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MBA経営辞書「仮説」

投稿日:2009/08/10更新日:2019/04/09

仮説(hypothesis)

本来の自然科学などにおける仮説の定義は、ある現象を理論的に統一して説明するために立てられた経験科学上の仮定(大辞林より)。

ただし、ビジネスではより広く、「ある論点に対する仮の答え」もしくは「わかっていないことに関する仮の答え」という意味合いで使う場合が多い。具体例で言えば、「この事業は儲かるはずだ」あるいは「この事業では大手顧客ほど収益性が低いようだ」、「この問題の原因はここにあるに違いない」といったものだ。科学的な厳密な意味の仮説とは異なり、普遍的なメカニズムではなく、「おそらくこうなるだろう」「多分、こんなことが起きているに違いない」といった、限定的な対象や範囲にのみ当てはまる仮の答えといえる。科学的仮説と位置づけは異なるが、「検証」というプロセスを必要とするという点では共通している。

ビジネスにおいて仮説を持ちながら思考、行動することのメリットとしては、?「検証」という表裏一体の作業を通じて、意思決定の精度や他者に対する説得力が増す、?さまざまな事柄に対して関心、問題意識が向上する、?行き当たりばったりの行動が減り、ビジネスのスピードがアップする、?行動の精度が高まる、などがある。

仮説はさまざまなタイプ分けが可能だが、「問題解決の仮説」と「結論(主張)の仮説」といったタイプ分けや、「過去のことに関する仮説」「現在のことに関する仮説」「将来のことに関する仮説」のタイプ分けなどがある。それぞれのタイプや、ビジネスを取り巻く状況、当事者が置かれた立場などによって、どこまでの精度で仮説を検証すべきかは異なってくる。一般にビジネスでは、100%の精度で仮説を検証しなくてはならないという状況は少なく、7,8割の精度でもいいからスピーディに検証することが効果的であることが多い。

なお、ビジネスでは、必ずしも検証の結果、正しいと見なされた仮説だけが「良い仮説」となるわけではない。仮に結果として否定されようが、ビジネスを大きく前進させたり、それまでの硬直した発想を打ち破ったりする仮説も、良い仮説となりうる。典型的には、?新規性・独自性がある、?ビジネスへの活用が可能である、?アクションオリエンテッドである(次の行動を喚起できる)といった条件を満たす仮説が良い仮説の必要条件である。

次回は「前提」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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