数字力入門(2/4) −愛の値段はいくらでしょうか? 

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前回、最後に宿題を出しました。

「愛の値段はいくらでしょうか?」

どのようなデータ、グラフがあれば言えそうでしょうか。

愛の値段を試算する

愛にもいろいろありますが、ここでは考えやすい男女間の愛に絞ってまず考えてみましょう。

私が教員を務めるグロービス経営大学院の授業でこの演習を行うと、相手へのプレゼントやデートに使った時間をお金に換算して足し合わせたり、あるいは生命保険や離婚時の慰謝料から何とか導けないかと考えたりと、いろいろなアイデアが出てきます。

もちろん、愛はpricelessで、そもそもお金に換算することなどできない、という意見もあると思いますが、ここでは西口敦著『普通のダンナがなぜ見つからない』所収の分析例を見ていきましょう。(ちなみにこの本は結婚に関する数字力の塊のような本となっています。是非一読ください)

アクサ生命が実施した調査で、働く独身女性(25〜44歳)を対象にまず男性に求める年収を問うと、理想の平均年収は552万円でした。一方、「心から愛せる相手が現れたとします。その男性の年収が、理想の年収から最低いくらまで減っても結婚することができますか?」と聞いた場合の年収は270万円。ここではその差、約282万円が1年間の愛の値段だと解釈することができます。

 

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2010年3月15日付けプレスリリースより

ストレートに愛の値段を聞くのではなく、間接的に聞いた答えの比較から愛の値段を試算する、うまい分析ですね。

分析の本質は『比較』

愛の値段の例では愛がある場合と、愛を意識しない場合の答えの『比較』によって、その差から愛の値段をうまく引き出していました。実は皆さんが日々行っている数字を使った分析の本質は『比較』にあるのです。比較をしない分析はない、と言っても過言ではないかもしれません。

比較をすることで数字という原石から意味を抽出するのが分析です。皆さんが普段行っている分析も、その多くは無意識のうちに何かを比較しています。何を比較しているのか、比較対象を意識するだけでも分析がシャープになります。

『分けて』比較する

実は、分析という言葉の語源をたどっていくと、中国語でも英語でも、いずれも『分ける』という語源に行きつきます。例えば大辞林では分析の意味を『ある事柄の内容・性質などを明らかにするため、細かな要素に分けていくこと』と定義しています。比較することに加え、分けるという考え方が分析には大切だということをここでは押さえておきましょう。「分けて」から比較する、ですね。

そもそもなぜ『比較』?

そもそもなぜ比較なのでしょうか?それに答えるには少し遡って、何のためにそもそも数字を使って分析をするのかについて考えてみましょう。

問題解決をはじめとして、皆さんが仕事で問われているのは、皆さんが取るべきだと考えたアクションがなぜ問題解決につながるのか、なぜ成果につながるのかを説明できることではないでしょうか。ゆえに、皆さんが選択したアクションとそれがもたらす結果の間の「因果関係」をしっかり把握することが必要になります。

したがい、ビジネスにおける分析は、大まかにいうと以下の2つのタイプの質問に答えられなければなりません。

Where?:どこに問題があるのだろう?
Why?:なぜその問題が生じているのだろう?

実はこの2つの問いに答える際のヒントが『比較』にあるのです。

 

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今日から数字を見る際には必ず「比較」を意識してみてください。その際、更に何を「比較」しているかも自分に問いかけてみましょう。

次回に向けての宿題

『お金持ちになると長生きできる?』

どのようなデータ、グラフがあれば言えそうでしょうか。また、結果はどのようなグラフになると思いますか?次回までの宿題としますね。

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