論理思考力編 

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失敗の本質を探ることで、自分に足りないスキルが見えてくる。プロフェッショナルになる上で不可欠なビジネススキルを、3つのトレーニングを通して習得していく連載企画。第2回目となる今回は、グロービス経営大学院の君島朋子氏が、論理思考力を高める秘策を紹介する。(このコラムは、@type「コンサルタントの転職@type 」に掲載された内容をGLOBIS.JPの読者向けに再掲載したものです)

論理思考力の基本
1. 考えを組み立てて答えを出す
2. その答えを伝える
「論理思考力は『考えを組み立てて答えを出す力』と『その答えを伝える力』に分けることができる」と君島朋子氏。ビジネスで必要とされる論理思考力は、データや情報を頭で理解すれば終わりではない。

それが自分や所属する組織にとってどんな意味があり、目的のためにどう活用できるかを考え、組織にフィードバックしてこそ役立つものだ。

よって、考えを組み立てて判断する力を身に付けなければ、良い問題解決にはつながらない。

「問題解決力の重要性が高まり、さまざまな手法も広まっています。しかし、そもそも問題の設定や分解もせずに、解決策立案の手法の部分だけを使っても、良い解決にはなりません。きちんと問題をとらえることにまず力を注いでほしいですね」

training.1文章化トレーニング

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症状:上司から「そんなことやらなくていい」と言われる 「根本的に間違ってる」とよく言われる
効果:問題を特定する力が身に付く

1.自分が問題だと思うこと、不満に感じることなどに直面したら、単語ではなく文章、できれば疑問文で書いてみる
2.書いた文章を批判的な目で見て、疑問に思う部分やあいまいな部分が明確になるよう、書き直す
3.第三者に見せても問題が理解できる文章になるまで、これを繰り返す

論理思考のプロセスにおいて最も重要なのが「何が問題か」を特定すること。例えば、顧客からクレームの電話が入った時、問題の範囲をどのように設定するかは人によって異なる。「お客さまの言ったことをそのまま上司に伝えるのが自分の仕事だ」と考える人もいれば、「問題を解決し、改善案をお客さまに伝えることだ」と考える人もいるだろう。それによって、やるべきことは違ってくる。最初に問題を正しく見極めることができなければ、いくら考えても根本的な問題解決には至らない。

「問題を特定するには、文章化が有効。直面している事柄を、単語ではなく文章、できれば疑問文で書いてみる。自分で自分の書いたものを批判しながら、繰り返し書き直してみるのがポイントです」

例えば、まず「クレームにどう対応すべきか?」と書いてみる。すると「誰に?」、「どんな内容?」という疑問が出てくるはず。それらを掘り下げて書くことで、自分が何に問題意識を持っているのかが明確に。最終的には「クレームの原因は何で、お客さまにどのようにフィードバックするか?」というように、第三者が見ても問題を理解できるレベルの文章を目指そう。

training.2ロジック・ツリーの作成練習

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症状:結論を出したが相手に納得してもらえない よく「ほかにもやり方があるのでは?」と突っ込まれる

効果:情報を整理する力が養える

1.問題を文章化する
2.問題を「どの側面から見るか」を決める
3.問題を分解し、具体化しながら階層を作っていく

問題が特定できたら、次に論理を作ることが必要に。そのためには二つのスキルが求められる。一つはどの情報を取るか判断する力。

「『サービスが悪い』というクレームがきたら、その内容を具体化する必要があります。それには、こちらも具体的な問いを投げなくてはいけない。『担当者の言葉遣いに問題がありましたか?』『段取りが悪かったのでしょうか?』といった質問ができれば、返ってくる答えも詳細になります」

こうして引き出した情報を整理し、組み立て直す力が、もう一つの必要なスキルだ。それによって「言葉遣いに怒っているのだな」とか「話の内容に説得力がなかったようだ」といった判別が可能に。

これらのスキルは、ロジック・ツリーの作成によって鍛えることができる。その際はモレやダブりのない分解が基本ルールとなるが、うまくいかないことも多い。ポイントは、最初に「どの側面から見るか」を決めること。「よくあるクレーム内容は?」という問題なら、「お客さまがわれわれと接触してから帰るまでのプロセス」、「クレームにかかわる組織内の業務」といった切り口を決めれば、分解する過程で同じことを重複して考えるようなミスも防げる。

training.3「もしも」トレーニング

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症状:「もっと他人や他部署のことも考えろ」と言われる 現場が動いてくれない
効果:問題の所在や原因を判断する力が鍛えられる

1.自分が統括者になったことを想像する
2.自分にとってではなく、組織にとってベストな解決策とは何かを考える

引き出した情報を整理した後に、そこから「結局自分たちにとってどこが問題なのか」を判断することが重要。それによって初めて、解決策の検討に踏み出すことが可能となる。

「クレームの原因は、サービス内容が良くなかったことだとします。しかし、それは対応した個人の問題なのか、そもそも顧客がサービス内容を間違って理解しているのかなどによって、取るべき解決策は変わってくる。真因を突き止める力がなくては、問題解決はできません」

正しい判断力を磨くためには、自分が導き出した判断を担当者やお客さまに報告しているシーンを想像し、相手がどう反応するかを考える習慣を付けると良い。他人の反応を想像することで、自分だけに都合の良い判断基準で判断してしまうことを防ぐことができる。

もう一つ大切なのは、目線を上げること。この件にかかわる人たちを統括する者の視点に立つことで、組織のために整理した情報をどう解決策につなげるかを判断できるようになる。そうすることによって、「自分から伝えるのではなく、担当者の上司から注意してもらうのが得策だ」などといった別の視点の解決策も見えてくるはずだ。

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