MBA経営辞書「死の谷」 

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死の谷(Deathvalley)

死の谷とは、製造業において、製品開発(Development)から量産化、事業化へとプロセスを進めるうえで越えなければいけない壁の俗称。なお広義には、魔の川も含めて、研究開発が事業化にいたらないという広い範囲を想定して死の谷と呼ぶこともある。

基礎研究で一定のめどが立ち、次の開発(応用研究)段階に移ると、開発部門(通常は事業部所属)のメンバーが加わり、プロジェクトの人員が増強される。また、生産部門やマーケティング部門との協働も始まり、量産化や販売の視点から製品に対してフィードバックが行われる。明確に市場性が見込まれる場合には、この段階で試作品がつくられ、様々なマーケティングリサーチによって市場・顧客の反応を確認し、製品の修正が繰り返される。

この段階まで進んでいても、様々な調査の結果、事業性が小さい、量産化のめどが立たない(量産技術を確立することが困難であるというケースもあるが、通常は事業性の小ささによる)などと判断されれば、そこから先へ進めることはできない。

事業性が見込めなくなる理由としては、製品が機能や品質に関する課題をクリアできない、あるいは採算性や競争力がないと判断される場合だけでなく、代替技術の進化によって顧客ニーズが変化し、市場そのものが消失してしまうなどのケースがある。代替技術や競合の動きは外部環境ゆえにコントロールすることが難しい。そのため、初期段階から市場投入までの期間をできる限り短くすることが重要となる。

新規開発された多くの製品は、この段階で消えてしまう。基礎研究にかかるコストに比べ、量産化や市場投入に関するコストは桁が違い(業界にもよるが、数十億円から数百億円に上ることもある)、それゆえ成功確率が高くないと経営陣を納得させられないというのが大きな理由である。

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