山中伸弥氏×水野弘道氏×世耕弘成氏「iPS細胞が再生医療を実現する日 〜チーム・オールジャパン戦略を考える〜」 

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世耕弘成氏(以下、敬称略):皆様こんにちは。本セッションでモデレーターを務めます参議院議員の世耕弘成でございます。どうぞよろしくお願い致します。それでは早速ですが、まず山中さんからiPS細胞に関してお話をしていただきたいと思います。本セッションにご参加の皆様であればiPS細胞のことはほぼおわかりかと思いますが、念のためiPS細胞とは何かというところにも簡単に触れていただきましょう。そのうえで、これまでどういった経過で進んできたか、あるいは最近どのような進展があったか。そのあたりも交えつつお話しいただきたいと思います。それでは山中さん、お願い致します。

iPS細胞による治療効果は霊長類で確認済み、次は臨床研究の段階へ(山中)

山中伸弥氏(以下、敬称略):はい。皆様よろしくお願い致します。では初めての方もおられると思いますからiPS細胞とは何かというところから簡単に説明させてください。iPS細胞というのは幹細胞、いわゆるステムセルのひとつです。皮膚の細胞から、あるいは最近では採血した血液の細胞からもつくることができるようになりました。それらの細胞に、最近では世界でも「山中因子」と呼ばれる4つの遺伝子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)を送り込むことで、もともとは皮膚や血液だった細胞がiPS細胞という全く異なる幹細胞に変わるという技術です。

iPS細胞には二つの大きな特徴があります。ひとつは、ほぼ無限に増やすことが可能ということです。そしてもうひとつは、増やしたあとで神経、筋肉、血液、あるいは皮膚を含めて理論的には体に存在する全ての細胞をつくり出すことができます。人の体には、たとえば骨髄のなかにある血液の幹細胞など、さまざまな幹細胞がありますが、iPS細胞はそれらの細胞と比べて増殖力が非常に大きいです。また、いろいろな細胞になることができるという点でも、他の幹細胞をはるかに凌ぐ力を持った細胞です。ただし、増え過ぎるという点が安全性の問題意識にもつながっています。たとえば「増え過ぎて癌にならないか」といった懸念があり、それらが課題にもなっています。

ちなみに水野さんにはG1サミットがきっかけで、特任教授という形で私たちの研究所を手伝っていただくことをご快諾いただきました。今週も研究所にいらしていろいろなことを教えてくださいました。そのあたりは後ほど水野さんからもお話があると思います。

iPS細胞の話に戻ります。では今お話しした二つの特色を使って私たちが何をしようとしているのか、そしてどんな医学をつくり出そうとしているのかというと、大きく分けると二つあります。ひとつはiPS細胞からつくった人間のいろいろな体の細胞を、患者さんの細胞に移植して病気や怪我を治すという、いわゆる再生医療。そしてもうひとつは実験室で使うという活用方法があります。iPS細胞からつくった人間の体細胞を使って、病気の原因を調べたり、新薬の開発を行ったりします。この二つの活用方法を視野に入れて、現在は懸命に研究を進めているところです。

今日は再生医療についての事例をひとつ紹介させてください。4年前、第1回G1サミットで講演させていただいたときはまだiPS細胞ができたばかりでした。ですからiPS細胞を使った再生医療の実現にどれほどの時間がかかるかという見通しもなかなか立てることができない状態でした。安全性の問題をはじめとしてさまざまな課題がありますので、場合によっては10年から20年かかるのではないかなと思っていました。

しかしその状況も4年で随分変わりました。今ははっきりとゴールが見えるところまできています。いくつかの病気や怪我の治療の領域で特に力を入れており、そのひとつが脊髄損傷です。私は昔整形外科医をしておりましたが、脊髄損傷の方々に何もしてあげることができないという気持ちが、iPS細胞研究へ向かった理由のひとつでした。自分も柔道やラグビーをしていて、知人が脊髄損傷になったこともあり、「何とかしたい」と思っていた怪我のひとつでした。

ひとたび脊髄損傷になってしまうとどうなるか。たとえばクリストファー・リーヴさんという『スーパーマン』で主演を演じた俳優さんは落馬事故で脊髄損傷となり、首から下が完全に麻痺する状態に陥りました。リーヴさんはご自身がそのような状態になってしまってからも、まさに本物のスーパーマンと同様、ご自身の治療だけでなく脊髄損傷の研究でも大変な貢献をしました。クリストファー・リーヴ財団という財団を設立し、10年近く、ご自身の治療にも懸命に取り組みました。

彼には目標がありました。事故に遭ったのは40代の頃だったのですが、それから5年後ぐらいの誕生日に「自分でワイングラスを持ち上げ、お世話になった家族や医療関係者にありがとうといって、その乾杯をするのだ」と。それが目標でした。本当にあらゆる努力をされたのですが、実際には全く動かなかった指が少し動くようになった程度でした。それでも奇跡的だと言われましたが、決してワイングラスを持ち上げるまでは回復せず、数年前に亡くなってしまいました。脊髄損傷はそういうところまでしか回復できなかったのです。

このような状況に対し、私たちは現在慶応大学のグループと共同研究を行なっております。iPS細胞を増やしたのちに神経の元となる神経前駆細胞をつくりだし、その細胞を脊髄損傷の部位に移植することで機能回復を図ることができるのでは、と考えています。なんとかワイングラスを持ち上げるまでには回復できるのではないか、そう期待しています。もちろん、いきなり実際の患者さんを対象にしてそのような研究はできませんから、現在は動物モデルで研究しています。

すでにマウス、つまりハツカネズミのモデル使った研究では成果が出ています。うしろ足をひきづる状態の脊髄損傷モデルのマウスにiPS細胞からつくった神経の元となる細胞を移植すると、完全ではないのですが、うしろ足を十分に使うところまで回復できることが実験結果からわかっています。人間でここまで回復したら、手の場合であれば間違いなくワイングラスを持ちあげることができると思います。

慶応大学では、現在マーモセットという小さな猿に、人間のiPS細胞からつくった神経細胞を移植するという研究も行なっていて、同じような効果が認められています。霊長類でも効果が認められたということです。今ここまで来ていますから、なんとか数年後に実際の患者さんとともに臨床研究を開始したい。それが、慶應大学の岡野栄之教授をはじめとしたグループと私たちの目標です。

このほかの活用例として、脊髄損傷よりもさらにゴールが近いとされている治療を紹介させてください。目の病気なのですが、黄斑変性という網膜の病気があります。日本人でもたくさんの患者さんがおり、失明原因の上位に入る病気です。これにiPS細胞からつくった網膜の細胞を移植し、視力回復を図る。この治療に関していえば、来年ぐらいには臨床研究を開始できるのではないかと思っております。実際の患者さんにお願いして効果や安全性を見るという試験的な研究治療が開始できると考えています。神戸の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの高橋政代先生という眼科の研究者が積極的に推進しておられ、ゴールがすぐそこまで来ている状態です。

iPS細胞研究所CiRAの4つの目標(山中)

山中:私が4年前に講演した当時はまだ古く狭い建物で研究していたのですが、文部科学省から数十億円のご支援をいただき、最新鋭の大変立派な研究施設を京大の敷地内につくっていただきました。研究棟が2年前の2月に完成し、その年の4月にはiPS細胞研究所という新しい部局が京大に誕生しました。現在はそこで、学生も合わせると300人程度のメンバーがiPS細胞の研究を行なっています。

研究所は‘Center for iPS Cell Research and Application’の頭文字をとって「CiRA(サイラ)」と呼んでおり、4つの目標を立てています。もちろんiPS細胞のような新しい技術ですから、研究所自体が未来永劫あるとは考えていません。まずは10年間、しっかり研究を進めたいと思っており、その10年間における達成目標が4つということです。

一つ目は、基盤技術の確立です。新しい技術ですから基盤技術をしっかり確立する。併せて知的財産、つまり特許を京都大学という公的機関で押さえていきます。ここをアメリカのベンチャーをはじめとしたプライベートセクターに押さえられると大変な高額医療になるかもしれず、非常にやりにくくなります。ですからCiRAが中心となり、京大をはじめとした日本の大学が特許をとりにいく。これがまず一つ目の目標です。

二つ目は再生医療に使えるiPS細胞を樹立し、それを日本だけでなく世界に、真の国際標準として供給することです。三つ目は先ほどお話した通り、iPS細胞をつかった再生医療の臨床研究を10年以内に開始することです。

そして四つ目は、今日は時間の関係で割愛しましたが薬の開発です。患者さんからつくったiPS細胞で病気のモデルをつくり、そのモデルを使っていろいろな薬を開発したいと考えています。特に難病および希少疾患に対する薬ですね。患者さんが国内に100人あるいは10人しかいないような病気はたくさんありますが、製薬会社もなかなかそういった病気の治療薬開発に手が出せません。利益がまず上がりませんから。そういった疾患に関して大学で薬を開発したいというのが四つめの目標です。

特許については、iPS細胞の作成方法に関する基本特許が日本で3年ほど前に成立しています。そのあとは随分苦労しましたが、去年ヨーロッパで成立、そしてアメリカでも成立しました。現在このほかにも、シンバポールやイスラエルを含めた多くの国々で京都大学のiPS細胞の基本技術特許が成立しています。ですから4つの目標のうち一つ目については、相当な部分、達成できたと考えております。とりあえず私からの現状紹介はこのあたりにとどめて、一度世耕さんにマイクを戻したいと思います(会場拍手)。

世耕:はい。山中君、ありがとうございました。ご存知の方も多いと思いますが…、山中さんと僕は中学と高校で同級生でした。その縁で「山中も来ないか」とG1サミットに誘いまして、水野さんとの出会いがあったというわけです。ロンドンで投資という、まさに生き馬の目を抜く熾烈な世界で生きていらっしゃる水野さんが、アドバイザー的立場で京都大学の特任教授となってくださった、これは日本の国益という点でもすごく大きなことだと思います。その原点はまさにG1サミットであったわけです。さて、早速水野さんにお話を伺っていきましょう。iPS細胞による再生医療について、ビジネスの視点から最近の動向への評価をお願いしたいと思います。

ここ3年間で、iPS細胞はいよいよ投資の対象に(水野)

水野弘道氏(以下、敬称略):はい。ご紹介いただいた通り私は投資が専門なのですが、偶然、ここ5年ほどはヘルスケア関係の投資をいくつかしておりました。ファイザーが日本の研究所を閉鎖した際に私どもでラクオリア創薬という会社を立ち上げたり、先日は私どもの投資先を日本の某製薬会社にお買いあげいただいたり(会場笑)、いろいろと関わっております。iPS細胞に関して私にできることが何かはわからないのですが、山中先生から「何かビジネス的アドバイスを」とご依頼いただき、現在、ご協力している次第です。

覚えておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、3年前のG1サミットで山中先生が「寄付が必要です」といったお話をされたとき、CiRAの紹介もございました。その際にどなたからか「VCの方に質問ですが、投資としてはどうですか?」というご質問をいただき、私は、「現在は投資の対象となる“モノ”が存在しない」と回答しました。

それから3年間、私も何度か京都にお邪魔して、その後の進捗を伺ってまいりました。先ほどのお話にもあった通り、特に網膜に関しては“モノ”が存在するところまできました。特許戦略についても最低限の手当はできました。うまく押さえることができずに苦労する日本企業が多い基本特許の領域で、今回は欧米でも基本特許を獲得しています。基本特許を押さえたとはいえ実際には道半ばで、まだまだ細かい問題が多く特許戦略としてはすべきことがたくさんあると思いますが、一応、最低限の手当はできました。

まず知的財産があり、それが特許によって保護されたところでビジネス対象となります。通常は、そのあとモノができてきて初めて投資の対象になるんですね。その意味で言うと、現在はようやく投資の対象となるものができてきたのではないかと思います。

実は私自身も昨年、黄斑変性ではないのですが黄斑上膜という病気になりまして、その分野で世界最高峰と言われております阪大病院で手術を受けました。今はそのご縁もありまして大阪大学の医学系大学院で招聘准教授をやらせてもらっておりますが、大阪大学でも角膜再生という領域でiPS細胞の研究が急激に進んできております。

ここまで進んでくると、私どものようないわゆる投資資金を持つ人たちが欧米で一気に出てくるタイミングになります。ですからこれからはそうした人達の扱い方も考えていかなければいけない段階です。どのように使っていくか、もしくはどのように排除していくか。そんなところがキーになるほど、本当にこの3年間でiPS細胞の研究が急激に進んだという認識です。

知財契約チームのメンバーは全員非正規職員(山中)

世耕:ありがとうございました。日本では今お話しいただいたような段階で上手くいかないことも結構あるようですが、今回のプロジェクトについては水野さんががっちりついてくださっている。水野さんはご自分が病気になったことがきっかけでもあったとのことで、さすがはロンドンで活躍する投資家でいらっしゃるなと思うわけですが(笑)。まずは水野さんから現状に関するお話をいただきました。

続きまして山中さんに伺いたい点があります。先ほど「現状では基本特許を日米欧その他地域で押さえる段階まできた」というお話がありました。ではその逆に障害になっていて、乗り越えなければならない状況がありましたら教えてください。

山中:はい。先ほど基本特許を欧米でなんとか成立させたというお話を致しましたが、これは水野さんが言われた通り、細かく言えばまだまだです。たとえばアメリカのベンチャーには攻撃を仕掛けてくるところもありますから油断はできません。こういった知財戦略に関して普通では、大学全体を見る知財部のような部門が担当し、各部局にはありません。しかしCiRAの部局には専門の知財契約グループがいます。

中心となるのは8名ほどですが、皆、素晴らしいメンバーで私も大変信頼しています。彼らが頑張ってくれたからこそ基本特許もなんとか成立した。こういった知財の交渉は日本が舞台ならいいのですが、アメリカでは完全アウェーのゲームになります。それでも現在のメンバーでここまでの結果を出したきたわけです。ところが、その中心メンバー8人には正式な京都大学職員はひとりもいません。彼らは全員、いわゆる非正規と言われている職員です。そういった条件でしか雇用できないのは、CiRAだけでなく日本の大学すべてが持つ問題ではないかと私は考えています。

去年私たちの研究所全体で188名の教職員がおりました。そのうち京都大学の正式な教員もしくは正規の職員、いわゆる国家公務員に準ずるのは21名だけです。残りの90%にあたる160名以上は、不安定な身分でしか採用できていないのです。人件費は非正規教職員全員で年間数億円かかります。文部科学省や内閣府から私たちの研究プロジェクトの費用として獲得している予算があり、そのなかから人件費を捻出しています。こういった研究プロジェクトの期間は長くて5年といった期間になります。

もちろん、目下の日本経済の状況を考えると、私たちの研究所は決して文句を言えない規模の支援をいただいていると思っています。年間40億円程度をいただいていますから。ただ、そういったプロジェクトも今年度末から順次終了していきます。2013年の年度末(2014年3月)にはすべてが終わるので、私たちはこれを所内でよく“2014年問題”と問題提起しています。

私たちとしても当然、そのあとまた別のプロジェクトとして支援いただけるよう懸命に研究開発を進め、成果は出しております。ただし確約は何もありません。そうなると現在有期で雇われている170名近い人々は、5年のプロジェクトであれば1〜2年目はよいのですが、3年目ぐらいになると浮き足だってきて、4年目になると次の仕事先を探し出します。特に30〜40代であれば5年のあいだに結婚して一家の大黒柱になる方もいます。子どもができる方も当然います。そうなるとパートナーから、「そろそろちゃんとした職についてほしい」、「いつまでも夢を追うな。転職しろ」といわれ、たとえば田舎に帰って教員になるという人も実際に出てきています。

これが、私たちが現在抱えている最大の問題です。このような170名にのぼる人々の雇用をどうやって維持していくのか。たとえばCiRAで知財チームのリーダーを務めている女性は、もともと国内大手製薬企業の知財部で活躍していた方でした。その方を昔からのご縁もあって、ある意味引き抜いてきたんです。製薬会社にいればシステム上は定年まで雇用してもらえる立場だったのが、京大に来たことで有期雇用になってしまった。ただ、彼女はそれでもいいといってくれました。仕事の中身を考えたうえでCiRAに来てくれたのです。彼女に関しては、ご主人が別の職が就いているからできたのかもしれません。ただ、すべての職員がそのような状況ではありません。たとえば奥様や子どもをどうやって養っていくかという切実な問題を抱えている職員もいます。

この点についてアメリカではどうか。私自身はサンフランシスコにある研究所で上席研究員を務めており、小さな研究グループを持っているので毎月アメリカに行きます。ですから、あちらの状況もよく知っています。私が行くのはグラッドストーン研究所という人員数や建物の規模もCiRAと同じぐらいの場所です。そこでも、NIH(National Institutes of Health)から出るお金は5年プロジェクトで日本と同規模のため、国からのお金だけで優秀な人々を長期間雇用することはできません。しかし彼らには民間からの寄付という武器があります。企業、そして特に個人からの寄付が大きい。先ほど約200人を雇うのに日本でも年間およそ数億円が必要とお話ししましたが、それぐらいの額は寄付から捻出されています。私もよくファンドレイジングに駆り出され、アメリカでは寄付集めにも貢献しています。とにかく日本ではそれがなかなか難しく、日米の格差を感じています。

入り口で研究し続けては、ビジネス化できない(山中)

山中:これは決してiPS細胞の研究に限った話ではありません。大学発の素晴らしい技術は日本でたくさん生まれているのですが、それをどのように継続的に開発していくのか。私はよくアメリカの研究者に「日本の研究者は入り口だけ研究している」と言われます。基礎研究ですごく面白い成果はたくさん出すのにそこで止めてしまい、すぐに次の新しいネタを探しにいってしまうと。「その後の研究開発はアメリカなり他の国がどんどんやっていく」と、彼らは皮肉として言っていました。

つまり、お金儲けの部分はアメリカなどがどんどん進めていってしまう。日本の研究者は世界的に考えても間違いなくトップクラスだと私は思っています。しかしその後の開発を支える支援者がいません。知財の専門家であったり、水野さんのような ビジネスマインドのある方のことです。本当に申し訳ないことに水野さんには1円も給料をお支払いしておらず、すみません(会場笑)。しかしアメリカの研究所は水野さんのような方を、所長よりも高い給料を払って雇用しているんです。その給料は寄付金等から出すのですが、こういう方々を雇用しないとビジネスにできないからです。

私自身、実際の研究分野では懸命に研鑽を重ねてきたつもりですが、ビジネスセンスはありません。世耕は知っていますが私の父親は小さな町工場をやっていまして、私はそこで唯一の跡取りでした。ところが私が中学生ぐらいの頃になると父親も「伸弥、お前は絶対に商売をするな」「絶対にビジネスはできないから工場も継がなくて良い。医者になれ」と言われていたほど(笑)、とにかくビジネスセンスのない人間です。今はそんな人間が所長としていろいろな寄付やビジネスの話に絡んでいるという大変危険な状態なのですが(会場笑)、仕方がありません。そういった人材がなかなか雇えませんから。私より安い給料で水野さんクラスの方が専任として来てくれるはずはないですよね。あらゆる研究分野でこういった状況になっていることは、日本にとって本当に大きな問題ではないかと思っています。

アジア、欧米のオープンラボとかけはなれた日本の研究環境(山中)

それともうひとつ。幸いにも私たちは非常に良い施設を建ててもらって研究できています。しかし日本全体で見るとこの点も心もとない状態です。たとえば京都大学自体の建物は、ぼろぼろになった30〜40年前のものを無理矢理に耐震改修したものです。外側から見ると、見た目は綺麗に改修されています。改修後30〜40年使う予定ですが、中身は30〜40年前のままです。30年前の施設をあと30年使うというのが日本の状況なのです。

たとえばシンガポールの施設と比べてみると、もう施設のコンセプトからして完全に異なってきます。先週はインドにも行って来ましたが、シンガポールと同じでした。シンガポール、インド、中国、韓国、アメリカとヨーロッパはいうまでもなく、どの国でも新しいコンセプトで研究施設をつくっています。何が新しいかというと、まず施設内で壁を取り払い、いわゆるオープンラボにしています。非常に広いところで多くの研究者がノウハウをシェアし、機器もシェアする。そんなシステムになっています。その一方で、日本は小さなところで区切って研究をしており、横の交流もない。その差が研究の成果にも影響していきます。

たしかに新しいコンセプトのビルを建てるには、CiRAぐらいの規模ならば50億前後はかかると思います。しかし、古いビルを改修するだけでもお金はかかります。改修費用と新築費用を比べると、一見節約できているように見えますが、それがイノベーションの視点で考えて本当に正しいことなのか、私は強い危惧を持っています。以上、私が現在感じている問題点ということで人件費と研究環境の2点を挙げさせていただきました。

世耕:ありがとうございました。こういったお金の話についてどのように考えていけばよいのか。水野さんからも少しコメントをいただきたいと思います。

水野:はい。お金の話をする前にCiRAのラボが現在抱えている問題にも少し触れたいのですが、建物自体はオープン・ラボラトリーです。研究者同士を仕切る壁もなく、非常に現代的なセンスの研究所ですね。山中先生の努力でそういうデザインになったのですが、今はもうびっくりするほど混雑しています。現在の人数はたしか全部で300人ぐらいですよね?

山中:そうですね。今は300人ぐらいいます。

水野:建物が完成した直後はまさにオープンラボという感じだったのですが、日本ではかなり突出した先端的アーキテクチャであったはずのCiRAですら、今では手狭になってきているという状態です。これを、たとえばカリフォルニアの研究所やアジアで新しくつくられたラボと比べると、とにかく一人ひとりのスペースからぜんぜん違うと感じます。製薬やヘルスケア関連の研究所に行かれたことのある方ならばすぐにおわかりになると思います。

iPS細胞で、誰がどのような製品をつくるかは未知の領域(水野)

水野:お金の話は、国からのお金が単年度予算、あるいは5年の予算として期限が切られていること自体は基本的には当たり前の話です。ただ、今まではそれだけに頼っていて、「ライセンス契約ができるようになったところでライセンス・フィーをとりましょう」という発想でした。そんなわけですから、なんというか…、まあ先が見えない状態が続いているということです。ただ、現在はようやく企業との間で対等なリサーチ・パートナーシップを築ける状況が出てきています。ですから将来的にiPS細胞で収益をあげることのできる企業とリサーチのパートナーシップの関係を築き、継続的な資金の供給をいただくようにしないといけません。

ところが現状ではiPS細胞では、特に再生医療では、どういった企業が最終的に収益を上げられるのかが、まだ明確ではありません。たとえば角膜をiPS細胞でつくった場合、これは医療機器だと思われますか? 医薬品だと思われますか? これ、決まっていないんです。どういう意味かというと、言ってみればデジカメの世界で起きたことと同じですね。カメラメーカーが勝つのか家電メーカーが勝つのかといった話でして、誰が最終的に製品をつくっていくのかがまだわからない。たとえばそれが心臓であれば今度は医療行為になる可能性もあり、大変複雑になっています。

それが薬になるとわかっていれば、最終的には製薬会社とパートナーシップを組んでリサーチしたり、そこでライセンス・フィーを取ったりなどの話になります。しかしまだ明確になっていないので詰めていかなければいけません。まあ「わからない」ということはチャンスでもありますから、日本の企業にはいろいろな形で入ってもらって研究を一緒にやっていただく必要があると思います。企業のマッピングについてはCiRAでも現在考えてもらっているところです。

何より、国の予算以外に収益の柱をつくること(水野)

水野:それとライセンス・フィーに関してもうひとつ。山中先生からは言いづらいと思うので私が代弁致しますが、CiRAに公的資金が入っていることもあってiPS関連の特許が日本のメーカーに高いと言われてしまうんですね。でも高いかどうかの相対的基準がない。ですからこれに関しては積極的に海外の企業とも契約を結んで、それをマーケット水準として日本企業にはそこより安く出したらいいと私は思うんです。日本の税金を使って研究を進め、特許申請をしているわけですから、それは当然です。ライセンス・フィーをどのように最適化していくかもひとつのポイントです。

お金の話になりましたので、もう一つの柱となるべき寄付についてもお話しします。山中先生がおっしゃった通り、海外では大学や研究者の基礎研究に対する寄付が大きい。実はiPS細胞研究基金でも過去に1億円を寄付をされたという個人の方がいらっしゃいますが、全体で見るとやはり海外と比べて集まりません。講演で依頼されてもなかなか集まらない。ですから皆様も山中先生にご講演をお願いされる際は、ぜひ参加者からの寄付に目標値をつくっていただきたいと思っています。

実は先日も京都の経済同友会で講演されたのですが、私はそのとき、同友会の幹事の方々に「500万円ぐらいはご支援お願いしたい」とお話ししました。そうしたらそれ以上の寄付金が集まったんですね。「京都でお金の話をするとはなんと下品な方でしょう」みたいな反応はありましたが(会場笑)。とにかくも、そんなふうにして収益の柱を何本か立てていかないといけない。本当に今のまま、国の単年度予算に頼っている状態では駄目だと思っております。

あともう1点。初めてCiRAに行ったとき、私は資金計画を見て「これでは駄目ですね」と言いました。なぜかというと、その年に使っているアニュアルのコストで現在持っている予算を割っていて、それで「あと何年分しかありません」という話になっていたからです。皆様には釈迦に説法ですが、研究開発が進むと乗数的に必要資金が増えていきますから横に割っていっては駄目なんですね。2倍、4倍、8倍へと一気に増えていきます。そう考えると、国のお金で足りるというのはもう100%有り得ない話になります。そういうこともあって、皆様に協力をいただきながら、一日も早く3本の柱にしなくてはならないわけです。

世耕:ありがとうございます。ここにいらっしゃる皆様には、やはりそういった部分でも積極的にご協力をお願いしたいと思っております。やはりG1のような同世代の仲間が寄付をしているという動きがあれば、「じゃあ俺も」といった流れも出てくるのではないかと思いますので。

実際、山中さんのところには以前「この研究に期待したい」ということで、ある高齢の方からご協力をいただいたこともあります。自民党政権末期には高齢者に対するばらまき政策といったこともありましたが、そのときに「自分たちがこれをもらうぐらいなら山中さんに全額寄付したい」なんておっしゃるおばあちゃんがいらしたんですね。あるいは山中さんと私にとって共通の恩師が退職金のなかからまとまったお金をどかんと寄付してくださったりと、そんな動きも出てきています。ですから皆様にもぜひご協力をと…。

会場:ご講演は一回おいくらぐらいなのですか?

水野:講演料は相場というものがあるでしょうし、ほとんどの講演はボランティアですので、講演による寄付金をどれだけ集めるかと考えてもらえればよいと思うのですが、山中先生が一晩研究や論文に打ち込むことの利益と、ファンドレイジングで講演されることによる利益を比べてみると…、まあ私としては最低でも500万ぐらいではないかと個人的に思っています。もし講演をお願いしたい方がいらっしゃいましたら、その点は本当に理解していただきたいと思います。オールジャパンというコンセプトのもと、あるいはそれを超えて世界の人々が抱える病気を治すという目的のもと、山中先生はご自身の力を講演よりも研究に使ったほうが本当はよいわけです。それでも講演をされるのであれば、そこにはファンド募集などのきちんとした目的が要ります。上品な方ですからご自身ではおっしゃらないので私が申しあげておりますが、講演を依頼する場合はそのあたりをぜひ理解していただきたいと考えております。

世耕:国からの研究費についても、もう少し使い勝手をよくできないかという議論もあります。ですからそちらについては、私たちが国会議員の仕事としてしっかり頑張っていくべきであると感じました。

基本特許一つでは何もできない(山中)

世耕:ちなみに、お金の話はもちろんですが知財の議論も重要ですよね。先ほど、これだけのチームで知財戦略を立てており、現在はアメリカやヨーロッパでも基本特許を押さえていると伺いました。この点で言うと、山中さん、現在は基本特許を押さえたことでかなり大丈夫な線まで来ているのですか? それともまだまだなのでしょうか。そのあたり、恐らく皆様も感覚がつかみきれていないと思いますので、もう少しお伺いしたいと感じています。

山中:はい。アメリカで基本特許が成立して以降、アメリカの企業からライセンスの話がくる件数が急激に増えました。ですから成立したのは非常に大きいと思います。ただ、iPS細胞の場合はそれ自体を患者さんに移植するということはありません。先ほどご紹介した通り、iPS細胞を増やしたあとで神経や心臓など体の細胞に変えて、それを移植するのです。

ですから、どうやってiPS細胞を培養するか、それをどのようにして神経細胞に変えるか、あるいはその神経細胞をどうやって移植するか。とにかくいろいろな技術が入ってきますから、基本特許ひとつでは何もできないという側面があります。そのような複雑に広がる領域で、京大がすべての特許を押さえるというのは完全に不可能です。ですからクロスライセンス契約などでいかにパッケージングしていくべきなのか。これは本当に難しい問題ですし、そのあたりまで考えていくと知財チームも8人前後ではまだまだ足りません。このあたりも頭を悩ませているところです。

世耕:なるほど。基本特許を抑えたからといって万々歳というわけではなく、まだまだ戦いは続くという感じなんでね。

山中:そうです。それとあともうひとつ問題があります。基本特許は成立しても、アメリカで「たしかにiPS細胞を最初につくったのは山中である。しかしアイディアは我々のものである」という企業もやはり出てきていまして。ですからまだまだ基本特許でさえ係争になり得ると、私たちとしても十分な用意を進めているつもりです。しかし、そうなった場合は戦場がアメリカになりますので、非常に難しい問題が出てきます。そもそも言葉が英語になりますし、アメリカでは現地の弁護士を雇用する必要があるから大変な費用がかかります。日本の弁護士も高額と言えば高額ですが、アメリカの弁護士はさらにその一桁以上高額ですから。その係争が1年前後ならまだ大学だけでもなんとか資金が足りますが、5年になると本当に大変になることを、今は非常に心配しています。

世耕:そのあたり、水野さんはどのようにお考えでしょうか。

次の段階は、防御戦略的な特許申請と海外広報(水野)

水野:はい。我々としても知財を投資の対象としているのでさまざまな事例を見てきてはいます。実際、基本特許がとれても製法のところでチャレンジされたりして、知財の係争というのはさまざまな形で永遠に続きます。

これに対しては現在、大学の予算では特許の申請とメンテナンスまではできるものの、それ以外に組み立てることのできる戦略が限られます。我々は知財マネジメントと呼んでおりますが、たとえば「この企業がこういったチャレンジしてきそうだ」と早めに理解あるいは把握したうえで、そこに対抗できる形で特許の申請をしておく、あるいはクロスライセンスでなんとか防御する、逆に知財を公開してしまう。そういった戦略が必要になってくるのですが、実際にそれができるリソースはない。ですからどのような形で今後実施するかを考えていかねばなりません。

例をひとつご紹介させてください。私どものファンドでは以前、韓国で通信関係の技研から特許の商業化権を購入したことがあります。で、彼らはその際に「国ではそういった知財の価値を最大化するようなリソースはない」と言っておりました。それで弊社の子会社が商業化権を買ったわけです。これは「ただし韓国の企業には安くライセンスしてね」と条件もついていた。これもひとつのやり方なのかなと私は思っております。

もうひとつ特許戦略についていうと、恐らく特許で争われたことのある方はおわかりになると思いますが、明確にわかる場合はそもそも係争になりません。係争になるのは何か曖昧な点がある場合です。そうなったときに係争の調停をする、あるいは裁判を担当する裁判官や陪審員は…、グーグルを使うかどうかは知りませんが、とにかく何かの形で関連する情報をリサーチします。そのときに山中先生もしくはCiRAが、世界のiPS技術にとって、いわゆる“発明者であり、最先端の研究グループ”であるという認識を与えることがすごく重要であろうと思っています。ですから海外の広報を増やす必要もあると。試していただくとわかりますが、現在は‘iPS cell’で検索しても山中先生が最初に出て来ないんですね。私はそういうところから対応していく必要があるのではないかと思います。

オバマ大統領は、再生医療研究は次世代のためと理解していた(山中)

世耕:わかりました。まだ知財戦略でもこれから気を引き締めていかなければいけないということですね。ではここで山中さんにもうひとつ。お金以外で、現状の国による政策や規制についてもコメントをいただきたいと思っています。私の印象では文部科学省も厚生労働省もこれまでのところ「iPS細胞が日本にとって最後の拠り所だ」という感じで基本戦略やロードマップの策定のアクションも比較的早かったように思います。また、予算についても日本としてはかなりの大判振るまいでつけてきた面があるかなと。そういったロードマップなどは2年ほど前に決められたものだと思いますが、このままでよいのかどうか。

そしてもうひとつ。私が大変心配しているのはiPS細胞を使わない再生医療です。日本ではES細胞や体性幹細胞の研究に関して臨床分野が遅れていて、それがiPS細胞の研究でも臨床に入っていくうえでも問題になってくるのではないかという指摘も出ていると認識しています。山中さんはそのあたりについてどのようにお考えでしょうか。

山中:これまでの4〜5年弱を振り返ってみると世耕が言ってくれた通りで、2007年に初めて人間のiPS細胞を報告してから今まで、文科省を筆頭に本当に早い動きで支援いただけたと思っています。おかげでiPS細胞の研究を進めるチームも当初は日本で私たちだけだったのですが、今では慶應、東大、阪大、理研(理化学研究所)と、さまざまな組織からものすごくよいチームがどんどん出てきました。その意味ではこれまでのところ大成功だったと思っています。

ただ私は、このような研究は10〜20年後に初めて成果が出るものであるという点をご理解いただきたいと思っています。たとえばES細胞に関して言えば、iPS細胞とは根本が違うだけで細胞としてはほとんど同じですから、二つの研究は一体化して進めていくべきだと思っています。ただ、ES細胞は受精卵を使うということがあって日本でも議論になっていましたし、特にアメリカではブッシュ政権で大変な規制が敷かれました。それがオバマ大統領に変わったとき、「これからはES細胞とiPS細胞の研究をもっと推進していく」と。国のお金をもっと使うということでホワイトハウスで法案にサインされたました。

私もそのときに呼ばれてホワイトハウスへ足を運んだのですが、そのときに大統領がおっしゃっていたことで最も強く覚えているのは、「私が決断したのは私たちの世代のためではない」という話でした。次の世代の患者さんのために今決断したのだと。彼はそれだけ時間がかかることを当然わかったうえで決断したわけですね。ですから日本の政治家の方にも同様に、再生医療の研究には時間がかかるという点をご理解いただきたいと思います。とにかく5年で飽きないでくださいと。まずは10年後に評価してもらいたいと思っています。そこできちんとできていなければ私の首を締めてもらっても結構ですから。

5年ぐらいの期間ですと、どうしても、論文でも書いて短期的な成果を出そうという発想につながってしまうんです。ですからじっくり10年間。ES、iPS、その他幹細胞を使ったすべての再生医療で同じことがいえますので、ぜひ長期戦略で臨んでいただきたいというのが一番の希望です。

世耕:わかりました。そこは心していきたいと思います。水野さんは何かほかにございますか?

水野:はい。セッションのタイトルに戻って少しお話ししたい点があります。「チーム・オールジャパン戦略を考える」というタイトルです。これ、正直に申しますとアドバイスをする私の立場としては、iPS細胞研究における足枷になりはしないかという懸念を持っております。iPSは日本の企業や研究機関だけで完成できるような技術ではないことは明白です。繰り返しになりますが、国益のために税金を投入しているわけですから日本企業さんに優先して入ってもらうといった方針そのものは当然だと思います。その意味でも日本企業の方々にはできるだけ早い段階で参加していただきたい。もちろん外資の日本法人も差別はできないと思います。

ただしそれとは別に、海外の企業が入ることで、あるいは海外の研究所と組むことで、将来明らかに何百万人の方が治療を受けることができるようになるのであれば、そのような選択肢もありではないかなと正直思います。もちろんその場合は、いただいた税金を何らかの形で国にリターンさせていくことも必要になると思います。ですからオールジャパンというのは日本の国益になる形で研究を進めることであり、必ずしも参加者全員が日本人であるということではないのかなと。それで10年経ったら…、そこで何もできなくても山中さんの首を締めさせるわけにはいきませんが(笑)、何かの形で必ず日本の国益に資するようにする。その方向で行くのであれば、多少のことは参加者がオールジャパンではなくとも許していただきたいと、私はそんなことを山中チームの代理として皆様にお願いしたいと思います。

寄付による資金確保、雇用対策は研究維持の根幹(会場)

世耕:ありがとうございました。では時間も参りましたので、フロアからご質問等募っていきたいと思います。今日は製薬関係の方々もお見えですし、ぜひ積極的にご発言をいただけたらと思います。…はい。ではまず國領先生、続いて各務先生にお伺いしていきましょう。

会場(國領二郎氏:慶應義塾大学総合政策学部教授):質問というより少し応援演説をしたいと思います。私としてはとにかく大学のファイナンス・モデルを抜本的に変えないと日本の科学技術も長続きしないのではないかと思っています。また、そのモデルを回していくためには国の資金だけでは恐らく駄目で、民間資金を呼び込むような仕組みが不可欠になると考えています。寄付については寄付税制に関する法案が今国会でかかっているんですよね? あれはぜひ反対しないでほしいのですが。

世耕:しません、大丈夫です(会場笑)。あれは自民も関係していますから大丈夫です。

國領:よろしくお願いします。税額控除ですし、これはかなり画期的な話であると思っています。プランド・ギビングが入るのもかなり大きいと思いますし。そしてあとはエンジェル税制ですね。これは金融の方がいらしたらぜひスキームづくりを考えていただきたいのですが、恐らく寄付税制とエンジェル税制を組み合わせることでかなり多くのことができるようになるはずですから、ぜひ頑張っていただきたいと思っています。

あと、国の資金を使うということに関してもう1点あります。ここは私の認識と実態が違っていたら山中先生にもご指摘いただきたいのですが、雇用法制について懸念があります。ひょっとすると今よりもさらに状況が悪くなる可能性があるのではないかということを申しあげたいと思っております。単年度の有期契約教員…、大抵は特任教員と呼んておりますが、大学によってはこれを5年、慶応では10年まで延長しています。つまり明らかにミスマッチがあるんです。とにかく国の予算は年々の消費会計ですから、そこはむしろ投資的に行なっていくと。山中先生としては10年有期契約ということでいいんですよね?

山中:その通りです。はい。終身雇用はまったく考えておりません。

國領:わかりました。ですから私としても10年契約のようなことをきちんとできるようにしてほしいと思っております。そこで賃金体系も有期のほうが高いという形にできるよう、きちんと整備していただきたいのです。このあたりはひょっとすると大学内でのルールづくりという話かもしれません。とにかくいろいろな場面でがんじがらめになっているので、雇用制度という側面にもしっかり目を向けていかないと、この国の研究は続かないと思っております。

世耕:ありがとうございます。では各務先生、お願い致します。

再生医療のパートナー候補はまだ見えない(水野)

会場(各務茂夫氏:東京大学教授 産学連携本部事業化推進部長):東京大産学連携本部の各務と申します。現在は山中先生がされていることにかなり近い、大学発のベンチャー支援をやっております。さきほどのいわゆる“2014年問題”に関しまして、東大でももうすぐ終わってしまう予算があり、これについてどうするのかという議論をはじめています。大学によるベンチャー支援においてもどのような理論武装で進めていくかというのは結構重要であり、そのあたりでは少し苦労しておりますがとにかく頑張って乗り切らなければいけないと思っております。

また國領先生のお話についてひとつ申しあげますと、たしかに大学でも学長を含め当事者が「やろう」と思ったらできる制度にはなっているわけですね。ただ、それをどうやるか。とりわけ教員と職員という大別があります。で、産学連携本部では私ともうひとりだけが終身雇用の教員であとは全員特任です。そのときに「予算がなければどうするんですか」という話になります。このあたりをどのように考えていくかは、現在の大学が抱えている大きな課題だと思います。

それと、iPS細胞に関して水野さんにご質問があります。今日のお話を伺っていて頭に浮かんだのですが、かつてジェネンテック(アメリカのバイオベンチャー企業のパイオニア)ではクライナー・パーキンス(・コーフィールド・アンド・バイヤーズ)などのベンチャーキャピタルが入って1976年から遺伝子組み換えの技術とともに、大腸菌をベースにしたヒトインシュリン作成の研究をしておりました。ヒトインシュリンですから当時の大きなスポンサーはイーライリリー(・アンド・カンパニー)だったわけですね。彼らが投資を行い、のちに(エフ・ホフマン・ラ・)ロシュが買収する流れとなったわけですが。同様に再生医療でなんらかのブレークスルーが生まれる際、パートナーとなる大きなプレイヤーとしてはどのあたりを想定したらよいのでしょうか。

水野:そこはまさに先ほどお話しした部分と関連するのですが、現在は明確なパートナー候補も見えていない状態であります。ジェネンテックのときも当初はそこが今ひとつ見えていなかったのだと思いますが、少なくとも製薬会社ということはわかっていた。しかし今回はまだそれもわからない状態です。角膜に関してはひょっとしたら眼内レンズをつくっているプレイヤーが進めようとなさるかもしれませんし、とにかくそのあたりさえまったくわからない状態です。

ただ、これは逆に言うと大きなチャンスでもあると思います。医療系の会社にはなると思いますが、とにかく研究開発に製薬メーカーから医療機器メーカーまで、ぜひいろいろなところから人を送っていただき、共同研究をしていただきたい。そうしていかないとわからないのではないかと考えております。私としては厚生労働省の方にもできれば入ってきていただいて、将来どのような準備がいるのか認可する側としても一緒に研究していただきたいと思っています。本当にすべてが初めてのことですから。パートナーとして入ってくださるところはまだ決まっておりません。

世耕:山中さんからは今のコメントに対して何かありますか?

山中:國領先生から税額控除に関する法案のお話が出ましたが、これはまさに去年のG1サミットで議論されていた話なんですね。そこで黒川(清氏:東京大学名誉教授)先生、鈴木寛(参議院議員、前文部科学副大臣)さん、立川敬二(宇宙航空研究開発機構理事長)さんとのセッションで、鈴木先生から「もう税額控除になるから大丈夫だ」というお話を伺っておりました。しかしそれから1年経ってもまだ法案が通っていない状態でして、誰も反対していないのであればなぜ通らないのかなとは感じております。早く通すべき法案は通していただきたいと。

世耕:まず税法の法案として出てきたのが今回初めてですから。ねじれ国会であっても必ず通すように頑張っていきたいと思っています。

山中:わかりました。来年のG1で同じ会話にならないよう、よろしくお願いします(会場笑)。

水野:将来の資金調達についてもう少しだけ。各務さんがクライナー・パーキンスの話をされましたが、この規模のプロジェクトには投資家が必ず必要になります。ただ、ある程度の額を投資できるような投資家というと、現在の日本には残念ながら存在していないのも事実です。日本のVCは規模的にも小さすぎますし、ノウハウ的にも不満です。そうなってくると方法は二つしかありません。海外のファンドの資金をとるか、日本でそういった投資家に育ってもらうか。このどちらかになります。海外ファンドの資金をとるのはそれほど難しくないと私は考えております。日本人はどうしても「お金が入るとすべて取られる」といったイメージを抱きがちだと思いますが、実際にはそんなこともないんです。お金と権利をカットするのは非常に簡単ですから、海外の資金を入れることは可能だと思います。

一方で、日本の資金を入れようとするとはっきり言って教育が必要になります。ですから私としては、ベンチャーやバイオの投資を行なっているような投資家にもぜひパートナーになり、一緒に技術を研究して欲しいと考えています。そうでないと、恐らく5年後になって5千万や1億を出してもらっても仕方なくなってしまいます。そのときは数十億のお金を出していただける投資家が必要になりますから。今のままでは日本にそういった投資家が存在しない状況が続いてしまう。だからこそ投資家にも入ってもらって勉強してもらいたいのです。

世耕:ありがとうございます。それでは他のご質問等、いかがでしょうか。…では茂木さんどうぞ。

「iPS細胞は魔法の杖ではない」ことは、意外と認識されている(山中)

会場(脳科学者 茂木健一郎氏):山中先生、茂木です。こんにちは。今お話を聞きながら山中先生の論文をいくつかPDFで読んでいたのですが、やはり4つの遺伝子を導入することでiPS細胞をつくられたところが本当に素晴らしい業績であると思いました。

それで私は少し、別の側面から援護射撃をしたいと思っています。日本の社会というのは非常に性急で‘public understanding of science’もあまり進んでいません。ですからiPS細胞があたかも魔法の杖で「明日から再生医療ができる」というような、そういう雰囲気が日本には満ちていると思うんですね。しかし実際にはいろいろな課題もあり、だからこそ山中先生も懸命に研究していらっしゃるわけです。そういった問題点がどのようなものであるか、ある程度共通認識として皆が知らないと、「どうして継続的な支援が必要なのか」という理解もできないと思います。投資家を呼び込むにしても、要するにサイエンスやテクノロジーの内容にある程度精通した人材を厚くしていかないと、エコロジーとしてうまくいかないのではないかと。

その点については山中先生も恐らく大変なプレッシャーを感じていらっしゃると思います。特に日本では魔法使い扱いされているといえばよいのでしょうか。アメリカやイギリスではそういったこともないと思いますが、日本人は科学や技術について詳細を知らない状態でも大きな期待をする人も多いのではないかと思います。そのあたりについてはどのように認識していらっしゃいますか?

山中:はい。たしかに2007年以降、患者さんやそのご家族と実際にお会いしてお話をしたり、メールや手紙のやりとりをする機会がすごく増えました。そのなかには茂木先生がおっしゃった通り、「もう明日にでもなんとかしてください」「先生のモルモットでも結構です。失敗してもいいから何かやってください」という方がおられます。

しかし私がかなり驚いたのは、一方できちんと理解されている方も結構いらしたことです。「いえ、そんなすぐにできないということは存じています」という方も多かった。「私は今まで、難病の娘に希望さえ与えることができませんでした。でも、こういう技術が出たことで、もしかしたら娘に初めて“将来は治療法ができるかもしれないね”と、具体的に言えるようになりました」と。そういった考え方をしていらっしゃる方もたくさんおられることを知って、僕としては案外、「日本人ってすごいんだな」と学びました。

ですからどのようにして後者の方々を増やしていくかについていえば、まさにご指摘の通りでサイエンス・コミュニケーターのような役割も必要ですし、何より僕たち自身が正確な情報を発信していく努力を求められていくと思います。ただ、それと同時に日本人の理解力はすごいものがあるということを、私自身はこの数年で痛感しておりました。

世耕:ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。

日本国内では、認可に時間がかかるという印象を海外勢が持っている(水野)

会場:経済産業省の人間です。私自身は仕事のなかで、去年はケンブリッジに、そして今年はオランダに赴き、イノベーションがどのように起きていくのかをずっと見てきておりました。それで、これはむしろ水野さんにお伺いすべき質問なのかもしれませんが、寄付税制やエンゼル税制が整ったとしても、パートナーシップを組む段階で日本の制度環境が極めて不利に働くのではないかと思っております。最近のイギリスやオランダにおけるイノベーションボックス税制などの動きを見ていると、まだ日本では…、これは「投資家をどう育てるか」という先ほどのお話と鶏と卵の関係だと思うのですが、とにかく卵が鶏になっていく孵化装置として制度環境が整っていないように感じます。

そうであればむしろ、たとえばシンガポールなど他の制度環境を使い、日本のお金と技術をそこにつぎ込んでもいいのではないかと思うときすらあります。それは私自身の務めには反するのですが、そう思うときがあるんです。そのあたり、パートナーシップを構築していく場として、あるいは制度環境として、日本には使い道があるのかどうか。端的に申しあげればそういった点についてお伺いできればと思います。

水野:パートナーシップをつくる場合に求められる要素は、まず優秀なパートナーがいるということです。その点に関して言えば日本のヘルスケア業界には製薬会社ほか立派な会社がたくさんあります。研究者も山中先生がおっしゃった通り大変にレベルの高い方々が揃っています。ですからパートナーはいるはずです。

次に、その方々がパートナーになろうとするとき、何かの制約要因になってしまうようなシステム的な問題、つまり規制や税制上の問題が日本にあるのかどうか。たとえば実は税金等の問題。もちろん税金がかからないに越したことはありません。ただし、特にそこで「税金がかかるから日本に研究設備を置くことができない」という話は、私自身はあまり聞いたことがありません。今日はフロアにも製薬関係の方がいらっしゃると思うので、そのあたりについてご意見があれば何かお伺いしたいのですが、私は致命的な問題とは思っていません。

その一方で、厚労省で臨床に入ったあと行われる認可のプロセス等で大変な時間がかかります。これはドラッグラグといわれ、関係者にはよく知られていますが、まさにおっしゃる通りで、「もう海外で申請すればいいじゃない」という方は実際に多くなってきています。これは対応を考えなければいけないです。ただし私たちも以前、サノフィ・アベンティスが年間40億ユーロほど売り上げていた血栓を防ぐ薬のジェネリックをアメリカで申請していた際、その認可に大変な時間を要しました。FDA(Food and Drug Administration)もそれほど巨大なバイオ製剤のジェネリックを認可するのがほぼ初めてだったんですね。そういうときはアメリカでもすごく時間がかかるんです。

しかし、彼らも一応のところ前倒しに勉強する努力はしているなと感じました。そこで日本の、たとえば厚生省などが待ちの姿勢でやっていたら、本当にいつ認可できるか、いつ先に進むか、わからない状況になってくる。ですから行政サイドには早くから入っていただき、準備しておいてもらう必要があると思っております。

世耕:ありがとうございます。さて、そろそろ時間が参りました。それでは最後に長谷川社長から何かご質問等をいただきたいと思います。製薬業界代表でございます。

プリコンペティティブ・リサーチをぜひ日本でも(会場)

会場(武田薬品工業 代表取締役社長 長谷川閑史氏):これだけの問題提起がなされましたので何か一言、製薬業界の人間として申しあげたいと思いました。まず、私は製薬協(日本製薬工業協会)の会長を務めておりましたときに山中先生とお約束したことがあります。それは、製薬協としてこれまでできなかったことのひとつでもある未承認薬や適用外薬の開発です。これは自分が会長であった期間に非営利法人をつくり、そこを受け皿にしてすべて進めるということにしました。これは大きく進んでいます。

それから、個々の企業ではなかなか対応が難しいので「製薬業全体で正式に難病へ取り組むという形を、とにかく具体的に示そう」というお話もしておりました。こちらについては別に私が辞めたからトーンダウンをしたわけでもないのですが、お約束をして1年以上も経つのにいまだ進んでおりません。どうやら製薬協としてなかなか話がまとまらないとのことでしたので、現在の状況を報告しますと、有志企業数社でそう遠くないうち、数カ月のうちに結論を出したいと。ですからそのご連絡をできるだけ早くしていきたいと思います。

あともう1点。先ほど経産省の方からお話がありました通り、日本はとにかく過当競争をしてしまうんですね。小異を捨てて大同につかなければいけないとき、それができない。今日もまたそのひとつの典型をお伺いしたと感じました。しかし現在、諸外国ではプリコンペティティブ・リサーチが随分行われるようになってきています。要するに企業間での競争以前に基盤技術として必要とされていながらも、個別の企業ではなかなか取り組みにくいものがあるときは、いくつもの企業が協力し合い、お金、技術、あるいは人も出し合うというものです。場合によっては国の協力も受けながら「まずきちんと薬をつくることのできる基盤技術を皆でつくろう」という取り組みです。

その取り組みによって欧米では、バイオマーカーの研究などがなされているのですが、日本ではなかなか進まない状況にあります。これもまた日本のカルチャーですが、そこはやはり、どうにかして変えていかなければいけない。iPS細胞はその意味でプリコンペティティブ・リサーチのようなものに最も相応しい技術だと思います。ですからその点についても、また別の観点から働きかけをしていきたいと思います。ちなみに私、昨年のG1サミットでは講演後にすぐ戻らなければならなかったので他のセッションを聴講できていなかったのですが、寄付税制というのは寄付をすると完全税額控除になるという話なんでしょうか。

世耕:無制限ではないですね。

長谷川:企業からすれば数億円ぐらいの単位ということですか?

世耕:今、その正確な数値データがなくて申し訳ありません。ただ、日本初となる寄付をターゲットにした税制ということであります。

長谷川:それが税額控除になると。

世耕:そうです。

長谷川:なるほど。そういうことであれば私も勉強させていただきたいです。法案が通るのであれば製薬協でもぜひ、可能な限り山中先生のご苦労を緩和できるようにしていきたいと思いますので。今日は質問というより、山中先生とのお約束を果たせていないので来年同じことを言わないという宣言でして(会場笑)、できるだけしっかりやりたいと思います(会場拍手)。

日本人による、日本発の素晴らしい技術として(山中)

世耕:ありがとうございました。それではクロージングに入っていきたいと思います。まず水野さんから簡単にコメントをいただきましょう。そのあと山中さんから長谷川社長のお話に対するコメントもいただきつつ、締めのお話をお願いしたいと思います。では水野さんお願い致します。

水野:はい。私はiPS細胞の技術的な側面まで理解しているわけでは決してありません。ただ、これが日本あるいは京都発の、本当に世の中を変えるかもしれない技術であることはもう疑いようがない話です。ですからその研究にできる限り日本のサポートを入れて、かつ海外も上手く使っていきたいと思っています。そして最終的にはiPS細胞の恩恵を受けた世界中の方々に「あ、日本から素晴らしい技術が出たんだな」と、50〜60年後に思ってもらえるようできる限りの協力をしたいと思っています。ですからぜひ本会場の皆様にもオールジャパンというか“オールヒューマン”といった観点から、日本人として一人ひとりが皆できるご協力をいただきたいと願っております。どうかよろしくお願い致します(会場拍手)。

世耕:ありがとうございました。それでは山中さん、お願いします。

山中:はい。今日は再生医療を中心にお話ししました。しかし実はiPS細胞として、より大きなアプリケーションは創薬にあると思っています。ですから長谷川さんからいただきましたお話の通り、ぜひ日本の製薬企業とも一緒に研究していきたいと思っています。この2年で私たちも随分変わりました。本当に創薬という領域が見えるところまで来ております。ですからお金だけの縁でなく研究者同士の交流なども進めていけたらと思っております。

それからもうひとつ。日本人はこれまで科学の世界で素晴らしい成果を数多く出してきたのですが、今まではどちらかというと日本人が外国で研究した成果のほうが多かったと思います。しかしiPS細胞は純粋に国内で誕生した技術です。日本人が日本でつくった研究として、これだけ世界の人々が後追いをするような研究というのは本当に少なかったのも事実です。海外とも競ってきたなか、私たちはときにサイエンスの世界にいるとは思えないような出来事も経験してきました。私たちとしては倒れないよう、今後も頑張っていきたいと思います。会場おられる皆様のなかには、いろいろな意味で日本の科学技術の未来を担っている方も多くいらっしゃると思います。ですから、ぜひこれからもご指導をいただけたらと思っております。本日は本当にありがとうございました(会場拍手)。

世耕:ありがとうございました。それでは時間も参りましたので締めにしたいと思います。今日は山中さんと水野さんのお話を通して「やはり我々にもいろいろな役割があるな」と感じました。もちろん研究者の方々が一番の中心になるのですが、そこで任せきりにするのでなく、政治家も製薬業界も投資部門もそれぞれの役割を果たしていくべきであると。何より寄付という点で考えれば、本会場にいらっしゃる皆様にも役割があるのかなということを感じつつ、「その意味でのオールジャパンなのかな」と、今日は私自身、再確認致しました。ですから山中教授を中心とするiPS細胞の研究、ぜひオールジャパンで応援していこうではありませんかということを呼び掛けまして、本セッションの締めとさせてください。本日は誠にありがとうございました(会場拍手)。

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