「善」  田久保善彦 

2015年「この1字」
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グロービスのマネジメントチーム・メンバーが選ぶ2015年の1字。(書: 藤井亜希子)

2500年近く前、哲人プラトンは「真・善・美」について語ったという。日本の弓道界は最高目標として「真・善・美」が掲げている。私は、2015年を表す言葉としてこの3つの中から「善」を取り上げてみたい。

東日本大震災後、日本人の価値観が変わったと言われている。私も何度となく東北に行く中で多くの方々に出会い、そのような実感が確かにある。

経済的価値を追い求める価値観から、より本質的な、根源的なものを希求する価値観が広まる状況の中で、企業のリーダー層は、「何の為に働くのか(もっと言えば、何の為に生きるのか)」「自社は何の為に存在するのか」「どんな価値観で何を大切に経営をしていくのか」「本当に大切なものは何なのか」。そんな根本的な問いに答えなければならない時代に入ったのだろう。

実際にCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)経営といわれる、社会問題をビジネスで解決する経営が注目され、ネスレやGEの取り組み事例をはじめ、日本企業でも住友化学がマラリア対策の蚊帳を開発、安価で販売するなど、世の中にとって「善なるビジネス」の先鞭を付けるような実践例が出てきている。

将来を占うという意味で、若者に目を向けて見ると、米国の有名大学の大学生の人気就職先のベスト10に複数のNPOがランキングされる時代となっている。日本に於いても、私自信、大学卒業後の就職先としてNPOをどう考えるかという質問を数多く受けるようになった。また、多くの社会起業家が輩出され、優秀な若者の関心も社会貢献性の高いビジネスなどに向いている。

勿論、ビジネスの大前提は収益を上げること。これなくして、組織が継続することはないが、より「社会貢献」や「善の追求」といった価値観に基づく経営が評価され、多くの企業がそのような方向に少しづつでも舵を切る、そんな年に2015年がなることを期待したい。

 

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