最速組織の作り方 

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インターネットの普及、急速な技術革新、そして、柔軟性を増したビジネスモデルは、猛スピードで変化し続けるビジネス環境をもたらした。

この加速した世界で生き残るために、「組織」は素早く動く術を身に付けなければならない。コミュニケーション、意思決定、共同作業、製品・サービスの提供のすべてを、これまでよりも迅速に行う必要がある。スピードが不可欠なのだ。

グロービスでは、自社と他社のベストプラクティスとをじっくり検討した末に、よりスピーディな組織になるための5つの基本方針を打ち立てた。

1. 24時間返信ルール

グロービスでは、すべての電子メールに24時間(または1営業日)以内に返信しなければならないというルールを採用している。24時間を過ぎても返信がなければ、送信者は相手がメールの内容に同意したとみなして構わない。メールを大人数に同報すると、この24時間ルールによって全当事者間での議論が加速し、その結果、数日あるいは数週間も長引くこともある問題が1日で片付いてしまう。

このルールは、孫正義氏が率いる通信・インターネット会社のソフトバンクからヒントを得たものだ。ただし、ソフトバンクの場合は48時間ルールだから、それを文字通り2倍加速させたことになる。

2. フロアを直結する内階段、ノー・パーティション

グロービスでは、大きなオフィスビルを数フロアにわたって借りている。ビルのエレベーターと階段を使うには、セキュリティ付きのドアを出て廊下を通らなければならない。そこで、他のフロアにいる同僚のところへ出向いて直接話をするのにかかる時間と手間を省くために、「内階段」を増設した。費用はかなりかかったが、自由かつ手軽な社内コミュニケーションがもたらすメリットは、それに見合うだけの価値がある。

社内コミュニケーションをさらに促進するために、パーティションは取り払い、個室もなくした。僕は他のみんなと同じ部屋で机を並べている。だから、誰もがいつでも僕に会いに来ることができるし、僕も「現場を歩き回る経営」ができる。このアイデアは、金融データ会社であるブルームバーグのオープンプラン型オフィスを訪れた際に得たものだ(ブルームバーグのスタイルのうち、ガラス張りの会議室は採用しなかった。会議の参加者全員、気が散ってしまうに違いないからだ)。

3. 印鑑無用

日本企業のほとんどは、稟議書を回してすべての関係部門の長に判子を押させるという、昔ながらのお役所的な承認プロセスをいまだに採用している。これは、時間泥棒として悪名高いシステムだ。僕は大手商社に勤務していた20代の頃、このシステムが大嫌いだった。だから、1992年に自分の会社を立ち上げた際は、あえて印鑑を使わないと決めた。実際、これまで一度も使っていない。

4. 担々麺の罰

グロービスでは、あらゆる会議を時間通りに開始・終了させなければならない。予定よりも遅く始まり、終わりが見えないままにダラダラと続く会議ほど、士気を削ぐものはない。裏を返せば、てきぱきとスムーズに進行し、即座に具体的な結果が出る会議ほど、意欲を引き出すものはないということだ。グロービスのベンチャーキャピタル事業では、会議に遅刻した場合は他の参加者全員にスパイシーな担々麺のランチをおごらなければならないというルールを設けている。このルールにはどうやら、かなりの遅刻防止効果があるようだ。

5. 価値観の共有とゴールの明確化

この最後の項目は言わずもがなとはいえ、やはり重要なことだ。

意思決定を迅速に行うためには、組織の全員が同じコアバリューに沿って思考し、行動している必要がある。グロービスでは、自社のビジョン、ミッション、価値観をわかりやすく説明したスタッフブックを用意している。そうすることで、全員が最初から同じ方向を向くようにしているのだ。

グロービスではまた、四半期ごとに上司と部下による二者面談を実施し、KPI(Key Performance Indicators、業績評価指標)、ゴールや目標について話し合うようにしている。この二者面談のおかげで、組織の誰もが今後3カ月間に自分が具体的に何をすべきなのかをはっきりと理解している。ここでもまた、全員の足並みがミクロ的にもマクロ的にも揃っているわけである。

以上が、組織のスピードアップを目指してグロービスで採用した5つの重要なアプローチだ。

もしかしたら、少々突飛な寄せ集めといった印象を受けるかもしれないが、効果は確実にあった。

あなたは自分の組織のスピードを上げるためにどんなことをしているだろうか。アイデアがあればぜひ聞かせてほしい。誰かのアイデアでも、それに手を加えたものでも、もちろんオリジナルでも大歓迎だ。

何と言っても、さまざまなアイデアに進んで耳を傾けることこそが、スピーディで適応力のある組織を築くための第一歩なのだから。
この記事は、2014年10月14日にLinkedInに寄稿した英文を和訳したものです。

(Cover photo: Ollyy/ shutterstock)

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