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MBA経営辞書「レイヤーマスター」

投稿日:2012/05/21更新日:2019/04/09

レイヤーマスター(Layermaster)

大手コンサルティング会社のボストンコンサルティンググループ(BCG)では、バリューチェーンの再構築のことをデコストラクションと呼び、4つのタイプを提唱している。そのうちの1つであるレイヤーマスターは、1つの要素で支配的地位を確立するやり方で、特定の付加価値活動で優位性を築くことを狙うものである。デコンストラクションはデジタル技術の活用を含意していることが多いが、オーソドックスなビジネスの中にもデコンストラクションによって新たな地位を確立した例は見られる。

たとえば、流通業における強い企業などはバリューチェーンの要(好立地など)を押さえているわけで、家電のヤマダ電機やコンビニエンスストアのセブン-イレブンのように強力なバイイングパワーを発揮できる。メーカー、特に日本のメーカーは通常バリューチェーンを丸抱えしがちだが、インテルは特定の付加価値部分に集中する方針をとっているし、昨今ではデザインだけに特化した企業や、製造だけに特化した企業も登場している。サムスンも、1つの機能にだけ特化したわけではないが、自社の強い機能に資源を集中しているという意味でレイヤーマスター的な要素が見て取れる。

日本の部品メーカーでも、キーエンスやシマノは特定部品に関して技術的に極めて強く、顧客の大手メーカーをはるかに上回る利益率を上げている。このように強みを確立できれば、他の付加価値部分については自社の強みを生かしてアライアンスを組むことも可能となる。一方で新聞社のように、取材やコンテンツには強いがその他の活動の相対的強みが失われてきているなら、取材やコンテンツ活動に特化するという方向性もありうる。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約800語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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