「御社の強みは何ですか?」にあなたが答えられない理由 

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イラスト:荒木博行 突然ですが、「御社の強みは何ですか」と聞かれたら答えられますか?私自身、様々な企業で同様の問いかけをしますが、回答を聞くと、「それは本当に強みなの?」と首を傾げることも少なくありません。「強み」という言葉の意味を、まずはきちんと考える必要があります。たとえば、営業力や技術力、現場力…といったキーワードが出てきますが、一皮剥いてみると、その根拠がいかに曖昧で心許ないものであることに気付かされます。

その回答における強みの根拠となっている事柄は、大抵以下の3つに分類されます。

1つ目が、努力です。「我が社はこれまでこのような努力をしてきたので、これこれが強みです」、といった回答が代表例です。しかし、長らくやってきた事柄を強みとみなしたい心情はよく理解できますが、冷静に考えれば、努力=強みとはなりません。

2つ目が、自尊心、プライドです。組織には必ずプライドのようなものがあります。「うちは営業力だけは他社には負けられない・・・」といった社員の根底にあるような自尊心が、強みというキーワードに変換されるのです。しかし、言うまでもなく、自尊心=強みとはなりません。

3つ目が、言い伝えです。たとえば、「我が社はこういう成り立ちで、開発力が強みであるということが代々言い伝えられてきています」など、創業ストーリーや過去の経営者の武勇伝を、そのまま強みとして置き換えてしまうのです。このように話す方は、実は結構多くいらっしゃいます。しかし、やはり、言い伝え=強みとは、やはりなりません。

競合優位性があり、世の中に求められる商品やサービスを提供していますか?

それではいったい、何が企業の強みの根拠になるのでしょうか。

そのひとつのヒントは相対感にあるのではないかと、私は考えています。

競争相手と比較して秀でていなければ、そこにどれほどの努力や自尊心、言い伝えがあろうとも、それは強みには成り得ません。

加えて、強みは、顧客にとって重要な事柄である必要もあります。顧客が関心を持たない領域では、たとえそれが如何に競合相手より優れていても、強みには成り得ません。たとえば、顧客が既に過剰品質を感じている状況において「品質が強み」と言いだしても仕方ないのです。

このように、競争相手、そして顧客との相対比較のクロスチェックを通してはじめて、自社の強みを解きほぐすことができるのです。

そして、ここでも、「大企業病の人に共通する5つの特性」の回でお伝えした「視野の狭さ」の改善が非常に重要となります。視野が狭いと、自分が担当している狭い領域の極めて限られた情報しか耳に入りません。したがって、「顧客や競合相手と自社を相対的に見る」ということはほぼ不可能です。そのために、「強みは何か?」と聞かれたら、瞬発的に、「努力」や「自尊心」、もしくは「言い伝え」などに、強みの存在を求めてしまうのです。

自社の強みを語る上では、大企業病に陥ることなく、視野を広く持っていることが肝要となるのです。

※イラスト:荒木博行

(本記事は、FM FUKUOKAのラジオ番組「BBIQモーニングビジネススクール」で放送された内容をGLOBIS知見録用に再構成したものです)

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