インフォシス・テクノロジーズ社日本代表 ベンカタラマン・スリラム氏 −世界のビジネスチャンスを生かす 

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スリラム氏の講演では、様々な力がグローバル経済を形作りつつある中で、変化する環境に企業がとるべき行動、リーダーが持つべき資質、異なる文化間でマネジメントする際に注意すべきこと、そして世界の舞台で成功するために日本は何をしなければならないのか、といった内容に触れられた。

まず、世界のビジネス環境を形作りつつある4つの大きな力について概説した。

(1)先進国より、インドやアフリカといった新興地域で人口増加が大きい
(2)中国のような、これまで世界に対して閉ざされていた経済が開かれてきた
(3)世界中のいたる所に科学技術が広がっている(それに伴い、コストが下落している)
(4)会計報告と証券に関する規制が徐々に調和されてきている

これらの4つの力があわさって、これまでの歴史上、類をみない程に、世界中どこにいても同じような活動ができるようになってきている。また、既存のプレイヤーに対する、新しいプレイヤーの挑戦は、以前よりも容易になってきている。

こういった状況を考慮すると、企業はこれまでとはやり方を変えなければならない。一方向のバリューチェーンにつながるのではなく、様々な方向へと広がっていく結節点にならなければならない。グローバルな競争力を維持するために、企業はこれまでよりも、より多くの潜在的利害関係者とコミュニケーションをとって、連携していかなければならないのだ。

このような新しいグローバルビジネスの世界で走り続けていくためには、リーダー達も変化しなければならない。スリラム氏は、リーダーが持つべき資質として、魅力、説得力、管理能力などをあげた。そしてその中でも、「リーダーが真に必要とする資質は勇気である」、「逆境を乗り越え、恐怖を克服するためには勇気が必要になる」と述べた。

スリラム氏はまた、「誤った決断」(後に悪い決断だったと判明するが、あらゆる努力をしたうえで下した決断)のほうが、「貧しい決断」(習慣的、または無知や恐怖から下した決断)よりも良いと語った。なぜなら、「誤った決断」は何が悪かったのか、何故悪かったのかを知る学びの機会となるが、「貧しい決断」から得るものは何もないからである。

スリラム氏は、複数の大陸、国家にオフィスがまたがるグローバル企業の地域責任者としての経験についても語った。そして、「従業員にとって最も大切な資質は適応能力と柔軟性である。文化の違いを超えて働く際は特に重要だ」、と強調した。

彼は、インド人の従業員に対して、自分たちの考えに“醤油をかけて”、日本人の同僚が受け入れやすい内容にするよう、話しているという。同様に日本人の従業員に対しては、自分たちの考えに“カレーをかけて”、インド人の同僚に対して説得力のあるものにするように奨励している。大切な点は、「どちらの調味料を使用する場合も、自分の思考とマインドの枠組みを相手にあわせて調整し、常に乗り越えるべき文化の違いがあるという事実をしっかりと受けとめること」という。

「世界に広がるビジネスチャンスを、日本がどのように利用するか」という観点では、現在日本はターニングポイントにあるとスリラム氏は語った。そして、その気になれば、この新しい世界で成功する大きな可能性をもっているという。日本の伝統的スタイルである、製品やサービスを国内市場向けに開発しその後海外へ輸出するという「まず国内から方式」を続けるのではなく、「まず海外から方式」をとって、世界から学び、そこから得た知識を日本に取り入れなければならない。

最後に、スリラム氏は、たくさんの異なる文化に触れることで、ビジネス環境の変化に対応する適応能力と柔軟性を養うことができる。それもできるだけ若いうちが良いと強調した。日本の若い世代はたぶん、それができる独特の状況にあり、成功することができるであろうと自信たっぷりに語った。彼は、「もっと勇気をもってたくさんの文化圏に飛び込むように」と若者たちを激励した。そして、自分の夢を実現するのに近道はないということを忘れないように、という言葉で最後をしめくくった。

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