「女は、共感の生き物」って本当? 

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理系、戦略コンサル出身。ビジネススクールでは論理思考を教える“男性脳”の筆者が、摩訶不思議な存在である女性と女性の脳を観察、分析するコラム第9回のテーマは、女性に関する通説への疑問。本当に、女性は共感の生き物なのか?

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前回(第8回「男はプライドの生き物?」)に続いて今回は「女性」のことをテーマに選んでみた。「女は共感の生き物」――。この表現、良く耳にするのではないだろうか。こんな具合で語られている。
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女性: 「実は、こんなことがあって、それについてこんな風に思ってて・・・」
男性: 「○○ちゃん、それってこうだよ、こうやったらいいと思う」

という風に、女性から悩み事を打ち明けられた(と思っている男性が)、状況を分析して解決策を答えると、間違いなくその女性に嫌われます。なぜなら、女性は「答え」を求めていないからです。女性は「共感」を求めているのです。だから、男性は女性の悩みに解決策を示してはいけません・・・。
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確かに、同じような話をいたるところで耳にするし、何より自分でも思い当たる事が、山のようにある(気がする、細かくは覚えていないが)。

だた、ここで疑問点が3つある。

1. 男性も、共感するのではないか?
2. なぜことさら、「女性は共感の生き物」という様な表現をするのか?

という、今回のテーマに沿った疑問が2つと、

3. で、実際のところ、女性から(特に、妻から)相談された時(相談されたと自分が思ってしまった時)何と答えるのが良いのだろうか?

という、身に迫った疑問である。

では、ひとつずつ見ていこう。

人間は共感する生き物であるのでは?

1. 男性も、共感するのではないか?

というのは、言い換えれば、

1’. 人間は、共感するのではないか?

というものだ。

では、この「1’. 人間は共感するのではないか」について考えてみたい。

ちょっとだけ、科学的な話を引用して恐縮だが、この話は、1996年ジャコモ・リッツォラッティ博士、レオナルド・フォガッシ博士、ヴィトーリオ・ガレーゼ博士による「ミラーニューロン」の発見に関係がある。このニューロンは、自分がある感情を抱いたときも、同じ感情を他の人が抱いていると思った時も活性化するというもので、共感を示すニューロンとされている。このニューロンは、集団をまとめていく上で必要な機能であり、よって人間の進化にとって不可欠なものと考えられている。しかも、これが特殊なニューロンというのではなく、多くのニューロンにもみられるのではないかという、より積極的な批判だってある。

どうだろう、まずは、「1’.人間は共感するのではないか」ということは、「YES」ということになるのではないだろうか。

だとすると、本質的な疑問は、次の

「2. なぜことさら、「女性は共感の生き物」という様な表現をするのか?」

ということになる。

なぜ、「女性は共感の生き物」と言われるのか?

まず、今回のテーマを男性に話すと、ほぼ全員が(実は、まだ否定されていないので、ひょっとすると「全員」なのかもしれないが)、同じような経験をしたことがあると答えてくれる。(??これって、男性が男性に「共感」を示している例??)

しかも、多くの場合、その後に悲しい話までついてくる。彼女に怒られた、泣かれた、フラれた、等々。

先にも書いたとおり、私だって山ほどある気がする。ただし、フラれた記憶はない(冷静に考えてみると、それが理由で「フラれた」とは気がつかないだけなのかもしれないが)。いつも怒られ、その後泣かれてしまうのだ。しかも、未だにどう対応すべきなのかという学習ができていないときている。

では、このテーマを女性に聞くと、どんな反応が返ってくるのだろうか?

本来は、一番身近な奥さんに聞くべきなのだろうが、なかなかそうはいかない事情があるので、いつものように、大学院の女性に聞いて見ることにした。

そうすると、意外な返事が返ってきた。それを少し紹介したい。いつものとおり、( )内は、私の心の声だ。

私: 女性が男性に相談事を持ちかけた時に、解決策を提示されると怒ってしまうという話を聞いたことがあると思うのですが、これについてどう思いますか?

女性H: 男性って、女性を下に見ている気がします。相談しても「そういうのはこうだから」という感じで言われるのですが、そこに上から目線というのを感じます。

女性W: 私は、解決策を言ってもらった方がいいです。でも、Kさんは久しぶりに会った女友達に泣かれたって言ってましたよ。ね、Kさん。

女性K: そうなんです。この前、相談というか会社の愚痴を話された時に、つい背中を押してあげる様な話をしたら、いきなり泣き出したんです、彼女。

(え~、女性でも、女性を泣かせてしまうことがあるんだ・・・・というか、解決策を提示することがあるんだ)

私: どんな話だったのですか?

女性K: 今の勤め先での不満だったんです。最初は、「そう、それは大変なんだね」という風に聞いていたんですが、途中で背中を押してあげるように「大丈夫だよ。前向きに取り組んでみたら」と言ったら、急にティシュを目に当てて泣き出してしまって。多分、気持ちがいっぱい・いっぱいになっていたんだと思います。

(あ、やっぱり女性って、溜めるんだ-第3回「・・・溜めるんだ」-)

私: 女性同士でも起こるんですね。

(実は、あまりの驚きで、頭が回ってない)

女性K: でも、私も、自分の彼氏とだったら、愚痴を聞いてほしい時があるかも。「そうだよね」って肯定してほしいかも

私: 女性同志の時とどう違うんだろう。

女性W: 私だったら、まずは、いろんな事を質問します。どんな状況だったのとか。

私: どういうこと?

女性W: まずは、相手の状況を理解したうえで、愚痴を聞くというか、相談に乗るというか。それに比べると、男性はいきなり「こうなんじゃない?」と答えるので、ダメなのだと思います。

(そ、それだ!)

今回3人の方に話を伺い、少し分かった気になった。

1つ目は、女性同志でも、相談を持ちかけられた時に、答えを返してしまい失敗することがあるのだということ。2つ目は、相手の状況を理解することが重要なのだということ。3つ目は、女性が怒るのは、男性の答えに「上から目線」とか「一般論で話す」「私(女性側)の事情を無視している」感じを受け取るからではないか。

実は、3人の話をその場面を想像しながら聞いていたのだが、「そういうことはこうなんだよ」なんて言われると、男女に関係なく「こいつ、話に興味ないだろう」とか「エラそうに」なんて感じるだろうな・・・と思ってしまったのです。

(これって、「共感」していることだ!)

やはり、男性も「共感」する能力があるのだと思うが、その能力を発揮しないで、いきなり論理的に(あるいは、適当に)解決策を提示するので、女性が怒ってしまうという、当然のことが起きているだけなのではないか。しかもそこには、男女差は無い。なぜなら、女性同志でも起こることが考えられるからだ。

(ごめんなさい、Kさん。あなたの場合がそうだという訳ではないです。)

そう考えると、「女性は共感の生き物だ」というのは、実は「普段、女性との会話に“共感”の能力を使わない男性への警告」という意味合いがあるのではないだろうか。それはある意味、「男性のプライドを傷つけないようにという女性への警告」としての「男はプライドの生き物」と同じようなものだ。

そうすると、重要なのは、如何にして防ぐかということで、最後の疑問「で、実際のところ、女性から(特に、妻から)相談された時(相談されたと自分が思ってしまった時)何と答えるのが良いのだろうか」について考えて見ることにしよう。

女性から相談された時、何と答えるのが良いのだろうか?

ここでは、問題解決の手法を活用しよう。まずは、何を解決しなくてはならないのかを整理してみよう。今回想定しているのは、こんな順番で発生する事象だ。

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STEP 1: 男性が、女性から相談を持ちかけられる「相談伺い」
STEP 2: 男性は、女性の相談に乗ることを同意する「同意」
STEP 3: 女性が相談事を話す「相談開始」
STEP 4: 男性が、相談事に対する回答を話す「解決策呈示」
STEP 5: 女性が怒り出す「怒り」

まずは、STEP 1「相談伺い」は問題とは扱わない。理由は、女性であれ男性であれ、人に相談を持ちかけることはあるはずだから。次に、STEP 2「同意」は、STEP 3「相談開始」が続くのであれば、まだこの時点では問題にならない。

もし、STEP 3「相談開始」が来ずに(よってSTEP 4「解決策呈示」も来ないことになる)いきなりSTEP 5「怒り」に行く場合は問題となる。

STEP 4「解決策呈示」は、その後のSTEP 5「怒り」が続くと考えているので、当然問題となる。

そうすると、2つの可能性としては、

・STEP 2「同意」を示した時点
・STEP 3「解決策呈示」の時点

を想定してみる。

まず、STEP 2「同意」を示した時点で怒りだす時ってどういう時だろうか?例えばこんな感じだ。

女性:「実は、相談したい事があるんだけど、聞いてくれる」(STEP 1)
男性:「いいよ」(STEP 2)
女性:「何よ!その言い方!」(STEP 5)

これはどうにも奇妙な感じがする。というのは、普通に考えると、「いやだ」と拒否した場合に、怒りだすのなら分かる。こんな感じだ。

女性:「実は、相談したい事があるんだけど、聞いてくれる」(STEP 1)
男性:「いやだよ」(STEP 2に進まず)
女性:「何よ!その言い方!」(STEP 5)

これなら、納得がいく。

「いいよ」と同意している場合は、その答えが原因ではないはずだ。だとすると、男性の答え方・言葉づかい・声のトーン・態度等に問題があるのではないか?例えば、うわの空で答えるとか、嫌々答える等だ。これなら、理解できる。

次の、STEP 3「解決策呈示」の時点で怒られるというのはどうだろうか?

人が質問する時は大きく3つのパターンに分かれるはずだ。

(1)自分は答えをもっていない場合(例えば、学校で生徒が教師に質問するイメージ)
(2)自分にはなんとなくの答えがあるのだが、その答えに自信が無い場合(例えば、占い師に占ってもらっているイメージ)
(3)答えなどどうでもよく、話のきっかけを作りたいだけ

まずは、(1)の「自分が答えをもっていない場合」は、普通は怒る筋合いではないはずだ。

これで怒られるとしたら、STEP 2「同意」を示した時点で怒りだす時と同じく、答えに原因があるのではなく、男性の答え方・言葉づかい・声のトーン・態度等に問題があるのではないか?

次に(2)「自分は答えをもっているが自信が無い」時だ。この場合、想定される男性側の答えは、「自分と思っていた通りの答え」になるか「自分とは異なる答え」の2通りある。「自分とは異なる答え」の場合は、怒られる可能性がありそうだ。要は、自分自身を否定されたと感じさせてしまった場合だ。この場合は、男性側が、相手の考えていた答えを先に聞きだすとか、相手の答えも尊重するという姿勢を見せれば、その後の悲劇を防ぐことができる気がする。

一方で「自分と思っていた通りの答え」の場合はどうだろうか。普通は、怒りそうではないのだが、それでも怒るとしたら、

・自分はさんざん悩んで思いついた答えなのに、なぜそんなに簡単に思いつくのか。悔しい!
・話をちょっとしか聞いていないのに、答えるなんて、薄っぺらい感じがする。いい加減なこと言わないで!

といった具合だろうか。最初の「悔しい!」であれば、怒られても対処ができる。彼女がさんざん考えた末の答えなら、合っている確率が高いのだし、そもそも同じ意見なので、本気で怒る訳にはいかないだろう。

ところが、後の「いい加減なこと言わないで!」は、ちょっと違ってくる。この状態は、危険な匂いがする。というのは、これをきっかけに、過去の話まで持ち出されそうな気がするからだ。(詳しくは、「第3回・・・溜めるんだ」を参照してください)

(3)「答えなどどうでもよい」の場合は、明らかに「答え」を提示するだけでは、足りないということになる。要は、そこから話が続かなくてはならないからだ。もし、男性側が、「答え」ることで話を打ち切ったり、あるいはその素振りを見せたりしたら、もう後は大変なことになりそうである。

となると、共通しているのは、「答えそのもの」の問題ではなく、相談相手として選ばれた男性側の、相談を受ける態度・姿勢に怒っているという事になるのではないか。

だとすれば、前述の

「女性W: 私だったら、まずは、いろんな事を質問します。どんな状況だったのとか。」

の意味が理解できる。
であればさらに、

「女性H: 男性って、女性を下に見ている気がします。」

というのが加わるとすれば、これは確実にアウトだろう。

男性諸君!「答え」が問題なのではない。そこに至るまでの過程が重要という事になる訳だ!

仮説18: 女性が相談をしてきた時は、まずはじっくり話を聞く必要がある

なんとなく、身に迫った危険が遠のいていく気がする。

ぜひ、実地で試してみたい。

(心の中の)K女史: 奥さんに試してみたらいかがですか?

・・・やっぱり、別のところで訓練してからにします・・・・

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