川本裕子氏×小林りん氏×坂野尚子氏 「女性という社会資本の活用〜ジェンダーギャップからダイバーシティへ〜」 

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男女格差、日本は135カ国中88位(齋藤)

齋藤ウィリアム浩幸氏(以下、敬称略):本セッションでモデレーターを務めさせていただきます齋藤ウィリアム浩幸です。ダイバーシティというテーマで議論していくにあたり、私自身は男性の代表という意味も込めて呼ばれたのかもしれません。また、アメリカ生まれアメリカ育ちということもありますので、グローバルな視点から議論を進めていくような役割も求められているのかなと思いました。

1月末にはスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(以下、WEF)に出席しました。私自身の経歴とは全く関連していなかったのですが、何かのご縁でWomen's Empowermentという会議のGlobal Agenda Council(以下、GAC)のメンバーに選ばれました。世界中から集まった大変タフな女性陣とさまざまな議論を、去年から今年にかけて重ねてきました。先ほど事前の打ち合わせでご登壇者の皆様とお話をしていたのですが、日本の女性は世界の女性たちに全く負けていませんね。今日はあまり皆様のお話を邪魔しないことが私の役割だとも思います。

では議論を始める前に各種統計データを見てみましょう。例えばWEFが2011年に発表した「男女格差報告」では、日本は調査対象135カ国中98位という結果でした。これは非常に低い順位ですよね。こういったデータからも分かるように、日本の女性を取り巻くさまざまな環境は決して良くない状況にあると言えます。

私は現在ベンチャーキャピタルでいくつかの会社に出資をしており、日本のベンチャーも数多く見ています。そこで見ている限りでは、日本企業で元気なところは女性が社長をしている場合が多いということに気がつきます。

また、日本における女性の雇用率がOECD(経済協力開発機構)平均まで伸びるとGDP(国内総生産)がおよそ16%拡大するというデータもあります。女性の就業率が伸びていることでGDP伸び率が日本以上に高くなる国というのは世界に2つしかありません。ギリシアとイタリアです(会場笑)。そういった統計を見ても、やはりそのグループには入りたくないなという気がします。

少子高齢化社会でどのようにすれば女性の力をもっと活用できるのか。世界の経済状況について国際会議で議論していると、「リーマン・ブラザーズではなくて、“リーマン・シスターズ”だったら世界経済はどうなっていたか」なんていう話もよく出てきます。今日はそういった視点も交えつつフロアにいらっしゃる皆様のご意見も伺いながら、インタラクティブで力強いセッションにしていきたいと思っています。それでは川本さんからご意見を伺っていきたいと思います。まずはマクロな視点とともにコメントをお聞かせください。

女性が会社を辞めてももったいないと思わないのは、なぜ?(川本)

川本裕子氏(以下、敬称略):早稲田大学の川本でございます。どうぞよろしくお願いします。日本ではこれまでも長いこと、「もう戦後ではない」、あるいは「もう右肩上がりではない」と言われ続けてきました。しかし女性の問題に関してはいまだに超後進国であるという状況です。

ウィリアムさんがお出しになった数字でも、日本は女性の活用度が135カ国のうち98位です。同レポートは「健康・長寿」「教育」「雇用機会・経済活動」「政治参加」の4項目から導き出したものですが、「健康・長寿」で見れば日本には男女差がありません。しかし「雇用機会・経済活動」が100位で「政治参加」は101位です。管理職への登用も欧米のおよそ10分の1で、さらに上場企業の役員となるとわずか1%という状態です。

学業のほうは比較的平等になってきています。女性の大学進学率は1958年頃に2%前後でしたが、バブルがはじまる1985年前後はおよそ12%、そして今は50%近くになっています。男性のほうも56%前後ですから、やはりポイントはその後なのです。つまり、企業で女性が活用されていないということが日本の問題だと私は認識しています。

別セッションで岩瀬(大輔氏:ライフネット生命保険 代表取締役副社長)さんが仰っていたのですが、日本は古いシステムをそのまま残している部分が多すぎます。政府には内閣府男女共同参画局がありますが、あまり本気度が感じられないという現状です。

横軸を年齢として労働率の推移をグラフにすると日本はM型になるとよく言われますが、結婚および出産で辞めるという日本の就業構造は欧米にはないものです。ほかの先進国にはないのですが、日本には残っている。そこには長時間労働、女性に対する理解のなさ、保育所などの未整備といった原因もあれば、働かないことを促進してしまう税金や年金の仕組みもあると思います。配偶者控除の問題も同様ですよね。何年も議論されながら全く動かないでいる。そういったことが重なって女性が大変働きにくい社会になっているというのが実態ではないでしょうか。

一方でそれが「今後は変化していく材料になるか」とよく言われるのが、1993年から家庭科が共修になったということです。家庭科の授業を中学生の頃から受けるようになったことで、スキルという面でも家事ができる男の子が増えてきました。役割意識も若干減ってきていますし、そういう部分からは変化が期待できるかなと思っています。また、日本は欧米諸国に比べると女性が参政権を得たのも20年遅いのです。イギリスやアメリカでは1925年前後でした。今後はその辺の意識も変わっていくことで状況は少し変化し得ると思います。

しかし、企業や政治では、そういった動きがむしろ今後退している感があります。現在、私は社会人大学院で教えています。学んでいる生徒の平均年令は33歳でアジアやアメリカといった地域からも学生は来ていますが、彼らもこの国の不平等さにはいつも首を傾げています。ある学生が面白いことを言っていました。日本企業は紙などのモノは一生懸命リサイクルしていますよね。ものすごくコスト意識が高い。「でも、教育した女性が会社を辞めていくことを全くもったいないと思わないのはなぜなのか」という質問を受けたことがありました。とりあえず、私からはこのようなところです。

齋藤:ありがとうございます。最近ニュースになった統計データによりますと、これからの50年で日本の人口は30%減ると言われています。しかし現在は子どもが生まれると7割の女性が会社を辞めて子育てに専念しています。また、6歳未満の子どもを育てている母親で仕事に戻る人は34%しかいません。これがスウェーデンやデンマークになると70%です。全く比較にならないほど低い状態ですね。そういったインターナショナルな状況も見据えつつ、では次にインターナショナルスクールの設立を進めていらっしゃる小林さんからご意見を伺いたいと思います。

「女性はやりたい放題生きていいんだ」と言いたい(小林)

小林りん氏(以下、敬称略):ありがとうございます。改めましてインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢の小林りんと申します。よろしくお願いします。お二人がすごくマクロなお話をされていたところにいきなりミクロな話をして恐縮です(笑)。私からはまず3つほどお話しをさせていただきます。

まず、私個人がどういった人生を歩んできたかというお話とともに、女性として、一児の母として、現状をどのように考えているか。次に公益財団という組織を運営している人間として何を感じているか。財団では現在100人ほど働いておりますが、ほぼ全員がボランティアで99%は女性です。3つ目ですが、私たちはこれから学校を作っていきます。リーダーシップ教育を目指す日本で初めての、そして男女共学の全寮制高校を軽井沢に作るという取り組みを進めています。今は許認可がすべて揃ったところで、2014年に開校予定という状況です。ではその学校でどのような教育を目指していくのか。この3つについて簡単にお話をさせてください。

まず個人としてですが、私は本当に「女性に生まれて良かったな」と思い続けている人生なんですね。ジェンダーギャップと言われていますが、女性としてこんなことを言って良いのか分からないのですが、「お気楽な性別に生まれてラッキー」みたいな形でして(会場笑)。とにかく好き放題の人生を歩ませていただいています。

私は高校1年で国立大学の付属高校を中退し、単身でカナダの高校に留学しました。そちらを卒業してから日本の大学に戻ってきて、20代前半は外資系の金融機関に務めました。それからベンチャーを興し、そして30歳でもう一度「教育をやりたい」と思ってアメリカの大学院に行き直したあと、国連の職員になりました。フィリピンの最貧困層で「ストリートチルドレン」と呼ばれるお子さんたちの教育に携わってきました。

そこで感じたのが、先ほどの議論にもありましたお話です。どれほど国民や民意のレベルが高くても、リーダーシップのある人間がいなければ大きな変化は生まれないのではないかという点です。焼け石に水…という言葉が適切なのかどうかは分かりませんが、そういった思いを持って現在の活動を始めたのが4年前でございます。

私個人としては本当に好きなように生きさせてもらっていると思います。岩瀬君は同級生で、彼も私も東大生としては決して普通ではないキャリアを歩んできました。彼は男性でもあんな風に自由に素敵に生きているので、女性に限ったことではないかも知れませんが、私は“リスク取り放題”の人生を過ごしてきて良かったなと思っています。ですから女性にはぜひそういったポジティブな思考で「やりたい放題生きていいんだ」と言いたい。もちろん女性も男性もないのかも知れないですが、そんなふうに考えていただけたらいいなと思っています。

2点目の公益財団についてですが、実は組織の中では2人だけがフルタイムでして、あとは全員がボランティアとして働いてくれています。「ボランティアをしたい」と言ってくださる方は本当にたくさんいらっしゃいます。実際に働いてくださっている方の10〜15倍ほどいらして、もう毎日レジュメが送られてくるような状況なのです。ほとんどの方は30〜40代の女性で、だいたい2人以上のお子さんがいらっしゃいます。しかし、職場には全く復帰できていません。ほとんどの方が高学歴なのですが、活躍の場がないと言うのです。先ほど「子育てをすると70%が辞めてしまう」というお話がありました。実際、これだけ優秀な人たちが行き場を失ったまま、それでも「何かをしたい」という思いを抱えているという現実問題があることを、私としてもひしひしと感じています。

私たちの場合はそういった方々にソーシャルセクターとして、トラディショナルではない雇用形態でご活躍していただいています。かなりフレキシブルな雇用体系、勤務体系です。今までとは違ったトラディショナルではない働き方、あるいは働く場を提供させていただくことで、そのギャップを埋めているのです。その後で再び社会というか雇用される場に戻っていけるようなルートもこれから作っていくことができたら面白いかなと、公益財団としては考えています。

そして3つ目の学校について。これは男女共学の高等学校で、ミッションとしては次世代のリーダー、フロンティアを創造できる人材を育てていくことを掲げています。新しい時代の新しいリーダー、新しい価値観をリードできる人を育てたい。「なぜ男子校ではないのか」と仰る人も中にはいますが、もうそういった時代ではないと私たちは考えています。

私たちの学校では性差だけでなく、国籍の違いによる格差、社会的な格差、あるいは宗教の格差を超えることも含めてダイバーシティというものを捉えています。学校名に「インターナショナル」と入れているのは、生徒さんの半分以上が海外から来ることを想定しているからです。奨学金についても同様の考え方をベースにしています。最低でも5人のうち1人には奨学金を出して、本当の意味でのダイバーシティを実現していきたいと思っています。

「女性だからどう」とか「男性だからこう」という発想ではなく、本当の意味でダイバーシティを実現させていきたい。その中で「違う」ということを自然に理解できて、自分の強みが何なのかということも強烈に認識できる人が育ってくれたらと思います。その中の1つに女性というファクターが入っている状態です。生徒さんたちにはそういった価値観や認識を持った人材に育っていただきたいと感じています。

齋藤 :ありがとうございました。すごくチャレンジングで力強い目標をご紹介いただいたと思います。先ほどもWEFの「男女格差報告」で少しご紹介した通り、日本における女性経営者の割合はつい最近まで10%に上がっていたのですが、最新データでは8%にまで落ちています。逆行してしまっているのです。これがOECD平均ですと倍以上の20%ですし、韓国などでは4〜5倍になっています。WEFのレポートを見ていると、そういったデータと経済の活力はかなり連動しているのではないかということを私自身は感じていました。

坂野さんの会社ではほとんどが女性の従業員であると伺っています。少子化が進んできた中で雇用とのバランスを考えるのは非常に難しいことだと思うのですが、いかがでしょうか。

政治の覚悟、企業の覚悟、男の覚悟、女の覚悟が必要(坂野)

坂野尚子氏(以下、敬称略):私としては今日この会場を見て「ああ…」と、少しがっかりしました。ここにいらっしゃる方々は素晴らしい。日本の将来を憂いていらっしゃると思います。しかし本セッションはもっと多くの男性に聞いていただきたかったのです。「これは女性の問題だから女性が聞く問題だ」といった感じになっているのであれば、少し心配です。

実はこのテーマ、1年前のG1サミットで私から堀さんに提案したものでした。それまで私は「女性の何とか」といった類の話があまり好きではありませんでした。男女の括りも好きではなかった。スキルというものは性差ではなくて、個人差から生まれてくるものだと考えていたからです。ジェンダーギャップというものは存在しないものだと思っていました。

ただ、最近は大きな危機感を持つようになってきています。私の子どもはちょうど今19歳で、会社はちょうど18歳です。子どもが1歳の時に起業していたのですが、現在では316人ほどの社員を擁する会社になりました。従業員の90%は女性が占めています。で、内部では5人の女性役員がおり、男性は社外役員や監査役を務めているという体制です。

しかし、最近2人の役員が産休を取ることになって、危機的な状況に陥りました。私が女性の活用というセッションを堀さんにご提案したのは、さまざまな人々がさまざまな覚悟をしなくてはいけないと感じたからです。

当然、政治にも行政にも覚悟が必要です。例えば世田谷区では今年の4月、およそ4000人のお母さんから入園希望を受けているのに、実際には2000人しか入園させることができないのです。これがデータとして正しい数字なのかどうかちょっと分かりませんが、世田谷区に待機児童が多いということはよく言われています。そういった待機児童の問題1つ取っても行政はまだ解決できていません。認可保育園、認証保育園、無認可…、行政はいろいろな形で解決すべきなのですが、この20年間それができているようには思えません。

幼保一体化あるいは幼保一元化…、どちらでも良いのですが、これも同じです。この20年間、私自身も子育てをしてきましたが解決されているとは感じられませんでした。「こども園」という話は出てきていますし、私としてはすべてこども園で良いと思っています。幼稚園と保育園、両方行かせた親としてはどちらもあまり変わりませんでした。実際には保育園でもいわゆる教育というものをやってくれていましたし、例えば幼稚園の先生たちは、1時に子供は帰りますから7〜8時まで仕事をしているなんていう状況はとても考えられません。しかし、そういった部分で自分たちの既得権を守ろうとしている人々がいて、前に進めようとしている話を止めてしまっている。やはりそういった部分が歯痒いと感じます。

企業でも覚悟が必要ですよね。私自身は今、子育てをしてきた親というよりも経営者としてものを考えています。当社には若い女性が多いですから産休や育児休養を取る従業員はたくさんいます。そういった女性たちをずっと活用していくためには大変なコストがかかります。先ほどお話した例で言えば、2人の役員が産休を取るのですからその間の穴埋めをしなければいけません。ですから人を新たに雇用します。役員を雇用するわけではありませんが、人間を育てて、ある程度乗り切っていくというわけです。

そして、職場から離れていた女性たちが戻ってきた時、「もう必要ありません」というわけにはいきません。その分、会社を成長させて別のポジションを与え、回していかなければならない。特に当社のように300人ほどのベンチャーですと費用負担も本当に大きくなります。しかし次の世代を育てていくためにも、そこは絶対に乗り越えなくてはいけません。

当社では現実にそういった人々が現場に戻り、リーダーとして、あるいは現場のラインマネージャーとして活躍しています。女性のマネジメントや教育にはなかなか難しい面もありますが、子育ての経験をした人たちはいろいろな意味でキャパシティが広がっていますから、そういった経験も活用してもらうわけです。「子育てをしていないからいけない」という話ではもちろんありません。ただ、そういった経験を踏まえつつ、非常に難しかった女性による女性のマネジメントを自分たちのものにしていく。そんな流れを実際に見ているので、やはりそういった人材を雇用し続けることはすごく重要だと思います。

女性自身の覚悟も必要です。私自身、いろいろなことがありました。例えば「子どもが可哀想」「子どもを犠牲にして働いている」といったことも山ほど言われました。それは乗り越えなくてはならないのです。子ども自身からそういったことを言われた時は本当に辛かったです。「自分と仕事、どちらが好きなの?」と聞いてくるのです。知恵が付いてくるとそういうことを言うのです。そこでどう答えるのか。私自身は、正直に言って会社も子どもですから「両方とも好きよ」「両方ともアイしている」と言っていました。実際に自分でもそう思っています。女性側にもそのような覚悟が不可欠になるのです。甘えてはいけないのです。

ただ、最近は少し心配していることもあります。「女性だから駄目なのだ」と言われたくないがために、一生懸命頑張り過ぎてしまっている女性がいます。最近は“バリキャリ”とか“キャリアバリバリ”とか言うそうですが、その中でストレスをすごく貯めてしまう女性が増えてしまっています。ですからそういった方には「もう少し力を抜いて」と言いたい部分もあります。いずれにせよ覚悟は必要ですが。

最後に、男性の覚悟です。冒頭で申し上げたことです。例えば私の会社はVCさんに投資していただいています。ご担当の方は「女性の社長さん? 良いですね」といったことを仰る。そこで私が「奥様も働いていらっしゃるんですよね?」と聞くと、「いやいやいや。うちは働かせてなんかいませんよ」と言うのです。「“働かせてなんかいない”と私の前で言うのか?」と思いましたが…。システムは改善されているのですが、そういった価値観がこの20年間、あまり変わっていないのではないかなと思っています。

特に年収の高い方…、例えば本会場にいらっしゃるような社会的にも成功している方々の奥様は、いまだに専業主婦の方がかなり多いのではないでしょうか。私はこのG1サミットから男性の意識を変えていただきたいと思うのです。まずご自身の奥様から。働くか否かは一人ひとりのライフスタイルですから、結果として働くことを強制するというか、働くことが前提である必要はありません。しかし、そういった身近な部分から価値観を見直していただくという意味で、男性にも覚悟を決めてほしいと思います。

齋藤:ありがとうございます。男性の意識改革というのは特にチャレンジングな部分ですね。ご縁があって政府のほうでも働いているのですが、保育園の問題について調べたりしていると、男性議員から何かこう…変な目で見られるのです。育児についてあれこれ動いている男性が変な目で見られる。こういった男性の意識改革というのは本当に大きなチャレンジになると私も感じます。

一方、私は大学でも毎年500人ぐらいの学生に教えています。そこで私は女性の意識に関する話と海外へのアプローチについてばかり言及しているんですね。とにかく「海外に行け」と。グローバルな視点で学んだほうが良いといつも言っています。言うだけではなく、大学で私が得る収入をすべて奨学金に回して学生が海外へ行くための生活費を含めた費用にしています。ところが、男子学生にそれを薦めると「ちょっと親と相談してみます」と言う。結果として半分は断ってきます。母親が嫌がるのです…。

一方、女子学生は必ず「ありがとうございます」と言ってきます。すぐに計画を立てて海外に行く。海外から戻ってくると、もう別人になっています。以前より広い視野を持つようになり、大変意欲的に活躍しています。私としてはそういう経験をもっとたくさんの学生にして欲しい。早稲田で教えていらっしゃる川本さんはどうお考えですか。

女性問題ではなく日本の構造問題だ(川本)

川本:教育の場では男女平等です。ところが社会に入った途端、全く違う世界が広がっている。社会人大学院生はその辺をよく知っていますが。いずれにせよ教育と社会の間にそのような大きなギャップがあるということは確かだと思います。

私が申し上げたいのは、それが女性の問題ではなく、日本の構造問題であるにも関わらず、そのように意識されていない点です。メディアなどでも、女性論説委員が書く特殊でマイナーな問題であるかのようなことになっています。

政党を見てください。民主党でも自民党でも同じですが、年功序列がこれほど厳しい世界はほかにありません。私自身はそう感じています。それと同じレベルの問題であると社会の側が捉えないと解決策も出て来ないと思います。私はこれまで、こうした女性の問題について皆様の前でお話をすることをしてきませんでした。今回のG1サミットも当初は税と社会保障の一体改革か何かのセッションに入れていただいていました。ただ、日曜日に大学院で試験があるので帰らなければいけないということで本セッションに入れていただきました。でも事務局から相談があった時、登壇者が女性だけならばお断りしようと思っていました。コーディネーターが男性でしたから「それならいいか」と(会場笑)。

本来ならパネリストが女性3人というのは変で、男性が2人でも良いと思っていました。そのぐらいの意識にならないといけないと思うのですが、G1サミットでもこのレベルですから(会場笑)。これほど進んだ方々の中でもです。意識改革は大変な課題なのです。

齋藤:確かに全体的な意識の問題であるということは私もすごく感じます。現在、私が投資しているベンチャー企業で女性がトップを務めているところでも、女性が社長であることを意識したりするとたしかに嫌がります。「そんなことは関係ない」ということ自体を言わなければいけないのが残念だと思います。

ちなみに私自身は海外で育っていましたから怖いもの知らずということで、国会でも先ほどお話した通り振舞っているのですが、これはインターナショナルスクールでも大事なことですよね。教育の場でもそれが普通であるという意識は前提として必要だと思いますが、小林さんはどのようにお考えですか。

ダイバーシティの中で初めて見えてくるアイデンティティ(小林)

小林:アイデンティティというのはダイバーシティの中で初めて見えてくるものですから、川本さんが仰る通り女性が集まって女性の話をしていてもダメだと思います。広い意味でのダイバーシティをいかに実現していくかという考え方が不可欠だと思います。国籍や文化を含めた広い意味でのダイバーシティを通して、自分のアイデンティティを見つめ直すという作業が大切になるのす。それを若い時から、特に日本のようなモノカルチャーの中で実現していくことはすごく重要だと思います。

ちなみに坂野さんのお話を伺っていて思い出したことがあります。先ほど「トラディショナルではない働き方の女性をどのようにサポートしていくか」というお話をしましたが、実は財団の代表をやっている私自身の子どもが保育園に入るのに苦労しました。「勤務証明を提出してください」と言われるのです。「どこからどこに通勤していて、何時から何時まで働いている」と。いわゆる会社が発行した勤務証明書がないと、「自宅をオフィスにして自分の公益財団で代表をしています」と言っても普通は認可保育園には入れません。結局認証保育園からのスタートでした。

ですからそういったトラディショナルな職業でない領域をエンカレッジすることで、次の動きを起こすような仕組みづくりに向けた努力が大切だと感じました。保育政策として数を増やすことはもちろん不可欠ですが、社会変革に伴って働き方も多様化しているのですから、今までと同じ働き方ではない人に対しても門戸が開かれるような仕組みに変えるべきです。

保育園に入れるために偽装離婚、という現実(坂野)

坂野:その辺で考えていくと、「この国は本気で女性を活用しようと思っているのかな?」とも思ってしまいます。子どもが保育園に入れなければ、働きたくても働けません。私が聞いたところでは、偽装で一時的に離婚する夫婦まであるというのです。母子家庭だったら入れるからです。現場はそれほど困っていて、それが19年前から変わっていない。女性を活用していこうと、皆、口では言うのですが、実態が伴わないのです。

齋藤:海外へ行く女性が増えてきて、現在は場合によってアービトラージ取引のような効果も出てきているところもあるように感じます。海外に出るような女性は大変クリエイティブで努力もしていますから、そのことをよく知っている企業の方は、「女性を雇用することですごく得をしているけれども、他社が始めてしまうと供給不足になって困るから、あまり言わないで」などとも言います。女性のほうが海外に出ていろいろなネットワークを作り、本当のグローバルシンキングをしていると感じることがあります。彼女たちはEQ(Emotionally Intelligence Quotient)も高く、雇用する側としても「すごい」と思うことが多い。坂野さん、いかがでしょうか。

坂野:その辺は個人のスキル次第だと思います。女性で活躍している人はそれなりの“頑張りズム”もあって、どちらかというと男性化しているような部分がありますし、その結果として成功している部分があるのかもしれません。

私としてはこの問題に関しては、男性側でも女性側でも根本は同じであると言いたいのです。働き方の問題なのです。これまで男性は妻付きで、家庭では何もしなくても良いと考えてきた。妻付き男性が活躍する社会の構造だったのです。しかし、これからの日本はそれでは持たないのです。違う仕組みを作らなければいけないのです。そのためにも保育園の問題など構造的な問題を解決していきたいのです。

私がフジテレビを辞めた時には「女性だから、すぐに辞めることができていいよな」といったことを言われました。女性は男性よりも捨てるものが少ないから、フレキシブルにいろいろな人生を歩むことができるという意味だったのだと思います。今はそれが男性にも言えると思います。

岩瀬さんのような生き方をしている人もいるわけです。大企業に入ったらそれで終わりではなく、いろいろなライフスタイルがある。それほど自由に価値観の創造ができるようになってきたのだと思います。もう少し社会のモデルを変えることができれば、女性の活用も本気で進むようになるというのが、私の考えです。

女性が活用されない社会は若者も活用されていない(川本)

川本:この議論にはもう1つ別のポイントもあると思います。女性が活用されていない社会では若い人も活用されていないという点です。この2つはほとんど同義ですから、この点についてもっと考えるべきだと思います。経済合理性で考えたらすごくおかしな話です。高齢化が急速に進むから女性の働き手を求めているのに、制度が全く伴っていないなんて。経済合理性について別の視点で見れば、税金を含めた原資を使って教育という形で莫大な投資を女性に行っているのです。そのリターンを全く得ようとしていないですから、おかしな話です。

ミクロのレベルで言えば、40〜50代になった時にシングルインカムとダブルインカムで家計の生涯利得がどれほど違うのかを若い人がイメージできないという問題もあると思います。普通に働いている女性が大変少ないのでイメージを持ちにくいんですね。G1に来るような男性の奥様が専業主婦をやっているというのは、まあそれは別にそれほど問題ではないのかなと思います。税制上の補助を受けているということは意識したほうが良いと思いますが…。「子どもが5人以上いなければ普通に働けるんだ」ぐらいの感じが欲しい(会場笑)。お子さんの数がものすごく多ければ大変かもしれません。それでも3人ぐらいまではいけるのではないか。そんな意識が働いていけば良いなと思います。

もう1つ。メンタリティの話になりますが「育児休業」という表現も何か…、「別に休業していないぞ」という感じですよ。それをワーク&ライフ・バランスの中で表現して、ライフのところに育児を入れてしまっている。本当はワーク&ワークですよね。その辺も全く理解されていないと感じます。これほど話が進まないのは、「女性が普通に働いているところを現場で見ています」という人々が、いわゆる権力を持った方々や会社の上のほうにいる方々の中には少ないという実態が影響していると思っています。

齋藤:若い人が活用されていないということは私も強く感じます。若い人が内向きになってきたというのも併せて、その辺は日本が元気を無くしてきたことにも密接に繋がっていると思います。他方で、例えば世界的プロジェクトとして何十万もの人々が参加したようなマンハッタン計画やアポロ計画における主要メンバーの平均年令を見てみると、27歳前後だったのです。この27というのは面白い数字で、現在世界のトップで活躍しているGoogleやApple、あるいはFacebookは、だいたい創業者が27歳のときに創業しているのです。しかし日本ではそういった若い世代の力がほとんど活用されていない。これはもったいないと思います。

坂野:ちなみ扶養者の配偶者控除は無くすべきだと思いますが、子育てにかかる費用は別途必要になると思います。保育園やベビーシッターさんにかかるお金ですとか、そういったものは働くための経費だと思いますから。しかしそこは控除されていません。本当はその辺も少し…、誰も言わないのですが、政治家の方々にはぜひ考えていただきたいと思います。

齋藤:小林さんはいかがでしょうか。

小林:少し女性という本題から離れてしまうかもしれませんが、1つだけ。少子化問題について議論する時、生まれた子供にフォーカスを当てるようなアプローチになっている気がします。「なぜ生まれないのか」と考えて、女性が働きにくいからという背景ばかりに焦点を合わせてしまう。

しかし先ほど岩瀬君も言っていた通り、結婚率が低くなっていることも大きな問題なのです。結婚した夫婦あたりの出生率で見るとあまり変わっていないのではないかという指摘もあります。「お見合いに替わる社会システムを!」と岩瀬君は言っていました。もっと結婚を促すような対策を考えていくことはポイントになると思います。

結婚していない人々を見てみると、その多くが超高所得の女性か、低所得の男性です。その辺でミスマッチが起きていることにも留意しておかないと、結婚率自体がなかなか上がりません。晩婚化や少子化がさらに進んでしまう。もう少し手前のところでも対策していかないと、根本的な解決にならないかもしれません。

齋藤:ありがとうございます。ではそろそろ会場の皆さまからもご質問やご意見をいただきたいと思います。皆様、いかがでしょうか。

日本は中国からもっと学ぶべきではないか?(会場)

会場(加藤嘉一氏:英フィナンシャルタイムズ中国語版コラムニスト/北京大学研究員):こんにちは。27歳の加藤と申します。おそらく今回のG1参加者では最年少であると思います。私も先ほど川本先生からお話があった通り、「女性と若者は社会資本として同義語である」という視点でお話したいと思いました。私は18歳で単身中国に渡りまして、以来8年ほど中国で仕事をしてきました。現在は北京大学というところで教員をやりながら、コラムを書いたりしつつ、一方では世界を飛び回っている毎日です。

で、北京大学では毎回1000人ぐらいの学生を前に講義をしていますが、最前列にいるのは全員女性なんですね。現代の中国を議論するとき、発展段階にあることですとか、政治体制の議論ですとか、言論の自由ですとか、色々な見方は出てくると思います。ただ、いずれにせよ日本にとっては今一番の脅威というか、最も気になる存在でもあります。ですから両者をうまく比較してみたいのですが、儒教や漢字の文化圏という意味で似た面がある一方、最も異なる点として、今の中国では若者、女性、外国人が、日本のそれと比較して圧倒的に強いという実態があります。

いろいろな見方は当然あるものの、やはり若者と女性、そして外国人が輝くことのできる社会には大きな未来があると私は感じます。私は現在、中国で大変有名な、とある雑誌でコラムニストも務めているのですが、編集長は28歳の女性です。28歳の女性が58歳の男性に「おい、これやれ」とか言っているわけです(会場笑)。

そもそも私は中国で8年間仕事をしてきたなかで、女性という社会資本の活用というテーマで議論する場面に出会ったことがありません。そもそも問題にならないからです。女性の社会活用がテーマになるということ自体が問題だと思います。もちろん中国にもいろいろな格差はあります。都市部と内陸部の格差ですとか、制度的にも大きな欠陥があります。しかし男女の格差はありません。

日本も中国も韓国も学歴社会です。成績については比較すべきだとは思いますが、女性のほうが圧倒的に良い成績を取ります。少なくとも私のクラスでは、平均でもトップでも、男性の成績が女性のそれを上回っているところを見たことがほとんどありません。それで学歴社会ですから、当然、女性のほうが良い大学に行くわけですね。女性のほうが良い大学に行くということは、学歴社会ということを前提に考えれば、やはり女性のほうが社会でも活躍するはずです。そういった流れになっていないところは、おそらく日本の大きな問題でもあると思います。

中国では本当に、女性、女性、女性という感じです。しかも皆若い。特にメディアや学校なんて若い人を相手にしていますから、それと向き会う人々だって若くなければ意味がないわけですよ。そういった発想が当り前のこととして成り立っています。

最近では一人っ子政策も崩れてきているのですが、とにかく皆さん、本当によく働きます。特に北京や上海といった大都市では夫婦共働きではないと生活できませんから。その時に親の出番がやってくるのです。「男女ともに働いたら子どもはどうするんだ」という時、双方の両親が出てきます。もちろん産休をどうするとかといった問題は中国にもありますし、そもそも保険というシステムが非常に滞っています。しかし中国は基本的に自己責任の社会ですから、そういうことは自分たちで解決しようとします。そして両親が出てくる。中国は人口が多過ぎるから退職もけっこう早くて、皆、55歳やそこらで退職します。皆さんも暇ですし、孫が可愛いですから協力してくれる。そんな風にして両親が子どもの面倒を見る一方、働き盛りで給料を稼ぐことのできる人たちが男女ともにどんどん働いていくという構図になっている。

齋藤:文化も多少似ていますから、そういった環境で学べるものもいろいろあったと思うのですが、例えば「日本でもこれは簡単にできる」といったヒントのような部分はありますか。

加藤:そうですね…、私としては1つのケーススタディというか、日本人がとても気にしているお隣の中国では「こうした状況になっています」ということを申し上げたかったのです。制度の前提が違いますので具体的にどうしていくかとなると、難しい部分もあると思います。ただ、親の活用というのが1つの考え方だとは思います。中国では親と子どもが一緒に住むことが当り前なんです。嫁姑の確執ですとか「渡る世間は鬼ばかり」なんていう話がありませんから。

齋藤:ありがとうございます。川本さん、いかがでしょうか。

川本:加藤さんのお話を伺っていてすごく思ったのですが、こういったセッションが必要になるような日本の構造問題を“おじさん社会主義”と私は呼んでいるのです。「おじさんのおじさんによるおじさんのための社会」(会場笑)。しかし、グローバル化していく世界ではやはりダイバーシティを持つ企業のほうがパフォーマンスも良いのです。例えば日本の金融機関もグローバル化とは言っていますが、日本人のおじさんでしか経営されていない。それならパフォーマンスがこれ以上上がるはずがないと思います。ですからそういった構造問題はパフォーマンスイシューとして捉えると良いのではないかなと思いました。

女性問題セッションがあること自体が問題?(会場)

会場(堀義人氏:グロービス経営大学院学長/グロービス・キャピタル・パートナー代表パートナー):G1サミット主催者として川本さんから「パネリストの一人は男性を入れたほうが良い」ということでお叱りを受け、加藤さんからは「そもそもこういうセッションがあること自体が問題だ」というお叱りも受けたわけですが…(会場笑)。

齋藤さんに一点伺いたい点があります。WEFのWomen's Empowermentではどのような議論をしていらしたのでしょうか。齋藤さんとはアブダビでもお会いしているのですが、たしか同会議では齋藤さんがお1人でぽつんと座っている中で、あとは全員女性という様子でした。それが健全なものなのか、あるいは間違っているのか。そもそもG1では4回目にして初めてこういったセッションを設けたのですが、これ、そもそも無いほうが良いのか、やはりあったほうが良いのか。その辺についてご意見をお聞かせいただけないでしょうか。

齋藤:私としては、残念ながらまだ必要だと考えています。会議を通して私もすごく勉強になりました。日本はWomen's Empowermentという視点に関して言えば、残念ですがやはりアフリカなどの状況に近い。表面だけを見ていると違うように感じますが、分析してみると意外と似ている部分があります。これが良いことなのか悪いことなのか…、おそらく悪いことなのでしょう。

実際の会議でどのような議論がなされていたか。例えば「ノルウェーやスウェーデンで政治家や企業役員の4割を女性にするというノルマを設定すべきか?」といったテーマで延々と議論が続くわけです。ほかにも、「一部上場に残す条件として女性役員を必ず1人入れる」という提案を誰かが出して、「それは駄目だ」という声が挙がったりする。ノルマとして1人に設定してしまうと問題解決にならないからです。では2人が良いのかと言えば、「2人にすると互いに足を引っ張り合ってしまうから駄目だ」となります。その時は「だから3人だ」と言う流れになっていましたが、そういった議論に参加できたことは、私としてはすごく勉強になりました。

議論の進め方自体がすごく日本的ではないか?(会場)

会場(茂木健一郎氏:脳科学者):議論全体のトーンに何となく違和感がありました。まず中国についてですが、中国は日本の見本になるような社会ではないですよね。人権抑圧もあればメディアの自由もありません。ですから一部分を捉えて「中国はこういうふうにやっている」と言っても、社会の有機的なシステム解析には繋がらないと思います。

それともう1つ。先ほど「おじさん社会主義」と仰っていましたが、これ、おじさんに対する差別になりませんか(会場笑)。 若い人が云々と仰っていましたが、それは若い人以外の人々に対する差別ではないですか。まず「すべての人に対して機会平等が与えられるべきである」というプリンシプルがあり、「そのために何をエンパワーメントしなくてはいけないか」といった普遍的プリンシプルがあって、それを個々の事象に当てはめていくのなら分かります。

今回の議論では個々の事象について重箱の隅をつつくような議論になっていてプリンシプルが見えてこないんです。そういった議論の進め方自体、僕にとってはすごく日本的に思えました。G1サミットに来たのは初めてなのですが、最初の10分でもう何か爆発しそうになっていました(会場笑)。根本的に何かが違うんですよ。僕も女性のエンパワーメントは大事だと思いますし、女性の国会議員やCEOだってもっと増えるべきだと思います。

しかし、そこへ行き着くまでのアプローチが逆というか、何かが変であると感じざるを得ません。もっと上位概念の普遍的プリンシプルを議論しなければ意味がないのではないかと。G1“サミット”と言っているわけですから。

川本:おそらくプリンシプルは大前提だと思っています。今のこういった日本の状況をどうするのかという問題がイシューとしてはあるわけでして。

茂木:そこで日本の状況だけを取り出して議論することに違和感があるんですね。

川本:すみません、茂木さんは本セッションに最初からいらっしゃいましたか?

茂木:いや、いません。

川本:冒頭の設定でウイリアムさんからダボス会議のレポートをいただいていたのです。「男女格差報告」で日本が98位と大変低い。そこでどのように考えるかという議論をしていました。

茂木:そこも思想的な深みがないというか…、標準的なグローバルモデルを当てはめたうえで個々の国における実情を分析するということ自体を懐疑的に語るとか、そういうところから始めなかったらG1サミットと言っている意味がないような感じがするんです。どれほどのシンキングデプスで考えるかということにおいて、何かこう、表層的になっている。ここで出羽の守になっても仕方がないと思うんですね。固有の文化もあるわけですから。「アメリカでは女性の地位が高い」とよく言われていますが、実際にはそうではない部分もあるわけです。しかし、それでも出羽の守的な発想で、明治以来の日本がずっとやってきたわけです。「国際的な標準がある」と言って、それを日本に当てはめようとして…、それで結局は自分たちで内発的な発展をしなくなってしまった。これは漱石も言っていたことです。結局のところ深く考えているわけではなく、「外ではこうなっているからこうしろ」ですとか、「国際的な指標はこうだ」と言っていただけなんですね。ですから「日本はこういう順位だから我々がこうしなくちゃいけない」と、何かこう…、スーパーフェイシャルなレイヤーでいろいろと思考を巡らせている。その結果が我々の失敗であると僕は思います。

小林:そういう意味ではお伺いしたい点もあります。仰っていたことについて「たしかにそうだな」と思います。「海外はこうだから日本はこうあるべき」という視点に囚われるべきではないというのは、本当にその通りだと思います。茂木さんのご意見はいかがですか。

茂木:先ほど「家事は別に休業しているのではない」と素晴らしいことを仰ったじゃないですか。そういう視点こそすごく大事なんです。女性の社会進出を国際的に比較する時に、例えば…、90何位という指標は家で育児をされている方のコントリビュートはしていないかもしれないんですよね。ですから育児というのは大変重要な労働であるということを認めるような立場から、日本の社会のあり方を評価したら全く変わってくるかもしれないではないですか。どういうモデルを社会に当てはめるかということ自体を議論しないと…、とにかくその指標で日本が98位と言われても、それが何を意味しているのかよく分からないですよね。

坂野:98位という数字を変えようという類の議論ではないと認識しています。外から見た統計としてはそうだけれども、それがすべて基準になるという議論は、もちろん私どもも本質的ではないと考えます。そこで実際に今後のことを考えるとどうなるか。女性が社会で、そして家庭でもがむしゃらに働いて、燃え尽きないと成り立たないような社会システムになっていると認識しています。それをどうすれば変えることができるのか。その辺を議論していきたいなと思っていました。

茂木:燃え尽きないと駄目な社会システムになっているというのは別に女性だけのことではないのではないですか。女性というカテゴリーを特別に立てるというやり方では議論の抽象度が足りない気がするんです。ここで女性と言われているものに相当するものはいろいろなところにいるのではないでしょうか。「女性対おじさん」というふうに議論を矮小化してしまうと、議論の本質が見えなくなるのではないかと思うんです。

川本:私が議論を盛り上げようと思って「おじさん社会主義」といった表現でお話したので、そこが茂木さんの頭脳的に地雷を踏んでしまったのかもしれないのですが(会場笑)。ただし、抽象論に入る前に、議論のレイヤーに関するレベル感を統一したいという意図はありました。G1サミットでもこういったテーマでセッションを行うのは初めてですから。いろいろな方々の知見や体験を提示しながらディスカッションをしなければいけないのではないかという認識です。例えば人口に膾炙(かいしゃ)した日本の財政赤字問題と違い…、どのような個々の経験や考え方があるのか、あるいはそこで統計的事象としてのどのような数字があるのか、共通に議論を進めていく上でのベースがないのではないか考えていました。そこで、いろいろな経験をしている我々が呼ばれて議論をさせていただくことになったのではないかと思います。

茂木:もうそろそろ黙ります、ありがとうございました。仰る通りだと思います。

ダイバーシティの豊かな社会は楽しい、それで良いのでは?(会場)

会場(梅澤高明氏:A.T.カーニー日本代表/グローバル取締役会メンバー):梅澤です。茂木さんの意見に触発されましたので、逆に茂木さんにお伺いしたい点があります。たしかに女性という切り口だけでは一部分での議論にしかなりませんし、おそらくそれは皆様もすでに認識されていて、だからこそ坂野さんとしても以前から「性差より個人差のほうが大きい」と仰っていたのだと考えております。もちろん、私もその通りであると思います。

一方で、本セッションのタイトル副題には「ジェンダーギャップからダイバーシティへ」とあります。「この社会においてダイバーシティを豊かにしよう」ということです。それはパフォーマンスイシューであると川本さんが仰っていましたが、私も本当にその通りだと思います。経済を成長させようと思ったら、外国人も含めていろいろな意味でダイバーシティを相当豊かにしていく必要がある。その上で仕事をしながら消費する人々を増やし、子供も増やしていくしかないと私も考えています。

ここで茂木さんに申し上げたいのですが、ダイバーシティの豊かな社会やシステムは楽しくないですか。刺激が多くて楽しいですよね。私はそれがプリンシプルではないかと思います。それが私の理解です。ダイバーシティはパフォーマンスを上げる。少なくともインベーションを増やす可能性が高いし、結果としてダイバーシティのあるシステムや社会のほうが楽しい。このプリンシプルで駄目ですかね。

幹部職への女性登用を成功させるためには?(会場)

会場:私、学生時代から女性は本当に優秀だと思っていたというか、強力なライバルだと思っておりました。アメリカのコンサルティング会社で働いていた時も本当に優秀な女性上司にさんざん怒られていました。私自身はその後、実家の家業であるデパートで仕事をしておりました。女性が何百人も働いています。ここでは先ほど仰っていたアービトラージが本当にあったのです。日本企業が採用しない優秀な女性をどんどん採用して、一生懸命に働いてもらおうと、どんどん採用していました。私自身はそこで14年間社長をやっていたのですが、採用していた幹部候補生の7割前後は女性でした。本日の議論にあった通り、やる気や成績で選ぶと自然と女性が増えていったのです。

14年間の総決算は、半分成功で半分失敗でした。課長はずいぶん増えましたし現在でも大変な活躍してくれています。例えば、売り場レベルで改善を行うとか、インターネットを駆使して販促を行うとか、催事で売り上げを伸ばすとか。本当に頑張ってくれます。しかし、もう少し上のレベル…、例えば数字について考えたり交渉をしたりするような部長クラスに昇進させると疲れ切ってしまう方が多いのです。あるいは「私は現場のほうが楽しかった」と言って辞退したり、会社を去ってしまう人が多かった。結果として、女性で部長以上のポストに就く方があまり増えませんでした。この点、正直言って「サポート不足だった」とか「仕事の切り分け方が悪かった」と、いろいろと反省しております。すごく勢いの良かった人が、なんというか、トーンダウンしてしまうというか。

実は私はこのたび、無謀にも県知事選挙に出馬しようと思っております。ですから…、もちろん落ちる可能性も十分にありますが、当選した場合は県職員の人事権を持つ形になるわけです。ぜひ、女性の採用や育成に関してデパートでやっていた仕事よりも良い仕事をしたいと強く考えております。それは世の中を正すためと同時に、女性を活用するほうが得だからという考えもあるためです。そのあたり、よろしければ「デパート時代にこういったミスをしなかったか?」ですとか、そういったヒントを頂戴できればと考えておりました。当時は私なりに当事者とも話しながらやっていたつもりなのですが、その領域では14年間にわたり最良なパフォーマンスを実現できなかったと感じております。その辺でぜひアドバイスをいただきたいと思っております。

坂野:私も同じようなことを感じた経験があります。たとえば男性の部下と女性の部下を比べてみますと、男性にはより強い昇進意欲があります。「とにかく上に行きたい」という気持ちが強い。一方で女性のほうは「責任を持ちたくない」とか「上に行っても辛いことばかりだから嫌だ」とか、そういったことを仰る方が多い。ですからそこは本人の適性を見ながら育てていくべきであると私も感じます。その中で子育てというものが、ある面で良い効果をもたらす場合もありますから。とにかくキャパシティもすぐに広がらないものですし「偉くなること自体どうなのか」という状態であれば、やはりゆっくり育てていくことが大事なのかなと、私としても感じています。

川本:女性にはやはり人生のオプションがたくさんあるんです。そういったオプションと比べた時、すごく我慢をして上に行こうという意識が少なくなるのは事実だと思います。そこへきて周りの人々も、男性社員には「はい。次は部長やってね」となるところで、女性の社員には「君、どうする? そろそろ部長になったら?」といった質問のアプローチになる。男性も含めて、皆、もともと自信はないのです。それでも男性はやれと言われてやっている。その辺が違うということもあると思います。

あと、もう少し上のレベルへ行くときに言われていることとして、女性の場合は営業で成績を挙げた方を昇進させるケースが比較的多いですよね。しかし男性の場合ですと入社当初から比較的、なんというか…、きちんと育てようと思っている。ですから経営企画や人事といった部門も経験させていきます。その上で営業などもやっていくので、上に行った時点で全体感を持ったマネージメントを実現しやすくなると思います。しかし現場の営業部門だけで頑張ってきていきなり部長になるようなケースですと、この点で難しい部分が出てくると思います。

それともう1つ。育児休業の制度などについてはいろいろと議論されてきましたから、ある程度は企業でも整備されてきました。ただ、そうすると育児休業を2年に2回取得するような方も出てきます。要するに休み過ぎてしまうんですね。そこでどんどん成長しなくなってしまって、差がついてしまう。そういった問題も指摘されていることではあると思います。

女性の社会進出を増やすためのサービスは?(会場)

会場(西澤 亮一氏:ネオキャリア代表取締役):ネオキャリアの西澤と申します。人材サービスをやっており、その辺で本セッションも拝聴させていただきました。このG1は日本を良くするために一人ひとりがどうするかという趣旨だと思いますので、そんな視点も併せましてぜひお伺いしたいことがあります。GDP等の成長を目指した時に、女性、高齢者、外国人の雇用拡大が不可欠であると考えた時、自分の会社でも今後に向けた新しいサービス展開を考えていく中で、その3つのどこかにアプローチしたいと思っておりました。

社員数は現在300人前後なのですが、半分以上は女性で、女性幹部職もたくさんいます。ですからそういうサービスをぜひやりたいと。「そういう形で社会に貢献したい」と言うメンバーはたくさんおります。そこで女性の社会進出を増やしていくために、どのようなサービスを考えていけば良いのか、どのようなアプローチをしていけば良いのか、ヒントをいただければと思います。

坂野:それが分かっていれば私もやっているのですが(会場笑)。ただ、先ほどの保育園に関する議論もそうなのですが、女性が活躍するためのサポートをしていくようなサービスはいくらでも生まれると思います。「おうち保育園」という形でやっていらっしゃるところもありますし、その辺にヒントがあるのではないでしょうか。実際、4000人に及ぶニーズの半分しか埋まらないといった現実もあるわけですから。もちろん法的にいろいろと難しい壁はあるかと思いますが。

会場(続き):それは女性が働きやすいようにするために待機児童を増やさないというアプローチだと思います。その一方で…、例えば私たちは派遣社員の方としてたくさんの女性を抱えているのですが、やはり働きたいと思っている女性の方はたくさんいらっしゃいます。そういった方が再雇用されるような仕組みや仕掛けとして、どういったものがあるのでしょうか。例えば「派遣ではなくパートタイマーに特化した人材サービスを行う」ですとか、女性のニーズにマッチしたうえで、もっときちんと雇用を増やせるようなアプローチがないかなということをかなり考えています。ただ、それがなかなか見つかりません。何かこう…、待機児童の問題とは別に社会に出ていくところで何かヒントがないかなと思っておりました。

小林:ほとんどがボランティアの方という公益財団ですからご参考にはならないかもしれませんが、私たちのほうにはほとんどの方がネットで能動的に情報を探したうえで応募してきてくださるんですね。で、ほとんどの方がリモートで、それもかなりフレキシブルな時間帯で仕事をしています。例えば夕ごはんを作る時間帯ですとか、そういった忙しいスポットが女性にはいくつかありますよね。それを外したりしています。その上で、例えば会議を夜の9時半からですとか、10時からですとか、子どもを寝かしつるような時間帯のあとにSkypeで始めたりしています。そんなふうに工夫している部分もあって、口コミでお母さんが次のお母さんを呼んでくるような話になりました。

大きなショックを与えなければ変化のスピードは上がらないのでは?(会場)

会場(高家正行氏:ミスミグループ代表取締役社長):ミスミグループの社長をやっております高家と申します。小さいながらも上場会社で社長を務める立場として、今日はお話を伺いながら自分の会社のことを考えておりました。残念ながら現在は10人におよぶ役員のうち、女性役員が一人もいない状況です。その下のクラスでは部長が50人ほどいるものの、こちらも女性は2人ということですから現在は4%という状態であります。

一方で自分の家庭を振り返ってみると、私の妻は大学を卒業してからずっと働き続けております。今年でおよそ27年になり、その間に2人の子供も産んでおります。おそらく男女雇用機会均等法がスタートした直後ぐらいだったと思いますが、その後、育児休暇制度などの導入とともに…、まあ、会社でなんとなく白い目で見られながらも第一号としてそれらを利用してきました。そういった妻を横で見ておりました個人としても、この問題には大変な関心がございました。

おそらく先ほど仰っていた通り、社会のほうも緩やかには変化をしているのだと思います。しかし結果を見てみると…、まあ茂木さんの議論をまたぶり返してしまうのかもしれませんが、ほかの国から比べると極めて変化が遅いという事実はあります。坂野さんからも「価値観が変わっていない」というご指摘があったわけですね。ただ、私としては価値観というのは最後にしか変わらないのではないかと思っています。ですから価値観が変わらないことを問題にしてもなかなか問題解決には至らないのではないかなという気持ちがありました。

先ほど「ダイバーシティって面白くなるよね」と梅澤さんが仰っていたのですが、私も全くその通りだと思います。有効なリソースを、今回のテーマでもある日本の再生に使うという意味でも女性と若者というリソースを使わないということ自体、これはもう絶対にあり得ないと。そのためにどうすれば良いのかを考えるという方向自体は間違っていないと思います。

ただ、緩やかにしか変化していない状況について考えいくと、このまま何となく進んでも変化のスピードが上がるとは残念ながら思えません。企業経営でも同様だと思いますが、そこで何か大きなショックを与えるとか、何かに対して特別なフォーカスを当てるとか、そういったことをしない限り、変化のスピードは上がらないと思います。そのための行動は何かと考えていました。

自分も妻を見ていて思うのですが、当然男性側も育児を行うにせよ、子供を産んで育てるという面ではやはり女性のウェイトが高いと思います。そこに対してある一定期間、何らかの支援を一気呵成にやらない限り、なかなか女性の社会進出も増えないのではないかと感じております。その具体的な対策として、税制面での対応であったり、地域社会のバックアップであったり、先ほどから何度も出ています保育園の問題であったり、色々な対策はあると思います。ですからその辺に…、それこそ税金の投入を含めて資源を一気に集中して投入していく。それが解決策を考えるという意味では一番の近道なのではないかと考えておりました。

おそらく、それをやっても世の男性の大半は、今日盛んに議論となっていた通り「いや、女性が自分で」と言ってくると思います。性別でしか考えないような男性が世の中にたくさんいることも事実ですから。その人たちの意識が変わるのは、もしかしたら30〜50年後かもしれないので、その辺を憂いても仕方がないのかなと思います。まずは今申し上げたようなアプローチでどこかに風穴を開けるしかないのかなと思っております。

もう1つ。これだけの国際競争を戦っていかなければいけない時代です。ごくごく一部の例外的企業を除けば、もう男性ですとか女性ですとか…、例えば「女性だからプロモーションをさせない」なんていう発想の企業は少なくなってきていると思います。「とにかく優秀な人間にやらせよう」と考えている企業が多いのではないでしょうか。ただ、そこで子育てに関する問題等のリスクを企業の側が気にしてしまう。そこだけだと思うんですね。世の中の会社はもうほとんど、おそらく男女に対して機会を均等に与えている。少なくとも私の会社はそのようにしているつもりです。競争に勝っていかなければいけないという意識が高い会社ほどそうだと思います。

そこで女性が子供を育てる部分での支援ができれば、あとは機会を男性が掴もうが女性が掴もうが同じではないかと。女性のほうに根性がなくて男性との競争に負けて、それで昇進できないというのであれば仕方がないと思います。そこは性別ではないく、あくまで個人差ですよね。ですからとにかく子育てに関する集中支援さえできれば、そのような競争に持っていける時も近いのではないかと考えております。

齋藤:ありがとうございました。では時間の関係ありますので、御三方から最後に手短なコメントをいただきたいと思います。

燃え尽き症候群の女性たちが心配(坂野)

坂野:議論が深堀りできなかったというご指摘はありましたが、私はやはり問題提起はすべきであったと思いますので、その点では本セッションの意味があったと思います。特に心配しているのは燃え尽き症候群のようになってしまっている女性です。先ほどのワーク&ワークという話ではないですが、“肉食女性”ですとか“草食男子”ですとか言われている割には、やはり女性が企業でマネジメントを任されている割合がいまだに低い。これはアメリカでも見られることだと思いますが、そこで燃え尽き症候群になってしまう女性がいることを自分としては大変心配しています。そうさせないためにも、やはり男性、行政、そして企業あるいは経営者は、いろいろな価値観を…、まあ価値観自体はなかなか変わらないかもしれませんが、1つの覚悟を持って女性を活用していくということをぜひ認識していただきたいと思います。よろしくお願いします。

十代後半の学生にダイバーシティへの寛容力を育む(小林)

小林:私の本業はあくまで学校あるいは高等学校を作っていくという立場です。ですから教育を通して、特に十代後半の学生の中にどうやってダイバーシティに対する本当の寛容力を育ませていくか。これからもそういったところに注力していけたらいいなというふうに思っています。

プロフェッショナルな男性こそ女性をエンカレッジしてほしい(川本)

川本:今日はマクロな数値を中心にお話をさせていただきました。本会場にいらした男性の皆様には、やはりご自身の会社でも今日の議論にあったようなお話をいろいろと実践していただきたいと思います。プロフェッショナルとしてきちんとした距離感で女性に接していただき、さらにはエンカレッジしてあげていただきたい。ですから職場でもご家庭でも…「奥様を大切に」ではないですが(笑)、ぜひエンカレッジしていただきたいなというのが私の結論です。

齋藤:ありがとうございます。本日はモデレーターが力不足で茂木さんの指摘もいただきましたが、とにかく日本では人口も51.2%と、女性のほうが多いのです。学業に携わる期間も4年半以上長い。つまり数も多く、頭も良いというのが前提なのです。アメリカでずっと育ってきた私自身、こういった議論が日本でいまだになされていることがおかしいとは思います。ただ、本日のような議論を通して気付きを共有できたことは収穫だったという気持ちがあります。

最後になりますが、私としてはこういった問題について政府主導の議論ばかりを期待していてはいけないと思います。日本で女性を変えることができるのは女性自身なのです。女性が女性を助け、そして日本を助けていくしかないのかなと思います。今日はそのようなアプローチでもディスカッションができたと感じておりますので、大きな実りになったと思いました。それでは本セッションをクローズとします。皆様、本日は誠にありがとうございました(会場拍手)。

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