前田琢磨(アーサー・ディ・リトル・ジャパン プリンシパル 連載「ワイン片手に経営論」著者)
『考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』 イビチャ・オシム・著 角川書店・刊
2010年W杯サッカー南ア大会開催の2カ月前に刊行。元日本代表監督のオシム氏は、その後の展開を予言するかのように、「グループリーグを突破できる」「岡田監督は辞任すべきでない」「組織に必要なのは『規律』と『創造性』」とことごとく核心をついている。各国チームを分析しつつ、日本サッカーの戦略を語る至言に満ちた書。
『アップルだけがなぜ売れる!? iPhone,iPadだけじゃない。』竹内薫、神尾寿・著 ヒカルランド・刊
今年は、日本の此処彼処で、「なぜ日本企業はiPodや iPhoneを出せなかったのか」という議論がなされたのではないか。様々な論点があるが、長年のアップルファンである竹内氏と神尾氏の議論は、非常に良くまとまっている。本書が指摘する、「Appleからの学び」と「日本メーカーとの違い」は、多くの日本メーカーにとって将来を考察するヒントとなるに違いない。
『まだ科学で解けない13の謎』 マイケル・ブルックス・著 草思社・刊
本来、クリティカル・シンキングの“批判”対象は、自己に潜む「前提」や「思い込み」だ。本書は現代科学理論で説明のつかない13の現象を紹介。現象が正しいとしたら現在の理論はどう修正されるべきか、そもそも現象を正しく観測できているのか。日頃の自身の前提批判力を問い直しつつ、科学の深遠さに引き込まれる一冊。
2010年W杯サッカー南ア大会開催の2カ月前に刊行。元日本代表監督のオシム氏は、その後の展開を予言するかのように、「グループリーグを突破できる」「岡田監督は辞任すべきでない」「組織に必要なのは『規律』と『創造性』」とことごとく核心をついている。各国チームを分析しつつ、日本サッカーの戦略を語る至言に満ちた書。
『アップルだけがなぜ売れる!? iPhone,iPadだけじゃない。』竹内薫、神尾寿・著 ヒカルランド・刊
今年は、日本の此処彼処で、「なぜ日本企業はiPodや iPhoneを出せなかったのか」という議論がなされたのではないか。様々な論点があるが、長年のアップルファンである竹内氏と神尾氏の議論は、非常に良くまとまっている。本書が指摘する、「Appleからの学び」と「日本メーカーとの違い」は、多くの日本メーカーにとって将来を考察するヒントとなるに違いない。
『まだ科学で解けない13の謎』 マイケル・ブルックス・著 草思社・刊
本来、クリティカル・シンキングの“批判”対象は、自己に潜む「前提」や「思い込み」だ。本書は現代科学理論で説明のつかない13の現象を紹介。現象が正しいとしたら現在の理論はどう修正されるべきか、そもそも現象を正しく観測できているのか。日頃の自身の前提批判力を問い直しつつ、科学の深遠さに引き込まれる一冊。
林恭子(グロービス経営大学院教員 連載「シネマで学ぶ組織論」著者)
『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」』 ダニエル・ピンク・著 講談社・刊
組織行動学や心理学で夫々に言われてきたことを新進気鋭のライター、ピンクが小気味良く言い切ってくれる。人がやる気に燃えるのは、飴と鞭を与えられるからだけではない。自分自身がそれをやりたいのか、内側から湧き出るものがあるのかどうか。この根源的な問いに、今の時代だからこそ立ち返ってみたい。
『U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』C オットー シャーマー・著 英治出版・刊
人生や自身の存在の意味を日常と少し違う視点から考えてみたい方にはお薦めの本。見えない未来を出現させるため、ロジックで考える次元から、感性、そして自分ですら明確には自覚していない自身の奥深い世界へと思考を深めていく方法論が展開されている。読んだ後、誰かと一緒に未来を考えたくなる一冊。
『だまされ上手が生き残る 入門 ! 進化心理学』 石川 幹人・著 光文社新書・刊
お正月休みに気軽に読める一冊。人間の体は母胎の中で進化の過程を全て経て今の形になるというが、脳にもはるか昔の進化の過程で学んだ情報が蓄積されている。私達が無意識のうちにしてしまう行動の数々が、ああ、そういうことだったんだと納得感をもって理解できる。
組織行動学や心理学で夫々に言われてきたことを新進気鋭のライター、ピンクが小気味良く言い切ってくれる。人がやる気に燃えるのは、飴と鞭を与えられるからだけではない。自分自身がそれをやりたいのか、内側から湧き出るものがあるのかどうか。この根源的な問いに、今の時代だからこそ立ち返ってみたい。
『U理論――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術』C オットー シャーマー・著 英治出版・刊
人生や自身の存在の意味を日常と少し違う視点から考えてみたい方にはお薦めの本。見えない未来を出現させるため、ロジックで考える次元から、感性、そして自分ですら明確には自覚していない自身の奥深い世界へと思考を深めていく方法論が展開されている。読んだ後、誰かと一緒に未来を考えたくなる一冊。
『だまされ上手が生き残る 入門 ! 進化心理学』 石川 幹人・著 光文社新書・刊
お正月休みに気軽に読める一冊。人間の体は母胎の中で進化の過程を全て経て今の形になるというが、脳にもはるか昔の進化の過程で学んだ情報が蓄積されている。私達が無意識のうちにしてしまう行動の数々が、ああ、そういうことだったんだと納得感をもって理解できる。
加藤小也香(GLOBIS.JP編集長)
『ぼくには数字が風景に見える』 ダニエル・タメット・著 講談社・刊
サヴァン症候群、アスペルガー症候群という二つの脳障害を携えて生きる青年が、自らの心と脳の動きを丹念に綴った美しい手記。数字の羅列が色や形を伴う風景にみえるという共感覚の持ち主でもある彼は、πの小数点以下2万2000桁以上を暗記しギネスブックに掲載され、また10カ国語をいとも簡単に習得する一方で、他人とのコミュニケーションに困難を抱え、ごく近しい人々との関係構築にも長い時間と多大な努力を払う。その姿に何か特別なものを感じつつ、しかしそれ以上に、共感する部分のほうが多く、では何をもってして「障害」と判ずるのか、単に多数決の論理で自分と違う個性を安易に切り捨てているだけではないかと、真の多様性について改めて考えさせられた1冊。
『仏典をよむ―死からはじまる仏教史』 末木文美士・著 新潮社・刊
釈尊の死を起点に、まずは「無量寿経」「法華経」「般若心経」などインドや中国で生まれたもの、そして、「即身成仏義」「教行信証」「正法眼蔵」など日本で生まれたものへと順に追いながら、仏典を読み解き、仏教精神の遍歴を深い思索と共に顕かにしていく。浄土、空、密教、禅など多彩な世界観の背景、意味を、どこまでも平易な言葉で理解させる筆者の知性に唸らされる。混迷の時代、グローバリゼーションの渦中にあって、日本人、アジア人としての精神的支柱を探すとき、その一つの答えが仏教思想の中にも見出せるように思う。その導入に最適な1冊としてお薦めしたい。
『人間の建設』 小林秀雄、岡潔・著 新潮文庫・刊
稀代の文芸評論家、そして、いまもって日本史上最高と評される数学者による、極めて貴重な“雑談”の記録。小林秀雄氏の全集の中から文庫本として2010年3月に切り出された。対談が行われたのは遡ること約50年の1965年。初対面の二人が、自然科学、芸術、酒、アインシュタイン、ドストエフスキー、非ユークリッド幾何学、プラトン、俳句と、凄まじい勢いで話題を転換させていく様子には、幾度読んでも興奮させられ、読むたびに新たな発見がある。いわゆる文系と理系の枠組みを超え、双方が「情緒」という言葉を接点に、ものごとを包括的に理解し、或いは、創造する人間の営みを奥深く語り合っていく。そこから垣間見える両者が根底に持つ知識の豊かさと、それを咀嚼し自らの思想、美意識に高める見事さに、自らもこの高みを目指したいと奮起させられる。
サヴァン症候群、アスペルガー症候群という二つの脳障害を携えて生きる青年が、自らの心と脳の動きを丹念に綴った美しい手記。数字の羅列が色や形を伴う風景にみえるという共感覚の持ち主でもある彼は、πの小数点以下2万2000桁以上を暗記しギネスブックに掲載され、また10カ国語をいとも簡単に習得する一方で、他人とのコミュニケーションに困難を抱え、ごく近しい人々との関係構築にも長い時間と多大な努力を払う。その姿に何か特別なものを感じつつ、しかしそれ以上に、共感する部分のほうが多く、では何をもってして「障害」と判ずるのか、単に多数決の論理で自分と違う個性を安易に切り捨てているだけではないかと、真の多様性について改めて考えさせられた1冊。
『仏典をよむ―死からはじまる仏教史』 末木文美士・著 新潮社・刊
釈尊の死を起点に、まずは「無量寿経」「法華経」「般若心経」などインドや中国で生まれたもの、そして、「即身成仏義」「教行信証」「正法眼蔵」など日本で生まれたものへと順に追いながら、仏典を読み解き、仏教精神の遍歴を深い思索と共に顕かにしていく。浄土、空、密教、禅など多彩な世界観の背景、意味を、どこまでも平易な言葉で理解させる筆者の知性に唸らされる。混迷の時代、グローバリゼーションの渦中にあって、日本人、アジア人としての精神的支柱を探すとき、その一つの答えが仏教思想の中にも見出せるように思う。その導入に最適な1冊としてお薦めしたい。
『人間の建設』 小林秀雄、岡潔・著 新潮文庫・刊
稀代の文芸評論家、そして、いまもって日本史上最高と評される数学者による、極めて貴重な“雑談”の記録。小林秀雄氏の全集の中から文庫本として2010年3月に切り出された。対談が行われたのは遡ること約50年の1965年。初対面の二人が、自然科学、芸術、酒、アインシュタイン、ドストエフスキー、非ユークリッド幾何学、プラトン、俳句と、凄まじい勢いで話題を転換させていく様子には、幾度読んでも興奮させられ、読むたびに新たな発見がある。いわゆる文系と理系の枠組みを超え、双方が「情緒」という言葉を接点に、ものごとを包括的に理解し、或いは、創造する人間の営みを奥深く語り合っていく。そこから垣間見える両者が根底に持つ知識の豊かさと、それを咀嚼し自らの思想、美意識に高める見事さに、自らもこの高みを目指したいと奮起させられる。




