世耕弘成・内閣官房副長官×竹中平蔵・慶大教授×堀義人・グロービス経営大学院学長 新政権への期待とG1サミットとしての行動 

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「挑戦する精神は今、そして未来を改革する力になる」(安倍)

ゲスト(ビデオ・メッセージ):
安倍晋三 内閣総理大臣

安倍晋三氏:G1サミットにはかつて私も一度参加させていただき、大いに刺激を受けた。

日本、そして世界を変えていくのは挑戦精神だ。震災の復興現場でも、グローバル経済のただなかでも、世界との交流や国際貢献の最前線でも、意欲と実行力溢れる改革派リーダーたちがより良き社会を造る原動力になっていると実感する。

挑戦する精神は次の時代を変えるだけでなく、“今”を変革する力にもなる。さまざまな分野で活躍する改革派リーダーたちがその志を確かめ合い、互いの力を結集してより大きな変革の力を生み出していく。G1サミットは実に意義あるプラットフォームに育ちつつあるのではないか。2年前のG1サミットでご一緒した京都大学の山中伸弥教授もノーベル賞を受賞された。日本には世界を変えていける潜在力が眠っており、それらを解き放つことで世界をより良い場所に変えていくことが出来ると信じている。

日本経済は長引くデフレ不況に苦しんできた。安倍政権に課せられた使命はデフレ脱却と、日本経済を再び成長軌道へ乗せることだ。それが世界の発展にも貢献すると確信している。そのためには正しい政策も必要だが、すべての国民がなんとしても成長していくという気概を取り戻すことからはじめなければならない。皆さんにはそういった強い経済と日本を取り戻していく営みの主役となり、これからも社会変革の先頭に立って欲しい。

まずは福島の地で震災復興、福島再生、そして日本経済の復興に向けた確かな道行を大いに議論をして欲しい。議論の次は行動だ。批判よりも提案を。思想から行動へ。そしてリーダーとしての自覚を醸成する。G1サミットの三つの指針とともに、今ここにある日本の危機を突破して誇りある日本を取り戻すため、皆さんには確かな行動を続けていただきたい。新しい日本を支える大黒柱としての活躍を心から期待している。危機を突破し、未来を切り拓くために、ともに頑張っていきましょう。(会場拍手)

「世界は“楽観主義”側へと舵を切り、そして日本の存在感が再び増している」(竹中)

竹中平蔵氏(以下、敬称略):第5回G1サミットのキックオフとして今回は世耕官房副長官をお迎えし、さらに冒頭では安倍総理の力強いメッセージもいただいた。会場には親しい友人で、かつ信頼出来るサポーターの方々がお集まりだ。ぜひ思い切った議論をしていきたい。まずはこれから行われるさまざまなセッションのためにも、この全体会で何かひとつプラットフォームをつくろう。

まず、少し前にダボス会議があったので、その様子もご報告しつつ現在の日本の立ち位置を確認しておきたい。勝手な指名で申し訳ないが、同会議に参加された堀さんにも登壇いただこう(堀氏壇上へ:会場拍手)。世界が安倍政権をどのように見ているのか。ダボス報告のような形で少し伺いたい。

堀義人氏(以下、敬称略):同会議には6回以上参加しているが、前回まで感じていたのは日本の存在感が低下していたことだ。発言力も下がり、登壇者の数も減っていた。しかし今年になり、それが明らかに変わったと感じる。エコノミストが数多く参加する会議でもあるし、財政や金融緩和といったマクロ経済の議論では必ずアベノミクスへの言及があった。また、地政学の議論なら日中関係が、エネルギー問題なら福島の原発を契機にした議論が、高齢化の議論でもやはり日本が必ず話題に上がっていた。良い面も悪い面も含め日本がまさにど真ん中にいて、大きな関心を受けていたと思う。

安倍総理が中継で参加された点も大変良かった。中継会場に集まっていた世界のリーダーたちに色々なことを聞いて貰えたし、質問に対する総理の解答も明快だった。また、茂木(敏充・経済産業/内閣府特命担当)大臣と甘利(明・内閣府特命担当)大臣も現地へいらして、発信力のある世界のオピニオンリーダーと対談をした。そういったなかで日本の存在感が上がり、日本全体が評価され、明らかに空気が変わったように思う。

竹中:私からも印象的だったことを3点お話ししたい。まず、世界経済情勢に関して去年のダボスは悲観的だった。‘pessimistic’という言葉こそ使いたがらないものの、皆が‘cautious’と表現していた。それが今年は、敢えて言えば“注意深い楽観主義(cautious optimism)”といったトーンに変わった。去年8月、欧州中央銀行は全面的にスペイン等々の国債を貸し支え、それを受けて9月には米FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)がQE3(量的金融緩和政策第三弾)に踏み切り、12月にはさらにそれをプッシュした。「そして、あの日本までも変わりはじめた」と、マリオ・ドラギ欧州中銀総裁はコメントしていた。日本が変わったことが世界の景色を変えているのだと思う。「まだ実体経済は良くなっていないが去年は多くのことを決めた。今年はそれを実行する年だ」と。実行すれば良い方向が見えてくると、皆が思えるようになったと思う。

2点目は堀さんが言われた通りだ。アベノミクスという言葉を世界の首脳が使っていた。我々に対する配慮もあったのだろうが、敢えて言えばその言葉が市民権を得ていた。同時に「3本の矢は大変正しい」と。これは「本当にやってくれよ」という意味もあるのだが…、それがきちんとした矢にならない可能性もあると私は思っていて、そうならないようにあとで議論したい。

そして3点目。これは意外だったが、「日中の尖閣問題はグローバルイシューだ」という指摘をよく受けた。我々にとっては当然大事な話だが、それによって世界経済に迷惑をかける問題ではないかなという思いがあった。しかし世界の経済リーダーたちもこの問題について大変ナーバスになっている。これは私自身の反省も含めてよく理解していなかったと感じる点だ。

以上3点になるが、先ほど堀さんは「空気が変わった」と表現した。実は私も先日、同様の表現を総理官邸で行われた会議でも使った。皆さんに本セッションでぜひ議論していただきたいのは、「いかにして空気、景色を変えるか」だ。今、日本経済の景色を変える最大のチャンスが訪れたと言える。

「財界としてできる限りのことをする、ただイコールフッティングで戦えるようにしてほしい」(堀)

まずは現在の政権運営について伺っていきたい。今のところは、‘So far, so good’。アルジェリアの問題でも官邸は本当に大変だったと思うが、非常に良くやられたと感じる。今までの総括と今後の課題について、世耕さんは官邸の中からどのように見ておられるだろうか。

世耕弘成氏(以下、敬称略):一度辞めた総理が再び総理になるのは自民党で初めてだし、戦後でも吉田総理以来だ。我々としては前回ああいう形で退いてしまい、皆さんにご迷惑をかけたことを深く心に刻んでいる。「今度それをやったら日本が本当に終わってしまう」というぐらいの気持ちで今は臨んでいる。自民党のためでも安倍総理個人のためでもなく、とにかく日本のために安倍政権を1日でも長い安定軌道に乗せたいと思っている。

ともかく今はアンテナを高く張り、起こり得る各種リスクには先んじて手を打っていこうと意識している。アルジェリアでは10名の方が亡くなった。本当に悲惨な事件で、テロに対する憤りを隠し得ない。ただ、こういった事態での段取りや連絡手段はすべて事前に決めていた。トップの外遊中に国民が人質に取られるという大変な事件だったが、政府としては可能な限りの対応をさせていただいたと考えている。

で、今後はやはり党との関係が鍵になるだろう。今のところ、基本的に官邸の決断で物事を進めていける状況が続いている。ただ、これから色々なテーマが出てくる。そこで必ずしも党が一枚岩にならないような議論をどのように整理するか。そこで団結し、総理がやろうとする政策を党全体で支える形になれば国民からも支持をいただけると思っている。

竹中:政策を考えるときはリアクティブとプロアクティブという言葉を上手く使い分けたら良いと思う。リアクティブとは、それこそ人質事件のような、起きて欲しくないけれども起きてしまった問題にどう対応するかという部分だ。ではプロアクティブとは何か。たとえば経済を良くするため、積極的かつ能動的にやるべきことがある。おそらく今は「デフレを克服出来るのでは?」という期待が市場に生まれた状態だ。経済を考えるにあたり、そんな風にエクスペクテーションを変えることは極めて重要だと思う。ただ、それを本物にするためのリトマス試験紙ともいえる議論が今後は出てくるだろう。

ダボスではIMF(国際通貨基金)のクリスティーヌ・ラガルドが、「今年、世界で最もリスクの高い“地域”はどこか?」という質問に対して「日本だ」と答えていた。次が欧州だと。それは何故か。要するに「3本の矢は正しい。ただ、たとえば短期的には財政を拡大するとしても、中長期的には財政再建を本当にやるんだよね?」という懸念があるからだ。成長戦略と言ってみても、TPP抜きの成長なんて常識的にはあり得ない。それをやらずに財政拡大だけを行えば、あとでもっと困った結果になる。ラガルドはそれがリスクだと、そう言ったのだと私は思っている。で、いきなり大きな議論に入ってしまうがTPPと(会場笑)、そして財政再建について伺いたい。財政再建のシナリオをつくるとは言っているけれども「いつつくる」とは言っていない…、ですよね?

世耕:そこが党との調整にもなると思う。TPPについては選挙中にテレビ番組で言及してえらい目に遭っているので(会場笑)、「聖域なき関税撤廃である限り交渉参加は行わない」という政府の公式ステートメントを申しあげることになる。党内にも反対のグループはあるが、賛成のグループも最近新たに立ちあがった。これから党内できちんと議論をしていくが、自民党は最後には必ず決める政党だからその辺はご期待いただきたい。

財政再建については、24年度の補正予算では景気刺激のメッセージを発しつつ、25年度の当初予算ではきちんと借金の量を元に戻していきたい。この数年間は税収と国債発行額が逆転する異常事態が続いていた。それを今後どのように健全化していくか。それほど遅くない時期にやらなければならないと考えている。

竹中:堀さんはいかがだろうか。現在は市場の期待も高く、株価にも反映されている。それがどのように変化していくとご覧になるか。

堀:株価は昨年の衆院解散時に比べ25%上がった。為替はリーマンショック後に110円から一時80円未満になったものが今やっと90円に戻った程度だからまだ十分ではないが、財界の期待感は高いと思う。とにかく財界としては「我々はやります。ただ、イコールフッティングで戦えるようにして欲しい」という話になる。そのひとつがTPPでありFTAでもある。要は「“六重苦”を解消して欲しい」と。原発絡みで電力料金上昇という問題があるし、CO2排出問題、労働規制、あるいは法人税の問題もあるためだ。

これは私の感触だが、安倍総理ご自身はTPPをやりたいと思っているのではないだろうか。だからTPPが日米首脳会談でテーマに上がり、「聖域は有る」という言質をとればおそらく前に進めると思う。ただ、そのときに私たちを含めた世論がどう動くか。去年のG1でもTPPの議論はなされたが、会場にいた方のほぼ全員が賛成だったし、農業でご活躍している木内(博一・和郷園 代表理事)さんも「TPPが農業を強くする」と仰っていた。その後押しを私たち自身でやっていくことが重要だと思う。

竹中:例外なき関税撤廃とは言うが、例外があるから交渉する訳で、交渉しているということ自体、例外があるという意味だ。その辺は暗黙の前提として皆分かっているのに、なにかこう…、固執している面がある。逆に言えば「例外なき関税撤廃であるうちは参加しません」という話だから、その前提がなければすぐ参加するともとれる。そこは行間を読む必要があるのだろう。

「国際先端テストを導入し、諸国と比べて厳しすぎる規制については積極的に見直す」(世耕)

では、景色を変えていくというテーマに絡めてさらに進めていきたい。世界銀行が各国の規制の度合いを測る「Regulatory Quality」という面白いランキングを発表している。これによると日本は2000年に40位。最も規制が少なくビジネスがしやすい国というのはだいたいシンガポールや香港だが、日本では小泉内閣のときに規制改革を行って、その順位が28位まで上がった。それでも28位だ。

しかし当時は「行き過ぎた規制改革」等、色々言われた。既得権益を持っていてそれを守りたい人は規制緩和など絶対にやりたくない。なんだかんだ理屈をつけて反対するに決まっている。ただ、その変な理屈にメディアまで乗ってしまったのが日本の不幸だと私は思う。今は同ランキングも28位から47位まで落ちてしまった。そして企業はどんどん外へ出て行き、5年間で日本の輸出額は30%減った。貿易赤字になる筈だ。だから堀さんが言った通り、「その議論は間違っている」という声が今度は社会で広がるようにならないと、おそらくは同じことを繰り返してしまう。規制改革に関して言えば、「現在の47位を5年で20位以内に」といったターゲティングでも景色が変わると思う。同様にオリンピックもターゲティングのなかに入れたら良いのではないだろうか。世界の都市ランキングで日本は万年4位、全体的にもなかなか入れ替わりのないなか、オリンピック効果で過日、パリとロンドンは入れ変わった。

こんな風にして、皆さまにも日本の景色を変えるための提案をどんどん行なっていただきたい。たとえば私は、十分な根拠がある訳ではないけれども、羽田空港のキャパシティを3倍にしてはどうかと思う。そして羽田空港と東京駅を新幹線で結ぶ。そうしたら東京の景色が変わる。そういうことがこの内閣で出来れば「本当に3本の矢だ」という話になる。

そういうマインドセットを総理も官邸も持っていると思うが、各省庁は持っていないと私は感じている。役人はそういうものなのかもしれないが、やはり引き続き、自分たちの権益に繋がるところだけで予算を獲得しようと。成長戦略が予算獲得の手段になっている。それを官邸主導でどう変えていけるだろうか。

世耕:今度、規制改革会議が再びスタートする。しかしこういった会議がまとめる文章は、今まではなにかこう…、「たしかにごもっとも」という総論で終わってしまっていた。で、今回はそうしたくない。「この規制が引っかかっているからきっちり変えていきましょう」ということを、具体的に一本一本積み重ねたい。また、いわゆるターゲティングポリシーについては国際先端テストというものを導入する。ありとあらゆる分野で世界各国と比べた規制の実情などを調べ、厳し過ぎる場合はどんどん世界のトップランクに合わせていく。

そして各省庁についてだが、これは私なりに考えていることもある。以前の自民政権下では閣議前に事務次官会議というものが開かれ、そこで閣議のお膳立てが行われていた。これは民主党政権で廃止となったが、やはり「省庁間の連絡が取れていないとまずいな」ということで、民主党政権後半でも事務次官連絡会議という形で復活していた。

これは安倍政権でも続けているが、現在は閣議で決まったことを実行して貰うための閣議後会議としている。ただ、この会議は官房副長官の主催ということになっているが、ここまで何回か行ってみて、各省からの極めて形式的な報告という感じになっている。私はここを議論の場にしたい。TPPについてもここで徹底的に議論し、それを官邸がまとめたうえで内閣の方針を決定していくような、アクティブな事務次官連絡会議に変えていきたい。それで省益という世界を壊していくひとつのツールに出来ないかと考えている。

竹中:景色を変えるという観点で、堀さんはどのようなことをお考えだろうか。

堀:世論を変えるサポートをする。たとえば薬のインターネット販売に関しても、おそらく官邸だけでは変えられない。ひとりで発信するのではなく私たちがバックアップしていく。景色を変えるためには私たちが行動して、発言して、多くの人が立ちあがり、それをまたサポートしていく動きが必要になるのではないか。とにかく批判をしていても仕方がない。せっかくソーシャルメディアがあるのだからそれを使い、私たち自身が景色を変えるために発言していく必要があると思う。抵抗勢力があるなら、彼らにどうやって変わって貰うのか。皆が話し合ったことをソーシャルメディアも活用しながら世論に直接訴えて、メディアも動かしていきたい。竹中さんや世耕さんにもどんどん発言していただきながら、G1を見ている方々を含めた数十万〜数百万人が行動していくことで変えていく。そんな形になれば景色も変わっていくと思う。

竹中:大変重要な指摘があった。これはダボスでもひとつのテーマとなっているが、マルチステークホルダーという考え方。もちろん政治は頑張らなければいけない。ただ、世の中を変えるためには企業やNPO、何より個人が重要だ。さまざまな人が多元的に役割を果たさないと世の中はなかなか変わらない。

本会場にお集まりの皆さんは、なんらかの形で世の中に影響力を持っておられる。特に政府の各種委員会でメンバー等になっている人、あるいはこれからなる人が圧倒的に多い。で、もうはっきり言ってしまうと、政府の委員会に入る人でも頑張る人と頑張らない人がはっきり分かれる(会場笑)。「政府の人と仲良くなって良い思いをすればいい」というような、そんな露骨な人が結構いる。

しかしそういった委員会で本当に何かしようと思ったら、役人ともある程度喧嘩をしなければならない。秋山(咲恵・サキコーポレーション代表取締役社長)さんなどは産業競争力会議でも本当に頑張ってくれていて、もう「優しい顔してえらいこと言うなあ」と(会場笑)。ただ、そういうことを言うと役人に嫌われて委員会から外されたりする。で、大人しく役に立たないプレーンそうな人が某審議会に居座り、座長になっていく。それでは駄目なのだ。

よく我々民間人は、「経済が分からない政治家は駄目だ」と言う。私はその逆もまったく真だと思う。政治プロセスが分からない経営者は駄目だと思う。素晴らしい経営者で立派なことを言う人でも、政治の話になると「そんなの政治家が“ばーん”と出てって総理が“どーん”とやればいいじゃないか」って(会場笑)…、そんな簡単にいく訳がない(笑)。そういった面を含め、成熟した市民社会をどう運営していくかが、実は我々自身に問われているのではないか。

さて、もう少し具体的に「これをやることで景色を変えたい」という話をしてみたい。G1サミットをその先導役になるような場にしたいとも思う訳だが、堀さんはいかがだろうか。

堀:今回「G1官僚」というものもはじめていて、官僚の方々も結構いらしている。で、話をしてみると彼らも悩んでいる面がある。だからなんとかして彼らが動きやすくなる方法がないかと思っているのがひとつ。あと、G1サミットをはじめた当初はその精神のひとつが、「次代のリーダーとしての自覚を」だったが、3年ほど前から「次代の」という言い回しを外した。もう私たちが引っ張っていくべき時代だと思ったからだ。だからG1でも皆が考えている課題を披露していただき、それをバックアップする方法が出来たらと思う。世耕さんも最近は本当にお忙しいようでなかなか会えないが、おそrらく孤軍奮闘している部分はあると思う。だから「この部分でなんとか」といったお話があれば、それを多くのサポートするようなネットワークをつくりたい。そこで自分たちのビジネスのためでなく、日本のためにどうあるべきかを考え、行動していくようなアプローチで出来たらと思っている。

世耕:実は皆さんからのサポートがすでに起きている分野もある。ネット選挙運動の解禁はまさに政治と経済界のコラボが上手く働いた例だ。安倍さんは衆院選直後に新経済連盟の皆さんの前で「ネット選挙解禁、やります」と宣言した。で、総理就任時の記者会見でも、「ネット選挙運動解禁を参議院選挙までにやります」と言った。それで「総理にここまで言わせた以上、なんとかしなければ」と、自民党でも再度モメンタムを起こしていたのだが、やはり自民党のなかでも抵抗はあり、ほかの党となかなか歩調が合わない部分もあった。

そんなときに岩瀬(大輔・ライフネット生命保険代表取締役副社長)さんや三木谷(浩史・楽天代表取締役会長兼社長)さんから「何か経済界で出来ることはないか」という連絡をいただいた。それで「とにかく運動を盛りあげてください」とお願いしたのだが、すると先日シンポジウムを開いてくださった。こうなると、「シンポジウムに出るなら我が党として議論をまとめていかないと恥ずかしいぞ」と。今は民主党もほかの党も同様の経緯で一気に動き出している。

竹中:ネットで民主主義を変えるというアプローチは景色を変える重要な足がかりになると思う。これもネットの一環だが、実は今「アベノミクスチャンネル」なるものをネットでつくろうと企画している。そこへ色々な人に来て貰うのだが、アベノミクスがたとえばばらまきだけになってしまったら、そこは厳しく批判する。「ぜひやって欲しい」という声と同様、「これだけはやっては駄目だ」という声も大事だからだ。ちなみに今「ばらまき」という言葉を出したのでこちらについても伺いたい。国土強靭化、どうやっていくか。

世耕:実際、小泉内閣の少し前までは公共事業費が対GDP比6%超という、世界平均をはるかに超える水準だった。これを小泉内閣でも安倍内閣でも減らし続け、福田内閣では少し緩み、麻生内閣ではリーマンショックの緊急避難で一時的に増やした。で、そのあと民主党政権では引き続き減らしていって、現在は対GDP比3.2%ぐらいにまで落ちている。フランスは3.1%だから高過ぎる値ではないと思う。逆に言えばこれほどの大災害に襲われ、台風や水害も多く、急峻な国土を持つ我が国がフランスと同じで良いのかという考え方もある。

我々が言っているのは、この3.2%をたとえば3.5%や3.6%にしませんかという話だ。そこで国がある程度お金を出し、地方も負担し、そして民間には最も多くお金を出して貰う。それをトータルで見ると十数年間で200兆。そういう規模感で財政とのバランスも見ながら、「ここに打っておかないと命が危うくなってしまう」というところを補強していくのが我々の考える国土強靭化になる。

竹中:コンセッションという考え方がある。高速道路のようなインフラを持っているのは国だが、将来に渡るキャッシュフローの割引現在価値はその資産価値になるから、その運営権を民間に売る。有料道路と上下水道の簿価だけで日本には100兆円ある。100兆は無理でも数十兆入ったら、そういうものを使って先ほど申しあげたような東京駅と羽田の新幹線直結も出来る訳だ。実はG1でその議論になり、当時国土交通大臣であった前原誠司さんがそれを法律として通した。まだ使い勝手はあまり良くないが、それをG1が生んだひとつの知恵として引き継いでいくことも景色を変えるきっかけになると思う。

世耕:財政が現在のように限られてくる以上、民間の力を使っていくことも重要だ。海外ではそういったビジネスモデルもある。もともと混雑していたテキサスの州道運営を民間が請けて大成功した例もあったそうだ。残念ながら日本にはその辺のノウハウを蓄積している企業がないので、その辺をどうしていくかという議論はあると思うが、積極的に進めていかなければいけないと思う。

「改革に向かう民意を公正に選挙に反映させる・・・一票の格差是正、インターネット選挙の実現などに尽力したい」(堀)

会場(後藤玄利・ケンコーコム代表取締役社長):おかげさまで先日、最高裁にて薬ネット販売の勝訴をいただいた。ただ、薬剤師の方々は今も陳情を続けていて、自民党では反対議連も出来ている。一方で、「ITでヘルスケアや医療を良くしていこう」という議員の方々はなかなか集まってくれていない。それで景色がまた逆戻りしてしまうのではという懸念がある。

世耕:少なくとも官邸は最高裁判決をストレートに受け止めており、法律改正ではなく、「最高裁判決の趣旨を踏まえてやっていかなければいけない」と考えている。ただ、たとえば厚生労働省でも今回の判決を受け検討会が設けられることになっている。それ自体は前回もあったが、前回のメンバーは「あ、これはネット販売禁止になるな」と分かる人選だった。そういった役所の人事は官邸側の了解を得る必要があるから、私のほうではそこを注意深く見ていくつもりだ。結論ありきの検討会にならないよう、推進派、反対派、そしてニュートラルに考える人がバランスよく含まれる人選にして議論していきたい。

会場(猪塚武・A2AグループCEO):シンガポールのように数種のビザを設け、種類によってはたとえば月収2〜3万円のお手伝いさんも呼べるようにするのはどうだろうか。巨大なニーズが日本にはあるので税収が増えて景色も劇的に変わるのではないかと思う。

世耕:アジアの人材をどう呼び込んでいくかは重要な課題だ。すでに医療・介護の世界には入ってきていただけるようになってきたが、その垣根をこれからどのように下げていくかはさらに議論していく必要があると思う。

堀:私は一方で、どちらかというと高額所得者を含む知識労働者の方々を多く招き入れるほうが日本にとって良いのではないかなとも感じている。

竹中:成長戦略を考えるにあたりどの国も避けて通れないのが移民政策だ。オーストラリアは「移民によって経済を成長させる」と明示的に政策を打ち立てた。テキサスにはブッシュ元大統領がつくった「ジョージ・ブッシュ・インスティテュート」というものがあるが、ここでの最も大きなプロジェクトは‘The 4% Growth Project’。アメリカは実質4%成長を目指しており、そしてその鍵は移民政策としている。移民については色々な思いが、特に日本のようなホモジニアスな国にはあるのだが、やはりタブーをつくらないで議論するほうが良い。2030年には日本の人口が毎年およそ100万人減っていくとされている。和歌山県が毎年ひとつ消えていくような時代が目の前に迫っている訳だ。そのことを前提に議論をすべきだという問題提起もしておきたい。

会場(竹中治堅・政策研究大学院大学教授):「景色を変える」というテーマは定数不均衡問題と密接に関わると思う。参院では一票の格差が最大4.75倍。最高裁で県単位の選挙制度を抜本的に見直すべきという判決が出たにも関わらず、昨年の選挙制度改革ではこれまで通り少し数を移すに程度に留まった。ここを抜本的に変えないとTPPひとつとってもなかなか進まないと思う。選挙制度改革はどのように取り組んでいかれるつもりなのだろうか。

世耕:実は私も、先般行われた参院の定数微修正を担当したひとりだ。なんとか頑張って、「単に今回4.75へ落とすだけではなく、3年後には抜本的に是正しなければ駄目だよ」という旨を附則として入れさせていただいた。そういう意味では平成28年の参議院選から、最高裁判決を受けた抜本的な選挙制度改革という話になると思う。そこで私個人としては…、参議院について言えば憲法をいじるぐらいのことをやっても良いのではと思っている。たとえば1県ひとりずつという考え方もあるだろう。その辺は改めて徹底的に議論していきたい。

ちなみに、ご指摘に関連してもう一点申しあげたいことがある。私は冒頭で第一次安倍内閣の反省をしていると申しあげたが、それには別の理由もある。菅原琢さんという方の著書に『世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか (光文社新書)』という本がある。そもそも2007年参院選で自民党が大敗した理由について、自民党の人たちは、「改革が進み過ぎて地方の反乱を招いたから」と分析していた。そしてそのあとを継いだ福田内閣も麻生内閣も負け続けた結果として政権から転落することになった訳だが、「実はあの参院選をデータ的に分析すると、改革を止めてしまったことで都市部を中心に反発を招いたのが原因だった」と菅原さんは書いていた。“地方”といっても都市的な考え方を持つ人は増えている。で、そうした人たちの支持を失ったことで我々は政権から転がり落ちた訳だ。そのことを忘れてはいけないと私は思っている。

堀:政治の問題に関しても今年のG1サミットでは「行動宣言」という形で新たな行動を起こしていく。その論点の一つが、一票の格差是正だ。併せてねじれ問題の解決、インターネット選挙の実現、あるいは大臣が外遊しづらい状況の解消も議論していく。会場にいる政治家の皆さんはそのプロセスを通して宣言に加わる形となる。そしてその和を広げつつ、与野党関係なくG1から政治を変えていくという結果にしたい。

「自らが作り出しているタブーを越えて景色を変える。地方分権、社会保障の見直しなども忘れてはならない問題」(竹中)

会場(ロバート・アラン・フェルドマン・モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 経済調査部長兼マネージング・ディレクター):移民のフェルドマンです(会場笑)。現在約40兆円の医療費から5%、2兆円を削減し、それを人材育成のための海外留学費用とする提案をしたい。簡単に削減出来る筈だ。海外で1年間生活する費用は生活費込みで約5万ドル。為替100円で2兆円なら毎年40万人送ることが出来る。地方活性化を担う人材を育てるため、これを日本の大学で必須とするのはいかがだろうか。

竹中:私も先日そのお話を伺って大変面白いと思った。医療費を5%効率化すれば良い訳だ。今は一学年で105万人前後だろうか…。で、大学進学率が40数%とすると、ほぼ全大学生が海外留学出来る計算になる。あくまでひとつの試算だが、こうなるとまさに景色が変わる。

世耕:面白いアイデアだと思う。ただ、そのようにして優秀な人材を育てても地方の側に受け皿がないという現状があるように思う。人材が東京に集中してしまっているためだ。この辺について言えば、たとえばコマツは本社を小松市に移し、そこに人材を集めて「地方の活性化にも貢献するのだ」と頑張ってくださっている。他の企業にも同様に、東京から分散させていくということは考えて欲しいと思う。

竹中:2030年時点では、たとえば和歌山県も秋田県も人口が18〜20%ぐらい減っている計算になる。要するに地方の活性化というのは、これはもうまったく別次元の議論や対策が必要になっていくのではないだろうか。

世耕:新しいものをつくるという形だけでなく、人口減を前提とした公共事業も考えていかなければいけないだろう。“潰す公共事業”というのも出てくるのではないか。「この道路はいらない」とか、「ここを整理してコンパクトで暮らしやすくする」といったアプローチも考えていかなければいけないと思う。

会場(岩瀬大輔・ライフネット生命保険代表取締役副社長):人口減の流れに対する即効薬はないが、出生率を上げるために出来ることはまだまだあると思う。たとえばすべての駅に無料の保育園があり、そこに子どもを預けられようになれば女性の働きやすさは随分向上する。新内閣はそういった少子化対策にどう取り組まれていくのか。何がハードルになりそうかも併せて伺いたい。

世耕:そこはかつての自民党政権で弱かった領域だし、今もまだ少し弱いと感じている。この問題は産業競争力強化の文脈で捉えていくべきだろう。日本は明らかに数字で遅れているが、女性の社会参加を進めたら女性の所得も増えるしダブルインカムで世帯収入も増す。それで消費も増えると考えている。隘路はやはり既得権益だ。これは民主党政権時代から、お題目としては我々自民党も口にしていた。しかし今後は具体的に何がネックになっているのかをひとつずつ解きほぐしていく必要があると思っている。

堀:大変重要な問題だ。来年のG1サミットでもひとつのテーマにしたい。私としてはアベノミクスで思い切ってタブーへ挑戦すべきだと思う。他国と比べると婚外子の数も違う。それに関して「良い」「悪い」という意見は色々出ると思うが、他の先進国等と比べて悪い数字を改善するための方法論自体は真正面から議論すべきだ。そうしたことを抜きにして景色は変わらないと思う。

世耕:経済政策において我々は今回、まさにタブーに挑戦した。それでまだお金は一銭も使っていないのにこれだけ結果が出ている。少子化対策についてもタブーに挑戦するぐらいの気持ちでやっていきたいと思う。

竹中:ひとつ付け加えておきたい。アベノミクスでは産業競争力に成長戦略に教育に外交と、色々と目配りはなされつつある。ただ、気がつくと実は“ぽこっ”と抜けている部分もある。そのひとつが地方分権だ。地方分権の新しい枠組みに関する議論は未だはじまっていない。もうひとつは社会保障。日本はこれまで社会保障というと年金・医療・介護の話にばかりなっていたが、この国に一番欠けているのは子育て家族周りの社会保障だ。日本のGDPに対する年金の支払額はすでにイギリスを越えている。ところが若い世代の社会保障は同国の1/4に過ぎない。それをどうするか。そして三つ目は、これまた重大なエネルギー問題だ。この3点はアベノミクスにもまだ明示的に含まれていない。どれも大変だと思う。そのためにも参院選で安定多数をとる必要があるのかもしれない。ただ、我々としてはこの辺も見ておくべきだと思う。

会場(藤沢久美・シンクタンク・ソフィアバンク副代表):日本では中絶数が非常に多い一方、そろそろ仕事は落ち着いたが子どもを産むには歳をとり過ぎているため、養子を受けたいと考える女性も多い。しかし40歳を過ぎて仕事を持っているとなかなか受けさせていただけず、それが社会的に受け入れられにくい面もある。養子でも自分の子どもとして大切に育てることが素晴らしいことだという機運をつくり、養子を受け入れやすくする制度改革をしてはどうか。

世耕:私自身も子どもがいないし、その辺は本当に賛成だ。欧米ではリタイアした方や子育てを終えた方がもう一度、たとえば途上国の子どもを養子に迎えて自分の子どもとして育てるといった文化もある。ただし、一度にすべてを変えようとし過ぎたことも前の安倍内閣が失敗した原因にもなっている。政権発足当初から霞が関にも虎ノ門にも大手町にも銃弾を打ちまくった(会場笑)。それで一斉に反撃され、耐えられなくなった面もある。だから順番に、しっかりやっていきたいと思う。

会場(國領二郎・慶應義塾大学総合政策学部教授):日本ではこの10年間、正規雇用と非正規雇用を分けたうえで「非正規を正規に」という方向だった。しかし大学という非正規が比較的多い現場にいて、やればやるほど格差が逆にひどくなっている実情もあると感じる。もっと多様な働き方を認めるような雇用制度改革を行うべきと思う。雇用や収入の安定は担保していくべきだが、それをすべて企業に負わせるようなやり方にも限界があるのではないかとも考えている。つまり、社会保障政策とも深く連環する。

会場(石黒不二代・ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO):新政権はいわゆる“コンクリート”に力を入れていくと感じるが、ITも大きな社会インフラ。アメリカでは軍事技術を商用化してITが進歩した。先ほど竹中先生が仰っていた「インフラ運営を民間に」という考え方と同様、日本の民間IT分野にも国家が持つ資産をもっと託しても良いと思う。

会場(山本雄士・ミナケア代表取締役):省庁再編について聞きたい。40兆円におよぶ医療費のうち、たとえば糖尿病腎症に対する透析等、予防可能な疾患に使われる費用は4〜5%にもなる。だから成長戦略に健康への投資をもっと盛り込むべきだと思うが、そういうことを政府機関に呼ばれて議論していても省庁間の谷間が埋まらないまま時間だけが経ってしまう。やはり省庁再編をしないといつまで経っても縦割の弊害は消えないのではないか。

「自民党は『ヒトからコンクリート』を推奨しているわけではない。一方でIT化による省力も不可避」(世耕)

竹中:では時間も迫ってきたので、今の3点を踏まえつつ締めのメッセージをお願いしたい。

世耕:正規非正規にこだわっているのは本当におかしいと私も思うし、経済財政諮問会議でも同様の意見は出ている。我々はこれからまた雇用問題に関する会議をつくるが、そこではご指摘の観点で議論をしていきたいと思う。今は色々な雇用形態が生まれているのだし、それらをきちんと受け止め、基本的には収入を上げるという方向で議論していきたい。

それと、自民党は決して「人からコンクリート」ではない。公共事業は人を守るために必要な部分に充てるという話だから、あくまでも軸は人だ。そこはあまりご心配なきよう…、逆に言えば「レッテル貼りはどうかな」と思う。ITについてはハードのインフラは整っているものの、それを上手く活用出来ていない。では今後、具体的にはどんな切り口で活用していくか。私はある意味で“デジタルニューディール”というか…、「ビッグデータだ。クラウドだ」と言われているなか、たとえば政府が持つ色々なデータもデジタル化していくべきだと思う。そこで新たな雇用やビジネスを産んでいくという切り口が、ひとつの可能性としてあるかなと思っている。

そして健康の話だが、最近は私自身も見ての通り体重を10キロ落としており、おかげで血圧ひとつとっても「体重を落としただけでこんなに改善するのか」と感激している次第だ。「これをやっていけば医療費を大きく抑制出来るのかな」と。たしかに省庁間の縦割りはある。だからこそ、たとえば先ほど申しあげた「形骸化している事務次官会議を省庁間トップによる議論の場にする」といった対策とともに、「じゃあ、これはこことここで連携してやってください」という形を実現していきたいと思っている。

堀:G1サミットは時間厳守なのでポイントだけお話しすると、人を良い形で活用することが最大の鍵になると思う。たとえば議論の場で積極的に意見を述べ、それを受け止める側も良い意見があればその発言者を抜擢して実行の現場に入れていく。当然、我々もその流れをサポートしながら、とにかく政策論も人を中心にして実行できる人間を盛り立てていくのが良いのではないか。どんどん提言して貰い、行動に移す。さらにはリーダーとしての自覚を持ってあらゆる分野で声を上げながら、仲間とともに連携していけたらと思う。

竹中:國領さんが言われた正規非正規の話について言えば、実はこれ、第一次安倍内閣でも最初に出ていた。それに反対したのは誰かというと、経済界だ。「全員を非正規にしたら保険料が高くなる」と。人件費が上がるから反対という訳だ。労働組合も反対していた。自分たちの既得権益が守れなくなるから。結局、そこで経済界と労働組合がスクラムを組んで反対をしていた。そういった部分があるからこそマルチステークホルダーの支えが必要になるのだと思う。

それと「政府が持っているものを出す」という点だが、別の言い方をすると日本政府は巨大なバランスシートを持っている。固定資本然り、独法に対する出資金という意味での金融資産然り。これら中央政府のバランスシートは、なんとアメリカ連邦政府のおよそ5倍だ。GDP比ではおよそ10倍。要するに取り込んで離さない。技術開発ひとつにも政府の機関でお金を使う。そうではなく民間のところで投資減税してくれたら良いのだが、自分でやるというのは霞が関の特徴でもある。今回の成長戦略でも必ず自分のところで金を使おうとするだろうから、それとも戦わなければいけないと思う。中央省庁が根本的に求められているのはやはり公務員制度改革だと思うが、それもなかなか実現出来ていない。この辺もマルチステークホルダーで解決を図っていくべきではないか。

最後にもうひとつ。皆さんに今日教えられたのは、「我々はまだ意外と自分たち自身でタブーをつくっている」という点だった。それらのタブーを改めて見つめ直し、ぜひ社会の景色を皆さんとともに変えていきたいと思う。堀さん、世耕さん、今日は本当にありがとうございました(会場拍手)。

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