孫社長は「報酬力」でアローラ氏を動かしたのか? 

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高額の役員報酬が話題になっている。2015年度3月期決算で1億円以上の役員報酬を受け取った役員の数は409人にのぼった(東京商工リサーチ6月30日調べ)。2010年度に開示制度が始まって以降、はじめて社数で200社、人数で400人を超えたという。

特に注目を集めているのがソフトバンクのニケシュ・アローラ氏だ。取締役就任はこの6月なので上述の調査の対象外だが、グーグルからソフトバンクに移籍した昨年9月からの半年間の報酬が総額165億円。日本の相場からすると破格の報酬額だ。

他者をその気にさせ意のままに動かす上で、報酬の力は大きい。だが人を動かすパワーの源泉は報酬だけではない。アメリカの社会心理学者のジョン・フレンチとバートラム・ラーベンによると、パワーは「強制力」「報酬力」「正当権力」「専門力」「同一視力」の5つで構成される。はじめの3つ(強制力、報酬力、正当権力)は、組織における地位に基づく「公式の力」、残り2つ(専門力、同一視力)は、それとは無関係に個人が持つ独自の特性である「個人の力」に大別される。社内の人を動かす際には「公式の力」が使えるが、社外の人を動かす際に鍵となるのは「個人の力」だ。

<図表>

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当初グーグルを辞めるつもりはないと言っていたアローラ氏。その考えが変化した様子を次のように語っている。

「マサとはスプリントの買収後、カリフォルニアで何度か話をする機会があり、夕食会ではソフトバンクのビジョンや戦略に話題が移っていきました。短いディナーの予定が、長いディナーになり、ワインも1杯だけのはずが、ボトルを何本も空けてしまう結果になりました」(2015/01/24 週刊ダイヤモンドより)

14年7月4日、アローラ氏はインド出身の女性実業家と結婚。イタリア南部のリゾートホテルで開いた披露宴には、孫社長の姿もあった。その2週間後、アローラ氏はグーグルを退社し、ソフトバンクの経営に参画することになった。

「いい仕事をすることとは、世界を変えていきたいと思うことです。マサにはビジョンと、素晴らしい人柄があります。だから彼とも“結婚”すると決めたのです」(同週刊ダイヤモンドより)

165億円という金額に目が行きがちだが、アローラ氏にソフトバンクという舞台を選ばせた孫社長のパワーは、「報酬力」というより「同一視力」といえるだろう。

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