アンケート(Questionnaire、Survey)
多くの人に統一のフォーマットで質問をし、回答や意見を得ること。あるいはその手法。
アンケートは仮説検証に際して非常に多用され、適切に使うと非常に有効なツールであるが、さまざまな注意点がある手法でもある。
まずは、何を検証し、何を確かめたいかを明確にし、それを意識し続けることが重要だ。状況によっては、そもそもアンケートではなく、社内のメーリングリストで関係者に聞いてみるだけでも事は足りるかもしれない。目的を押さえておくと、自ずと予算や期間、方法(WEBか対人かなど)、対象ターゲットなども明確化してくる。
次に、アンケートの対象者(サンプル)が適切かは必ずチェックする。また、少なすぎるサンプル数は、統計学的な有意性が担保されない場合がありうる。求められる検証の精度にもよるが、どのくらいのサンプル数が必要かは意識しておきたい。
対象者の妥当性が確認できたら、仮説検証に必要な質問項目がしっかり網羅されているかをチェックする。同時に、質問項目が正しく被調査対象に理解されるかを確認することも重要だ。書面やWEBサイトにおけるアンケートの場合、その質問項目は、対面のインタビューとは異なって、言い換えや、詳細な説明を十分にはしきれない。聞きたいことが相手に正しく伝わるような文言を選ぶ必要がある。誤解を招きそうな文言がないか、バイアスがかからないかなどのチェックが不可欠だ。
さらに実務的には、「真面目に答えてくれるだろうか」ということにも注意を払う。アンケートが長くなりすぎたり、自由記入欄が多すぎる、あるいは操作性の悪いWEBアンケートだと、答える方が面倒くさくなって、いい加減に答えてしまうことがあるからだ。
次回は「インタビュー」を取り上げます。
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グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。