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MBA経営辞書「APV(調整現在価値)」

投稿日:2009/11/02更新日:2019/04/09

APV(調整現在価値)(AdjustedPresentValue)

事業やプロジェクトの経済的価値をフリーキャッシュフロー(FCF)の価値と節税効果の価値に分解して評価するバリュエーションの方法。企業の資本構成が大きく変化し、NPV法(NetPresentValue:正味現在価値法)を適用しにくい場合に用いられる。事業を構成する様々なキャッシュフローについて個別にDCF法を適用することで事業価値を正確に見積もろうとするもので、当初、MITのスチュワート・マイヤーズ教授によって提唱された。

一般に、ファイナンス理論において、事業の経済的価値を評価する指標としてはNPVが最適であるとして多用される。NPV法は、割引率となるWACC(資本コスト)が一定という前提のもとに計算するのだが、実務においては、必ずしもこの前提が当てはまらない場合がある。例えば、M&Aは、借入れを活用して行われることが多いが、そうした場合、企業の資本構成は当初から大きく変化し、かつ返済に伴って毎年変化することが多いため、WACCを一定とするという前提は使えない。大規模なリストラや、破綻企業の再生、あるいは、極めて大きな巨大プロジェクトを行う場合も同様である。

そうした場合に用いられるのがAPVだ。APVでは、事業の経済的価値を、資産が生み出すFCFの価値と、負債による節税効果の価値を分解して事業の経済的価値を求める。これは、
事業の経済的価値=投資家の手取り=債権者のCF+株主のCF=FCFの価値+節税効果の価値という前提に基づいている。

APVを計算する際、FCFの現在価値を計算するときの割引率としては、100%株主資本の場合の資本コストを用い、βはアンレバードのβUを用いる。一方、節税効果の現在価値を計算するときの割引率は借入金利を用いる。

仮に、FCFの現在価値が100億円(割引率を100%株主資本の場合の資本コストとして計算)、節税効果の現在価値が30億円(割引率を借入金利として計算)とすると、そのプロジェクトの経済的価値は130億円となる。

次回は「フリーキャッシュフロー」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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