あの時あんなこと言わなければよかった -ブーメラン 

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問題です

以下の会話で、夫は何がまずかったのでしょう

妻: 「そろそろ私の誕生日だわ」
夫: 「そうだな、その日は、子どもはうちの親に預けて、二人で食事にでも行こう」
妻: 「それはいいわね。あの、それでね……」
夫: 「何だい?何か欲しいものでもあるの?」
妻: 「この間友達とデパートに行った時に、素敵な時計を見つけたのよ」
夫: 「値段は?」
妻: 「……30万円くらい」
夫: 「それは勘弁してよ。そもそも時計なんて時間が分かればいいものなんだから。プレゼントするとしても、せいぜい3、4万円までだな」
妻: 「……」

それから1カ月後。

夫: 「ちょっと相談があるんだけど」
妻: 「何?」
夫: 「車をそろそろ買い換えたいんだ」
妻: 「そうね、そろそろ古くなってきたから、いいタイミングかもね。次は何を買う?」
夫: 「実は、BMWを買おうと思ってるんだけど、ダメかな。この前、友達のBMWに乗ったんだけど、ものすごく良かったんだよ。何とかローン組めない額じゃないし」
妻: 「BMWって正気なの?いくらするの?」
夫: 「欲しいのは、500万円くらいのモデル」
妻: 「冗談じゃないわ。車なんかに500万円も使うなんて。そもそも、車なんて、ちゃんと動けば、軽だって小型車だって何だって同じじゃない。どうしてそんな高級外車が必要なの?」
夫: 「動けばいいってわけじゃないよ……。男のロマンというか」
妻: 「女にだってロマンはあるわよ。だいたい、あなたこの前は、『時計なんて時間が分かればいい』って言ったじゃない。私も言わせてもらうわ。『車なんて動けばそれでいい』って」
夫: 「……」

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解答です

これは、ブーメランと呼ばれる落とし穴です。自分の主張の根拠が、別の件で自分に跳ね返ってきて自分を不利に追い込む状況です。「自縄自縛」の一つの形とも言えるでしょう。

最近では、鳩山由紀夫首相が、「故人献金問題」に関連して同じような状況に陥りました。鳩山首相は、かつて野党時代に、「鳩山由紀夫の秘書が同じこと(犯罪)をしたら国会議員のバッジをはずす」と言って、秘書の責任は議員の責任だとの見解を述べていました。ところが、2009年に発覚した「故人献金問題」では、一転して、「秘書がやったことなので……」という苦しい釈明をせざるを得ませんでした。ニコニコ動画などでは、昔の追及の様子と、今回の釈明の様子を合成した画像が流され、多くのビュワーを獲得しました。

特に、人を叱責・追及したり、相手の意にそぐわない意思決定をするときの根拠は、それが自分に跳ね返って不利な状況をもたらさないか、慎重に検討しておきたいところです。

また、交渉の場面などでは、老練な交渉者は、うまく言質をとるような誘導質問をしてくることがあります。例えば、「……ということは、契約書に書いてあることは、どのような状況変化があっても守るべしというお考えですね」といった問いかけです。

ここで迂闊に「そうです」などと言ってしまうと、それがブーメランとなって、「あなたは確かにこう明言しましたよね」と、相手の武器にされてしまう可能性があります。言質をとられて外堀を埋められることに無頓着な人は少なくありません。誘導質問と感じたら、「延髄反射」的に返答をする前に一呼吸置いてその意図を考えてみましょう。

人間である以上、ブーメランから完全に逃れることは出来ません。しかし、重要な局面でそれにぶつからないような慎重さはやはり求められるべきなのです。

 

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