男はプライドの生き物? 

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理系、戦略コンサル出身。ビジネススクールでは論理思考を教える“男性脳”の筆者が、摩訶不思議な存在である女性と女性の脳を観察、分析するコラム第8回のテーマは、男性に関する疑問。本当に、男性はプライドの生き物なのか?

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前回(第7回「生まれ変わった時のパートナーは?)については、女性よりも男性からのフィードバックが多かった。「自分は多数派です」(=今のパートナーを選びます)「ありがとうという言葉が大切なのですね」「努力します」等々・・・。このコラムを書き始めて初めて「同志よ!君らも悩んでいたのだね」という気持ちになりました。

ということで、今回も「男性」を意識したテーマを選んでみました。それは、こんな話を耳にしたからです。

女性Y: “男ってプライドの生き物”“女は共感の生き物”って言うじゃないですか・・ですから・・・

(女性だってプライド高いだろうに・・・これって、変な言葉だな・・・・でも、確かにどこかで聞いたことのある言葉だな・・・)。

実は、本コラム開始のきっかけとなった過去の対談でも、「男のプライド」に関する会話があった。言い忘れたが、いつものように( )内は、私の心の声だ。

女性A: 男性は踏んではいけない地雷を持っている生き物。男性のプライド、特に過去の仕事の栄光みたいなところっていうのは絶対に踏んじゃいけない。日頃どんなに仲良くても、その地雷踏んだら一発でアウト。

(確かに、「男のプライドは、踏んではいけない地雷」という構図については、他でも聞いたことがある)

この後も、結構強烈な話が続いていく・・・。

女性A: すごく頭も良くてすごくきれいな美人マネージャーが、“俺は凄く出来る男だ”っていう感じの男性に向かって、「男の人って、仕事が出来ないのは論外だけど、モテないと哀れよね」と言った事があった。その男性は、“自分は仕事出来る人間だ”というプライドを持っていた方なのに、そちらのプライドだけでなく、男性としての魅力の方も「哀れ」の一言で一笑に付されてしまったんです。その男性、涙目になっていましたよ。

(怖すぎ・・・)

女性A: ところが、男性って、女性の部下にとやかく言われる場合は一切怒らない様に見える。その上「うちの子はすごく優秀でさ、俺に対してコゴトを言ってきたりして」って余裕で話したりするし。でも、女性の上司からコゴトを言われるのはダメ。下から言われるのは嫌いじゃないけど、上から言われるは嫌い。

(それ、分かる気がする)

女性I: そうですよね。男性の部下って、同じコゴトを言ったとしても、私の言うこと聞かないですよね。男性のマネージャーの時なら聞くのに。

(それも、ありそう!)

女性Y: 言われていることは一緒でも、“どの角度から言われているか-上からかor下からか-”っていうことを気にしている気がする。

(上手い事言うな・・・)

溜田: 以前勤めていた会社に、大変優秀な女性のマネージャーがいた。その彼女から怒られた男性の部下が、彼女の部屋から出て行った直後に、そこにあった机を蹴っていたっていうシーンを見たことがあるんだ。

女性A: やっぱり“女のくせに”っていう気持ちが男性の中にはあるのだと思う。

(自分はそう思ったことないけど・・・)

女性K: 男性の方が目的志向と言ったところがあるから、女性上司からの指摘でも、自分の仕事が成功するのだったら、そういった感情を飲みこんで我慢するんだと思っていました。でも、今の話を聞いていると逆ですね。

(そうだよね・・・)

女性A: いや、やっぱり目的志向なんだと思う。ただし、自分のプライドが保たれているかというのが、より重要な目的なんじゃないかと。

(やはり、プライドが大事なのか・・・って大事に決まっている・・・だが、なんか変な感じがする・・・そんなにプライドって傷つきやすいもものなのか???)

ここで、一旦中断し、話されているポイントを整理してみたい。要約すると、こう言えるのではないか。

仮説16 男は、自分のプライドを女性から傷つけられた場合、(男性から傷つけられるよりも余計に)傷が深くなる

言い換えると、「自分より立場的に上にいる女性に、自分のプライドを傷つけられた場合、男性は、机を蹴りたくなるほどに傷ついてしまう」ということであり、だからこそ「女性側は、男性のその部分に気をつけないと、地雷を踏んでしまうよ」となる。

多くの場合、物事には裏側があるものだから、多分以下の事も言えそう。

仮説17 男は、女性からプライドをくすぐられると、大変喜ぶ

だから、「プライド」をうまく利用すれば、女性は男性を操作できる。すなわちこれが、巷で“男はプライドの生き物”と言われている所以なのではないか。

・・・・でも、なんかピンとこない。

「プライド」って何だ?

まずそもそも“男はプライドの生き物”という言葉に違和感を覚えてしまう。何故なら、女性だってプライドを持っているからだ(しかも、それを傷つけたら、地雷どころの騒ぎではない気がする・・・というか、そう確信している)。この女性がプライドを持っていることについては、証明するまでもない。でも、話の流れから強いてあげるなら、(かつ、少し古い話で恐縮だが)歌手の今井美樹の代表作の一つ『PRIDE』という曲の中に「今は恋人を愛することが私自身のプライド・・・」という歌詞があるが、これは明らかに女性のプライドの話だろう。

・・・とここまで書いて、ちょっと気がついたことがある・・・・。

“男はプライドの生き物”という時の「プライド」の意味って、私の想定している「プライド」とは異なるのではないか?

なんとなくだが、そこには少なくとも以下の2種類の意味の「プライド」がある気がする。

ひとつは、

●矜持としての「プライド」:
自分の心の内に秘めた“自分のあるべき姿”であり、それは、自分の中で完結している。だから定義上、他人からとやかく言われても傷つくこといがない。

こちらが私の想定している「プライド」であり、残るもうひとつは、

●くすぐられると喜ぶ「プライド」
“他人に認められたい自分の姿”であり、他人の目があって初めて成立する。だから定義上、それを否定されると、傷ついてしまう。さらにそういう自分の姿は、往々にして自分の実際の姿よりも少々誇張されていることが多い。だからこそ、逆にそれを認められると、余計に舞い上がってしまう。多分こっちの方が、"男はプライドの生き物“で言われている「プライド」だ。

今までの話は、全てこの“くすぐられると喜ぶ「プライド」”の考えなのではないか。そこでもう一度この定義に沿って先の仮説を吟味してみよう。

例えば、

仮説16 男は、自分のプライドを女性から傷つけられた場合、(男性から傷つけられるよりも余計に)傷が深くなる。
は、
仮説16(再解釈):男は“女性から認められたい自分の姿”という“くすぐられると喜ぶ「プライド」”を持っている。それだからこそ、女性に認められなかったり、否定されたりすると、傷ついてしまう。

どうだろう。なんとなく当たっていそうな気がするではないか。

もうひとつ、「“どの角度から言われているか -上からかor下からか- ”っていうことを気にしている」というのはどうなるのか。もう少し噛み砕いて言うと、

・何故、女性の上司から注意されると、机を蹴りたくなるのか?
・何故、部下の女性から注意されると、傷ついていないように振舞うのか?

というやつだ。

どの角度から言われているかのか?!

ヒントになる話は、いつもこのコラムで引用するインタビューの中でも語られていた。

女性Y: 男性は、会社に入ったら、会社の組織図の中で生きている-その組織図の中で、自分がどの辺にいるかっていう位置づけを常に意識している-のだと思います。だから、周りを見て、“あいつは敵なのか味方なのか”を見極め、どうやって上に登っていくかを考えている様に見える。逆に、女性は、あんまりその組織図で自分の生態系を捉えるなんてことは無いと思うんです。私自身、そういう風に捉えてこなかったですし。

要は、「男は組織の中の上下関係を常に意識して生きている」と言っている訳だ。

この点は、なんとなく納得できるものがあるので、ここで、新たな仮説を置いてみたい。
仮説17 男性は、他人との位置関係を強く意識している。上位者には従い、下位者は優位性を保とうとする
だ。

この仮説に立つ場合だと、

(1) 自分より上位の人間に、“くすぐられると喜ぶ「プライド」”を傷つけられた場合:
傷ついてしまうのだが、相手が上位の人間なので、グッとこらえる。あるいは、敢えて傷ついた所を見せて相手に従う姿勢を見せる

(2) 自分より同等か下位の人間に、“くすぐられると喜ぶ「プライド」”を傷つけられた場合:
やはり傷つくのだが、相手に傷ついた姿を見せないために、グッとこらえる。或いは、優位性が脅かされたと感じる場合には、逆に報復する

ということが言えそうだ。

こうなると「何故、部下の女性から注意されると、傷ついていないように振舞うのか?」の答えは単純だ。要は、

・女性の部下は自分より下位の人間なので、実は本人は傷ついてしまうのだが、そこは見栄を張って、相手に傷ついた姿を見せない。さらに、周りにも傷ついてない風を装う

ということになる。

一方で「何故、女性の上司から注意されると、机を蹴りたくなるのか?」の答えは複雑なものになる。すなわち、

・女性の上司は自分より上位の人間なので、実は本人は傷ついてしまうのだが、相手の前では、我慢して傷ついた様子は見せない。あるいは、敢えて傷ついた所を見せて相手に従う姿勢を見せる

はずなのだ。だから、その状態で留まれば、机を蹴ることはないはずなのだ。ところが、机を蹴るという男性の心の中では、

・「女のくせに」という気持ち(=女性は本来は自分と同等か下位にいるべき存在だという意識)が消えないが、組織的には上位者なので手が(足も?)出せない

・そこで、机(=自分より下位の存在)を蹴ることで、かろうじて内心の優位性を保とうとする

という複雑な心理が存在しているのではないか。

ここまで考えると、何となく可哀そうになってくる。なぜなら、結局傷ついているからだ。ただ、女性を下に見るという点は、同意できないが・・・

やはり、男性はプライドの生き物らしい

“くすぐられると喜ぶ「プライド」”なんてものは、そもそも虚構なので傷つけられやすいものだし、かつ、男性が上下関係を意識しながら生きているとするならば、上からも下からも常に傷つけられる世の中で生きていくことになる・・・のではないか。

だからこそ、家庭に帰ったり、恋人に会ったりしている時に、“くすぐられると喜ぶ「プライド」”を傷つけられると、過剰に反応するように見えてしまうのではないか。なぜなら、傷つけた相手は、男性の「プライド」をちょっとしか傷つけていないつもりだから。

さらに、それとは逆に“くすぐられると喜ぶ「プライド」”をくすぐられると、当の男性は“砂漠でオアシス”的な喜びを感じてしまうのではないか。だから、女性から見ると、その「プライド」をうまく活用することが出来るのではないか。

これが“男はプライドの生き物”と言われている本当の意味なのではないか。

一方で、なぜ女性は「プライドの生き物」って言われないのだろうか。仮に上下関係を意識しては生きていないとしても、“くすぐられると喜ぶ「プライド」”は傷つけられる可能性なら、男性と同じくらいあるのではないか。

或いは、女性の方が内心を隠す術に長けていて男性が気が付かないだけなのか、また同じ理由から男性がこれを活用できるほど、女性は単純には反応しないからだろうか・・・・やはり難問だ・・・。

唯一つ明らかになったのは、「男は、なんと悲しい生き物なのだろうか」と言うことだ。・・・なんか泣けてきた・・・。

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ね、だから妻にも元編集長K女史に言いたい。優しくしてほしいと・・・。

(心の中の)K女史: ところで、今回は女性の事、何にも分析していないですよね・・・。

・・・厳しい。

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