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ストローマンとは?【意味や使い方を事例でわかりやすく理解】―そんな話だっけ

投稿日:2011/03/02更新日:2023/12/07

ストローマンとは

今回の落とし穴は、「ストローマン」です。

ストローマンとは、相手の意見を正しく引用せず、捻じ曲げて引用し、それに反論するという論法です。日本語で「藁人形論法」や「かかし論法」ということもあります。しばしば、「とんでもないことを言い出すやつだ」といったように、相手を強く攻撃する際に用いられます。

ストローマンの例

以下のBさんの問題は何か。

A: 「小学4年生のうちから学習塾に行かせるなんて反対だね」

B: 「なぜだい?」

A: 「4年生なんて、受験勉強なんてするよりも、もっと大事なものを学ぶことが大事じゃないのかな」

B: 「じゃあ君は、子どもの学習の機会を奪うことが正しいというのか?そして、その結果、子どもの人生が大きく歪められることになっても仕方ないという意見なんだな。そんな意見には賛成できない」

A: 「・・・」

相手が問題にもしていない論点を攻撃してしまうストローマン

冒頭のケースでは、Aさんは単に「小学4年生という時期は、学習塾で勉強するより、もっと(人生において)大事なものを学ぶべき時期ではないか」と言っているだけです。ところがBさんは、その意見に対してダイレクトに答える(例:学習塾で得られることと、その機会費用を冷静に分析する)のではなく、相手の意見を捻じ曲げ、さもとんでもないことを言う、という批判の仕方をしています。典型的なストローマンの議論と言えるでしょう。

このケースからもわかるように、ストローマンは、第37回でも触れた「論点のすり替え」の一種です。つまり、相手が問題にもしていない論点をでっち上げ、それに対して攻撃しているのです。この方法は、無意識になされる場合もあれば、意図的になされる場合もあります。もちろん、後者の方が悪質と言えます。

ストローマン論法によくある2つのパターン

ストローマンにはいくつかのバリエーションがあります。典型的なのは以下のようなものです。

形式論理学的に誤り(1)

「男たるもの、家族の人生に責任を持たなくては」

「じゃあ、君は、女性は家族の人生に責任を持たなくてもいいというのだな」

形式論理学的に誤り(2)

「男たるもの、家族の人生に責任を持たなくては」

「家族の人生に責任を持っている女性の立場をどう考えているんだ」

文脈から切り離して一部を引用

(・・・ですのでデフレ下においては、株主の視点からも)「企業がキャッシュを株主に即還元しない方が良いというケースもありうるわけです」

「株主の利益を無視するというのだな」

文脈から切り離して一部を意図的に誤用

(新卒採用を抑制するような、しかも、仕事のできない人間すら庇うような)「正社員の『過剰』保護には反対だ」

「正社員の雇用に手をつけるべきなんて、経営者の責任を果たさないのか」

ストローマンを使われてしまった時どうするか

ストローマンは、しばしば、聞き手の情動に訴えかける形をとります。公開された対話なら、聴衆も論理の誤りに気がつく可能性は高まりますが、全く離れた場所でストローマン的な引用をされ、その引用をベースにそれなりに説得のある主張をされてしまっては、お手上げです。

そうした時空を超えた場所でのストローマンを咎めるのはなかなか難しいことですが、少なくとも、直接対話しているシーンでは、相手がストローマン的な引用をした時には、すぐさま指摘することが必要です。そうした指摘をしないと、自分がその間違った引用を認めてしまったと周りに受け止められてしまわれかねないからです。誤りをすぐに正すことを遠慮してしまう人もいますが、正すべき時に正さないことは、自分自身を傷つけてしまいかねないことには注意したいものです。

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