MBA経営辞書「サービス・マーケティング」 

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サービス・マーケティング(servicemarketing)

サービス業や製品の付随機能としてのサービスに関するマーケティングでは、通常の有形製品と異なるサービスならではの特性——形がない(無形性:intangibility)、生産と消費が同時に発生する(同時性あるいは不可分性:simultaneity・inseparatability)、品質を標準化することが難しい(異質性:heterogeneity)、保存ができない(消滅性:perishability)等——を踏まえてマーケティングを展開する必要がある。
たとえば、ヘアサロンのセットという技術提供には形がないし(無形性)、店側がサービスを提供(サービスの生産)するのと顧客がヘアセットしてもらう(サービスを消費すること)は同時であり、やり直しはできない(不可分性)。顧客ごとにセットの要望は異なり、また美容師の腕前や接客技術を標準化することは難しい(異質性)。そして、顧客の来店がなければ、美容師がサービスを前もって作り保管しておくということはできない(消滅性)。
たとえば、いわゆる「カリスマ美容師」を売り出すというやり方は、一見、店の知名度向上につながる良いアイデアのように思える。しかし、上記の要素を理解しないままこれを実行すると、逆に稼働率の偏りを招いたり、顧客の期待値を過度に高める結果、全体としての顧客満足度を下げてしまう、あるいは従業員の不満が高まり、それが顧客に伝わってしまったりする、などの事態にもつながりかねない。
一般に、サービス業では、レストランの予約係や接客係、ソムリエのような、企業と顧客の間の接客要員がマーケティング上の重要な要素となる。それゆえ、顧客満足向上のために、従来の顧客向けのマーケティングに注力するだけでなく、接客要員に向けたインターナル・マーケティングによって顧客との接点である彼らの満足度を向上させることが重要とされている。

次回は「サービス・マーケティング・ミックス」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

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