はG1メンター制度だ。今後、イニシアティブのメンバーが皆さんの会社に赴いて無料で講演やワークショップをやらせていただこうと思っている。そして四つ目は皆さんへのお願いになる。色々と研究をしてみると、経営トップがこのテーマでコミットしている会社では女性の活躍度もROA(総資産利益率)も高いという結果が出ている。皆さんにも同様のコミットメントをお願いしたい。そのなかで五つ目の「2016年に管理職割合30%」を目指していく。(5:20)

会場(平井伸治・鳥取県知事):女性の参画が進んでいない分野のひとつに行政領域がある。しかし採用試験などを行なってみると優秀な結果を出している人の半分以上は女性だ。結局のところ、彼女たちを上に引きあげる勇気がないのが問題なのだと思う。鳥取県としてもある程度…、割り当てという訳ではないが、毎年管理職として引き上げていかなければいけないと思っている。まず係長を作り、課長を作り…と踏んでいく。(7:37)

会場(石黒不二代・ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO):シリコンバレーの保育所はどこも夕方6時に閉まる。だから皆が迎えにいく。偉い人も頑張って迎えに行き、家でご飯を食べる。私も当地で子育てをしてみて本当に良いと思った。しかし日本での議論はどちらかというと、女性が働かなければいけないので夜遅くまで保育所を開けるという方向になっているように思う。それでは皆が疲弊してしまうのではないか。(8:32)

会場(大串博志・衆議院議員):女性の就労に向けたインセンティブがまだ低いと思う。その一例が配偶者控除だ。「103万円の壁」とも言われ、女性の就業率増を決定的に妨げるひとつの要因だ。廃止してはどうか。日本では廃止の動きに対する政治的抵抗がとてつもなく大きいが、ぜひ議論して欲しい。(9:44)

会場(生駒芳子・ファッションジャーナリスト]):女性の社会進出が先進国のなかでも極端に遅れている点は私も恥ずべきことだと思う。ただ、ある外資系が女性幹部の割合を30%に引き上げようと日本人女性に声を掛けたところ、かなりの方に断られたという話を聞いたこともある。「そんな責任職に就きたくない」と。女性の意識に対する働きかけもご検討いただければと思う。(10:28)

堀:私からも。ダイバーシティというと男性・女性という二極になりがちだが、アドバイザリー・ボードには外国の方も入れてメッセージ性を出して欲しい。(11:07)

岡島:「暗黙知をすり合わせるための長時間労働というモデル自体が難しくなっているのでは?」という話は私たちもしていた。だから生産性を上げることで長時間労働を減らしていきたい。そのなかで保育所の時間に関する問題も緩和される部分や、男性が育児に参加しやすくなる部分も出てくると思う。(11:22)

堀:2016年というとあと3年。それまでに30%というのはなぜか。(12:03)

岡島:経済同友会では同じ比率を2020年までに達成するとしているが、ダボスは2016年までだ。それなら、G1メンバーのような意識の高い人々ならばダボスに合わせようということで「2016年に30%」とした。30%を超えると量だけでなく質も高まっていくという調査結果もある。この辺については会場の皆さんにも調査のご協力をお願いしたい。この手の話は「やらない理由を挙げろ」と言われたら、頭の良い“やらない大臣”がたくさん出てくる(会場笑)。とにかく「やる」と決めることが大事だと思う。(12:18)

会場(アレン・マイナー・サンブリッジ代表取締役会長兼CEO):GDPを伸ばすために女性の雇用機会を増やす、というロジックには警鐘を鳴らしたい。GNH(国民総幸福量)で考える必要もあると思う。女性が自ら望んで仕事を中心に社会貢献していくのは当然良いことだが、たとえばアメリカのように家庭が崩れるほどのダイバーシティとなると、「なんのためのダイバーシティなのか」という話になってしまう。(14:00)
岡島:そこは十分理解しているし、ウーマン・リブのような話をしたい訳ではまったくない。多様な価値観や選択肢を持てる自由をまず持とうという話だと思う。(14:33)

〔行動宣言Ⅱ:日本の発信力〕21世紀は都市間競争の時代。「CREATIVE TOKYO」を発信していく

1. “CREATIVE TOKYO構想”を策定し、東京の未来を世界に
発信する。
2. 2020年オリンピック・パラリンピックの東京誘致を応援する。
3. クリエイティブ発信力を持つキーパーソンネットワークと
国内外でつくる。
4. NIPPONのものづくり力を発揮し、内外のクリエイティブネット
ワークを生かして、世界に通用するブランドをつくる。
5. これらを組み合わせて、地方都市及び地域の「メッカ化」を
促進する。

梅澤高明氏(以下、敬称略):2週間前のダボス会議では堀さんの大活躍もあり、日本チームは素晴らしいパフォーマンスを見せた。その勢いもあって「もっと発信力を高めていこう」という堀さんからの提案があり、今回の行動宣言となった。策定に携わったメンバーは5名。そのうち、楠本(修二郎・カフェ・カンパニー代表取締役社長)さん、生駒さん、そして私の3人は経産省の「クール・ジャパン官民有識者会議」民間委員として過去1年半、戦略策定にも携わっている。加えて、総理官邸の国際広報室参事官の加治慶光さん、そしてフライシュマン・ヒラード・ジャパン代表取締役社長の田中愼一さんにも加わっていただいた。(15:07)

一つ目は「CREATIVE TOKYO」構想だ。21世紀は都市間競争の時代という前提から、東京の発信力が極めて重要になると考えた。1959年、当時の若手建築家たちが高度成長時代に合わせた「メタボリズム」という有機的に成長する都市構想を打ち立て、それがのちに続く都市論や建築論の基盤にもなった。同様に今こそ新たなメタボリズムやポストメタボリズムが必要とされているのではないか。そしてその鍵はサスティナビリティであり、クリエイティビティでもあると思っている。2つ目が東京オリンピックおよびパラリンピック。メタボリズム運動が起きたのは1959年で東京オリンピック開催は1964年。それを契機にさまざまな都市開発が行われ、東京の成長に大きく貢献していったためだ。時間が来てしまったので、ひとまずここまでであとは質疑応答で補いたい。(17:00)

会場(山本雄士・ミナケア代表取締役):日本のヘルシーな部分も発信して欲しい。意外と知られていないが、たとえばすべての国民が40歳を超えるとメタボチェックを受けるという仕組みは海外で大変驚かれるし、尊敬される。あまつさえ危険な人には国が生活指導まで行う、と言うと尚更だ。食についても最終的には「健康な国」、「健康なアジア」というところに繋がると思う。(18:52)

会場(早藤昌浩・世界貿易機関[WTO]貿易政策検討部参事官):海外の日本人コミュニティは日本に大変な関心を持っているので活用して欲しい。また、たとえばパリでは毎年『ジャパン・エキスポ』が開催され、昨年は26万人が来場したという。そういうところへの出展も検討してはどうかと思う。(19:33)

会場(平将明・衆議院議員 経済産業大臣政務官兼内閣府大臣政務官):クール・ジャパンは政治家が絡んだ瞬間にクールではなくなる(会場笑)。ぜひ、民間のほうからも「クールじゃない政治家のクールじゃない発言には『クールじゃない』」と、声を挙げて欲しい(会場拍手)。(20:13)

会場(森浩生・森ビル専務取締役):安全と安心も日本の大きな強みだと思うので、ぜひテーマとして入れていただきたいと思う。(20:30)

堀:私からもひとつ。三つ目に「クリエイティブ発信力」とあるが、クリエイティブにフォーカスするのはなぜか。
(20:39)

梅澤:日本という国自体、懐が深く複数のエッジを持っている訳で、我々としても「これだけがクール・ジャパンだ」という限定はしない。伝統的な美、ポップな現代カルチャー、健康、ホスピタリティ、etc…、それらすべてをクールなものとして包含していく。食と健康の関係は本当にその通りだと思うし、安全・安心についても同様だ。平先生のご指摘についても了解しました(会場笑)。また、海外の日本人コミュニティはまさに「キーパーソンネットワーク」にあたると思う。海外在住の日本人、海外から日本に来られた方々、さらには日本に強い関心を持ってくださっている海外の方々の皆がキーパーソンだ。当然、社会に大きな影響力を持つ会場の皆さんにも参加していただきたい。堀さんのように英語で発信する方もさらに増えて欲しいとも思う。あと、堀さんのご指摘についてはその通りだが、今回の行動宣言その3に関してのみ、「まずはクリエイティブ関連のスターチームをつくろう」という話になっていた。(21:04)

堀:「日本語の発信の傍ら英語」という発想を、「英語で発信して日本語」に出来ないだろうか。面白さやユニークさを英語でどんどん伝えていくことが今こそ求められているのだと思う。(23:25)

会場(星野佳路・星野リゾート代表取締役社長):行動宣言では「東京」と「ものづくり」が目立っていると感じたが、東京のことは皆すでに知っている。今後は地方・地域を発信しなければいけないと思う。また、ものづくりも現在は全産業の25%前後で、サービス産業というか第三次産業が75%を占める。サービス産業をもっと発信していってはどうだろうか。(23:56)

梅澤:時間の都合で4番5番を説明出来なかったが、当然、地方でもユニークなコンテンツをどんどん発掘して世界へ発信していきたい。分科会でも首長の方々から同様のご意見をいただいた。大事なのは国内外にいるクリエイティブ人材との掛け合わせだ。彼らに海外から見た日本の文脈を読み解かせ、地方資源を再発掘・再発見するという考え方が重要だと思う。実は生駒さんがそういった活動を「WAO」というプロジェクトで実際にやっていらっしゃる。(24:35)

〔行動宣言Ⅲ:地方自治〕地方自治体専用の人材データバンクを作り、官民交流を活性させる

1. 地方自治体(ローカルガバメント)専用「人材データバンク」を
設立します。
2. 自治体が保有するビッグデータを開放。行政サービスを向上。
日本のイノベーションに貢献します。
3. タブーを恐れず、首長が教育改革に積極的に関与し、教育行政
の閉鎖性を打破します。国からの押し付けではなく、県と市の役
割分担など当事者同士の知恵だしで、地方発の提言を行います。
4. 出生率を5年間で0.1%増やします。そのため、施策を各自治体で
競い、共有します。
5. 民間企業とのコラボレーションによる地方も儲かる「プラット
フォーム」を創設します。流通ルート拡大・規制緩和・モデル
地区化の事例をつくります。

熊谷俊人氏(以下、敬称略):7人の知事と11人の市長による「G1首長ネットワーク」を結成し、昨年から会合を重ねてきた。今回はその内容を五つの行動宣言にまとめた。全国知事会や全国市長会といった集まりはあるが、そこでは横の連絡調整や国に対する主張・要求で終わってしまっている。そうでなく自ら行動し、それぞれ地方の現場から問題解決を図っていきたい。そしてその解決手法を共有することで日本に同時多発的なイノベーションを起こしたいと考えている。(25:51)

まずは地方自治体専用の「人材活用データバンク」設立。昔と比べると今は官民の人材往来も増えているが、まだはじまったばかり。どういった領域で官民両方に通用する人材がいるのかまだ分からない。それをデータバンク化し、皆さんの協力を求めていきたい。今後は行政の論理を知る人間が民間でも必要になるのではないかと思う。二つ目はICTだ。自治体現場でもICTを大きく活用し、市民・住民の生活を抜本的に変えていきたい。特にオープンデータ/ビッグデータの活用が重要になると思う。まずは小さな成功事例でもつくっていく必要がある。G1首長ネットワークでは千葉市を含めた4つの市で夏にアイディアコンペを行う。官のデータで民に、または民のデータで官にイノベーションを起こすようなアイディアを全国に広く募集し、秋には表彰も行う。それから教育行政についても考えていきたいし、子育てについてもなんとか対策を行って現場から出生率を上げていきたいと思っている。経済についても同様だ。皆さん方と一緒に地方行政の現場あるいは政府から変えていきたい。(26:43)

会場(神谷宗幣・自民党大阪第13選挙区支部長):どれも実現の可能性が大変高いと思うので、それを皆が広く共有出来るようにして欲しい。キャラバンを主宰していただければ、そこに我々が自治体職員を含めた何百人かで押し寄せ、盛り上げていく。また、今回のワークショップでは「地方議員と経営者とで一緒に勉強出来る場をつくろう」という話にもなった。そこでグロービスにあいだを持って貰いたいという提案も出ている。(29:14)

会場(伊原木隆太・岡山県知事):私自身、知事になったことで景色がまったく変わった。そういう人をどんどん増やしたい。だから会場にいらっしゃる皆さまの企業にも「立候補したい」という社員がいたら、休職を認めてあげて欲しい。当然、当選するとは限らない。ただ、落ちたときに戻ってくることが出来るか否かで出馬のハードルは大きく変わる(会場拍手)。(30:08)

熊谷:今年は地方議員との全国キャラバンも行う。私自身が地方議員出身であり、首長になったときに初めて見えてくる景色がたくさんあった。その辺でお伝えしたいこともあるし、議員の方々と一緒に出来ることも多いと思う。休職制度も本当に必要だ。今の政治は一方通行で、政治家になったら戻ることが出来ない。だから生き残るために変なことをはじめる人も出てくる(会場笑)。地方政治や国政のことを知った人間は、民間でも必ずユニークな人材として役に立つと思うので、企業でも理解ある対応をお願いしたい。(31:38)

堀:今回は面白い発見がいくつかあった。まず、首長といっても知事と市長は交流があまりなく、全国知事会等はあるものの47人も首長も集まると議論もなかなか進まない。それともうひとつ、知事や市長は民間との交流を強く求めている。「政治家とはよく会うが、とにかく民間の知恵が欲しい」と。だから今回のG1では「地域シナジーランチ」も開催した。知事や市長というと一歩引いてしまう面があるかもしれないが、仲間だ。どんどん関わって欲しい。(32:31)

熊谷:G1首長ネットワークの良い点は、知事と市長という、普段は利害が対立することの多い両者がひとつの枠に入る点だ。議論していると、「それ、自分たちで出来るね。じゃあ、お互いの県と市でやってみようか」といった話も出てきた。あと、知事や市長というと昔は偉かったのかもしれないが、今は若い人間や民間企業出身者も増えてきた。だから官民の議論もかなり共通した価値観で出来るようになっていると思う。地方では人口減で苦しい局面が増えているし、今後は民間の活力を採り入れないと自治体の維持が出来なくなる。だからこそ知恵も広く民間に求めなければいけないし、行政の職員自身も変わっていかなければいけないのだと思う。(33:28)

〔行動宣言Ⅳ:政治 “政治”を変える〕次の参院選までにインターネット選挙を解禁し、そのプロセスからの学びも活かしていく

1. インターネット選挙を今夏の参議院選挙までに解禁します。
2. 真の国益を考え、外交日程や内政を優先出来る国会審議を実現
します。大臣の国会審議・委員会等へ拘束を緩和します。
3. ねじれによる国政停滞を解消し“決める政治”を実現するため、
形骸化した両院協議会を改革・活性化・原則公開します。
4. 党派を超えた政策議論を深め、議員立法を活性化するために、
議案提出案件の慣例(党による事前承認)を改めます。
5. 一票の格差を参議院・地方選挙2倍以内、衆議院では限りなく
ゼロを実現するため、抜本的な選挙制度改革議論を行います。

田嶋要氏(以下、敬称略):さまざまな議論を重ねたうえで現在の行動宣言に集約している訳だが、ご覧いただくと分かる通り、2〜5は相当マニアックだ。ただ、今日行われた分科会では半分以上の時間がインターネット選挙の議論に費やされた。その意味では本当にタイミングが良いと思う。政権交代が二度起きた日本では、野党の悲哀を味わった自民が与党に戻り、政権が負う責任を痛感した民主が野党に戻り、第三局も力をつけてきた。そんな新しい政治風景が広がっている現状にもまた、G1イニシアティブは良いタイミングで重なってきたのではないか。インターネット選挙についても民主党は過去10年にわたり法案を4回提出しており、それがことごとくはねつけられてきた。しかし政権が変わり、民主党政権時代にはどうしてもねじれ国会で出来なかったものが、今度は総理のほうから「やろう」と言っていただいている。(34:48)

2〜5に関しては「国会はどうして色々と停滞するのか」という個別具体の話だが、これらも出来るだけ前に進めなければいけない。たとえば議員立法。法律上のルールを守っても法案を提出させて貰えないという習慣が過去何十年も続いていた。これらについてもこの機会に風穴を開けていきたい。今日は平さんからも「与党としてしっかり頑張っていく」というご発言をいただいた。ぜひ皆で頑張っていきたいと思う。(37:30)

会場(坂野尚子氏):最近は議員数削減の話を聞かなくなってしまったが、その点も議論して欲しい。(38:57)

会場(田口義隆・セイノーホールディングス代表取締役社長):国会の代表質問等で足を引っ張るような質問をするのは大変つまらないので、互いに止めたほうが良いと思う。(39:11)

会場(郷原信郎・弁護士 関西大学社会安全学部特任教授 総務省コンプイライアンス室長・年金業務監視委員会委員長):公職選挙法のエンフォースメントについて、ぜひ大きな問題意識を持っていただきたい。日本の公選法では警察・検察が裁量で勝手に罰則を適用出来る。これは政治分野のイノベーターが彼らのご機嫌を伺っていなければいけないということだ。なんとかしてエンフォースメントの制度を、ネット選挙の解禁に合わせて改めて欲しい。(39:28)

会場(山田邦雄・ロート製薬代表取締役会長兼CEO):小選挙区制の弊害もかなりのコンセンサスになってきたと感じる。ぜひ次の形を提言して欲しい。(40:03)

会場(藤沢久美氏):私たちに何が出来るかを考えることも大事ではないかと感じた。初日の全体会で竹中(平蔵・慶應義塾大学教授グローバルセキュリティ研究所所長)先生が仰っていた「経営者も政治プロセスを知るべき」という話は国民にも言えると思う。G1の少しクローズドな場で政治プロセスを勉強出来るような機会をつくっていただけたら大変有難い(会場拍手)。(40:22)

田嶋:先ほど「マニアック」と表現したのは、恐らく内側にいないと知らないことがたくさんあると思ったためだ。この辺、藤沢さんのご提案にも繋がるので堀さんとも相談してやっていきたい。あと、議員定数についてはすでに大きな一歩を踏み出している。あとは現政権でどんな判断をするかというところだと思う。それと「足を引っ張る質問」ついて言えば野党は昔からそれをしていたし、民主党政権時代の自民党にもそういう面があったと感じる。しかし今度こそ節度あるやり方に収斂していかなければいけない。予算委員会で予算の議論があまりなされないことも以前から指摘されていたが、とにかく質問をしなければいけないのは言うまでもないことだと私も思う。(40:47)

法執行についても与野党を超えて大変憂慮している。その点ではぜひ郷原先生のお力もお借りしたい。また、小選挙区制度の弊害については昨年の衆院選後に一般有権者からもかなり言われた。中選挙区のほうが良いのではないかという意見もあるが、これは大きな議論だ。当時も「何故中選挙区では駄目なのか」といった議論を徹底的に行い、現在の小選挙区となった経緯がある。その長短両所をはっきりさせ、改めて与野党で議論する必要があると思う。それと行動宣言の2番目に挙げた大臣の外遊についてだが、これは福山(哲郎・参議院議員)さんから「民主党政権でも野党の理解を貰いながらかなり前進した」とのご報告があった。ただ、他国と比べるとまだ圧倒的に議会に縛り付けられているので、こちらもさらに前進させなければいけないと思う。(41:57)

堀:「この二つは絶対にやろう」と決めていたことがあって、そのひとつがネット選挙の解禁だ。それともうひとつ。政治家の皆さんから「政治に関するプロセスの説明を含めた分かりやすいテレビ番組をつくって欲しい」とも言われていた。すでにスポンサーも半分集めているが、残り半分、皆さんも担っていただきたい。政治になるとなぜか皆が避けるが、それではいけない。(45:00)

〔行動宣言Ⅴ:ソーシャル・アントレプレナーシップ〜役割と新たな挑戦〜〕「継続と拡大のためのレバレッジ大作戦」をマルチステークホルダーで遂行する

1. ソーシャル・キャピタリスト・プラットフォームを創る
2. G1ソーシャルアワードの創設
3. ソーシャルマーケットの創出
4. ソーシャル・ビジネス教育プログラムの開発
5. NPOの情報公開に関する法整備

佐藤大吾氏(以下、敬称略):ソーシャル・アントレプレナーシップやソーシャルベンチャー、あるいはNPOには「小さいけれども美しく、良いことをやっている」というイメージがあったと思う。そこに甘んじている風潮も多少あるのかもしれない。それはそれで尊いと思うが、G1で議論をするのであれば「拡張していく」、「世の中にインパクトを与えていく」、「アジアや世界に影響を与えていく」といった方向で考えようという流れになった。「継続と拡大のためのレバレッジ大作戦」。そんなテーマで今回の行動宣言を策定した。また、「NPOやソーシャルベンチャーの業界にいる人だけで完結するようなコミットメントにはしない」という点も意識していた。会場の皆さんと一緒になってやっていける制度改革やアクションにしたい。(45:56)

まずG1が持つボランタリーな部分を大事にしていくため、ソーシャルキャピタリストのプラットフォームをつくる。会場の皆さま全員にどこかのNPOで理事になっていただくという提案も出た。NPOは断らないので。「どこを応援したら良いか分からない」という方は、田口さんも理事を務めていらっしゃるソーシャル・ビジネス・プラットフォームにおいでいただければ優れたNPOに出会えると思う。また、「G1ソーシャルアワード」も今年はコミットする。現場で頑張っているNPOやソーシャルベンチャーに加え、「彼らを応援している方々にもスポットを当ていこう」ということで2つの賞をつくりたい。そしてソーシャルマーケットとソーシャル・ビジネス教育プログラム。皆さんにはぜひ来年以降の「G1ユース」で、若者たちに「当社は金儲け以外でも、こんな風に社会の問題を解決している」といったプレゼンを行なって欲しいと思っている。(47:14)

また、NPOの情報公開に関する法整備は分科会で会場からの意見として追加されたものだ。震災ではたくさんの方が寄付してくださったと思うが、そのお金がどうなったのかを気にしていらっしゃる方は多いと思う。だからNPOに集まった寄付金が何に使われたのか分かるような法整備を実現したい。ここは政治家の方々にもぜひお力添えをいただきたい。(49:01)

会場(アレン・マイナー氏):行動宣言1は「ソーシャルキャピタリスト」でなく、ベンチャーで新しいソーシャル活動を支える「ベンチャーソーシャリスト」という表現にしてはどうか。ベンチャーではあるが、日本的なバランスのとれたソーシャリストというのが良いと思っている。(49:34)

会場(田口義隆氏):ソーシャル・ビジネス・プラットフォームは「G1にはこれだけのメンバーがいるのだからその社会資産を活用したい」、「志ある方を結びつけよう」ということで設立した一般財団法人だ。とにかく無理をしない範囲で継続的に、出来るところからお手伝いいただきたいと思っている。(50:32)

会場(柳川範之・東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授):「G1ユース」参加の意義は若者たちへの貢献だけではない。参加した方々は皆、「子どもに教えることで自ら感動を味わえた」と言っていた。(51:12)

梅澤:ノンプロフィットとフォープロフィットで分けると、どちらかというとノンプロフィットの部分がソーシャル・アントレプレナーシップと呼ばれていて、そこで「もっとレバレッジが効かせて大きくしよう」というお話にも聞こえた。しかしフォープロフィットの企業が持つ事業資産こそ、最もレバレッジをかけるべき部分ではないだろうか。それを繋ぎ合わせて社会問題を解決していくという仕事が出来れば、それが一番スケーラブルになると感じる。(51:31)

佐藤:多くのヒントをいただいた。表現については定義を決めてからというより、「こういう人がベンチャーソーシャリストだよね」といった順番になると感じる。その象徴的行動がNPOの理事を務めていただくことでもあると思う。私たちとしてはとにかく皆さんとの接点づくりをしていきたい。その辺については「一回だけの応援か、継続的な応援か」という選択肢もあって良いと思っているが、もし気に入った場合はご自身だけでなく社員さんも出していただけたらとも考えている。(52:12)

「G1ユース」は私も大変感動した。これは梅澤さんへのお答えにもなると思うが、会場の方々は「ソーシャル・アントレプレナーシップを持っていらっしゃる企業経営者や議員」という話ではないだろうか。その意味で言えばノンプロフィットとフォープロフィットに境目はないとも感じる。ただ、「企業の資産をNPOがレバレッジをかけて活用していく」というお話は大変なヒントだ。接点がないからそれらをどのように使わせていただいたら良いのかも分からないし、企業側もどう役立てたら良いのか分からないのだと思う。(53:51)

モニタリングしながら“アドレナリン”を維持する。そして相互連携により、本当に日本を変えよう。

堀:今後は「G1官僚」や「G1メディア」でも同様に行動宣言を行なっていきたい。宣言をした以上、やらなかった場合は私たち自身が恥ずかしいという話になる。だから常にモニターはしていくが、同時にそれらの行動をサポートし、さらには私たち自身が行動に加わる必要もある。そこで皆さんにお伺いしたいのだが、今回の行動にあたって「これが少しボトルネックになっている」といったものは何かあるだろうか。(54:42)

岡島:「2016年に30%」や「経営トップのコミットメント」は、私たち自身がやるというより、皆さんにそれをお願いする類のものだ。その意味ではモニタリングやフォローアップに関する何らかの仕組みもつくりたいと思う。(56:46)

熊谷:オープンデータに関して、「行政府のデータでこういうことがしたい」といった提案をぜひ民間から挙げて欲しい。行政側から「こういうことが出来るのでは?」という発想だと大抵失敗してしまう。逆に言えば「うちにこんなデータがあるけれども、何か街づくりとリンク出来ないか」といったご提案もいただければと思う。また、「行政職員の研修先としてうちの企業へ来て欲しい」といった話もぜひ。私たちのところへ来たいという形でも良いと思う。(58:19)

田嶋:政党内にも色々な意見がある。そこでG1で皆さんと共有した問題意識を持って政治の場へ戻ったとき、どれほど突破出来るか。ともかくも、まずはネット選挙をひとつやりきることが大事になると思う。もちろん法案をつくったらそれで終わりではなく執行も重要だし、参議院選挙で適用されたら次のG1では検証もすべきだろう。そういったPDCAのようなプロセスで学んだものを生かしつつ、2〜5も少しずつ前に進めたい。(1:00:01)

堀:今回いらした政治家の方々は皆、与野党関係なく優秀でかつ自身の人生を国家のために掛けている。そういった方々は応援しなければならない。私は昨年末の衆院選挙でG1に参加された方全員の応援に行った。皆さんも同様に応援して欲しいし、その過程で自らも政治に参画し、政治を変えていって欲しいと思う。今回の行動宣言が実現したら日本は明らかに変わる。抵抗勢力を前にしてG1に参加した政治家が孤軍奮闘するのではなく、私たちで支えていこう。ツイッターで発信する形でも、寄付でも良い。「平さん頑張れ」、「田嶋さん頑張れ」といった風に声を掛けるだけでも応援になると思う。(1:00:59)

佐藤:本セッションを経て「本当に達成しなきゃ」と、今ひしひしと感じている。「いけそうだ」とは思っているが、法律を変えなければならない部分も何カ所かある。それは田嶋さんや平さんに「お願いします」と言って変わるものではないし、やはり社会に影響力を持っている皆さまのご協力と実践が不可欠になると思う。そのなかで事例が生まれ、「やはり必要だね」という声も挙がっていく。それをメディアが取りあげることでさらに大きな運動となり、やっと政治側がシュートを決めてくれるという流れだと思う。(1:02:38)

堀:本気で日本を変えていくためにG1サミットをはじめた。ひとりでは出来なくても仲間がいれば出来る。会場にいる皆さんが変えられなければ日本は変えられない。今回は行動宣言も行ったことだし、議論ばかりではなくて行動もしていこう。絶対に出来る筈なので一歩一歩実現していきたい。(1:03:34)

岡島:G1サミットは当然素晴らしいのだが、残念なのはアドレナリンが最も出ているのは恐らく最終セッションの時間帯という(会場笑)。で、帰ると再びただの人に…、ただの人ということはないが(会場笑)。そこは堀さんも色々とフォローしてくださっていると思うが、やはり物事を前に進めていくためにも皆で継続的に声を掛け合う必要があると思う。(1:04:17)

梅澤:発信力で言えば、やはりオリンピックとパラリンピックの招致に尽きると思う。ひとりでも多くの方に色々な立場から応援して欲しい。「応援したいがどうしたら良いかよく分からない」という方は、加治さんに連絡を入れてくださったら色々振り付けをしてくださると思う。それと最後にひとつ。「これがないと厳しいな」と心の底から思っているのは政治の安定だ。(1:05:13)

会場(柳川範之氏):現在の政治が抱える大きな問題点は極めて短期の成果を求められている点でもある。今回の行動宣言ではかなり長期に渡る重要なポイントが出ているので、これをどうやって持続的に進めていくか。たとえば「5年後にこれをやります」という話と「それに向けて来年までにこれをやります」という話を整理し、その点も行動宣言に書き込んでいただくと我々としても長期的スタンスで動けるのではないかと思う。(1:06:04)

会場(石黒不二代氏):オープンデータの話にも通じるが、今後も継続的に参加していくためのコミュニケーンツールが欲しい。そこでたとえばオープンデータに関して千葉市から「こういうデータがあるよ」という情報、私たちから「こういうことが出来るよ」といった情報を共有出来たら良いと思う。(1:06:53)

熊谷:私たちは協議会も立ちあげ、今後はそこでホームページもつくる。ぜひご注目しておいて欲しい。(1:07:24)

会場(平将明氏):今は新しい政治ルールをつくるタイミングとしても一番良い時期だ。その意味で言えば田嶋さんにしても私にしても、今後最も大事なのはどれだけ政治家としての独立性を保てるかだと思う。特定の資金や団体に頼っている人はなかなか上手くいかない。だからこそネットで応援していただいたり小口分散の資金で協力していただいたりして、党を問わず独立性の高い政治家をつくっていく。そんな視点も皆さんには持っていただきたい。(1:07:37)

会場(田口義隆氏):熊谷市長は政民の交流について、恐らく謙譲の美徳で「研修に」とおっしゃったのだと思うが、研修を受けるつもりはない。むしろ「我々はこんな貢献が出来ます」と言っていただければ、「あ、それならやって貰おうかな」という話になって継続性も出る。NPOについても同様だが、互いが持つアセットに誇りと自信を持った協働が大事になるのかなと思う。(1:08:44)

堀:それでは最後に壇上の方々から一言ずついただきたい。(1:09:23)

佐藤:本日はサマリーしかお伝え出来なかったが、関心を持っていただける項目がひとつでもあれば…、すべての分野において力不足なのでお助けいただきたいと思っている。こちらからお願いにいくこともあると思うので、そのときにはぜひお力添えをお願いしたい(会場拍手)。(1:10:00)

田嶋:政治家は「アドレナリン出っ放し」という人間も多いが、違う形のアドレナリンも多く、まとめるのが本当に難しい。立場を変えて裏表経験出来たのは大きいが、表の時間が大変長かった政党と裏の時間が大変長かった政党が日本にはあり、それが古い考え方を変えられない原因となっている面はまだあると思う。その辺も力を合わせて突破していきたい(会場拍手)。(1:10:29)

熊谷:政治というと国政を思い浮かべる人が多いと思うが、今は私たち地方政府でも随分と色々なことが出来るようになった。行政の継続性という意味で言えば私たちは4〜8年あるいは10年というスパンで仕事が出来る。さらに言えば地方行政では首長がかなりの権限も持っている。だからこそ地方政府から事例をつくり、それを全国に波及させていくほうが結果的に早くこの国を変えることが出来ると私は思っている。ぜひ私たち地方政府にも注目して欲しいし、コラボレーションもしていただきたい。その突破口を広げていくことで新しい日本をつくりたい(会場拍手)。(1:11:09)

梅澤:21世紀はクリエイティビティの時代だ。クリエイティブ産業と呼ばれる領域だけでなく、すべての産業や組織が創造性を持って進化していく必要がある。我々はそれを目指して議論を続けているし、その文脈のうえでこそ世界に届く真の発信力を日本が持ち得るのだと思っている(会場拍手)。(1:12:00)

岡島:多様性がイノベーションを生み出し、生産性と競争力を高めていくと確信している。国政、地方自治、民間、etc…、会場には色々な方々がいるので知恵を出し合ってなんとか変えて行きたい。WEFやIMFのような外から言われるのではなく内側から、私たちが自ら変えていきたい(会場拍手)。(1:12:39)

堀:G1サミットの行動指針を改めて意識したい。「批判よりも提案を」、「思想から行動へ」、そして「リーダーとしての自覚を」の三つ。今回は行動の部分に強いフォーカスを当てて行動宣言も行った。とにかく私たちがリーダーとしての自覚を持って日本を変えていく気持ちで、また来年、この五つの行動宣言もモニターしてきたい。今後も全員で行動していこう(会場拍手)。
(1:13:09)

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