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企業を継続させる「身の丈の経営」とは?

投稿日:2015/09/21更新日:2019/04/09

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創業300年以上で、かつ、年商が50億円を超える企業は、どのような経営スタイルを維持してきたのでしょうか。一言で言えば、「身の丈の経営」が共通のキーワードとなります。「分相応」とでも言いましょうか。傍から見てどうこうという問題よりも、経営者が「我々はこういう会社だから、これぐらいの質素倹約をしよう」「我々はこういう会社だから、これくらいのチャレンジをしよう」という、無理のない、身の丈に合った経営を心掛けているのです。

今から25~30年前、バブルと言われた時代が日本にはありました。あの頃は様々な企業が、不慣れな株式投資や土地に対する投資をして、自分の本業ではないところに手を出した結果、業績を悪化させた企業が数多くありました。

他方、長寿企業は、バブルの時代においても余計なことはほぼしていません。「そこには我々の強みがない」という認識を持っていたのです。例えば、昔、国がやっていた事業を民間に払い下げることがよく行われました。事業としては確実にニーズがあって、確実に儲かるものだと考えられるものばかりです。しかし、創業340年を超える岡谷綱機は、そうした状況においてさえ、自身の強みを活かせる領域でないと判断し、一切引き受けませんでした。浮利を追わず、前回までにお伝えしたコア能力をベースとした質素倹約。こうしたスタイルの経営を貫いているのです。

それでは長寿企業はまったくチャレンジをしないのかと言えば、そんなことはありません。例えばば「カップ酒」を最初に作った企業は、300年以上続く大関です。鰹節の「フレッシュパック」を作ったのも、同じく長寿企業のにんべんです。このような斬新なチャレンジの一方で、大火傷するような無謀な賭けをしたり、自分たちの強みを全く活かせない無謀な道に出て行ったりといったことは、絶対にしていません。

その背景には、「継続すること」に対する執念があります。「来年は20%伸びるけれども、再来年はどうなるか分からない」という経営ではなく、「今年は2%、来年も2%、再来年も2%」といった按配に、ちょっとずつでも伸びていく、継続していくことを最も大切にするのです。ですから、致命的なリスクを負うことはやりません。そのようなスタイルで経営を続けてきたから、300年企業となったのです。

社員一丸となってコスト意識を持つことも大切

質素倹約スタイルを貫く長寿企業は多く見られます。大阪のヒガシマル醤油は、社員が皆、「ヒガシマル醤油円」という社内通貨を持っていました。例えばある人が会議に呼ばれれば、1時間という時間を使うことになれば、それに応じたコストが発生しています。ヒガシマル醤油では、会議へある人を連れてくるためには、決められたヒガシマル醤油円を支払わなければなりません。

一般の会社では、そうしたことを気に留めず、ほとんど何も決まらない会議に人を呼び続けているのとは大違いです。このようにわかりやすいコンセプトを取り入れることで、社員に対して非常に高いコスト意識を植え付けているのです

300年企業は、質素倹約を心がけ、自分たちが強みとしない所に出ていかない、やる時は大怪我をしない範囲でやる、といったことを是として経営しています。急成長している時もその波に身を任せてしまうことはせず、簡単に儲かるような仕事に手を出すこともなく、あくまでも自分たちの強みにこだわり続けているのです。その一方で、本当に緊急な時には、大胆に意思決定を下します。そのような経営スタイルを貫いているところに、300年企業の特徴が見られるのです。

(本記事は、FM FUKUOKAのラジオ番組「BBIQモーニングビジネススクール」で放送された内容をGLOBIS知見録用に再構成したものです)

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