MBA経営辞書「魔の川」 

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魔の川(Devilriver)

魔の川とは、製造業において基礎研究(Research)から製品開発(Develop-ment)へとプロセスを進める上で越えなければいけない壁の俗称である。

研究所(特に事業部所属の研究所ではなく中央研究所)で研究するのは、製品に必要な要素技術と、技術の裏づけとなるサイエンスである(ただし、純粋なサイエンスの領域は大学や国の研究機関で行われることが多い。なぜなら、純粋なサイエンスの領域は利用可能な技術になるまでの不確実性が高く、必要な研究期間も長いため、そもそも企業が行うことが妥当ではない場合が多いからである)。

通常、研究の初期段階では、少人数のチームで研究が行われる。予算は一般的に数百万円から数千万円程度のことが多い。その後、ある程度製品開発への応用のめどが立ったり、事業部から当該テーマに関してさらなる予算を得られたりすれば、開発段階に進むこととなる。こうした進展が見られない場合は、研究所内に留まって研究を続け、さらに製品化に向けた研究を進めるか、中止(売却を含む)の判断が行われる。

研究所の研究が「魔の川」を越えられず中止される理由としては、そもそもその要素技術の難易度が高いというケースもあるが、資金等のリソース不足や、市場を見ずに研究所が興味本位で研究を行ってしまった等の理由もある。

中央研究所の研究者は、往々にしてモチベーションの源泉が論文発表や学会でのプレゼンス向上にある場合が少なくなく、市場ニーズに必ずしも敏感でないことも多い。研究所の責任者としては、研究員の自由なアイデア創出を妨げないようにしつつも、会社の戦略や市場の動向を理解し、適切な研究テーマのポートフォリオを組む必要がある。

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