1000年変わらなかった教育業界が、今熱い! 

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<今回のポイント>
◆オンライン化、デジタル化によるイノベーションが「1000年変わってこなかった教育業界」を揺るがしている
◆教育とITを掛け合わせた「EdTech」(エドテック)は、百花繚乱の最注目領域である

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もはや言うまでもない話ですが、「オンライン化」「デジタル化」によるイノベーションは、我々の身の回りにある多くの業界のルールを変えてきました。オンラインショッピング、新聞や書籍の電子化、音楽のダウンロードサービス・・・。この手のことは枚挙に暇がありません。そしてそれに伴い、我々の生き方、ビジネスのあり方も少なからぬ影響を受けてきました。

そして、今、オンライン化やデジタル化によって大きな変化を遂げつつある業界があります。それは「教育業界」です。「教育はこの1000年、変わってこなかった」というのは、後に述べるオンライン教育のプラットフォーム「Udacity」のボードメンバーであるピーター・レビーン氏の言葉です。1000年かどうかは置いておくとしても、長らく教育のモデルは変わっていないことは感じ取ることはできるでしょう。教室という決められた場に生徒が集まり、教師が教科書などの教材を使いながら教える。もちろん、黒板が電子ボードになったことや、教科書が電子化されつつある、というような変化は起きています。しかし、その根本のモデルはほとんど変わってこなかった、といっても過言ではありません。

ところが、その教育業界においても、ここにきて変化が顕在化しつつあります。

MOOC(Massive Online Open Courses=大規模オンライン公開講座/ムーク)と呼ばれる学習形式の台頭がその分かりやすい例かもしれません。もしくは、MOOCを含めた、教育にITを掛け合わせた「EdTech」(エドテック)と呼ばれる新たなサービス領域は今や百花繚乱であり、医療×ITや、環境×ITなどと並ぶ注目領域の1つです。

(グロービス経営大学院も、教育の当事者として、2014年10月に「グロービス・オンラインMBA」というプログラムを立ち上げ、オンラインを通じた社会人教育に踏み出しました。そのあたりの話は改めて整理します)

さて、この「教育×IT」の領域ですが、ここは勃興期特有の「グチャグチャ感」が満載で、実に整理しにくいフィールドになっています。私も「教育×IT」の当事者の端くれとして、メディアの方からの取材などで「オンライン教育についての全体像」なんてことを聞かれることがあるのですが、正直どこからどう語ったらいいのか分かりません。いわゆる「バズワード」(はやり言葉)を並べてごまかすことはできても、本質的な部分まではとてもじゃないけど語ることはできない、というのが正直なところです。私がグロービス経営大学院における経営戦略の講師として教壇に立つときは、受講生に対して「市場の定義をしろ」だとか「業界特性を考え抜け」なんて言っているわけです。自分のことは棚に上げて・・・。その帰り道に我が身を反省しています。

・・・と、そのような泣き言ばかり語っていても仕方ないので、今回のこのコラムでは、その語りがたい業界の概要を、あえてちょっと背伸びしながら語ってみよう、という試みになります。

ここで簡単に自己紹介をしておきます。

私自身は2つの顔を持っています。1つは「教える」という顔。つまり、先に述べたように、経営大学院で「経営戦略」や「論理思考」といった領域について教鞭を執る立場というもの。そしてもう1つが、この「教育×IT」ビジネスの当事者という顔。つまり、先程述べたオンラインMBAをけん引する責任者ということです。

最前線でビジネスを追いかけながら、もう一方の脳みそで、そこから普遍的に見えてくる戦略的なレッスンを紡ぎ出していく、というちょっと変わった立場と言えるかも知れません。この連載では、そのような私自身のユニークな立ち位置をベースに見解をまとめていこうと思っています。

コラム自体は、オンライン教育のこれまでの経緯を振り返りつつ、最終的にはオンライン教育は今後どうなっていくのか、ということに対する私自身の考えをまとめます。

今後の話については、本来客観性を持った話をしなくてはならないパートだと思いますが、私自身、当事者としてこのビジネスを見ているので、おそらくやや偏った話になろうかと思います。ポジショントーク、というものも多少入るのではないかと思います。

そんな意味で、業界における当事者の1人が内部からどう見ているのか、という程度の理解で楽しんでもらえればこちらも安心です。裾野が広い業界なので、まったく違う角度からアプローチして、まったく違った世界観を持っている人もいるでしょう。そういう方は、ぜひともご意見をいただければ幸いです。私自身、この連載を書くことによって、自分自身の知見を広げたい、という思いを持っています。

いずれにしても、教育という領域は、多くの人が関心を持つ領域であることは間違いないでしょう。このコラムをきっかけに、1人でも多くの人が「教育×IT」ということの現状とその可能性について思いを馳せていただければと思っています。

それではこれからの連載、ぜひ楽しんでください。

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