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質問力をつけるには?質問力の基本とトレーニング法

投稿日:2009/11/17更新日:2019/04/09

失敗の本質を探ることで、自分に足りないスキルが見えてくる。プロフェッショナルになる上で不可欠なビジネススキルを、3つのトレーニングを通して習得していく連載企画。第5回目となる今回は、グロービス経営大学院の川上慎市郎氏が、質問力を高める秘策を紹介する。(このコラムは、@type「コンサルタントの転職@type 」に掲載された内容をGLOBIS.JPの読者向けに再掲載したものです)

質問力の基本
1. 事前に情報収集をする
2. 情報を整理して“穴”を見つける
3. 仮説を交えて質問する
経済が成熟し、商品やサービスそのものの価値だけでは勝負できなくなった昨今、「顧客の抱える本質的な課題を聞き出し、解決策を導くことが何よりも重要な時代になった」と川上慎市郎氏は話す。そこで注目を集めるようになったビジネススキルが“質問力”だ。

「質問力を養うには、事前の準備段階が最も重要になる。相手に関する情報を集めて整理し、それをもとに仮説を立てて話を聞き出すことが大事なのです。自分の予想を超えた驚きや発見があって初めて、聞く意味があったと言えるでしょう」

重要なのは「考えてから聞く」ということ。話を引き出すテクニックや話術を磨けば、質問力が身に付くわけではないということを理解しておこう。

「顧客の顧客」リサーチトレーニング

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症状:顧客の話の文脈がつかめない/的外れな質問ばかりしている気がする
効果:どこに着目して情報収集すればいいかが分かる

1.顧客の3C(Customer、Company、Competitor)を意識して、情報収集を行う
2.インターネットで検索するときには、以下のキーワードを使うと良い。
・「顧客自身」については「企業名」×「経営 or 戦略」
・「顧客の顧客」については「顧客の業界名」×「変化」
・「顧客の競合」については「顧客の業界名」×「競争」

話を上手に聞き出すためには、事前の下調べが不可欠。顧客を訪問する前に、Webでその会社や担当者について調べる人も多いだろう。ただし、むやみに情報を集めればいいわけではない。大切なのは、顧客が置かれている環境を客観的かつ包括的に把握することだと川上氏は話す。

「自分の顧客は、その顧客からどのような要求をされているのか、あるいは競合相手とどの部分で戦っているのか。顧客の3C (Customer, Company, Competitor)に関する情報を押さえれば、相手が置かれた環境を把握でき、結果顧客の話を理解することができる。まずは、この俯瞰的な視点を持つよう心掛けてください」

「顧客の顧客」については、Webの検索エンジンや記事データベースで「顧客の業界名」×「変化」というキーワードで検索してみると良い。業界の変化の動向に関する情報には、相手が抱える課題が隠されていることが多いからだ。

顧客からは自分たちの弱みや失敗を言い出しにくいものだが、こちらから「○○の売り上げが前年比30%減だそうですね」、「最近のお客さんは××なものしか買わないらしいですが」などと切り出すことで、相手も「実は…」と本音を打ち明けやすくなる。

training.2フレームワーク落とし込みトレーニング

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症状:「自分が何を知らないのか」を確認できる
効果:「自分が何を知らないのか」を確認できる

1.集めた情報をフレームワークに当てはめてみる
例:「バリューチェーン」→「作る/運ぶ/売る」/
「4P」→「Product/Price/Place/Promotion」
2.情報が多く集まった領域と、少ない領域を把握する
3.「情報が少ない領域=まだ自分が知らない部分」であると理解し、聞くポイントを整理する

多くの情報を集めても、その中から何を参考にどのような質問をすればいいのか見極めることは難しい。ただ漠然と情報を並べて分析しようとせず、きちんと整理して網羅的に検討することが必要だ。

その際は、「4P」、「バリューチェーン」といったフレームワークに当てはめてみると、全体像を把握しやすい。例えば「4P」なら、集めた情報を「どのような商品を(Product)/いくらで(Price)/どのチャネルから(Place)/どのような方法で(Promotion)」という切り口で整理できる。すると、情報が多い領域と少ない領域があることに気付くはずだ。

「ここで重要なのは、情報が少ない領域。例えば商品に関する情報は多いのに、販売チャネルについてはよく分からないことが多い場合、そこに外部に明かせない課題や事情があると考えられる。その部分をより深く掘り下げることが、有益な情報を聞き出すポイントです」

情報が簡単に表に出てくる部分については相手も聞かれ慣れているので、いくら質問しても型通りの受け答えに終始してしまう。むしろ、相手が隠している部分こそ、本当に聞き出さなくてはいけないポイントなのだということを理解しておこう。

training.3仮説バリエーション作成トレーニング

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症状:「ここに問題があるのでは?」と聞いても、「そうなんだよね」で終わってしまう
効果:予想を超えた新しい発見を得ることができる

1.「training.2」で見つけた情報の少ない領域について、「なぜ情報が表に出てこないのか?」を考える
2.できるだけ多くの仮説を考え、書き出してみる。この時、仮説が正しいか、間違っているかにはこだわらなくていい

表に出てこない“情報の穴”を把握しても、事実をそのまま問い掛けるだけでは発見は得られない。「なぜ穴があるのか」を考え、自分なりの仮説を立て、それを相手にぶつけることが必要となる。「販促は最近どうなんですか?」ではなく、「販促の領域を担う人材が不足していたりしませんか?」といった絞り込んだ聞き方をするのだ。「わたしだったらこうすべきだと思うのですが」という提案を交えてみるのも良い。

「すると相手はイエスかノーで答えざるを得ないし、その理由も言わなくてはいけなくなる。そこで初めて、こちらの想像を超えた答えを引き出すことができ、本質的な課題などを理解できるのです。もし相手の返答がすべて予想通りだったら、自分の準備が足りなかったのだと反省するべきですね」

用意する仮説は、多ければ多いほど良い。問題を引き起こしている要因が一つとは限らない。相手からいろいろな情報を引き出すには、こちらの仮説もバリエーションを豊富にそろえておくことが必要だ。仮説そのものは正しくても間違っていても構わない。むしろ相手に否定されたときこそ、隠された問題が明るみに出て、大きな収穫を得られる機会だと考えよう。

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