MBA経営辞書「シグナリング効果」 

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シグナリング効果(Signalingeffect)

通常、企業の経営状況やその企業の持つ投資機会については、企業経営者の持つ情報のほうが投資家の持つ情報よりもはるかに多い。そのため投資家は、配当政策を、経営者の持っている情報を推測するための「シグナル」として利用し、意図や背景を読み取ろうとする。そのため、配当政策の変更が株価にも影響を与える場合がある。

たとえば、企業が配当を減らすという発表をした場合、一般的にはその会社の株価は下がる。それは配当削減の原因が、企業の業績不振に伴う手元資金繰りが逼迫していることによる場合が多いからだ。投資家が、「経営者が企業の業績の先行きに不安を持っていて、万が一に備え手元に資金を残しておこうとしているのではないか」と、その企業の評価をネガティブに見直す結果、株価が下がるわけだ。

逆に、同じ配当削減でも、場合によっては株価にプラスに働くこともある。たとえば、成長期のベンチャー企業が画期的な技術に対する新規投資を考え、配当削減を発表したとする。成長期の企業は一般に、魅力的な投資機会に恵まれているが、その割に資本が乏しいため、稼いだ利益を極力再投資に回すことが多い。仮に、投資家が、このベンチャー企業の配当削減が、新規投資の資金調達に不可欠な施策だと判断すれば、投資家はその企業の評価をポジティブに見直し、株価は上昇するかもしれないのである。

次回は「自社株買い」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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