自身と正面から向き合う 

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前回に引き続き、今回もキャリアについて考えていこう。キャリアを考えるとは、これまでの人生、そして今後の人生そのものを考えることである、と前回述べた。そうなると様々な視点から、自分自身のキャリアを見つめ、考えていくということが重要になる。

例えば我々には【1.仕事人】、【2.誰かのパートナー】、【3.息子,娘】、【4.父親,母親】、【5.社会人(会社以外の社会との関わり)という役割】がある。

どのように重きを置き、どう選択をしていくかは、もちろん個々人の判断によるため、一概に全ての役割が発生するとはいえない。しかし、これらの役割が時間の経過と共に変化しながら、自らのキャリアを決定していくのを理解しておくのはとても重要だ。各役割の視点から自分のキャリア(人生)を考えていく際のポイントを見ていこう。

【1. 仕事人としての役割】
一般的にキャリアという言葉から想起される、「労働の対価として給料をもらう人」の役割を指す。仕事こそ生きがいで、人生で最も大切なものと位置づける人もいれば、そうでない人もいる。

考えや価値観により、どんな仕事に就くのか、仕事に何を求めるのかという考えも大きく異なる。真の意味でキャリアを考える上で、自分の大切にする価値観にあった職業選択をすることが最も大切になる。

【2. 誰かのパートナーとしての役割】
結婚するしないに関わらず、ある時間を共に過ごすパートナーから期待される役割を指す。子供や親、親戚との付き合いなどを含め、育ってきた環境によってその期待が大きく異なるうえ、時間の経過やパートナーの置かれた状況により大きく変化する可能性がある。時々、十分に確認、理解しておくことが大切だ。

【3. 息子、娘としての役割】
自分自身の親との関係は時間と共に大きく変化する。親は確実に年上で、介護が必要になるかもしれない。故郷に帰らなければならないといった状況も発生する。早い時期から何が起きうるのかを現実的に考えてキャリアプランを考えることが大切だ。

【4. 父親、母親としての役割】
配偶者との間に子供を持つかどうかは大きな意思決定となる。出産する女性だけでなく、男性にとっても、配偶者が継続して働くか否か、父親として、などそれまでと全く異なる役割が発生することを具体的によく理解する必要がある。

【5. 社会人(会社以外の社会との関わり)としての役割】
仕事以外で社会とどう関わっていくかも、今後は大きな意味を持つ可能性が高い。地域活動、NPO活動など様々な選択肢が存在する。しかし、定年後にいきなりNPO活動に関与したいと思っても、人脈がない、専門性がないなどの理由で思うように活動ができない場合も少なくない。生涯現役で頑張りたいという人は早めの能力開発などの計画性が求められる。

前回示したような「自分がやりたいこと」×「自分ができること」×「経済的に成立すること」が交わった部分で考える方法や、今回の「立場から考える方法」など、キャリアに関する視点は様々だ。そのために、キャリアを考えるということは、とても難しい作業になる。

最も大切なのは「一度しかない自分の人生を考えることから逃げずに考えきる」という姿勢だ。ある年齢に達した時に、ああしておけばよかった、こうしておけばよかったとならないように、ぜひ、自身と向き合ってみていただきたい。

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※この記事は日本経済新聞2013年12月11日に掲載されたものです。
(Cover photo: shutterstock / Ismagilov)

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